先輩ー、無人コンビニに関するネットのニュースを見たんですけど、すごくないですか!?
どんどん便利な世の中になってきてるよね!
でも店員さんが居ないお店で買い物するなんて、大丈夫なんですか?
セキュリティ対策はされているけど、まだまだ課題があるんだ。
じゃあ、今回は無人コンビニの基本を説明していくね!
2017年末あたりから盛り上がりを見せている『無人コンビニ』。名前の通り人に頼らず、人工知能(AI)の技術をフル活用することで実現できるというもの。
コンビニのほとんどは24時間営業で、常に店員がいなくてはならない状況です。しかも店舗数が驚くほど多く、人件費は膨大なものになります。また単純に人手不足が深刻。
これらを一気に解消できるかもしれない仕組みこそが無人コンビニです。
世界的に見ても無人コンビニの流れは高まってきていて、専門家は「2018年は無人コンビニ元年になるだろう」と述べているほど。
私たちにとって身近で無くてはならない存在であるコンビニ。
これからどんな風に変化していくのか、無人コンビニのメリットやデメリット、課題点にどんなものが考えられるのかを紹介していきます。
この記事を読むことで来る無人コンビニ時代にスムーズに対応できるようになるでしょう。
この記事の目次
未来に備えて覚えておきたい『無人コンビニ』の基礎知識
まずは「無人コンビニとは何ぞや?」という疑問を晴らしていきましょう。
無人コンビニって何?
今までのコンビニは店員さんがレジにいて、商品を持っていくとバーコードを読み取って精算していました。
しかし無人コンビニはAI技術を用い、店員さんがいなくても精算できる仕組みを採用・実現しています。
地方や過疎地ではコンビニの働き手が慢性的に不足していますし、24時間オープンのコンビニは人件費も高くつく。
これらを一挙に解決できるのが無人コンビニです。
無人コンビニってどんな仕組みになっているの?
ICタグ(電子タグ)を使うことで自動会計を実現します。ローソンとパナソニックが共同開発した無人レジシステム『レジロボ』を例にとってみましょう。
- 商品を買い物カゴに入れる
- レジロボの読み取りスペースに買い物カゴごと商品を置く
- ICタグを自動的に読み取っていき、合計金額を表示
- 支払いを済ませれば完了
という流れになります。
私たちが『セルフレジ』と聞くと、TSUTAYAでおなじみの、自分でバーコードを読み取る端末を連想しますが、ICタグ技術が進んだことでその手間は不要となりました。
従来のようにわざわざひとつずつ読み取る必要が無くなり、買い物カゴをドン!と置くだけで精算できるんです。
ICタグは読み取りスピードがとにかく速い!今まで商品バーコードをひとつずつピッピッと読み取っていたのがいかに前世代的だったかを痛感させられます。
結果、レジ打ちの回転率を大幅に改善させられるので従業員の負担を減らせますし、私たちユーザーは余計な時間をかけずにパパっと買い物ができる…まさにwin-winです。
ちなみにユニクロの姉妹ブランド『GU(ジーユー)』も試験的にICタグによる無人レジを導入したことがあります。
様々な企業が無人レジに注目していることがうかがえますね。
考えられる無人コンビニのメリット・デメリット
無人コンビニが広まったとき、どのようなメリットやデメリットが起こりうるでしょうか。それぞれ紹介していきます。
無人コンビニの3つのメリット
人件費・コストの解消につながる
コンビニ各社の狙いはまさにこれ。結局のところ人件費が一番大きなコストなので、これを大幅に軽減できるのはメリットです。
といっても私たち消費者からするとあまり関係のない話。
