クレジットカードで商品を購入後、キャンセル(返品)したにもかかわらず、なぜかカード請求額に含まれていたことはありませんか?
「キャンセルしたのに代金を請求されたのはなぜ?」
と不安になった方も少なからずいらっしゃるでしょう。
しかし、カードで多少違いはありますが、クレジットカードの返金対応は基本的に同じなので、カードの返金がどのように行われるか理解できれば、多くの返金対応の不安は解消されます。
そこで、今回はクレジットカードの返品・キャンセルによる返金に関する基本から注意すべきポイントなどをまとめました。
この記事を読めば、クレジットカードで購入した商品を安心して返品・キャンセルできるようになるので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
クレジットカード払いの商品購入における返品・返金の基本事項
まずはクレジットカード払いの返品・返金に関する基本的な情報からチェックしていきましょう。ポイントは次の6点です。
- 返品できるかどうかは、購入サイト(お店)によって異なる
- 返金をしたい場合の連絡先は、カード会社ではなく購入先
- クレジットカード払いのキャンセルは、通常現金で返金はされない
- クレジットカードへの返金は、支払い予定の請求から返金額がマイナスされる
- 返金すれば、その分のポイントも獲得できない
- 返金手数料は基本的にかからない
それでは各ポイントの内容を見ていきましょう。
返品できるかどうかは、購入サイト(お店)によって異なる
商品の返品を受け付けているか否かは購入したサイトやお店によって扱いが異なります。
amazon、楽天市場、メルカリなど、各サイトによって返品方法が決められているので、ヘルプページを参照するか、直接問い合わせるのが確実でしょう。
店舗で購入したものを返品する場合も同様ですよ。
購入したお店ごとに返品ルールが定められています。
例えば、よくある返品の決まりとして次の3点があります。
- セール品は返品不可
- 開封済み商品は返品不可
- 個人出品の商品は返品不可
同じサイト・お店でも、商品の特性や出品者によって返品の可否が異なることも。
対応の有無を購入前にチェックしておきたいですね。
返金をしたい場合の連絡先は、カード会社ではなく購入先
商品のキャンセルや返品によって、返金してもらう場合、カード会社に連絡を取ろうと考える方もいらっしゃるでしょう。
えっ!違うんですか?
クレジットカードで買ったのだから、商品を返品して返金をしてもらいたい場合、カード会社に連絡するんじゃないんですか?
実際に返金するのはカード会社だから、そう考えるのは自然なことです。
でも、真っ先に連絡するのは、カード会社ではなく購入先なんだよ。理由をみてみよう。
カード会社は、カードで購入した商品を取り消すことはできません。返品をOKとするかどうかは購入したサイトやお店が決めるのです。
つまり、返金してほしい場合は、カード会社ではなく購入先のお店やサイトで返品手続きをしなくてはなりません。
クレジットカードへの返金処理の大まかな流れは次の3ステップです。
- お店に連絡し返品する
- お店が返品処理を行う
- お店がカード会社に返金の連絡をし、カード会社は返金処理を行う
お金を返してもらう前に、返品をしなくてはならないよね。
購入者が買った商品をお店に返すことが、まず最初にしなくてはならないこと!
言われてみればそうですね。カード会社が購入商品をキャンセルするわけではないから。
このように、なにかトラブルが無い限りは、自分からカード会社に連絡する必要はありません。
クレジットカード払いのキャンセルは、通常現金で返金はされない
クレジットカード払いで購入した商品を返品・キャンセルしても、お店から現金や銀行振込で返金されることはありません。
なぜお店から直接現金で返金してもらえないのでしょうか。
その理由は、「クレジットカード決済手数料」が関係しています。
クレジットカードに加盟しているお店は、売上に応じてカード決済手数料を支払っています。加盟するカード会社によりますが、売上のおよそ1%~10%程が手数料として発生。
もしもお店側が消費者に直接、現金で返金してしまうと、売り上げが出ていない状態にもかかわらず、カード会社に手数料を支払わなくてはならないことになるのです。
うーん…
例えば、決済手数料が5%で、クレジットカードで1万円の決済をしたとします。
この場合、カード会社がお店(加盟店)に、決済手数料額(500円)を差し引いた9,500円を支払う。
もし、購入キャンセルで返品となった場合、お店がユーザーに現金1万円で返金をしたらどうなるだろうか?
カード会社から9,500円入金された後、利用者に現金1万円支払ったら、500円(決済手数料の分)損しますね!
なるほど!イメージできました!
