先日、海外旅行に行ってきたんですが、滞在していたホテルに「デポジット」を要求されました。
意味が分からずに払ってしまったんですが、2重払いだったんでしょうか?怖いです。
デポジットだね!保証金のことだから安心していいよ!
えっ保証金ですか!?なら良かったです。
でも、どうして保証金を請求されたんでしょうか?
デポジットは海外では、ごく普通に行われていることなんだよ。
じゃあ、具体的に解説していくね!
海外ホテルにチェックインした際や海外レンタカーを借りた時、すでに代金を支払っているのにも関わらず、さらに料金を請求されたことはありませんか?
「よく分からないけど、とりあえず払った方がいいのかな…」
などと心配になった方も少なからずいるはず。
しかし、これは海外では一般的であるデポジット(一時的な保証金)が請求されていたのです。
そこで今回は、デポジットがよく分からないという方のために、デポジットの基本から注意しておきたいポイントをまとめました。
この記事を読むことで、あわてずデポジットに対応できるようになるので、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
知っておきたいデポジット制度の基礎知識
前述したとおりデポジットとは一時的な保証金のことですが、何のためにあるのか分からないという方も多いでしょう。
そんな方のために、ここではデポジットの仕組みを分かりやすく解説していきます。
海外では、一般的なデポジット
なぜデポジットが必要なんですか?日本のホテルでは聞いたことがありません。
簡単に言えばトラブルを未然に防ぐために、請求しているんだよ。
デポジットを請求する理由を説明をすると、海外の犯罪率が高いため、お客さんを信用できないからです。日本では考えられませんが、海外ホテルでは以下のようなトラブルが多発しています。
- 宿泊・有料サービス料金の踏み倒し
- ドライヤー等備品の窃盗
- 部屋の破損
何の対策も打たずにいるとチェックアウト後に料金の回収ができず、最悪の場合は泣き寝入りするしかないといったケースに発展する可能性が高くなります。そこでホテル側は、こういった事態がいつ起きても太刀打ちできるように、事前にある程度の料金を請求しているのです。
なおデポジットはクレジットカードで支払うのが一般的であり、その他の支払い方法については対応していない海外ホテルも多いので気をつけておきましょう。
ちなみにホテルの場合は、宿泊代金の1泊分を請求されることが多いです。
これは「このサイトでは、予約した際のデポジットを請求しません」という意味であることがほとんどです。
実際にホテルへチェックインした際は、デポジットを支払う必要があります。
デポジットは返金される
知りませんでした!
でもデポジットの支払いって、何だか損した気分になりますよね…
大丈夫だよ!デポジットは、ちゃんと返金されるんだ!
デポジットは、チェックアウト時に全額返金されるのが基本です。
デポジットの支払いで使ったクレジットカードは、スタッフにコピーをとられ、何も請求がなければ、コピーの破棄およびにデポジット全額の返金が行われます。
なお詳しくは後述しますが、ホテルのバーやルームサービスなどを利用した場合は、その差額がデポジットから引かれるので覚えておきましょう。
カード認証とデポジットを請求するシステム「プリオーソライゼーション」
「海外では、一般的なデポジット」でも触れましたが海外の犯罪率は高く、不正利用や使用不可のカードを提示するケースも後を絶ちません。
部屋を汚したり、ホテルの室内設備を破損したりといったケースで、ホテルが利用者に追加請求をしようとしてもコピーをとったクレジットカードが使えないのでは意味がありませんから、それを未然に防ぐための仕組みが必要なのです。
そこでホテル・レンタカー会社が、これに対処すべく導入したのが「プリオーソライゼーション」です。
「プリオーソライゼーション」は、以下の役割があります。
- 提示されたカードが有効かどうかを確認
- デポジットを請求する
つまり、提示されたクレジットカードが正式に使えるカードであり、かつ一定額の支払いが可能かどうか(カードの利用可能額)を確認することをプリオーソライゼーション(事前承認)というのです。
チェックインの際に一度、デポジットのチャージが行われ、チェックアウト時に何も問題がなければキャンセル&返金されるという仕組みです。
ですから、ホテルから宿泊代金以外に追加料金を請求されることがなければデポジットは全額払い戻しになるので安心してください。
留意点としては、請求書に実際の宿泊代(レンタカーの使用料)とは別にデポジットの金額が記載されることです。
間違いがあればすぐに確認しましょう。
清算ができなかった料金を後日、請求するレイトチャージ
そういえばレイトチャージという不明な請求がされていたのですが、何のことですか?