ですが例えば
となれば万々歳ですね。
少ない働き手でサービスを提供できる
上記したように地方や過疎地は、そもそも働き手が少ないので人材を確保するのが厳しい状況にあります。
無人コンビニなら最低限の人手で回せるのでメリットですね。
気軽に買い物が楽しめる!スピーディーな会計
消費者目線のメリットはこれです。今までのようなレジ待ちは解消されるでしょう。
また現金での支払いではなくモバイル決済がメインになるため会計スピードはさらに向上するものと予想できます。
小銭をジャラジャラさせる時間はもう無くなります。
無人コンビニの4つのデメリット
結局店員さんは必要になる
商品の補充・陳列・管理、公共料金の支払い、チケットの引換など店員さんがいないと結局済ませられない部分もたくさんあります。
人手を減らすことはできても、まったく人がいない状況でお店を回すのは現実的ではありません。
それに無人コンビニが一般化するまではお客さんをナビゲートする役目もあります。
消費者目線からすると店員さんがいてくれたほうが何かと安心できるのも事実。
分からないことがあると足が遠のいてしまいますよね。
ICタグの導入や初期コストがかかる
無人コンビニを実現するにはすべての商品にICタグを埋め込む必要があります。
1枚あたり10~20円ほどのコストがかかるといわれているので、すべての商品に取り付けるとなると想像以上のコストが発生。
またICタグ読み取りに対応したレジ端末も導入しなくてはならず、やはり初期コストの高さがデメリットになります。
さらに言えばコンビニの定番商品である肉まん、おでん、ホットスナックなどICタグを取り付けられないものが多いのも課題となるでしょう。
現段階ではトラブルがかなり多い様子…
無人コンビニの先駆けであるアメリカの『Amazon GO』がシアトル市内にオープンされていますが、これがトラブルを引き起こしてニュースとなっています。
Amazon GOは
- QRコードでチェックイン
- 商品を手に取って店外に出る
- 登録しているクレジットカードへ請求される
という仕組みです。
商品を持って店外に出るだけで自動的に計算し、請求されるなんてすごいテクノロジーですよね。Amazonの本気度が見て取れます。
しかし一部のユーチューバーが『カメラやセンサーに引っかからないように万引きをする動画』をアップするなど「無人コンビニは万引きが簡単!」という風潮が強まっているようです。
また中国は広東省に開業した『Well GO』という無人コンビニでは正しく計算されない、商品の補充が間に合っていない(補充のためにスタッフが常駐したほうがマシ?)といったトラブルも報告されています。
始まったばかりとはいえ、無人コンビニに関するトラブルはまだまだ後を絶えないのが実態。
実験的段階とはいえ、不安を感じさせる状況かもしれません。
スマホとアプリが必須になる
海外の無人コンビニはいずれもスマホ認証→モバイル決済で利用できる仕組みになっています。
そして国内で無人コンビニを展開させるとアナウンスしているローソンもまたこれに倣ってスマホ決済を導入する様子。
となると無人コンビニを利用するにはスマホとアプリが必要不可欠になります。スマホを持っていない、あるいは不慣れな人にとってはハードルが高くなります。
また日本は世界的に見ても極端な現金主義。最近でこそ電子マネーが広まってきましたが、モバイル決済となると認知度はもう一段階落ちます。
無人コンビニが展開されるころにはもう少し状況が変わっていると思いますが、少々気がかりな部分です。
世界にある無人コンビニの事例を紹介!先輩たちはどんな具合?
