クレジットカードを作る時に審査があることはなんとなく分かるかな?
なんとなく審査があることは分かります
審査の上で申込者を客観的に判断するスコアリングっていう評価システムがあるんだ。今回はスコアリングについて解説するよ。
クレジットシステムは後払いシステムです。クレジットカードの利用者は、クレジットカードを提示するだけで買い物をすることができます。
利用者が買い物をした代金はクレジットカード会社が、お店に立て替えて支払ってくれるのです。言うなればクレジットカード会社が利用者を信用しているということになります。
もっとも、信用してもよい人物なのかをクレジットカード会社も判断しなくてはいけません。
通常、クレジットカードの申し込みをすると、信用してもいいのかどうかをクレジットカード会社が審査を行います。
公表されているわけではありませんが、その審査には、スコアリングシステムという方法が用いられているのです。
ここではそのスコアリングシステムとはどういったものなのか、クレジットカードの審査において、どういった点が考慮されるのかなどを詳細に解説していきます。
この記事の目次
クレジットカード申込みはどんなシステムになっている?
クレジットカードを作るためには申し込みをしなくてはいけません。
申し込みには3通りの方法があります。
まずはインターネットでの申し込みです。
そして、郵送での申し込み、
さらには窓口での申し込みです。
インターネットでの申し込みでは結局郵送になってしまうので時間がかかります。
それでもwebキャンペーンなどインターネットでの申し込みにはいろいろな特典があるのでお勧めです。
ただし、申し込みをすればすぐにクレジットカードが手に入るわけではありません。審査というものが必要になるのですが、その審査について詳しく紹介します。
クレジットカードの申込みに審査がある理由は?
クレジットカードの申し込みをすると、即座にクレジットカードが発行されるわけではありません。
クレジットカード会社からは「所定の審査を行った上でクレジットカードを発行します。発行できない場合もございます。」という申し送りが事前にあるはずです。
このクレジットカードを発行するにあたって、行われる審査ですが、これは利用者が信頼できる人なのか支払い能力があるのか、などをチェックするのです。
クレジットカード会社は、利用者に変わって買い物代金を立て替える、あるいはお金を貸すというサービスを利用者に提供します。
そのサービスについて、しっかりと利用者が支払いをしてくれる人物なのかどうかをクレジットカード会社は、審査によってチェックしているわけなのです。
通常、審査には2,3週間かかります。クレジットカードの申し込みをして審査に通れば、申し込みから約一ヶ月後にはクレジットカードが手元に届くことになります。
クレジットカード審査の流れ
審査の流れを説明します。クレジットカードの発行を申し込むとクレジットカード会社は所定の審査を行います。
申し込む人は申込用紙に自分の住所氏名、さらには勤務先名、所属部署、勤続年数などの基本的な情報を記入します。
それらを元にクレジットカード会社は個人信用情報機関に申込者の照会を行います。どういったことを照会するのかですが、個人信用情報機関には以下の情報が管理されています。
- クレジットカードや消費者金融
- 銀行などのあらゆる金融機関の利用状況
- それらに対する過去の返済履歴など
どこの金融機関にいくらの借り入れがあるのかといったこともわかります。
具体的には、個人信用情報機関は
などと言った情報がわかります。
さらに、それらについての返済履歴情報もしっかりとわかるようになっているのです。金融機関からの請求について、返済が滞っていたり、延滞中といった情報、さらには返済ができなくて任意整理中、そして自己破産しているなどといった情報もわかります。
このような情報を個人信用情報機関はクレジットカード会社に情報開示するのです。
これをもって、クレジットカード会社は申込者に対してクレジットカードを発行してもいいのかどうか、利用金額に対してしっかり返済をしてくれるのかどうかを判断するのです。
概ね、審査には2週間から3週間程度かかるとされています。
問題なければ申し込みから1ヵ月程度でクレジットカードが手元に届きます。
万が一審査状況が悪く、クレジットカードの発行ができなかった場合は、その理由をクレジットカード会社は申込者に対して行うことはありません。
クレジットカード会社も、収益をあげなければいけないからね。
信用できない人にはクレジットカードの発行はできないということですね。
スコアリングってなに?