それはだね、追加請求のことだよ。
「レイトチャージ」とは、チェックアウト時に精算できなかった金額をホテル・レンタカー会社が追加請求するシステムのことです。ご自身がサインしていなくてもクレジットカードから所定の料金を引き落とされます。
ホテルにおいてレイトチャージは有料サービスを受けた場合のみ発生するため、サービスを利用しなければ追加請求が行われることはありません。
レイトチャージが請求される主な有料サービスは、以下のとおりです。
ホテルの場合 | ・ミニバー(冷蔵庫のドリンク) ・クリーニング代 ・電話料金など |
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レンタカーの場合 | ・ガソリン代 ・車の修理代 ・駐車違反、スピード違反など |
ちなみに、契約書に追加料金の請求に同意する旨が記載されています。
クレジットカードがない場合は、どうすれば良いの?
クレジットカードを持ってない場合はどうすれば良いんですか?
分かった!順を追って説明していくね!
普段、現金払い主義でクレジットカードは持っていないという方も少なからずいるでしょう。
ここでは、そんな方のためにその他のデポジットの支払い方法を具体的に説明していきます。
現金で支払う
クレジットカードがない場合は、現金でデポジットを支払うこともできます。デポジットの金額はホテルによって違いますが、1泊分の料金とするところが多いです。
ですから、デポジットを現金で支払うということは、手持ちのお金が減ってしまうことを意味します。これは、現金払いのデメリットになり、旅行にさくお金が減ってしまえば内心ダメージは大きいものです。
後述しますが、クレジットカードを提示できなければ信用に値する人物だとみなされないことが多いため、ホテルによっては2倍以上のデポジットを請求するケースもあります。
また、現金払いで対応する場合、必然的にお金を多く持ち歩く必要があるため、盗難等もしものことがあった際は困った事態になるでしょう。
デビットカードやプリペイドカードで支払う
現金払い以外だとデビットカードやプリペイドカードを使うという方法があります。
デビットカードとプリペイドカードのシステムは似ており、以下の2つの特徴が挙げられます。
- 口座残高の金額(チャージしたお金)が使える
- カードで支払うと即時引き落とし
「現金で支払う」で説明したとおり現金でデポジットを支払う場合は、大量の現金を持ち歩かなければなりません。
海外では犯罪が多いため、いつトラブルに巻き込まれてもおかしくないでしょう。そんな場合に助けになるのが、こちらのデビットカードとプリペイドカードになります。
仕組みは異なりますが、クレジットカードと同じように扱えるため、現金を持っていく必要がなくなるのです。
また盗難補償が付帯されているカードも多いので、盗まれたらほぼ確実に戻ってこない現金よりも安心できます。
慣れない海外旅行・出張で少しでも不安を減らしたいという方は、こちらの方が現金払いよりも心強いでしょう。
ただし、クレジットカードが一番安心
じゃあクレジットカードを持ってなくても大丈夫なんですね!
いや、そういう訳ではないんだ。できればクレジットカードを使うのがおすすめだよ。
えっ!どうしてですか?
理由を具体的に解説していくね!
現金払いとデビットカード・プリペイドカードでもデポジットを支払えることを紹介しました。
しかし、やはりクレジットカードを持っていくのがベストだと言えるでしょう。
クレジットカードのクレジットには、「信用」という意味があり、カード会社の審査を経て信頼できる人物だからこそカードが使えるという証明になるのです。
そういった経緯から、海外ではクレジットカードが身分証代わりになるため、海外へ滞在する際にクレジットカードを持っていかないというのは良い考えではありません。
知りませんでした!でも運転免許証で身分証明をできますよね!
