国民年金の支払いってクレジットカードでできるの知ってる?
そうなんですか?国民年金って自分で支払う時、支払い用紙が郵送されてきて、コンビニや銀行とかで現金払いするか口座振替だけかと思ってました。
国民年金機構にきちんと申請して通ればクレジットカードで支払いが出来るんだ。
知らなかったです。クレジットカードで支払っても口座振替で支払っても結局自動で引き落とされるから変わらない気がしますが、メリットはあるんですか?
確かに前納した時の割引率は口座振替の方がお得なんだけど、使ったクレジットカードのポイントが還元されるし、所謂クレヒスにもなるから拘りがなければクレジットカードの方がメリットが多いんだ。
みなさんは、国民年金の支払いをどうしていますか?決まった保険料を予定通り支払うより、前納する方が安くなることを知っていますか?
さらに、これまで現金払いか口座振替だった保険証の支払方法に、クレジットカード払いも加わっています。
そして、国民年金保険料をクレジットカードで支払うと、お得なことがあるのです。そこで今回は、国民年金保険料をクレジットカードで支払うメリットとデメリットについて、お話ししたいと思います。
この記事の目次
口座振替とクレジットカード払いの違いって何?
国民年金の支払い方法には、何がありますか?
国民年金保険料の支払方法には、1カ月納付のほかに、6カ月前納、1年前納、2年前納という、3つの支払い方法があります。
まず、国民年金保険料を前納するメリットについて、お話ししましょう。
国民年金保険料を前納することで割り引きされるのですが、その割引額は前納方法によって異なります。そして、国民年金保険料を前納する場合、「口座振替」と「クレジットカード払い・現金払い」では、割引額が違います。
口座振替の割引率
前納期間 | 1回の納付額 | 割引率 |
---|---|---|
2年前納 | 378,320円 | 15,640円 |
1年前納 | 193,730円 | 4,150円 |
6カ月前納 | 97,820円 | 1,120円 |
翌月末振替 | 16,490円 | なし |
クレジットカード払いの割引率
前納期間 | 1回の納付額 | 割引率 |
---|---|---|
2年前納 | 379,560円 | 14,400円 |
1年前納 | 194,370円 | 3,510円 |
6カ月前納 | 98,140円 | 800円 |
翌月末振替 | 16,490円 | なし |
※現金とクレジットカードの割引率は、同様です。
口座振替の割引率の表を見ると、2年前納で15,640円割り引きされることがわかります。一方のクレジットカード払いと現金払いでは、2年前納で割り引かれるのは14,400円です。
ということは口座振替の方が、良いんじゃないですか?
割引率だけでみると、クレジットカード払いより口座振替にメリットがあるように感じます。ですが、クレジットカード払いをした場合、カード利用分にポイントが付きます。
国民年金保険料として2年分の379,560円をクレジットカード払いで前納した場合、ポイント還元率が1%だと、3,795円が戻ってくるのです。
口座振替とクレジットカード払いの割引率の差額は1,240円ですから、ずっとお得なことがわかります。
国民年金をクレジットカード払いにするメリット
では、国民年金保険料をクレジットカード払いにするメリットには、どんなものがあるのでしょうか。
毎月、引き落とされるため、自宅で支払いが終わる
まず、自宅で簡単に支払いができることです。現金払いや口座振替では、支払いのために金融機関やコンビニエンスストアなどに行かなければなりません。
ですが、あらかじめ国民年金保険料をクレジットカード払いに切り替えておけば、いつでも自宅で支払いをすることができます。
さらに、払い忘れを防止できるのも嬉しいポイントです。前納だけでなく、国民年金保険料の1カ月払いも、口座振替と同様に設定することができ、継続的に支払いが行われます。
支払日をずらすことができる
そして、国民年金保険料の支払い日を遅らせることが可能なことです。国民年金保険料の納付には期限がありますが、クレジットカード払いの場合、納付期限日にはクレジットカード会社が立て替え払いをして、後日請求が届くことになります。
つまり、延滞金をつけることなく、支払い猶予期間を延ばすことができるのです。
クレジットヒストリーを積める
さらに、国民年金保険料をクレジットカード払いして実績を積んでおくと、クレジットカードヒストリーにプラスに作用します。
利用限度額をあげたいと考えているひとは特に、国民年金保険料や公共料金をクレジットカード払いにしておき、延滞なく実績を積んでおくのがおすすめです。
ポイントやマイルが貯まる