スコアリングって、直訳すれば点数付けということになりますよね。
そうだね。野球などで、スコアラーという言葉を聞くと思うけど、クレジットカードの審査ではスコアを付けることによって様々なことを評価することなんだ。
それでは、どういったことについてスコアリングしているのかというと、クレジットカードを申し込む人の様々な情報を全て数値化して、スコアリングしているのです。
具体的には、
- 勤務先の情報
- 勤続年数
- 住宅の状況
などです。そして、さらに個人信用情報機関からあげられる様々な信用情報なども数値化しているのです。そしてそれをどのような活用しているのかというと、クレジットカードを発行するための審査です。
クレジットカード発行のために、活用されるスコアリングシステムです。
ここでは、スコアリングを行う目的や、その仕組み、さらには、具体的な例を提示して説明します。
スコアリングが行われる理由について
クレジットカードの申し込みを受けると、クレジットカード会社はただちに審査に入ります。
クレジットカードの申込書によって、個人信用情報機関に照会して様々な情報を取り入れるのです。個人信用情報機関に照会して得られる情報は、金融機関からの借り入れ状況は信用事故状況などです。
さらには、申込書から勤務先状情報や勤続年数など様々な情報を得るのです。
そのようにして得られた情報は全て数値化して点数を付けます。それがスコアリングです。
申込者の様々な情報に点数をつけてスコアリングして、それぞれの点数を集計することによって申込者の信用を客観的に判断するのです。
一般にクレジット業界では、スコアリングによる総合点が高い人を属性の高い人と呼びます。反対に点数が低くなれば、属性が低い人としてみられ、クレジットカードの審査落ちとなってしまうのです。
このスコアリングのボーダーラインはクレジットカード会社によってまちまちです。
だから、このクレジットカード会社の審査は厳しいとか、甘いとかいうことが色々情報が混ざってるわけだよ。
スコアリングの仕組み
スコアリングシステムの仕組みについて説明します。スコアリングということで、クレジットカードの申込者の全てのデータを数値化(点数化)することから始まります。
具体的には、クレジットカードの申込書から、年収、年齢、住居情報、勤務先、勤続年数などを数値化します。
例えば住居情報を見てみましょう。
住居情報 | 点数 |
---|---|
持ち家(本人名義) | 20点 |
官舎 | 15点 |
社宅 | 14点 |
寮 | 13点 |
賃貸アパート・マンション | 12点 |
公営住宅 | 10点 |
下宿 | 5点 |
住居情報でも以上のように細かく点数化されます。
当然ですが、数値の高い方が属性が高いという評価になります。
他にも様々な情報を数値化します。スコアリングの中でも重要度が高いものは年収です。
年収のスコアリングの例を以下に示します。
年収 | 点数 |
---|---|
20万円 | 0点 |
200万円 | 20点 |
300万円 | 30点 |
400万円 | 35点 |
500万円 | 45点 |
600万円 | 50点 |
700万円 | 55点 |
800万円 | 65点 |
1000万円 | 75点 |
これも年収が高いほど点数も高くなります。
他にも勤続年数が長いほどスコアリングの点数は高くなりますし、雇用形態も個人事業主よりも会社員のほうが高くなります。
さらに、会社の規模によっても違いますし、大企業勤務よりも公務員のほうがスコアリングの点数は高くなっているのです。
そして、個人信用情報機関からの情報もスコアリングされます。
例として100万円を借り入れた場合をスコアリングしてみます。
借り入れ | 点数 |
---|---|
なし | 115点 |
銀行、信用金庫(1社) | 70点 |
銀行、信用金庫(2社) | 65点 |
銀行、信用金庫(3社) | 60点 |
信販会社、カード会社、大手消費者金融(1社) | 35点 |
信販会社、カード会社、大手消費者金融(2社) | 25点 |
信販会社、カード会社、大手消費者金融(3社) | 20点 |
中小のサラ金(1社) | 15点 |
中小のサラ金(2社) | 5点 |
中小のサラ金(3社) | 0点 |
借り入れなしのほうが点数が最も高くなります。
小さなサラ金などから3社以上借りている場合、点数はゼロです。
以上のことから、勤務先や借り入れ状況などは点数が高くなっています。収入が高いに越したことはないのですが、それよりも安定した勤務先が重視されています。
さらに注目すべきは借り入れ状況です。
小さなサラ金から借りると最も点数が低くなっているのは、「お金に困っている」ということが浮き彫りになっているからです。
大手からは借りることができない状況と判断されるわけです。
スコアリングの基準はクレジットカード会社によって様々です。照会する個人信用情報機関は同じでも、そこから得た情報で、クレジットカード会社ごとに独自の判断をしているわけです。
当然だけど、スコアリングの点数は社内の秘密だから、公にはされていないよ。
上の例はあくまでも参考例ということですね。
審査基準の基になる「3C」ってなに?
