クレジットカードに申し込む際「同一生計者」について記載しなくてはならない場合があり、具体的にどのような内容を書けば良いのか悩んだことはありませんか?
「どうカウントすればいいのかな?」
と疑問に思った方も少なからずいるはず。
そこで今回は、クレジットカード申し込みの際に記入する「同一生計者」とは何か、その内容とカウント方法などを紹介していきます。
この記事の目次
同一生計者の基本事項
まずは「同一生計者」が何を指すのか、どういった条件で適用されるのかについて解説していきます。ポイントは次の2点です。
- 同一生計者とは
- 実家を離れて暮らしても「生計が同一」になるケースもある
それでは各ポイントの詳細をみていきましょう。
同一生計者(同一生計人数)とは
支えあって暮らしている家族の人数が同一生計者数です。
- 夫婦2人暮らし(配偶者+自分)
→ 同一生計者の数 = 2人 - 夫婦(配偶者+自分)+子供1人
→ 同一生計者の数 = 3人 - 夫の両親+夫婦(配偶者+自分)+子供2人
→ 同一生計者の数 = 6人
イメージとしては、同じ家に住む家族の人数と考えて差し支えありません。
しかし、同じ家に住んでいても、同一生計者数にカウントしない場合や、実家から離れて暮らしていても、家族を同一生計者に含める場合もあり、一概に「同じ家に住む家族の人数=同一生計者の数」とはならないケースもあります。
同一生計者数を判断するときは、家計を共にしている家族の人数。つまり、生活費を共有している人数で考えてみるのがコツです。
食費や電気・ガス・水道などの光熱費を支払っている家族の財布で共に生活している人数ということですね。
生活をしていくうえで同じ生活費の中でやりくりしながら暮らしていることを、「生計が同一である」「生計を共にする」と言ったりします。
ただし、同居しているけれど、生活費は別々に管理している場合(家計の財布が全く別)は、同一生計に含めずにカウントしてもOKです。
例えば、祖父母と同居しているけれど、祖父母は自分たちで生活をやりくりしていて、生活費が全く共有されていないといったケースが挙げられます。
実家を離れて暮らしても「生計が同一」になるケースもある
実家を離れて一人暮らしをしていると「同一生計者は自分1人だけ!」と判断しがちですが、例外もあるので注意が必要です。
具体的には、親から仕送りをもらっていると、生計が同一とみなされる場合が考えられます。
上記したように、同一生計者の定義は「財布をともにしていること」です。
住んでいる場所が違えど、仕送りをもらっている以上、自立しているとはみなされず、親の財布を頼って生活していると判断される可能性があります。
大学生や専門学生など、自身に収入を持たない人は、親と生計が同一とみなされるので覚えておきましょう。
なお、社会人となり、自身で収入を得ながらも仕送りをもらっている場合は、同一生計者とみなすか否かの判断が難しいところです。
一般的には生計が同一とはみなさないケースが多い傾向にあります。
悩んだときはこう考えよう!同一生計者数の数え方のポイント
という場合は、次の2つのポイントに焦点を絞って考えてみましょう。
- 一緒に暮らしている家族の人数
- 離れて暮らしているけれど、仕送りなどを送っている人数(学生の子どもやリタイアした親など)
「恋人と同棲しているけれど、生計は一生」というケースは判断が難しいところですが、世帯主が別々なら、同一生計者ではない、とみなしてOKとする場合がほとんどです。
これらのポイントを踏まえた上で、同一生計者数を数えてみましょう!
パターン別!同一生計者の数え方の具体例
ここからは代表的な5つのパターンで考える、同一生計者の数え方の具体例を挙げていきます。
- 一人暮らしの学生
- 一人暮らしの社会人
- 実家暮らしの社会人の場合
- 既婚者で夫婦共働きの場合
- 専業主婦の場合
それでは各パターンの詳細を見ていきましょう。
一人暮らしの学生
クレジットカードは原則高校生不可ですから、同一生計者数で悩む学生は、大学生、短大生、専門学校生や大学院生などでしょう。
実家から通っている学生は、同居している家族の人数でOKですが、一人暮らしの学生さんの場合はどうなのでしょうか?
