カードローンの審査で信用情報を確認される、という話を耳にしたことはありませんか?
「信用情報って何?」
「どんな情報が記録されているのか調べることはできるの?」
などと心配になった方もいらっしゃるでしょう。
カードローンの審査を無事に通過する上で、信用情報に関する知識を身につけるのは大事なことです。
そこで今回は、カードローン審査における信用情報の基本的な知識から、注意しておきたいポイントなどを詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、信用情報を深く理解し、審査通過の手助けとなるので、ぜひ参考にしてください。
目次
カードローン審査における信用情報はとても重要
カードローン審査において信用情報はとても重要になります。
まずはそれを知るために、次の2点を解説します。
- 信用情報とは?
- 信用情報の役割
それでは詳しい内容をみてみましょう。
信用情報とは?
そもそも信用情報とは、どういうものなのでしょうか?
信用情報は、カードローンやクレジットカードといった「支払い」に関する信用取引情報のことをいいます。
具体例は次の3点。
- 契約状況(申込履歴、契約状況など)
- 支払状況(延滞、遅延、踏み倒しなど)
- 利用残高
記録される信用情報については下記の「信用情報機関に登録される情報」にて詳しく解説するので、そちらを参照してください。
カードローンは貸金業法という法律によって、審査の過程で信用情報を確認することが義務づけられています。
その理由については次の項目で詳しく説明しましょう。
信用情報の役割
カードローン審査で信用情報を確認しなくてはならない理由は大きく分けて2つが挙げられます。
- 多重債務を防ぐ
- 信用力を確かめる
多重債務とは、複数の借金がある状態のことでこれに当てはまる方を多重債務者と言います。
借金返済のために借金を繰り返す、自転車操業に陥るリスクが高く、その結果、自己破産や任意整理といった債務整理を行わざるを得ない状況に陥る可能性が高いです。
借金に追われると生活水準を著しく下げかねません。借金苦による自殺など、お金に関する様々な社会問題も取り上げられています。
そのためカードローンを始めとした金融機関の審査では、信用情報を確認することで、多重債務を見極め、未然に防げるようになる、というわけです。
またカードローンはきちんと返済してもらわないと会社側に利益が上がりません。
申込者の信用情報を確認すれば、過去の利用履歴が一目瞭然なので、お金を貸して問題ない信用に足る人物かどうかを知るために必要なのです。
日本の指定信用情報機関は3種類
信用情報は、管理されておりこれを管理している会社を「指定信用情報機関」と言います。
詳細は、次の3つになります。
- 全国銀行個人信用情報センター(JBA)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
この項目では、各信用情報機関について説明していきましょう。
全国銀行個人信用情報センター(JBA)
JBAは、信用情報機関のうちの1つで全銀協やKSCとも呼ばれています。
このJBAに加盟している主な金融機関は次の5つが挙げられます。
- 銀行
- 銀行系クレジットカード会社
- 農協
- 信用組合
- 信用金庫
銀行と同視される金融機関がメインになっていますね。
カードローンのみで見るなら銀行系は取り扱っていますが、消費者金融系のカードローンは取り扱っていません。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
1984年に設立された信用情報機関のひとつで加盟している主な金融機関は次の3つです。
- 消費者金融
- クレジットカード会社
- 割賦販売を行う会社(携帯電話会社など)
消費者金融およびクレジットカード会社はほぼすべてがCICに加盟しており、最も信用情報を取り扱う数が多い信用情報機関です。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
JICCは、2010年に貸金業法に基づく指定信用情報機関になりました。
加盟している金融機関は次の3つが挙げられます。
- 消費者金融
- 信販会社
- 銀行(地方銀行やネット銀行が多い)
なおJICCは、国内で唯一、全業態を網羅している信用情報機関として運営されているのが特徴です。
信用情報機関に登録される情報
ここからは信用情報機関に登録される、次の4つの情報について説明していきます。
- 申込みの情報
- 契約の情報
- 借入の情報
- 返済状況の情報
それでは詳細を見ていきましょう。
申込みの情報
カードローンやクレジットカードの審査に申込みをした、という情報のことです。
銀行、消費者金融のカードローンなどの審査に申込むと、各金融機関は信用情報機関に照会作業を行うと同時に、申込者の情報を記録します。
申込み情報は主に本人を特定する情報(氏名、生年月日、電話番号をなど)です。
これにより、誰がいつ、どの会社に申込んだのかが分かります。
契約の情報
どこの会社の、どういう商品と契約しているのか、に関する情報です。
記録される情報の一例は次の7つが挙げられます。
- 契約日
- 契約の種類
- 商品名
- 支払回数
- 契約額(極度額
- 契約終了予定日
- 登録会社名など
これにより、現在契約中の商品をすぐにチェック可能になります。
借入の情報
金融機関で借りるたびにいつ、いくら借り入れしたのか、借入に関する情報です。
主な内容は次の4点。
- 商品名
- 借入日
- 借入額
- 返済予定日など
借りるたびに記録されていきますので、これにより、他社借入状況を一目で確認できます。
返済状況の情報
返済期日までにきちんと返済できているのか、延滞していないか、いつ完済したのか、といった情報です。
具体的な内容は次の5つ。
- 入金日
- 入金予定日
- 残高金額
- 完済日
- 延滞日など
返済状況をチェックすれば、カードローンやクレジットカードを適切に利用できているのかを確かめられます。
知らないと危ない信用情報の傷
カードローンに関するサイトを閲覧すると「信用情報に傷がつくと審査に落ちる」といった表現を見かける機会があります。
では「信用情報の傷」とは一体どのような状況のことを言うのでしょうか。
ここではカードローン審査の前に知っておきたい、信用情報の傷に関する3つのポイントについて解説していきます。
- 信用情報に傷がつくという意味
- 事故情報が載るとローン審査に影響する
- 信用情報から事故の記録を消すことはできる?
