銀行でクレジットカードやローンを組む時は、どうやって審査するのですか?
各銀行は全国銀行協会(JBA・KSC)という協会に所属しているから、そこに問い合わせたらカードの使用状況やローンの申請者の過去のローン履歴などの情報を集める事が出来るんだよ。
なるほどー。じゃー、もし過去に延滞とかブラックリストに載ってたりしたら、すぐに分かるってことですね?
そう。だから、1つの銀行でトラブルを起こしても、他の銀行に行けばバレずに、またローンが組めると言うのは甘い考えなんだよね。もし、いくつかの銀行でローンの申請をしても落ち続けるようなら、情報開示を求めるのも良いかもしれないね。
その情報開示ってどうやってしたら良いのですか?電話やネットでも出来るんですか?
全国銀行協会はちょっと手続きが不便で、本人が手続きする場合、ネットでダウンロードした書類に記入をして、本人確認書類や手数料分の定額小為替証書を郵送して申請しないといけないんだよ。
全国銀行協会(JBA・KSC)は全国にある銀行が加盟している、国に認められた信用情報機関です。
クレジットカードやカードローンの申し込みにはカード会社が過去の利用履歴や現在の利用状況…いわゆるクレヒスを確認するのですが、全銀協はその参照先のひとつとして活用されています。
金融事故(債務整理や不払い、未払いなど)とは無縁の人は全国銀行協会のことをあまり意識しなくても大丈夫です。
しかし中には「申し込み条件はクリアしているのに、何度審査を受けても通らない!」という方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、もしかすると全銀協にブラックリスト者として記録されている可能性が考えられます。
今回は、そんな方のために全国銀行協会の基礎知識と情報開示の流れなどをまとめました。
この記事を読むことで、どんな場合に情報開示を行った方が良いのか分かるため、ぜひ読み進めてください。
この記事の目次
全国銀行協会って何?他の信用情報機関との違いは?
冒頭で紹介したように、全国銀行協会は日本国内で活動する銀行がメインに加入している信用情報機関です。
どんな情報が全国銀行協会に保管されているんですか?
各銀行で取り扱っているローンやクレジットカードなどに関する履歴やきちんと支払ができているのか等の個人信用情報を記録し、そのデータは各銀行が参照できる仕組みとなります。
この仕組みで消費者信用がスムーズに。例えば銀行カードローンなら、特に担保や連帯保証人がいなくても、誰でも気軽に使えるようになっていますよね。
全国銀行協会に記録される個人信用情報に問題がなければ
と判断されます。
信用情報こそが「担保がなくても、申込者本人を信用してお金を貸してくれる仕組みの骨組みとなっている」と考えて差し支えないでしょう。
もし信用情報がなければ、過剰貸付による多重債務や貸し倒れのリスクが起こり、気軽に使えるカードローンは成立しません。
こういった情報を取り扱うのが全国銀行協会です。
CICやJICCとは加盟している組織が違う
全国銀行協会以外にも『CIC』『JICC』という信用情報機関が存在しています。
いずれも個人信用情報を取り扱っている機関で、登録情報の内容はほぼ一緒です。
じゃあ、どんな違いがあるんですか?