ここまで何度か紹介したように、世界ではすでに無人コンビニをスタートさせているところがいくつかあります。
それぞれがどのようなサービスを提供しているのか、どんな特徴があるのかを見てみましょう。
アメリカでオープンした「Amazon GO」
名前から分かるようにAmazonが始めた無人コンビニです。店員はおらず、お客さんは商品を取って店外に出れば自動的に購入される画期的なシステム。
ただ上記したように、Amazon GOのトラブルを耳にする機会も多く、まだまだ改善の余地がありそうです。まだ実験段階なので致し方なし。
いずれにせよ世界に先駆けて始まった無人コンビニなので後続組はAmazon GOを手本に進めていく形になりそう。
中国で始まった「Bingo Box」
Bingo Boxは中国で展開している無人コンビニで、AmazonGO同様実験的な段階にあります。
とはいえ相応の評価を受けていて、実用レベルに近いサービスとして世界中から注目されています。
入店時に『WeChat』のIDが必要になり、決済もWeChatまたはアリペイのいずれかが必須。
Amazon GOはセンサーによる自動計算システムを採用していますが、Bingo Boxは既存のセルフレジを導入しているので即実用レベルに達したと考えられます。
中国はITビジネスが盛んですし、いち早くキャッシュレス社会に適応した点を考えても無人コンビニとの相性はかなり良いと推測されます。
スウェーデンの田舎町に生まれた無人コンビニ
スウェーデン南部にある町『Viken』は人口4200人程度の小さな町です。そんな小さな町に完全無人コンビニが登場し話題になっています。
オーナーはIT起業家で、自身で開発したアプリで入店~清算までを一括管理するシステムを構築。
驚きなのがセキュリティで、
- たった6台の防犯カメラを設置している
- 入口が8秒以上開いたままでアラートが飛んでくる
と極めてシンプル。それでもトラブルは起こっていないのだとか。
深刻な過疎化による買い物難民の助けとなる無人コンビニが評価されるのも納得です。
地域に密着したサービスだからこそ!という点はあるでしょうが、何か大きなヒントを含んでいるように感じます。
日本も!大宮駅で行われた実験店舗
2017年11月20日~26日にJR東日本が埼玉県の大宮駅で無人店舗の実証実験を行い、大いに話題となりました。まだ記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの無人コンビニも
- コンビニの入り口でsuicaをタッチして入店
- 欲しい商品を手に取る
- 商品を持って出口に行くと自動的に計算
- ディスプレイに支払い内容が表示
- suicaをタッチすれば支払い完了
という流れです。
要はsuicaをIDとした無人システムで、各商品の棚にカメラを設置することで商品の増減をカウントしています。
人による目視と近い管理ができる仕組みです。
こちらが大宮駅の無人コンビニを紹介している動画です。
あくまで実験であり、まだまだ課題は多いようです。例えば大人数だと誰がどの商品を取ったのかを正確に把握できないこともあるそうです。
とはいえ間違いなく将来に結び付く香りがしますよね。
近い将来、日本でも無人コンビニが導入される?
コンビニ大手のローソンは2018年春ごろから自身でモバイル決済するサービスを導入し、深夜帯のレジを無人化させる計画を進めているそうです。
無人コンビニを目指した第一歩目…といった印象を受けます。
ローソン以外の大手コンビニエンスストアも無人コンビニに対して積極的な姿勢を見せており、
- セブンイレブン
- ファミリーマート
- ミニストップ
- ニューデイズ
の4社が2025年までに全店舗にてセルフレジ(無人レジ)を実用化させようと動いています。
ただ現段階ではICタグのコストが高く、また各店舗に専用レジを導入するコストを考えると…いきなり全店舗に展開するのは非現実的。段階的に無人化を進めていくはずです。
今の日本は超少子高齢化社会。2040年には2015年と比べて2割強の働き手が減ると言われています。
働き手が少なくても充実したサービスを提供するための仕組みを今から築き上げていかなくてはなりません。
そう考えると無人コンビニの流れは時代の必然であり、避けては通れないことなのかもしれませんね。
まとめ:これからの無人コンビニに注目!
2025年までに大手コンビニ各社が無人レジ化させる、と聞いて「まだ先の話」と感じるか「もうすぐそこまで来てる」と感じるかは人それぞれだと思います。
最後にもう一度、大切なポイントをおさらいすると
・まだ実験段階のため、トラブルも多い
・日本では段階的に無人化が進んでいく
という3つが挙げられます。
もし近所に無人レジ、無人コンビニができたら早めに体験しておいたほうが良いかもしれません。
この記事を参考に近い将来、日本でも誕生する「無人コンビニ」を快適に利用できるように備えておきましょう。