クレジットカードの引き落としができないと督促状が来るんですか?
いきなり来ることはないけど、何もしないで放置しておくと数日後に届く場合があるよ。
そうなんですか……。
実は今月うっかり引き落とし口座に入金しておくのを忘れてしまって……。
それならカード会社に連絡して指定口座に振り込めば大丈夫だよ!
よい機会だからクレジットカードの督促状について説明しておくね!
督促という言葉は、金銭や物品を借りていて、持ち主から期限が来たかの返還要求に対して使われる言葉です。
言葉にすると難しい言い回しになってしまうのですが、簡単に言うと、自分のものだから早く返して欲しいということになります。
通常、督促は返す約束をした期限に返してもらってないことから返還を促す言葉として使われます。
クレジットカードでの場合も当然ですが、この場合は借金ということになりますから、お金を早く返してほしいということになります。
ここでは、クレジットカードの使用に対する督促状とそれでも支払えなかった場合の対応について解説していきます。
この記事の目次
督促状(催促状)ってどんなもの?
一般的に借り主が、貸主が指定した期日までに返還がなかった場合に督促状が借り主の元に届きます。
期日というのはあらかじめ、貸主と借り主の間で取り決めがされている約束事です。
それに伴って金銭の貸し借りが行われたのですから、期日までに支払いがない場合は、当然のことですが、督促状が借り主の元に送られてくるのです。
ちなみに督促状と催促状は同じ意味で使われることが多いです。法的な場合は督促という言葉が多く使われますし、催促は同じ意味でも督促よりは、少し柔らかい表現となります。
督促状が郵送されるという意味
言わば、法的手段に出る一歩手前というニュアンスで考えるとわかりやすいでしょう。督促という言葉は法律用語ですから堅い印象を与えます。
これに従わなかった場合は次の手段に出ますよ、という意思表示でもあるのです。
この督促状が発送された時点では、まだ法的な手段で訴えることはありません。反対に、督促状を来てもそれを黙殺してしまうと、貸主であるクレジットカード発行会社が法的手段に出ることになります。
いずれにしても、借り主は督促状が来た時点でしっかりと善後策を講じなければいけません。
督促が来ているということは、借りたお金を返済していないということです。
これは、事前に約束したことですから、それを守っていない借り主のほうに非があるのは当然のことなのです。
どういう場合に送られてくるの?
督促状が自宅に届けられる前の一連の流れです。
1. クレジット会社は利用者を信用してクレジットカードを発行する
クレジット契約を結んだ場合、クレジット会社は利用者を信用して(この場合は信用機関の審査があり、収入などから支払い能力があると判断されます)クレジットカードを利用者に発行します。
これによって、申込者はクレジットカードを使用して買い物ができるのです。
2. カードの利用額は後日まとめて利用者宛に請求される
そして、その買い物代金はクレジットカード発行会社が立て替えることで、後日まとめて利用者のほうに請求されるのです。
請求書には指定された口座から何月何日に引き落としが行われます、といった文言が書かれています。
利用者は請求金額を事前に引き落とし口座に入れておけばいいのです。
3. 引き落とし日に支払いができない
しかし、引き落とし口座に請求されたお金が入っていないと、引き落とし当日に請求額の引き落としができません。
クレジットカード発行会社は数日間は引き落としの手続きをし続けます。
利用者は口座に引き落としされる金額分のお金が入っていないことに気づいたら、
・すぐに口座に入金する
・クレジットカード会社に連絡をして、指定口座に振り込む
といった作業を行えば特にペナルティなどはありません。
少しでも期日をすぎると、カード会社によっては延滞損害金の支払いが発生する場合がありますので気をつけましょう。
4. 引き落とし日から数日後に督促状が送られる
そのような連絡もない場合は、クレジット発行会社から、引き落とし日から、数日後には督促状が発送されます。
何も連絡をしない場合は心証が悪くなりますから、お金が用意できなかったことを早めに連絡しておく必要があります。
クレジットカードの支払いを延滞すると生じる3つのデメリット
実際に延滞をするとどのようなリスクがあるのでしょうか。延滞で生じうる事例をまとめましたので参考にして下さい。
1. 延滞金を支払わなければならない
一つ目のデメリットは遅延損害金といわれる延滞金の支払いです。
ショッピング枠での延滞金は、最大14.6%の年率で計算されます。期日となっているクレジットカードの支払い日から、遅延分の支払いが終わるまでの期間で計算されます。
延滞期間が短い場合に限っては、クレジットカード会社次第で延滞金の支払いを回避できることもあります。
「口座残高が少なくて引き落としされてない…」とわかった時点ですぐに対応しないとマズいことになりそうですね。
もし何らかの理由で支払い期日が過ぎてしまった場合、クレジットカード会社に電話などでまずは連絡しよう。
クレジットカードの裏側には会社の連絡先が記されているから、とにかく一報を入れることが何よりも大事。
2. 信用情報にマイナスの影響がある
延滞歴はクレジットカード会社が管理する信用情報として保存されます。
たとえ1日でも記録されてしまうので、延滞金を免れたとしても油断できません。
クレジット会社では何度も延滞を繰り返すような人は信用情報を問題視され、使用中でも凍結される可能性があります。
ちなみにクレジットカードをすでに持っている人に対して行われる審査を「途上与信」といいます。
3. クレジットカードの発行が難しくなる
延滞期間が61日以上ともなると、その情報は「個人信用機関」といわれる機関に保存されます。
個人信用情報機関って何ですか?