それは加盟している組織が違うんだよ。
全銀協は銀行がメインです。CICはクレジットカード会社を担当し、JICCは消費者金融会社が加盟しています。
企業によって「CICとJICCの両方に登録している」「全銀協とJICCに加盟している」といったケースもあります。
詳しくは後述しますが、全銀協やCIC、JICCは『情報開示』が可能です。自分自身の情報がどんな風に登録されているのかを確認できるんですね。
なので銀行カードローンを利用しようと思っているなら全銀協を、クレジットカードならCICを、アコムなど消費者金融のカードローンならJICCの情報開示を行うと良いでしょう。
全国銀行協会に登録されている情報と保有期間
全国銀行協会に登録されている情報とその保有期間は以下の表のとおりです。
登録された情報の保有期間
登録情報の種類 | 登録情報の内容 | 保有期間 |
---|---|---|
取引情報 | ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済情報 | 完済日から5年を超えない期間 |
照会記録情報 | ローンやクレジットカード等の申込み、契約の内容 | 本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6ヶ月に満たない期間 |
不渡情報 | 手形交換所の第一回目不渡、取引停止処分 | 第一回目不渡は発生日から6ヶ月を超えない期間、取引停止処分は処分日から5年に満たない期間 |
官報情報 | 官報に公告された破産・民事再生手続きなど | 決定日から10年を超えない期間 |
本人申告情報 | 本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報と間違えられる可能性がある等の本人からの申告 | 登録日から5年を超えない期間 |
表のように、これまでのローンやクレジットカードに関する情報は信用情報機関に記録されていることが分かります。
特に重要視されるのは『取引情報』『紹介記録情報』です。
例えば支払いがスムーズに行われていない、契約しているローンやクレジットカードの数が多すぎる…といった場合は審査が難しくなります。
どんなケースだと全国銀行協会で開示した方が良いの?
全国銀行協会に記録されている個人信用情報は開示申請することで内容を確認できます。
しかし手間がかかる上に手数料も必要となるので、不必要に開示請求する必要はありません。
じゃあ、どんな時に開示請求をするんですか?
基本的には『なぜ審査に落ちるのか分からない』ときに行うんだよ。
例えば「申し込み条件は全て満たしているはずなのに、どの銀行カードローンに申し込んでも審査落ちしてしまう…」といった時ですね。
先述したように、全国銀行協会に記録されている信用情報は加盟する銀行なら全て参照できる仕組みです。
そのため「他の銀行のカードローンで支払いが滞っている」といったケースだと、まず審査通過は難しくなってしまいます。
「他行だから黙っていればバレないでしょう」と考えていても筒抜け状態なんです。
複数の銀行で心当たりのない審査落ちが続くようなら一度情報開示してみて、今自分がどんな風に記録されているのかを確認してみましょう。
全国銀行協会の情報開示の方法は?必要なものや手順をチェック
次は情報開示の方法を紹介していきます。情報開示は「郵送による申し込み」のみで受け付けていて、ネットや電話での申し込みはできません。
また事務所窓口での受付も不可となります。必要なものは以下のとおりです。
- 開示請求申込書
- 手数料
- 本人確認資料
開示請求申込書
全銀協のホームページからダウンロードし、それを手持ちのプリンターでプリントアウトしたものでOKです。
また以下のコンビニのマルチコピー機でプリントすることもできます。
- セブン-イレブン:プリント予約番号(JBA10001)
- ファミリーマート、ローソン、サークルK・サンクス:ユーザー番号(SSJBA10001)
- セイコーマート、セーブオン:ユーザー番号(SSJBA10001)
手数料
手数料として1000円(消費税、送料込)が必要です。
ゆうちょ銀行で発行している『定額小為替証書』を用意しましょう。
本人確認資料
以下のうち2種類、うち1種類は現住所が確認できるものを用意し、そのコピーを送ります。
- 運転免許証(住所変更がある場合は裏面も必要)
- 運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のもの)
- パスポート(現住所記載面も必要)
- 住民基本台帳カード(顔写真付きのみ)
- マイナンバーカード(顔写真付き、表面のみ。通知カードは不可)
- 在留カードまたは特別永住者証明書
- 健康保険証(現住所記載面も必要)
- 公的年金手帳
- 福祉手帳
- 戸籍謄本または妙本(発行日から3か月以内)
- 住民票(発行日から3か月以内)
- 印鑑登録証明書(発行日から3か月以内)
郵送から受取までの流れ
まずは上記した書類を用意し、次の宛先に郵送します。
一般社団法人全国銀行協会全国銀行個人信用情報センター
なお開示報告書は『本人の現住所』に、原則として『本人限定受取郵便』で郵送されます。
希望すれば簡易書留でも可能です。その際は申込書の郵送方法記載欄にマークしましょう。
もし速達を希望するなら、郵送時に『郵送代金280円分の切手』を同封し、申込書の欄外に『速達希望』と記載します。
いずれの場合も返信用封筒不要です。おおよそ1週間前後で報告書が手元に届きます。
もしも10日以上通知書が届かない場合は『日本郵便お客様サービス相談センター(0120-23-28-86 携帯の場合:0570-046-666)』に連絡してください。
信用情報を確認したらクレヒスを積もう!