それでは各ポイントの内容をみていきましょう。
信用情報に傷がつくという意味
まず信用情報に傷がつくとはどういうことなのか?
これは「信用情報に傷がつく=事故情報が記録された状態」の事を表しています。
俗称で「ブラックリスト」と表現されることも多いですが、実際にそのようなリストが存在するわけではありません。
事故情報とは、カードローンの利用で問題があった具体的な内容のこと。
つまり、過去に何かしらのトラブルを起こした場合に記録されます。
信用情報として取り扱われている、主な事故情報をまとめると次の表のとおりです。
種類 | 詳細 |
---|---|
延滞 | 2~3ヶ月以上にわたるローンの長期延滞 |
強制解約 | 長期延滞などが原因でカードローン会社から契約を強制的に解約されてしまうこと |
債務整理 | 裁判所を通さない借金減額の手続き |
代位弁済 | 返済不可になったとき「保証会社に立て替えてもらう」こと |
支払いの延滞から始まり、長期延滞、代位弁済へと発展していき、最終的に債務整理を行うまでの過程がすべて記録されます。
事故情報が載るとローン審査に影響する
信用情報機関に事故情報が記録されると様々なペナルティを課せられてしまいます。
主な具体例は次の3つ。
- 新しいクレジットカードを作ることができない
- 住宅、車などのローン審査に通過することができない
- キャッシングの利用停止
このように、カードローンやクレジットカードの新規申込みができなくなり、お金に不便する可能性が高まります。
信用情報から事故の記録を消すことはできる?
色々と不都合の多い事故情報なんてすぐにでも消したいと思うかもしれませんが、自分で消すことは残念ながら不可能です。
事故発生・解消から一定期間が経過すると自動的に抹消されるため、ある程度の期間はペナルティを背負い続けることになります。
解消されるまでの一定期間は、事故情報を登録している各信用情報機関で扱いが異なり、さらに事故内容によって解消までの期間が変わります。
ここでは一例として、CICの記録から事故情報が解消されるまでの期間をみてみましょう。
CIC | 解消までの期間 |
---|---|
延滞の記録 | 5年 |
任意整理 | 5年 |
自己破産 | 7年 |
このように、延滞履歴は問題が解消したとしても、最低でも5年間は保存され続けることが分かります。
つまり、延滞による事故情報が記録されてしまうと、少なくとも5年間は他カードローンやクレジットカードの審査に通ることはありません。
キャッシングの利用で信用情報に傷がつく?
「キャッシングを利用するだけで信用情報に傷がついてしまう」と勘違いしている人も多いですが、延滞などの事故情報がなければ、信用情報に傷がつくことはないので安心してください。
審査時に問題視されるのはあくまでも「事故情報」です。
ただし、一部のローン(住宅ローンなど)はキャッシング利用が審査で不利になる可能性があります。
その際は、現在利用中のカードローンを完済後、解約手続きを済ませてから申込めば問題ありません。
信用情報は開示してもらうことができる
現状の「自身の信用情報がどのように記録されているのか」が気になる方もいらっしゃるでしょう。
その場合、信用情報は各信用情報機関に開示請求することで、自分の現状の情報を確かめられます。
但し信用情報機関によって開示方法や費用が異なるので、次の表を参考にしてください。
信用情報機関 | 主な会員 | 開示請求費用 |
---|---|---|
JICC(日本信用情報機構) |
・消費者金融 ・信販会社 |
・スマホ申込+郵送開示/1,000円 ・郵送申込+郵送開示/1,000円 ・窓口開示/500円 |
CIC | ・クレジットカード |
・インターネット/1,000円 ・郵送/1,000円 ・窓口/500円 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | ・銀行 | 郵送/1,000円 |
自分に事故情報があるのかを確かめたい人や、現状を把握した上でこれからのプランを検討したいときは、一度信用情報の開示を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はカードローン審査における信用情報の基本や、役割、確認方法などを紹介しました。
最後にもう一度、信用情報についておさらいすると
- カードローンやクレジットカードの利用履歴のこと
- 信用情報に事故記録があるとローン審査が不利になる
- 自分の信用情報は開示できる
の3つが挙げられます。
「審査に通らないのは信用情報に問題があるからなの?」
「自分の信用情報がどうなっているのか知りたい」
そんな方は、ぜひこの記事を参考に、信用情報を改めて確認した上で、より確実なカードローンの審査通過を目指してみてはいかがでしょうか。
審査申込みの前に審査基準のポイントを知っておくことも大事、詳しくは以下の詳細記事で