何より、国民年金保険料をクレジットカード払いするメリットは、ポイントやマイルを貯められることでしょう。特に、国民年金保険料を2年分前納した場合には、還元率が1%のクレジットカードなら、約4,000円のポイントが付与されるということです。
現金払いや口座振替で同額支払いをしてもメリットはありませんが、クレジットカードに付与されたポイントや電子マネーや景品、ほかのポイントなどに交換して使うことができるのでお得です。
また、国民年金保険料や公共料金の支払いを、すべて同じクレジットカードにしておけば、家計簿をわざわざつけなくても、利用明細書がその役割を果たします。つまり、家計管理が楽になるというメリットもあるのです。
これらのメリットを考えると、国民年金保険料をクレジットカード払いにすることを、前向きに検討したくなるはずです。
国民年金をクレジットカード払いにするデメリット
国民年金保険料をクレジットカード払いにすることで得られるメリットを紹介しましたが、一方でデメリットがあるのも事実です。
申請が必要になる
国民年金保険料をクレジットカード払いにするためには、事前に国民年金機構に申請する必要があります。送られてきた納付書を金融機関やコンビニエンスストアに提示しても、クレジットカード払いでは受け付けてもらえません。
また、日本年金機構の審査があるので、申請したひとすべてに適用されるわけでもありません。さらに、申請が通っても、万が一、国民年金保険料の支払いに設定しているクレジットカードを紛失したり、盗難された場合は、カードの変更手続きを行う必要があることです。
支払は一括払いのみなので、分割払いやリボ払いができない
分割払いやリボ払いはできますか?
国民年金保険料をクレジットカード払いにする場合、一括払いのみ選択できます。つまり、分割払いやリボ払いができません。
そのため、リボ払い専用のクレジットカードは使えないので注意が必要です。
また、持っているクレジットカードの利用限度額が低く、公共料金やショッピングなどでも利用していて、前納分の保険料を支払う際に利用限度額を超えていると、クレジットカード払いにはできません。
後で、国民献金保険料の納付書が送られてきて、利用限度額を超えているために支払えない場合は、現金で納付しなければならなくなります。
クレジットカードによっては、ポイントがつかない場合がある
クレジットカード会社の中には、国民年金保険料の支払いのために利用した場合、ポイントが付与されないところもあります。
国民年金保険料の支払いに使おうと考えているクレジットカードが、ポイント付与してくれるかどうかも、きちんと確かめておく必要があります。
こうしたデメリットがあることも踏まえて、国民年金保険料をクレジットカード払いにするかどうか、冷静に見極める必要があります。
クレジットカード払いを申請しよう
メリットとデメリットを検討して、それでも国民年金保険料をクレジットカード払いにしようと考えたなら、次に必要なのは申請手続きです。
下記で申請方法を具体的に説明していくので、ぜひ参考にしてください。
申請書のダウンロード
まず、国民年金機構の公式サイトにアクセスし、国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書をダウンロードしましょう。
申請書の記入
国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書をダウンロードしたら、必要事項に記入します。具体的には、「基礎年金番号」「生年月日」「被保険者氏名」「電話番号」「クレジットカード番号」「クレジットカードの有効期限」「クレジットカード名義人の氏名」「クレジットカード名義人の署名」「被保険者との続柄」「納付方法」「クレジットカード会社の種類」などです。
国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書を作成する際には、年金手帳と登録するクレジットカードが必要です。
申請書の提出
国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書を書き上げたら、最寄りの年金事務所に提出します。郵送でも受け付けてもらえます。
また、注意事項として、クレジットカードの名義人と被保険者の続柄が配偶者以外の場合には、年金事務所から同意確認を求められることがあることを覚えておきましょう。合わせて、同意確認がとれなかった場合は、国民年金保険料はクレジットカード払いすることはできません。
審査
国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書を提出すると、国民年金機構で審査が行われます。そこで審査に通れば、「国民年金保険料クレジットカード納付のお知らせ」という通知書が届きます。これで、手続きは完了です。
クレジットカード払いの注意点は?
