最近ApplePayなどモバイル決済がどんどん増えてきて使う人をよく見掛けるのですが、何がそんなに良いんでしょうか?
まず財布からお金を出す手間が省けるのと、クレジットカードと違いチャージした分しか利用出来ないので使い過ぎる心配がないんだ。
そうなんですね。
中国からの旅行者が多いせいかAlipayというサービスを街のお店やインターネット、テレビなどで耳にしますが、加盟店が増えることで私たちにも関係ってあるんですか?
中国版のモバイル決済だから基本的には同じだけど、端末をかざすのではなくQRコードを読み取らせることで決済するんだ。
具体的に説明していくね!
「Alipayって、どうすれば使えるの?」
と悩んだことはありませんか?
Alipay(アリペイ)は、中国で日常的に使われているモバイル決済の一種です。
日本人にも無関係ではありません。
訪日中国人のために、日本でも「Alipay」決済を導入している商業施設が増えてきているのです。
そこで今回は、Alipayの基礎知識と利用方法などを解説していきます。
この記事を読むことで、Alipayへの理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
Alipay(アリペイ)とは?
Alipayは中国語では「支付宝」(ジーフーバオ)といいます。
日本でも知られているアリババグループ子会社の「アント・フィナンシャル」社が提供しています。
スマートフォン等でお買い物代金の決済をする仕組み、いわゆるモバイル決済です。
一時期の「爆買い」が日本では落ち着いたとはいえ、まだまだ中国人の購買力は無視できないものです。
中国人をターゲットにしたビジネスをするなら、日本の店舗でもAlipay決済を導入するのは自然な流れでしょう。
中国のEC決済において、Alipayは5割のシェアを占めているんだ!
ちなみに同種の「WeChat Pay」というライバルのサービスも4割と頭角を現しているよ。
もともとは、オークションサイト「タオバオ」オンライン決済のサービスとして始まったAlipayだけど、最近だと対面決済でも支払いの主流となってきているんだ。
Alipayの特徴は二点あります。
- プリペイド式であること
- 「QRコード」をスマートフォン上に表示して決済をすること
中国では「銀聯カード」と呼ばれるデビットカードが普及しています。
こちらのカードは決済と同時に銀行口座から出金される仕組みです。
Alipayもまた、クレジットカードを通さない電子マネーで、利用代金はすぐチャージ分から引き落とされます。
ですから、デビットカードと同じプリペイド方式です。
対面決済の場合には、銀聯カードと同種のサービスとなります。
それでも日本と同様、スマートフォンで決済ができる点は大きな魅力のようだね。
デビットカードは、日本ではあまり普及しているとはいえないよ。
けれど米英などでは、中国と同様に非常によく利用されているんだ。
Alipay(アリペイ)が選ばれる理由と、その仕組み
ここでは、Alipayが多くの方に使われている訳とAlipayのシステムを具体的に解説していきます。
Alipayが気になっている方は、ぜひ読み進めてください。
Alipay(アリペイ)の驚くべき利便性の高さ!!
中国のオンライン決済においてAlipayが主流となっていることは先ほどお話しました。
では、なぜAlipayが主流になっているのでしょうか。
その理由は利便性の高い機能にありました。
Alipay(アリペイ)という言葉を初めて聞いた人も少なくないかもしれないね。
コピー消品や不良品の横行する中国市場においては、オンライン通販でまがい物をつかまされてしまう心配が常にあります。
ですが電子マネー決済の場合、代金を直接売り手に支払うわけではありません。
つまり、商品についての信頼性を、電子マネーであるAlipayが担保してくれる機能があるのです。
商品を確認し、誤りがある場合はAlipayがクレーム対応をしてくれるんだ!
仕組みはどうなっている?
実店舗におけるAlipayは、モバイル決済の一種です。
Alipayを使う手順は以下のとおりになります。
- スマホアプリをインストールして利用
- プリペイド方式なので中国の銀行口座から事前にチャージする
技術的には、日本で普及している「Felica」を使った「決済端末にかざす」仕組みとは異なっていて、「QRコード」を使うよ。
支払方法は以下の二種類あります。
QRコードを購入者がコードリーダーで読み取る
販売者のスマートフォン画面上に表示される、QRコードを購入者がコードリーダーで読み取る方法です。
屋台などで印刷済みのQRコードを提示して、購入者に読み取らせる例もよくあります。
店員がバーコードリーダーでスキャンする
もうひとつは、購入者が自分の画面に、個人の情報と関連付けたQRコードを表示させて、店員がバーコードリーダーでスキャンすることです。
こちらの方式は、大規模な店舗に多いようです。
日本でも使われているQRコード方式
日本でQRコード方式は
- 「楽天ペイ」
- 「LINE Pay」
などで採用しています。
日本ではFelica方式がもっとも普及していますが、これとはまったく互換性がないため、勢いはまだまだのようです。
とはいえ、今後は巨大決済システムであるAlipayによって、日本の電子マネー決済のはやりにも変動が生じるかもしれません。
Alipay(アリペイ)の優れている点は?
Alipayは、オンライン・オフライン双方での買い物で決済に優れているだけでなく、スマートフォンユーザー相互の送金が容易だという大きなメリットがあります。
このサービス実装により、中国都市部では現金を持ち歩かない生活がすでに実現されています。
送金方法としても、すでにAlipayを使った方法が一般的になっています。
Alipayなら、電話番号を知っているだけでその人に送金することができるんだ!