無事に自分の信用情報を確認することができたら、次はクレジットヒストリー(クレヒス)について考えてみましょう。
クレヒスに問題があるのは次の2パターンです。
- 延滞やブラックリスト
- スーパーホワイト
それぞれみていきます。
延滞やブラックリストになっている場合
開示報告書の『残債額・入金区分』のところに『△』『×』が記載されている場合はブラックリスト扱いになっている可能性があります。
各マークの説明は次のとおりです。
- ○:入金あり。問題なし。
- △:一部の入金あり。
- ×:入金なし。問題あり。
- P:事情により入金なし。例えばクレジットカードで購入した商品に問題があって返済を停止した場合など。
- -:請求そのものがない。
もし延滞があるなら出来うる限り速やかに入金して、延滞状態を解消しましょう。
また開示報告書の『返済区分』もチェックを。この項目に『延滞』と書かれていると延滞状態として記録されていることになります。
やはり速やかに返済をするのが望ましいです。
『完了区分』の項目も合わせて確認しましょう。通常なら何も書かれていないか『完了』のいずれかです。
しかし以下のように書かれているとブラックリスト扱いになります。
- 代位弁済
- 保証履行
- 強制回収手続
- 保証債務未履行
一度ブラックリスト扱いになると簡単には解消できません。延滞なら入金すれば解消しそうですが、延滞歴自体は完済後5年間記録され続けます。
極端な話、5年間は銀行カードローンなどの審査が厳しい状態が続く…ということに。大きなペナルティですね。
知りませんでした!でも確かに長期的に渡っての延滞をした友達が、ローンに通りませんでした。
ただし同姓同名の別人の情報が何らかの手違いで記録されている場合も稀にあります。
身に覚えのない信用情報が記録されている場合は問い合わせ先に電話をしましょう。
0120-540-558(携帯からは03-3214-5020)、月~金の9:00~17:00が受付時間です。
スーパーホワイトの場合
スーパーホワイトって何ですか?
スーパーホワイトは、これまでに一切クレジットカードやカードローン、携帯電話の割賦払い(分割払い)などを利用したことがない人のこと言うんだ。
普通に考えるとスーパーホワイトほど理想的だと思いがちですが「お金の貸し借りをしたことがない、未知数な人」と捉えられることも。
学生さんや20代前半であればスーパーホワイトでも問題ないでしょう。
しかし30代以降でカード履歴などがない人は
と捉えられてしまい、それが原因で審査落ちになる場合もあります。
ちなみに自己破産を始めとした『債務整理』はブラックリスト扱いの筆頭です。
ただ信用情報機関に記録される期間は最長で10年間なので、人によっては債務整理の記録が消え、スーパーホワイト状態になっているケースがあります。
スーパーホワイトはクレヒスを積み上げることで個人信用を高められます。
例えば楽天カードのような、年会費無料で比較的誰でも簡単に作れるクレジットカードを作成し、使った分をきちんと支払っていればあっという間です。
まとめ:個人信用情報は自分で確認できる!
ということで今回は全国銀行協会(JBA・KSC)について紹介しました。
銀行と言えば住宅ローンや自動車ローンなど金額が大きめで難易度も高いローンを提供しているイメージが強いです。
しかし最近は銀行カードローンにも積極的ですし、全銀協のことを知っておいても損はないと思います。
銀行カードローンの審査になぜか通らない…と悩んでいる人は一度開示請求してみた方が良いかもしれませんね。