私のクレジットカードを、他の人に貸しても平気でしょうか?
それは絶対にダメだよ!
たとえ友達でもカードの貸し借りは止めたほうが良いよ。
そもそも、本人以外の使用は禁止されているからね。
そうなんですか!
家族に貸そうと思ったのですが、家族でもダメですか?
たとえ家族でも契約者以外はダメなんだよ。
なぜカードを貸すのがダメなのかを解説するね!
現金なしで自由に買い物や決済ができるクレジットカードは、私たちの生活に欠かせない便利な存在です。
そんなクレジットカードを夫婦や親子など家族同士で、あるいは友人同士で貸し借するケースが増えています。自分のクレジットカードを家族や恋人に貸すのってアリなのでしょうか。
名義人以外の人がクレジットカードを利用することの是非について、さらに詳しく確認してみましょう。
この記事の目次
本人の許可があれば平気?
他人のクレジットカードを勝手に利用するのは違法行為ですが、それでは本人の許可があれば平気なのでしょうか。
名義人が自分のカードを家族や知人に利用させた場合には、クレジットカードの規約違反に該当することになります。
本人以外の利用であってもカードの利用料金を支払う義務が発生しますし、さらに規約違反によりカードの利用停止や契約解除の処分が行われることになります。
契約者本人以外のクレジットカード利用は禁止されている!
例えば三井住友VISAカードでは利用規約において、次のように定めています。
「会員は、カードを他人に貸与・譲渡・質入・寄託またはカード情報を預託してはならず、また、理由の如何を問わず、カードおよびカード情報を他人に使用させまたは使用のために占有を移転させてはなりません。(第6条の3)」
これは他のカード会社の場合でも同様であり、クレジットカードを発行するカード会社では契約者本人以外のカードの利用を認めていません。
また、カード会社では会員に対して、カードを厳重に保管すること、さらに他人に使用させてはならないことを規定しているのです。
カードの貸し借りがばれたらどうなる?
友人に貸そうと思ったんですが、やめた方がいいんですか?
詳しく説明していきますが、絶対にやめましょう。
三井住友VISAカードでは利用規約において、以下のように定められています。
「本会員は、次のいずれかの事由に該当した場合、本規約に基づく一切の債務について当然に期限の利益を失い、直ちに債務の全額を支払うものとします。(第22条の1・以下詳細省略)」
「当社は、会員が次のいずれかに該当した場合、その他当社において会員として不適格と認めた場合は、通知・催告等をせずに会員資格を取消すことができるものとします。(第23条の1・以下詳細省略)」
契約者本人以外がカードを利用した場合には、契約者本人がこれを支払うことが必要になります。
カードの貸し借りは利用規約に定める違反行為に該当し、会員資格の停止・利用額全額の即時返済の請求・会員資格の取り消しなどの処分が行われることになります。
貸したカードでトラブル発生!補償は?
友人が借りたカードを紛失してしまったそうです。どうなってしまうんですか?
規約違反のため、保障が受けられません。
クレジットカードには原則として保障制度が適用されますので、盗難や紛失などによりクレジットカードが第三者に不正に利用された場合には、発生した損害の補てんを受けることができます。
三井住友VISAカードでは会員規約において、以下のように定めています。
クレジットカードが不正利用されてしまった場合には原則として会員がその責を負いますが、警察およびカード会社への届け出を条件として発生した損失の補てんが受けられるのです。
ただし「次の場合は、当社はてん補の責を負いません。(第14条3)」とされており、具体的には次のようなものは保障の対象外になります。
「(3)会員の家族・同居人・当社から送付したカードまたはチケット等の受領の代理人による不正利用に起因する場合」
「(9)その他本規約に違反する使用に起因する損害」など
カードの貸し借りは規約違反であり、会員の家族や同居人による使用についても同様に判断されることになります。
カードの扱い・保管は厳重に!
近年ではインターネットの発達により、オンラインでも手軽にクレジットカードを活用することができます。
カード番号と契約者名、さらにセキュリティーコード(CVCコード)の情報があれば決済が可能であるため、親のクレジットカードの情報を子供が無断でインターネットショッピングに利用したり、オンラインゲームの課金に利用したりする事例が増加しています。
親のカードを子供が勝手に使った場合には、未成年者であることを理由としてこれを取り消すことができます。
ただしそのためにはカードの管理責任者である親に落ち度がなかったことの証明が必要になりますので、実際にはかなり面倒な手続きが必要です。
クレジットカードは子供の手の届かない場所に厳重に保管するか、あるいは普段から持ち歩くようにしましょう。
どうしても家族でクレジットカードを持ちたい!そんなときは
家族でクレジットカードを利用したいのですが、どうすればいいですか?
どうしても家族でクレジットカードを持ちたいのであれば、家族カードへの申し込みを検討してみてください。
家族カードはカード契約者本人以外の、家族などの利用を前提として発行される追加カードであり、配偶者や子供がこれを利用してもカードの不正利用には該当しませんので、家族にも安心してカードを持たせることができます。
家族カードでは基本的に、本カードと同様のサービスを利用することができます。利用限度額の範囲内であれば買い物などに自由に活用することができますし、各種の保険なども同様に付帯します。
ただし家族カードを利用した場合には本カードの契約者に対して請求が行われ、また支払いの義務も本カードの契約者が負うことになります。
まとめ
一部のインターネットサイトでは平成16年2月9日の最高裁判所の判決を根拠として、本人以外のクレジットカードの利用は販売店に対する詐欺罪に該当すると解説されていますが、これは暴力団員である被告が知人のクレジットカードを同意の上で利用した事件に関する判例であるため、単純に家族によるカードの利用も同様であるとはいえないようです。
ただし家族や知人などの間でクレジットカードの貸し借りを行うことは、双方の合意の上で行われたとしてもカードの規約に違反する行為になります。
カードの契約者本人には支払いの義務が発生しますし、さらにカードの貸し借りは規約違反に該当するため損失の補てんを受けることはできません。
たとえ親しい間柄であっても安易にカードの貸し借りをしないように、くれぐれも注意をしてください。
配偶者や子供など家族にクレジットカードを持たせたい場合には、家族カードへの申し込みがオススメです。
家族カードは契約者本人以外の家族の利用を前提としたカードですから、家族に安心して持たせることができます。
ただし家族カードの支払いの義務は本カードの契約者が負うことになりますので、カードの使い方などについてはあらかじめ家族としっかりと話し合うようにしましょう。