個人信用機関は、複数のクレジットカード会社が情報共有などを目的に加盟している総合的な信用機関だよ。
個人信用機関で具体的に記録されているのは、
- 利用者の名前
- 生年月日
- 住所
- 勤務先
- 利用額
- 返済状況
といった利用履歴です。
長期延滞といった重大な問題を起こすと個人信用機関に記録が残り、今後クレジットカードを発行しようとしても審査の段階で落とされてしまう可能性が高くなります。
個人信用機関の情報は多くの支払いで参考にするので、住宅ローンやカードローンといった別ジャンルでのローンも組めなくなる恐れがあります。
延滞を防ぐために自分でできる準備と対策法
ちょっとしたことを意識することによって、延滞する可能性を極限まで下げることができます。その方法について一つ一つ見ていきましょう。
毎月の引き落とし日を把握しておこう
引き落とし日は、翌月払い、翌々月払いなど会社によって様々です。
自分の持っているカードは買い物をしたら、いつ締め日を迎え、いつ引き落とされるのかを確認しておくのが大切です。
支払いの請求書などを必ずチェックしましょう。
銀行の口座残高を確認しておく
自分のよく使うカードはどの口座から引き落とされるか確認しましょう。
また、その口座には引き落とされても余力のある残高がありますか?
コンビニや銀行のATMの「残高照会」、インターネットバンキングを利用していれば口座残高を確認できます。
さぁ、引き落とされる準備はOK?遅くとも前日までに入金しておこう
引き落としは会社にもよりますが、「日付が変わり次第」引き落とされる事も多いです。
なので、当日に「早起きして入金しに行こう」と思っても遅いのです。なので準備は前日までに済ませましょう。
また、日曜日は21時以降ATMが使えない場合があるので、月曜日が引き落としの場合は日曜日には確実に入金を済ませておきましょう。
お財布がピンチ!今月の支払いがどうしても難しい場合は次の方法で対処しよう
結婚式が縦続いた・・・あまりバイトに入れなかったなど、出費がかさんだり様々な理由で今月は支払いが難しい場合もあると思います。その対処法をご紹介します。
1週間前なら分割払いに変更できる!
というのが、あらかじめわかっている場合、カードの支払い回数の変更ができます。
分割払いへの変更はカード会社のホームページ上でも簡単に変更可能です。もちろん、直接電話でも受け付けています。
今回だけ!家族に支払いを肩代わりしてもらう
分割しても払えない・・・そんなときは家族(親族)に頼ってみるのも選択肢の一つでしょう。
実際クレジットの審査基準には家族との同居有無があり、これは
という一つの基準なのです。どうしても困ったときは頼んでみましょう。
最後の手段!思い切ってキャッシング
キャッシング機能付きのクレジットカードであれば今月の支払いはキャッシングにして、来月に持ち越すことができます。
クレジットカードにキャッシング機能がない場合、消費者金融で借りるという方法もあります。
利息が無利息のキャンペーンなどをうまく利用して今月の引き落としを乗り切ることも可能です。
ただ、どちらも借金ということに変わりはなく、金利も高いので注意しておく必要があります。
キャッシングを利用するとあなたの金融取引の履歴に借金としてキャッシングが加わります。
返せない場合は、ずっとクレジットカードを新規で作ることができない、といった困った事態になる場合もあります。
返済する目処が確実に立っている場合に限り利用することをおすすめします。
放って置いてはいけない理由とは
支払いができなくて延滞した場合は、後日クレジットカード会社から督促状が届くことになります。
クレジットカード会社によって対応はまちまちなのですが、電話連絡がある場合もあります。
知りたいのはどのような状況になっているのかということで、連絡を取るのが一番です。
おそらく、督促状が届く時点でクレジットカードの利用が停止されているので、そのままカードが使えなくなります。
さらに、信用機関に事故情報として登録されること、さらには訴訟沙汰にまで発展することになるのです。
督促の内容を段階ごとに解説
うっかりミスも含めて引き落とし日に残高不足で引き落としができない場合は、クレジットカード会社からの督促状が郵送されることになります。
一般的に電話での督促があるような気がしますが、最初の督促状の発送の段階では、電話連絡がないのが普通です。
最初の督促状ですが、これには再引き落とし日の日程が書かれています。
たいていは引き落とし日から2週間後くらいを再引き落とし日に指定します。
督促状の内容は再引き落とし日の指定と、その日までに入金をお願いしますと書かれています。
再引き落とし日にも、残高不足で引き落としができなかった場合は、再度督促状が届くことになります。
それには再々引き落とし日の指定があり、内容は前回の督促状と同じなのですが、今度は電話でも連絡があります。
再々引き落とし日が来て、その日も残高不足で引き落としができなかった場合は、どうなるのでしょうか?