審査基準の基になるのが3Cです。
クレジットカード会社は、申込者の入会審査の判断基準としてこの3Cを取り入れているのです。
これによって信用情報を調査しているのです。クレジットカード会社は収益をあげるためにクレジットカードの会員を広く募っています。
できるだけ多くの人に自社のクレジットカードを使ってもらいたいのですが、クレジットシステムというのは利用者の後払いシステムですから、利用してくれたのはいいのですが、代金を支払ってくれなかったということになると、当然のことですが収益にはなりません。
そのようなことがないように、申込者(利用者)の人となりを調査するのです。そこで3Cというのが大きな要素となってきます。ここではクレジットカード発行の審査に欠かすことのできない3Cに付いて詳しく解説します。
Capacity(資力)
クレジットカード会社の審査の中で、スコアリングは大きなウェイトを占めています。
このスコアリングは全社共通というわけではありません。例えば、申込者の年収が500万円だとしたら、10段階評価でA社は7点なのに対してB社は6点という場合もあります。それぞれを数値化するのですが、トータルのポイントでもボーダーラインは各社独自に設定しています。どのような採点になるのかは、当然のことながら社外秘となっています。
Character(性格)
性格はもっとも重要視されるのですが、これがもっともわかりにくいのも事実です。
返済に対する生真面目さは、クレジットカード会社としては、支払日にきっちりと支払いをしてもらいたいですから、もっとも気にしている部分なのです。クレジットカード会社は、利用者からの返済で成り立っています。
返済がないと当然ですが貸し倒れとなり、クレジットカード会社は、そのようなリスクと常に向き合っているので、利用者の性格を重要視しているというわけです。
Capital(資産)
負債の担保となり得るものです。申込者に不動産や車、さらには有価証券、貯蓄があるかどうかをチェックします。これについては、申込者の申告によって判断するものです。資力と同じで資産もあるに越したことはないのですが、通常の利用、つまり身の丈にあった利用をしている場合であれば、資産についてもそれほど問題視されることはありません。あれば良いという程度ですが、全く何も無いというのも考え物ではあります。
審査で重要視されるのはどの部分?
3Cの中で重要視されるのは性格です。
資力や資産についても、多いほうがいいのは間違いないのですが、それにも増してクレジットカード会社では、申込者の性格を重視しているのです。
性格は見た目や申し込みの段階ではわからない、そう思う人もいることでしょう。
しかし、実は性格というものを推し量る重要な情報があるのです。それが、個人信用情報機関からあがってくる信用情報です。クレジットカードや借り入れの利用歴があり、それについてきちんと返済していること、すなわち延滞記録がないかどうかで、申込者の生真面目さが判断できるのです。
クレジットカードの審査については、信用に足りる性格かどうかが一番大事ということになります。クレジットカード会社にしてみれば、返済してもらってこそ収益があがるのですから当然のことと言えます。
スコアリングは全社共通なの?
クレジットカード会社の審査の中で、スコアリングは大きなウェイトを占めています。
このスコアリングは全社共通というわけではありません。例えば、申込者の年収が500万円だとしたら、10段階評価でA社は7点なのに対してB社は6点という場合もあります。
それぞれを数値化するのですが、トータルのポイントでもボーダーラインは各社独自に設定しています。どのような採点になるのかは、当然のことながら社外秘となっています。
そこで、スコアリングシステムを用いて審査を行っていることは従来から知られていました。
そして、様々な情報などから、スコアリングシステムの評点はこのようになっているのでは、という推測をしているのです。
それでも、元OBなどからの情報もあって間違った情報ではないのは確かです。審査に重要な位置を占めるスコアリングシステムですが、クレジットカード会社によって.スコアリングの評点が異なるのかが気になるところです。
さらには同じクレジットカード会社の中でも、様々なランクのカードが発行されています。
そのようなカードについても、スコアリングは変わってくるのかなど、スコアリングシステムの疑問についてここで解説します。
詳細はカード会社によって異なる
審査基準はクレジットカード会社ごとによって違います。俗にこのクレジットカードの審査は甘いとか、こちらのクレジットカードの審査は厳しくて収入が高くないと持つことができないといったことが、実際に出てくるのです。
照会する個人信用情報機関は同じことが多いので、得られる情報に変わりはありません。
その中で、審査基準が違うというのはスコアリングの点数付けが、クレジットカード会社ごとに変わっているからです。