一人暮らしの学生には、次の2つのパターンが考えられます。
- 定期的に親から仕送りがあり、自分は無収入
- 定期的に親からの仕送りがあり、自分はバイトをして収入がある
バイトの収入の有無に関わらず、親からの仕送りで生活をしているなら、親を含めた家族の人数を同一生計者としてカウントしましょう。
例えば…
- 両親+自分
→ 同一生計者数は3人 - 両親+実家にいる兄弟1人+自分
→ 同一生計者数は4人 - 両親+同居する祖父母+自分
→ 同一生計者数は5人
といった具合です。
親から仕送りを受けているけれど、バイトで収入があるなら「両親いずれかの社会保険被保険者」に該当するかをチェックしてみましょう。被保険者なら同一生計者とみなしてOKです。
一人暮らしの社会人
代表的な一人暮らしの社会人をジャンル分けすると、次の4つが挙げられます。
- 自分の収入で生計を立てている
- 単身赴任中
- 親から支援を受けて生活をしている
- 実家に仕送りをしている
自身の収入がある時点で、同一生計者は自分1人としてカウントすることが多いです。
自分の収入で生活している人のことを”主たる生計者”と言ったりします。
しかし単身赴任中で、配偶者や子供に仕送りをしていたり、親から支援を受けていたり、実家に仕送りをしている場合は、親もカウントしなくてはなりません。例えば次の3つ。
- 一人暮らしかつ自分で生計を立てている
→ 同一生計者数は1人 - 単身赴任中で一人暮らしだけれど配偶者に仕送り
→ 同一生計者数は2人 - 両親から仕送りをもらっている、あるいは仕送りしている
→ 同一生計者数は3人
上述したように、同居・別居で考えるのではなく、財布を同一としているか否かの観点で判断してみてくださいね。
実家暮らしの社会人の場合
実家暮らしの社会人は次の2つのジャンルに分けられます。
- 自分の収入を家に入れている場合
- 自分の収入を家に入れていない場合
自身の収入を家に入れているのなら、同一生計者として家族をカウントしなくてはなりません。
例えば…
- 自分+両親
→ 同一生計者数は3人 - 自分+両親+祖父母
→ 同一生計者数は5人
といった具合です。
自分の収入を家に入れておらず、完全に独立しているのなら、自分の分だけカウントすればOKです。
既婚者で夫婦共働きの場合
既婚者で夫婦共働きの場合は、配偶者が同一生計者として数えられます。例えば次の3つ。
- 自分+配偶者
→ 同一生計者数は2人 - 自分+配偶者+子供1人
→ 同一生計者数は3人 - 自分+配偶者+配偶者の両親
→ 同一生計者数は4人
夫婦である時点で同一生計者とみなされるので、これを踏まえた上でカウントするようにしましょう。
専業主婦の場合
専業主婦(主夫)の場合は自身が収入を持たず、配偶者の収入によって生計を立てているため、必ず同一生計者は2人以上ということになります。
例えば次の3つのケース。
- 専業主婦+配偶者
→ 同一生計者数は2人 - 専業主婦+配偶者+子供1人
→ 同一生計者数は3人 - 専業主婦+配偶者+子供1人+両親
→ 同一生計者数は5人
「主たる生計者を除く」という場合の同一生計者数は何人?
クレジットカードによって「主たる生計者を除く」と記載される場合があり、悩むこともあるでしょう。
その場合、申込欄には「0人」「1人」「2人」「3人以上」とあったりして…
私自身、自立して生活しているので0人だと思うんですが、0人でいいのかなぁって…
「主たる生計者」は「生計を立てている人の中で最も収入が多い人」と考えてください。
仮にお父さんの収入が最も多いなら「主たる生計者=お父さん」となります。
「主たる生計者を除く」と記載されているなら、同一生計者からお父さん(1人)を引いた人数を記入すれば良い、というわけです。
例えば、一人暮らしの社会人なら、主たる生計者は自分自身1人となるため、選択肢は「0人」でOKですね。
専業主婦+配偶者+子供1人の3人家族構成なら、主たる生計者である配偶者を除いた「2人」と記入しましょう。
なぜ、同一生計者の人数がクレジットカードの審査で求められるのか?
そもそもどうしてクレジットカードの審査で同一生計者数を記入しなくてはならないのでしょうか。
その理由は「支払可能見込額」の調査にあります。
- 生活維持費
1年間の生活に必要な金額。法的に家族構成ごとに決められている(下記表を参考) - クレジット債務
1年間にかかる他のクレジットの支払い予定額
要するに、支払可能見込額とは、申し込んだクレジットカードで1年間いくらまでなら支払うことができるのかを表す金額のこと。
利用限度額を決める調査と考えてOKです。
支払可能見込み額の調査がクレジットカードの審査で行われるのは分かりました。
でも、同一生計者の数と支払可能見込み額の関係が分かりません…
支払可能見込み額の算出に必要な”生活維持費”は、同一生計者数に応じて金額が決定されます。
詳しくは下記表を見てみましょう。
居住形態 | 世帯人数(同一生計者の数) | |||
---|---|---|---|---|
1人 | 2人 | 3人 | 4人以上 | |
持家かつ住宅ローン無 または 持家無かつ賃貸負担無 |
90万円 | 136万円 | 169万円 | 200万円 |
持家かつ住宅ローン有 または 持家無かつ賃貸負担有 |
116万円 | 177万円 | 209万円 | 240万円 |
引用:日本クレジット協会 / 知っておこう!クレジットの申込時の法律チェックポイント
クレジットカード会社としては、支払日に決められた金額をしっかりと支払ってもらわなくては困りますよね。
ですから、審査で支払可能見込み額を調査することが義務付けられています。
こういった事情から、クレジットカードの審査で同一生計者数を必ず確認しています。
まとめ
今回はクレジットカード申込時に記載する「同一生計者数」の数え方について紹介しました。
最後にもう一度、同一生計者数のカウント方法をおさらいすると
- 基本は同じ家に住んでいる人数
- 離れて暮らしていても、仕送りを受けているor送っているならカウントされる
- 主たる生計者は最も年収が高い人が該当する
の3つが挙げられます。
「どうやって数えたらいいの?」
そんな方は、ぜひこの記事を参考に、同一生計者数を正しく数えてくださいね。