今度は督促状ではなく、電話でいつまでに支払うかということを約束することになります。
ここでは、連絡がつくまで、ひたすら電話がかかるようになります。
ここまでが、約一ヶ月の時系列になります。そうなると翌月の引き落とし日がやってくるのですが、当然ですが、引き落としができなければ、さらに電話がかかってくることになります。
この時点で引き落としの最終期限日が決められることになります。
封筒には「督促状」と書いてあるのではなく「親展」と書いてあります。
この督促状には、再引き落とし日の指定もあるのですが、他にコンビニや銀行で払い込むことができる、振込用紙が同封されていることが多いです。
その場合はどちらでもかまわないのですが、クレジットカードの利用が停止されている場合がほとんどになります。
少しでも早くクレジットカードが使えるようにしたいのであれば、振込用紙での払い込みが手続きとしては早いでしょう。
いずれにしても、督促状が来ている段階では信用情報に傷がつくことはありません。
それに対応すればクレジットカードが使えるようになりますから、特に問題はないといえます。
どう対応したら良いの?
再引き落とし日が指定されているので、その日までに銀行にお金を入れておけば問題はありません。
また、すぐに対処したい場合は、督促状に振込用紙が同封されていることが多いので、それを使ってコンビニあるいは銀行で支払うことが可能です。
クレジットカード会社は入金が確認されるまで、クレジットカードの再利用はできないようにしています。
引き落とし日までに日にちがある場合で、クレジットカードを少しでも早く使いたい場合は、振込用紙での払い込みのほうが便利です。
クレジットカード会社にもよるのですが、再引き落とし日までに払い込むことができたら、延滞扱いにならないことが多く、当然延滞料も発生しません。
再引き落とし日までは「おとがめ無し」ということですが、普通なら必要のない事務手続きを経ることになるので、できるだけ、滞納しないようにしたいものです。
無視し続けるとどうなる?
クレジットカード会社からの督促状には再引き落とし日が記載されます。
しかし、それにも応じずに銀行残高が足りず、再々引き落としの督促状にも応えなかった場合ですが、そのときは電話での連絡も入るようになります。
そして、それにも応答しないようになると、勤務先にも連絡が入るようになるのです。
勤務先に「支払って下さい」みたいな連絡が来るってキツイですね…
クレジットカード会社としては連絡がつかないことが一番の問題という認識ですから、本人に連絡がつくようにあらゆる手段を講じるんだ。
仕方のないことではありますけど…
再々度引き落としができない、翌月の引き落とし日も残高不足で引き落としができない状況になる方もいるね。
その場合は、いよいよ信用機関に事故情報・・最初は延滞という情報が載ることになる。
そして、頻繁にあるわけではないのですが、クレジットカード会社の人が自宅を訪ねます。
この段階が二次督促と呼ばれるもので、次の段階の三次督促になれば、給料の差し押さえ、さらには簡易裁判所への出頭という流れになります。
この時点では、クレジットカードの一時利用停止ではなく、永久に使用できない状態になります。
裁判所からの連絡にはどう対応したら良い?