結果、お店は手数料分の損失が出てしまうため、現金での直接的な返金に応じられないというわけです。
クレジットカードへの返金は、支払い予定の請求から返金額がマイナスされる
クレジットカードへの返金は、現金で返金されるわけではなく、翌月の支払い予定の請求から返金額分をマイナスする形となります。
例えば、50,000円の商品をクレジットカードで購入し、これを返品・キャンセルしたとしましょう。
翌月のカード請求額が70,000円なら、返金額50,000円がマイナスされて、請求は20,000円となります。
もし、カードをあまり利用しなかったなどで、カードの利用金額が返金額より少ない場合はどうなるんですか?
その場合は、利用金額と相殺して、足らない分は口座に振り込まれるのが一般的だよ。
例えば、50,000円の商品購入をキャンセルし、翌月のカードの利用額が30,000円だったとしましょう。この場合、差し引いた20,000円が銀行口座に振り込まれるということです。
- 「翌月の利用金額>返金額」なら、翌月の利用金額から返金分がマイナスされる
- 「翌月の利用金額<返金額」なら、「返金額-翌月の利用金額」が口座に振り込まれる
- 翌月の利用金額が0円の場合、返金額が口座に振り込まれる
返金すれば、その分のポイントも獲得できない
クレジットカードはカード支払い額に応じてポイントを獲得できるものがほとんどです。
私がカードを使う目的は、ポイントを貯めるためです!
では返品した場合、その購入代金で得られるはずだったポイントの扱いはどうなるのでしょうか?
購入をキャンセルしたら、その分のポイントはもらえません。
クレジットカードを利用中の方ならご存知でしょうが、買物をしてからポイントが付与されるまで少々時間が必要ですよね。この間に、返品分のポイントを処理しているわけです。
何らかの理由で返品処理が遅れてしまい、すでにポイントを獲得しているなら、その獲得分が差し引かれます。
獲得したポイントを使った場合は、ポイント残高がマイナスになり、そこから再びポイントを積み重ねていかなくてはなりません。
例えば、購入時に1,000ptを獲得し、すべてのポイントを交換したとします。その後返品処理を行うと、使った1,000pt分がマイナスになり、ポイントの残高が-1,000ptになる、といった具合です。
一度獲得したポイントを後から差し引かれるのは、何だかもったいないような気分になる人もいそうですね。
返品したわけだから、本来、ポイントはもらえるはずがなかったわけです。しょうがないでしょう。
返金手数料は基本的にかからない
返金額が翌月のカード利用請求額を上回った場合、返金額を銀行口座に直接振込してもらえます。この時の手数料はカード会社が負担してくれます。
クレジットカードへの返金の際、私たちは手数料などを1円も支払わなくてOKなのです。
ただし、交通機関に関する支払いでカード決済を行った場合、返品手数料が差し引かれることがあります。
例えばJRの切符や定期券といった交通系ICカードの払い戻しは手数料220円が発生します。
手数料が必要なケースの一例として次の4つが挙げられます。
- 飛行機
- 電車
- バス
- 船
交通機関の場合、キャンセル料金や払い戻し手数料が発生するのが普通。
クレジットカード払いで返金する場合は、購入金額からキャンセル料金が差し引かれた金額となるのが一般的ですね。
また交通系以外にも、お店によって条件次第で手数料が発生することがあるため、返品・キャンセル時に手数料の有無を確認しておきましょう。
クレジットカードへの返金の確認方法
「クレジットカードの返金処理が行われたか」を確認するには、利用明細をチェックしましょう。
返品した商品および金額が記載されるからです。
今はWEB明細に対応しているクレジットカードがほとんどなので、スマホやパソコンから簡単に確認できますよね!
毎月送られてくる明細書でチェックしている方で、いち早く結果を知りたいなら、電話で問い合わせるのが確実でしょう。カード裏面の番号に電話してみてください。
クレジットカードの返金が反映されるのはいつなのか?