近くにいる人同士であれば、携帯電話を近づけることで、簡単に送金が可能だよ。
また、中国語で「AA收款」と呼ぶ、「割り勘」機能も優れています。
大勢で食事をして、代金を誰かが立て替えるケースを例に挙げましょう。
- 立て替える人が、まずAlipayで支払います。
- 次にその人が、Alipay上で参加した人を呼び出し、ボタンを押すと、割られた金額の請求が各人の端末に届きます。
- 金額の請求を受けた側が、「OK」を押すだけで、瞬時に送金がおこなわれます。
現金信仰の大きい日本では考えられない、未来を先取りした状況に、すでに中国本土はなっているわけです。
すでに中国国内においては、公共料金・通信費用の支払から、タクシー代、前払い制となっている携帯電話代金のチャージまで、日常必要なサービスのほとんどをAlipayで支払えるようになっているんだ。
都市部の屋台にまで対応が進み、現金決済がなくなるような勢いだよ。
さらに決済にあたっての手数料もほぼ不要なんだ。
中国人の場合は海外送金の機会も頻繁にありますが、これらも銀行を通さずAlipay経由のほうが簡単ですし、手数料も不要です。
Alipayの使えるスマートフォンさえあれば、すべてのサービスが受けられる状況となっています。
日本においてのAlipay(アリペイ)の展開は??
非常に便利で、ユーザーにとってはなくてはならないAlipayですが、日本への本格進出も具体的に計画されています。
Alipayの運営会社では、2018年にも日本での合弁会社を設立したい意向で、現在はパートナーを選定中のようです。
ここでは、そんなAlipayの現在の状況を具体的に説明していきます。
中国の銀行口座を持っていないと登録することはできない?
では現在、日本人がAlipayを使うにはどうしたらよいでしょうか。
日本に住む日本人が、人民元でお買い物の支払いをする必要性はあまりないでしょうが、中国本土への旅行者や一時滞在者なら、最先端の決済システムを経験してみるのも悪くなさそうです。
現状では、Alipayを使うにあたり、中国の銀行口座が必ず必要です。
パスポートを登録しないと、一年間の利用限度額に制限がかかります。
この点、単なる旅行者でなく中国本土在住の日本人であれば、銀行口座も、中国の携帯電話も通常持っているでしょうから、登録に障害はないようです。
とはいえ、日本語での説明表示が出てくるわけではないので、中国語のスキルがないと登録も困難ではあるようです。
逆に中国語に問題がない人なら、短期の旅行者であっても中国で銀行口座が作れますので、トライしてみる価値があります。
中国で銀行口座を開くには、SMSの受信できる携帯電話が必要で、具体的には
- SIMフリースマートフォン
- 中国SIM
の2つが必要になります。
現状でのAlipayは、あくまでも中国に在住の人が中国で便利に使えるサービスです。
知人もいない旅行者にとってはなかなかハードルが高いようですが、登録できれば現地の人と同じように、現金を持ち歩かないで滞在が楽しめるでしょう。
日本国内で対応している店舗は?
巨大チャイナマネーを当て込んで、すでにAlipayへの対応を済ませている日本国内の大型チェーン店も、多数見られます。
・ビックカメラ
・無印良品
・パルコ
・ユナイテッドアローズ
・ピーチアビエーション(航空会社)
・ローソン
中国人にも人気のディスカウントストア「ドン・キホーテ」をはじめとする大手量販店の狙いはわかりやすいものです。
ですが、コンビニの「ローソン」で爆買いなどは考えにくいため、少々不思議にも思えます。
ここにはAlipay利用データを分析することで、中国人の好む商品をリサーチしたいという目的があるようです。
利用データは、大陸でのコンビニ展開にも役立つことでしょう。
上位以外で、「すき家」を擁する「ゼンショーホールディングス」も加盟店でのAlipay導入をはじめたところです。
こちらも、Alipayで売上げが大幅に上がるとも考えづらいので、データ取得の目的があるのではないでしょうか。
もっとも、Alipay導入にあたって障害がないわけでもありません。
「ワタミ」など、Alipayのほか、シェア第二位のWe Chat Payにも対応できる「NIPPON PAY」という決済を導入したところ、Alipay運営会社のアント・フィナンシャルから「NIPPON PAY」に対し警告が出されました。
QRコードを読み込む仕組みはコストが掛かりませんので他のサービスにも応用が容易ですが、Alipayとしては市場を独占したいようです。
これから日本での利用が簡単になるかも!?
Alipayのサービスは、すでに中国本土にとどまらない規模となっています。
特に利用できる店舗が多いのは、
- 韓国
- 香港
- タイ
- マカオ
- 台湾
などです。
インド・インドネシア・フィリピンなどでもスタートしています。
もはやアジアのスタンダードを確立したといってもいいシステムですので、日本も席巻するのでしょうか。
すでに、Alipayを利用できる店舗の数は、台湾に次いで日本が6位となっています。
Alipayは、チャージ金額に過大な利息をつけています。
このサービスを日本でそのまま採用するとなるとどうなるでしょう。
現金そのものではないといえ、高金利のつく「預金」には多くの人が興味を示すでしょう。
もちろん銀行がそれを黙って見ているとは思えないよね。
電子マネーにおけるポイントサービスは現に日本にも多数あり、特に問題になっていません。
しかし、現金と同じような利便性を持つとされる電子マネーに大きな利息が付くとなると、なんらかの行政指導が入るものと思われ、そのままサービスが維持できると思えません。
さらに日本においては、「円天」などの疑似通貨による巨額詐欺事件がたびたびありました。
外国から持ち込まれるサービスに、そのような胡散臭さをかぎ取ってしまう一般の方も多いのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、Alipayの基礎知識と今後の展開を説明しました。
本記事の重要なポイントをおさらいすると、
・Alipayの日本進出が計画されている
・中国への旅行者がAlipayを使うのはハードルが高い
という3点があります。
この記事を参考に近い将来、日本にも導入されるであろうAlipayに備えましょう。
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