クレジットカードの滞納が続くとクレジットカードの一時停止から、強制解約になってしまい、そのクレジットカードは更新日がまだまだ先であっても2度と使うことができなくなります。
もちろん、借りたお金を返済していないのですから、その後も督促は続くことになります。
一般的に延滞期間も3ヵ月以上になると危険領域とされています。
クレジットカード会社が裁判所に申し立てを行うと、利用者の元にもその訴状が届きます。
その内容は、クレジットカードを利用しての買い物に対する利用者の未払い料金の一括支払いを求めるものです。
これまで、クレジットカードの再三の連絡に無視を決め込んできたり、のらりくらりとかわしてきた結果が裁判所からの通知です。
ここで今まで通り無視を決め込んではいけません。一括払いが難しい場合は、異議申立書が同封されているので、それに記入して郵送します。
後日、裁判所からの要請日時に出廷し、クレジットカード会社と支払いについて交渉することになります。
ここで、具体的な支払いについて話し合うのですが、多くの場合はここで和解することになります。和解に至らない場合は、判決内容に従って支払うことになります。
一般的に判決の支払いのほうが厳しくなるので、和解に至って、クレジットカード会社との話し合いでしっかりと支払い計画を相談した方が得策です。
裁判沙汰になる場合は、利用者側の態度が不誠実である場合が多く、和解に至らないことも多々あります。
それでも借金の返済はまぬがれることはありません。裁判による判決よりも和解による、支払いのほうが格段に利用者にとってメリットがあるので、和解に向けて全力を傾けるようにしたいものです。
ただし、この時点ですでに信用機関に事故情報として記載されているので、クレジットカードはしばらく作ることはできません。
裁判所に出廷しなきゃいけないの?
督促状が届いてもなお、延滞が続くとクレジットカード会社は簡易裁判所に訴えることになります。この時点で、訴えられた側の利用者は逃げることはできません。
これまでクレジットカード会社からの再三の督促や電話連絡の対応も無視を決め込んだ結果が裁判沙汰ということです。
ここで、利用者がとる最善の方法は和解です。簡易裁判所から届く訴状に同封されている答弁書に、「分割払いでの和解を求める」といった定型文が予め記載されています。
簡易裁判所の訴訟では、答弁書に和解の希望を書いて出しておけば、簡易裁判所に出廷しなくてもその旨の和解が成立することになっています。
分割払いの和解というのはとはどんなものなのかですが、総分割回数が60回以内というのが裁判所のとりあえずの目安となっています。
もちろん、債務の総額や原告となるクレジットカード会社の意向もあります。
答弁書を出す前にクレジットカード会社に電話をして、予め回数などについて口頭で合意しておくと和解について間違いはありません。
これが、裁判所に出廷しない最善の方法と言えるのです。クレジットカード会社の目的は債務の回収にあります。この時点ですでに、延滞した金額は債務として扱われます。
和解にしても判決にしても、この場合は原告であるクレジットカード会社のほうが強いです。
そのため後はいかに被告である利用者から債務を回収するかになりますので、和解でも判決でもどちらでもいいというスタンスになります。
そうなると、利用者としては簡易裁判所に出廷しなくてもよい方法として和解を選択するほうがより現実的となるのです。
事前にクレジットカード会社に和解の相談をするのもためらわれるのですが、和解の道しか選択肢がない状況ですので、誠意を見せ、頭を下げる意味でも事前連絡は必ずしておいたほうがいいでしょう。
債務はどうしてもなくならないということを肝に銘じておかなければいけません。
弁護士などに相談する必要も
クレジットカードの返済ができなくて、弁護士に相談するということは、善後策をどうするかということです。
しかしクレジットカード会社側から、簡易裁判所にて訴訟を起こされた場合は、弁護士側も和解を勧めることになるのは間違いありません。
ただし、本人が出頭することなく弁護士が間に入って、クレジットカード会社側との示談交渉になります。
事前に弁護士と利用者で月々このくらいなら支払うことができるという線を決めておくことが先決です。
もっとも、弁護士に相談する際はいろいろなパターンがあります。
- 利用者本人が和解に応じて示談交渉を進めても話がまとまらなかった場合
- 支払いができなくて、債務整理を依頼する場合
このケースでは、自己破産以外は少なくとも返済の意思有りということで、どのような形になっても返済をしていかなくてはいけないので弁護士に依頼するしかありません。
当然ですが弁護士費用がかかります。その費用の工面もしなければならず、まとまったお金がなければ弁護士費用も分割で支払っていかなくてはなりません。
いずれにしても、クレジットカード会社から、
- 支払い督促
- 裁判所への訴訟
- 異議の申し立て
- 民事訴訟
という流れで手続きが取られます。そのときどきで弁護士へ相談して最善の策を講じるようにしましょう。
重要になるのは、和解にも通じる「答弁書」です。
これには、利用者にとって有利になる書き方というものがありますので、その点を特に弁護士に相談するようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は督促状と、それでも支払えなかった場合の対応などを紹介しました。
最後にもう一度、大切なポイントをおさらいすると
・それでも支払えない場合は、カード会社に連絡する
・出廷することになったら、和解を目指す
といった3点が挙げられます。
うっかりミスでの延滞は、支払い能力もあるのですが、確信犯的に延滞をしても、それから逃れることはできません。
だんまりを決め込むことは先々でどんどん立場が不利になってしまいます。
気持ちをしっかりともって早めの対応が大事ということを肝に銘じておきましょう。