返品・キャンセルをしたからといって、即時返金が反映されるわけではありません。
ではどれくらいの期間が必要なのか、ここでは返金が反映されるタイミングについて解説していきます。ポイントは次の3つです。
- 一般的に1~2ヶ月先になる
- 返金処理に時間がかかるかどうかは、カードの締め日が関係している
- 2~3ヶ月以上経過しても返金されない場合は連絡をしよう
それでは各内容を見ていきましょう。
一般的に1~2ヶ月先になる
クレジットカードの返金処理は1ヶ月~2ヶ月くらいが目安となります。
お店が返品を受け付けて、そこからカード会社に連絡をし、返品処理が行われるのに時間がかかるのが大きな理由です。
また、返品した商品がお店に届くまでの郵送も時間がかかります。
お店によっては返品商品の状態を確認し、返品を受け入れるか否かを判断する時間もかかるかかるのです。
このように、様々な理由から、返金にはある程度の時間がかかると考えておいてください。
返金処理に時間がかかるかどうかは、カードの締め日が関係している
返品処理がカードの締め日に間に合うかどうかで、返金が反映されるタイミングが大きく変わります。
返品処理が、カードの締め日前と後で行われる場合の2パターン解説していきます。
カード締め日前に返品処理
当月中に返品処理が行われれば、翌月の支払い分から返品額がマイナスされ、返金が受けられます。
例えば、カード請求額の締め日が月末だったとしたら、次のようなスキームで返金されます。
- 1月1日に商品を購入
- 1月10日に返品処理
- 1月31日に支払い額の締め
- 2月の支払い分から返金額が差し引かれる(返金反映)
といった具合になります。
カード締め日後に返品処理
締め日前に返品処理を行うことができず、翌月に処理された場合は、商品購入の翌々月に返金処理が行われます。
例えば、カード請求額の締め日が月末で、返金処理が締め日を過ぎて実施された場合は、次のようなスキームで返金されます。
- 1月1日に商品を購入
- 2月1日に返品処理
- 2月28日に支払い額の締め
- 3月の支払い分から返済額が差し引かれる(返金反映)
このように、返品するタイミングによって、1ヶ月以上返金が反映される時期がずれ込むこともあります。
ご自身がいつ返品したのか、いつ受け付けられたのか、の日付をメモしておくと、返金のタイミングを見極めやすくなるでしょう。
2~3ヶ月以上経過しても返金されない場合は連絡をしよう
返品してからいつまで経っても利用明細に返金が反映されない場合は、何らかのトラブルが起こっている可能性があります。
1~2ヶ月経過しても返金が見られない場合は、次の2つの順に問い合わせましょう。
- 商品を購入したお店
- カード会社
お店側で返品処理が行われていないケースはほとんどありませんが「ついうっかり忘れていた…」が無いとは言い切れません。
また、返品の条件を確認するのに時間がかかっていて、カード会社への返金処理が実行されていないことも考えられます。
お店に問い合わせた結果、次のような対応を受けた場合にはカード会社に問い合わせを行いましょう。
「うちでやれることは終わった。あとはカード会社がやること」
返金のタイミングを考えると、翌々月の請求までに返金が反映されていなかったら一度確認したほうがよさそうですね!
全額返金されない場合もある
お店・商品によっては、返品を受け付けたとしても、全額返金するとは限らないので注意してください。
全額返金が受けられない主な理由として次の3つが挙げられます。
- 購入から返品までの期間が空きすぎている
- ユーザー都合の返品
- そもそも全額返品に対応していない商品だった(セール品など)
まずは返品前にお店に電話やメールで問い合わせして、全額返金に対応しているのかを確認するのが良いでしょう。
クレジットカードへの返金でよくあるQ&A
次はクレジットカードの返金に関するよくある質問をQ&A方式で紹介します。
カード払いをキャンセルしたのに、翌月請求がきたのはなぜ?
返品・返金処理が行われたタイミングによって、カード払いをキャンセルしても当月・翌月にカード代金の請求が来ることがあります。
そのため、キャンセルしたにもかかわらず、一時的にカード会社に代金を支払わなくてはならない可能性があることを覚えておきましょう。
もちろん返金処理が行われれば、返金(マイナス)対応を受けられるので、最終的には支払ったお金がちゃんと返ってきます。
安心してくださいね。
返品した後カードを使う予定がない。返金は自分の口座に振り込まれるの?
通常はカード請求額から返金額を差し引く形で対応しています。
しかし、返品後カードを使う予定がなかったり、カード請求額が返金額に満たないこともありますよね。
こういったケースでは指定した口座にお金を振り込んでもらうことが可能です。
原則、振込手数料はカード会社が負担してくれます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はクレジットカードで購入した商品を返品・キャンセルした場合の返金対応などについて紹介しました。
最後にもう一度、カード返金のポイントについておさらいすると
- 返品、キャンセルの連絡はカード会社ではなくお店へ
- 基本はカード請求額から差し引くことで返金される。お店から直接現金で返金されることはない
- 返品後1ヶ月~2ヶ月程度で返金処理が行われる
以上3点が挙げられます。
「どれくらいで返金されるんだろう?」
そんな方は、ぜひこの記事を参考に、クレジットカードの返金手続きを進めてくださいね。