たとえば年収を例にとってみましょう。A社では、年収400万円を35点にしていますが、B社では年収が400万円もあれば十分だからと80点の評点を付けるとします。もちろん、他の評点との兼ね合いもありますし、総得点数のボーダーラインもわかりません。
それでも、相対的に400万円の年収でも高得点を付けるか付けないかはクレジットカード会社の判断なのです。
スコアリングについては、クレジットカード会社独自のものです。
こちらがそうだから、うちの会社も同じようなスコアリングにしようということはありませ。
その前に、社外秘としている時点でスコアリングについてはクレジットカード会社が独自でやっているということがわかります。
多くの情報をクレジットカード会社が独自で判断しているのですが、信用情報機関からあがってくる情報については、特に延滞情報を重視するので、このあたりについての評点は同じような評価になるはずです。
申し込みたいカードのランクによっても変わる
クレジットカードの審査基準はクレジットカード会社ごとに違ってきます。また、クレジットカード会社でも様々な種類のクレジットカードを発行しています。
それぞれにランク付けがされていて、主婦向けのクレジットカードもあれば、富裕層向けのクレジットカードもあります。
これらについても審査基準は違ってきますし、一般カードとゴールドカード、さらにはプラチナカードでも審査基準は違ってくるのです。
どのクレジットカードでも申し込み内容に変わりはありません。記入する項目にクレジットカードの種類によって、違いが出ることはないのです。
ということは、それらの情報によって得られるスコアリングも同じということになるのですが、審査に受かる、あるいは落ちるというボーダーラインが、クレジットカードの種類によって違ってくるということです。
スコアリングの点数がトータルで400点だった場合は、一般カードの審査には通ることができても、ゴールドカードの審査には落ちるといった具合です。
また、クレジットカード会社によっては、カードのランクごとにスコアリングシステムを変えるところもあります。カードごとに変えているので、一般カードで400点であっても、ゴールドカードでは300点にも満たないということもあるのです。
このように、クレジットカード会社の中にあって、審査の判定基準は様々です。
そのボーダーラインは、ゴールドカード、プラチナカードといったグレードの高いカードになるほど高くなっていくよ。
スコアリングの内容は、日々少しずつ変化している
スコアリングの内容は、常に一定とはかぎりません。
スコアリングの項目にも増減がありますし、中身の採点方法にも違いが出てきます。これは時代の要請というのもあるでしょう。もちろん、クレジットカード会社の事情もあると思います。
たとえば、年齢などがそうです。
あるクレジットカード会社では、10代、20代、30代というくくりで年齢が上がるごとにスコアリングの評点をアップさせてきたのです。
しかし、10年ごとのくくりでは不十分ということで、あるクレジットカード会社は25歳~、30歳~、35歳~というように年齢を5歳ごとに細分化したスコアリングを実施したのです。
年齢も審査に影響を与えることは早くから言われていたことですが、クレジットカード会社によってはさらに年齢の細分化を始めているのです。
このように人の評価というのは時々刻々と変わっていくものです。さらに、この転職の時代にあっても勤続年数というのは、スコアリングシステムの中でもかなり重要な情報となっているのです。
しかし、時代の流れとして、勤続年数はあまり重要視されない時代がくるのかもしれません。
このようにスコアリングに使われる項目でも採点が違ってきますし、項目そのものがなくなることもあるのです。そのように日々変化しながら最適な審査方法を常に模索しているということですね。
まとめ
スコアリングシステムについて紹介してきました。
クレジットカードの発行について、必ず審査が行われるのですが、様々な情報を数値化して自動審査が行われているのが現在の状況です。
そこには人の判断というものはなく、全てが数値化されているということです。
もっとも、数値化されている元になっているのは、すべて人の行動です。勤続年数にしてもそうですし、住居情報にしてもそうです。
持ち家を持っているということは、住宅ローンの審査に通っていること、ある程度の資産、資力があることなどを表しています。
当然ですが、住居情報の採点では持ち家というのは最高点となるのです。さらに信用機関による採点については、申込者の性格などが反映されています。
借金が多いからといって審査に落ちるわけではなく、その借金をきちんと返済しているかということが評価のポイントとなります。
そういった点では、全てが自動化数値化されているなかで、性格が見え隠れするのも興味深いところではありますね。
また、スコアリングシステムは、その内容自体が常に時代によって変動していきます。常に最新のシステムによって審査が行われているのです。
- スコアリングは申込者をポイントで判断するシステム
- クレジットカード会社によって評価基準が異なる
- 内容は日々変化している