残念ながら、それはできないんだよ。
運転免許証を提示すれば良いと思う方もいるかもしれませんが、国際免許証でない限り提示しても身分証代わりにならない国がほとんどです。
また、デポジットを現金やデビットカード・プリペイドカードで支払いたくても、ホテルやレンタカー会社にそれを断られれば利用することすらできず、余計な苦労が伴うことでしょう。
そのため、普段あまりカードを使わないという方でも海外へ滞在する際は、クレジットカードを持っていくのが最適です。
気をつけたいデポジットの注意点
次に説明しておきたいのがデポジットを支払う際の注意点です。
どれも大切なポイントになるので、ぜひ読み進めてください。
カードの限度額を確認しよう
事前にカードの利用枠がどれくらい残っているのかをチェックしておきましょう。
カードの利用可能枠の空きがないと、デポジットを支払うことができず、クレジットカードの受取り拒否となる可能性があるからです。
「利用枠がギリギリだから心配だ…」
そんな場合は、カードの「利用枠の一時増額サービス」に申し込んでおくのも一つの手段です。
利用枠の一時増額サービスが利用可能なカードなら、一定期間ショッピングの利用枠を増額することができます。
なお、こちらのサービスに申し込む場合はカード会社に審査されますが、良質なクレジットヒストリーを築いている方であれば問題なく審査に通るはずです。
クレジットヒストリーって何ですか?
クレジットヒストリー(クレヒス)は、簡単に言うとクレジットカードやローンの利用履歴のことだよ。
カードの利用者にとってクレヒスはとても重要な情報です。詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください。
利用枠の一時増額サービスに申し込む場合、支払いの延滞を繰り返していたり、限度額がいっぱいのまま返済していない等といった状況の方は要注意です。
カード会社から「この人は、お金に困っている」と判断され、審査に落ちるばかりか、最悪のケースだとカードの利用停止処分を受ける可能性があります。もちろん、きちんと支払いをしている方であれば問題ないため、ぜひ利用枠の一時増額サービスを活用してみましょう。
稀にミスなどで返金されない場合がある
チェックアウトした際は、必ず請求明細書を確認しましょう。稀になりますが、ホテルやレンタカー会社の手違いにより、デポジットの金額が間違えられている場合があります。
内容に目を通さないままサインをすると、確認の手続きに時間がかかってしまうので、あらかじめ請求明細書をチェックしておく方がスムーズです。
また請求明細書は、その金額が実際にカード会社から引き落とされるまで保管しておくと良いでしょう。というのも、ごくたまに覚えのないサービス料が請求されているケースがあるためです。
いくらチェックアウト時には記載されていなかったと訴えても、請求明細書がないと証明が不可能になりキャンセルしたくてもできないといった状況になる場合もあります。
そういったトラブルにも対処できるように請求明細書を保管しておきましょう。
万が一に備えて、クレジットカードは国際ブランドの違う2枚以上あるといい
クレジットカードにはVISA、MasterCard、JCB、American Expressといった国際ブランドのロゴが必ず記載されています。宿泊するホテルに対応している国際ブランドのクレジットカードでないと使えません。
海外のホテルに宿泊するなら、世界シェア1位、2位のVISA、MasterCardをそれぞれ1枚持っておくと安心です。
また、仮にクレジットカードの利用可能枠の問題でデポジットに使うことができなくても、もう1枚クレカがあれば慌てる必要はなくなります。
さらには、VISAが使えるホテルであるにも関わらず、一部のVISAカードは使えないなどといったことも起きることがあります。
カードトラブルに備えて2枚以上持って海外に行くのがベターでしょう。
まとめ
今回はデポジットの基本から3つの支払い方法、その注意点を紹介しました。
最後にもう一度、デポジットを支払う上で大切な点をおさらいすると
- 基本的にデポジットは全額返金される
- クレジットカードで支払うのが最も安全で便利
- 請求明細書の内容を確認し、必ず保管する
という3つが挙げられます。
ぜひ、この記事を参考にして海外での生活をより快適に楽しんでくださいね。
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