国民年金保険料クレジットカード納付が認められても、それで安心というわけではありません。覚えておいてほしいことが、いくつかあります。
まず、登録されているクレジットカードの利用限度額を超えている場合、国民年金保険料をクレジットカード払いすることはできません。その場合は、納付書が郵送されてくるので、現金で支払いましょう。
ここでは、それ以外の注意点について、詳しく説明しておきましょう。
クレジットカードを変更した場合は、再申請が必要
国民年金保険料をクレジットカード払いにした後で、氏名が変わったり、よりポイント還元率の高いカードに変更したいと考えるひとも数多くいます。その際は、国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書を再提出する必要があります。
再度、日本年金機構での審査が行われるので、事務処理が終わるまでに数週間かかります。その間に国民年金保険料の支払いがある場合には、納付書により現金で支払いをすることになります。
2年前納は、申し込みの期限がある
国民年金保険料の2年前納をクレジットカード払いで行いたい場合には、申し込みに期限があります。その期限までに申し込みが終わらなかった場合は、クレジットカード払いにすることはできません。納付書により、現金で支払うことになります。
なお、クレジットカードの有効期限の変更については、登録されているクレジットカード会社から日本年金以降に新たな有効期限を通知してくれるので、心配はいりません。
ポイント還元率が高いおすすめのクレジットカード
では、国民年金保険料が支払えて、ポイント還元率が高いクレジットカードには、どんなものがあるのでしょうか。
ここでは、以下の3つの観点からおすすめのクレジットカードを紹介していきます。
- 国民年金が支払えること
- 国民年金でポイントが貯まること
- ポイント還元率が高いこと
国民年金をクレジットカード払いにしたいという方は、ぜひ参考にしてください。
楽天カード
「楽天カード」は、年会費が永年無料で、楽天スーパーポイントが貯められます。ポイント還元率は1~10%となっていますが、国民年金保険料を支払った場合は1%です。
年会費が無料で、最短で7営業日で発行されるのもポイントです。楽天スーパーポイントは、楽天Edyと相互交換できるので便利です。
オリコカード
「オリコカード」は、年会費がETCカードも含めて永年無料で、オリコポイントが貯まります。ポイント還元率は1~3%ですが、国民年金保険料を支払った場合は1%です。
最短で8日程度で発行されます。オリコポイントは、WAONやWALLETなど移行できるポイントが多いのが魅力です。
Yahoo! JAPANカード
「Yahoo! JAPANカード」は、年会費が永年無料で、Tポイントが貯められます。ポイント還元率は1~1.5%ですが、国民年金保険料を支払った場合は1%です。
また、最短で4日程度で発行されるため、クレジットカードをすぐに手に入れたい方にはぴったりです。さらにTポイントは、提携している店舗が多いので、利便性が高いです。
まとめ
国民年金保険料を支払う義務があるのはわかっていても、現金払いだと納付期限を忘れて、延滞金を支払った経験があるひとも多いはずです。そのため、口座振替制度ができましたが、支払い忘れるリスクは下がっても、特段のメリットを感じていなかったひともいることでしょう。
ですが、ポイントが付与されるクレジットカードを選べば、同じ金額を支払っても、自分に還元されます。また、国民年金保険料をクレジットカード払いにしても、確定申告には何ら問題がありませんし、本人名義のカードでなくても、同意がとれれば受け付けてもらえます。
家族全員の国民年金保険料をクレジットカード払いにすれば、それだけたくさんのポイントが付与されるということです。ただし、未納や免除の追納には対応していないので、その点も踏まえて上手に活用することをおすすめします。