クレジットカードでのキャッシングやカードローンを利用するうえで、『総量規制』という言葉を耳にしたことがあるかと思います。この総量規制によって、借りる側も貸す側も大きな変化をしました。
この規制には細かいルールがあり、一部のローンが対象外になったりして、少し複雑です。
中には少し難しく、よくわからないという人も多いです。
しかし、総量規制を理解していないと困る時が来るかもしれません。今回はこの「総量規制」についてできるだけ分かりやすく解説をしました!
これから総量規制とはどういったものなのか、対象・対象外にはなにがあるのか、なぜ施行されたのか、クレジットカードとの関係などについてもお話していきます。
この記事の目次
よく聞くけど意外と知らない!!総量規制とは!!
総量規制は2010年に『改正貸金業法』によって施行された規制になります。
総量規制が施行される以前は、借入に対しての制限がなく、お金を貸してくれる業者さえいれば上限なく借りることのできる仕組みでした。
そのため多重債務者も多く自己破産や財務整理を受ける人も年々増え続けていました。
中には多重債務によって追い詰められて自殺する人などもいて、社会的にも問題視されていました。
その結果、改正貸金業法が施行され、その一部である総量規制が施行されてからは上限が設けられ、規制がかかるようになりました。
そもそも、改正貸金業法とはどういったものなのでしょうか。
貸金業者(消費者金融など)はお金を個人に貸すときに、ルールに則ってお金を貸さなくてはいけないんだ!
そしてそのルールが貸金業法だよ。
貸金業者は必ず金融庁への登録が必要になり、必然的にこの貸金業法を守ることを義務付けられているよ。
なるほど。
では、この改正貸金業法の中に組み込まれる『総量規制』とはどういった規制なんですか?
これから解説していくね!
総量規制とは?
個人がクレジットカードのキャッシングやカードローンでお金を借りるときに、過剰に借りてしまわないように上限を決めたのが、総量規制です。
個人が借入できる上限額として契約できるのが年収の3分の1までとし、収入のない専業主婦がカードを利用する(契約する)ときには家族単位で考えられ、同じく合算して年収の3分の1までの契約となります。
【年収としてみられるもの】
総量規制の基準である収入は以下のようになります。
・給与収入
社会保険料などの控除から、手当(残業・交通費など)を含めた総支給額です。
・年金
公的年金・私的年金の両方とも対象になります。
・不動産などの家賃収入
アパートやマンションなどの賃貸しをしている分の収入や、土地などの賃貸料も入ります。
・個人事業・自営業としての所得
個人事業としての収入から、必要経費を抜いたものになります。
【複数の貸金業者を合算して3分の1】
1件の貸金業者からの借入が3分の1ではなく、複数の貸金業者からお金を借りたとしても、各社総合した金額が3分の1以下でなくてはならず、3分の1を超えるような金額を貸してもらうことはできないんだ。
貸金業者にとっての総量規制
貸金業者は、3分の1以上の金額を消費者へ貸すと厳しい処罰があります。
そのため、借入金額が50万円を超える場合、複数の会社を合せて100万円を超える場合は、貸金業者は『所得証明書』の提出を消費者にしてもらうよう、義務付けています。
そして貸付の申し込みがあった時点で個人の信用情報を照会し、他の貸金業者からの貸付状況を確認します。
総量規制の抜け穴がある
総量規制によって、いざというときにキャッシングやカードローンが利用できない場合、とても困ります。総量規制にも抜け穴はあるようです。
- 銀行系クレジットカードのキャッシングやカードローンを利用する
- 銀行のおまとめローンを利用する
この2つは、『総量規制の対象は?』に関わるので、そちらで詳しくお話したいと思います。
【生活苦が増す人が増えた】
自転車操業でありながらも、借りることでなんとか生活をできていた人にとって、総量規制は迷惑でしかありませんでした。
例えば、総量規制が施行された時点で既に収入の3分の1以上を借りてしまっている人にとって、これ以上の借入ができないとなると、最期には『ヤミ金』と呼ばれる非合法で貸金を行う業者に頼らざるをえなくなる人も多かったんだ。
そうなるとますます膨れる利子と減らない元金によって、自己破産へと追い込まれる人もいそうですね。
ヤミ金へは頼らないものの、返済の当てがないので結果的に自己破産へ追い込まれてしまう可能性もあるしね・・・
総量規制によって、借入への自制が芽生えた人もいれば、生活苦にますます追いやられた人もいます。
借入もせず普通に生活している上では、特に問題点を感じない規制になりますが、一部の人には死活問題となり、不満の声も大きいようです。
では、そもそもなぜ総量規制というものができたのでしょうか。
なぜ総量規制ができたのか?
改正貸金業法の目的は、
- 『貸金業者の規制』
- 『グレーゾーンの金利の廃止』
- 『多重債務の予防』
です。
その中でも、『多重債務の予防』が総量規制の主な目的になります。
実は、『総量規制』という言葉は法的解釈であり実際には『貸金業法第13条の2』になります。
貸金業法の改正の前では、金利も高額で返済能力がないのにも関わらず、貸付が行われていたんだ。
当時は最大約29%の年利がかかり、利息だけで約3割もかかることもあったよ。
すごい数字ですね。
仮に100万円を借りると年間約29万円もの利息を支払うことになりますね・・・。
単純に月割で計算したとしても利息だけで月約25,000円、それじゃあ利息分を払うだけで精一杯ですよ!
利息分だけを払い続けても元金が減らず、元金を減らすためにはまたどこからか借りてくるという悪循環が生まれていたんだよ。
そうした結果、多重債務の結果自己破産をする人が後を絶たなかったんだ。
政府は貸金業法を改正することによって、カードローンやキャッシングなどでむやみにお金を借りることや、返済能力に関わらず貸してしまう業者を規制するために、貸金業法の改正を進めたのです。
【貸金業者への規制目的】
貸金業者への規制目的としては、
- 『グレーゾーン金利を失くすこと』
- 『貸金業者の登録を義務付けることで、規制を守るよう監視できるようになること』
がありました。
改正貸金業法の施行によって、年利を固定しそれ以上の年利を要求することはできなくなりました。
10~100万円まで18%
100万円以上15%
と年利を定めています。
この規定以上の利息を求めた場合は、行政処分の対象となります。
また、出資法の上限金利(20%)を超える場合は、刑事罰対象になります。
これによって『グレーゾーン』と呼ばれる金利がなくなり、利息に追い込まれるようなことは依然に比べて激減しました。
【消費者への規制目的】
総量規制の目的である、『過剰な借り入れ』をふせぐためには、消費者側への規制も必要でした。
今まで簡単に借入できる制度だったため、『なければ借りればいい』という安易な考えが植えつけられていたものを払拭する必要があるのです。
借入額を収入の3分の1と定め、その監視を貸金業者へさせることで、過度な借入を防ぎ貸金業者からも貸せないようになったんだ。
そして、貸金業者から貸せないと言われてしまっては、簡単に借りられる手立てがなく、総量規制の対象外でもある銀行などにお願いするしかないよね。
しかし、貸金業者にくらべ銀行は審査に厳しいのでやすやすとお金を借りることができなくなってしまったんだ。
総量規制が施行されたことにより収入に見合わない借入はできなくなり、過剰な借り入れを防ぐという目的は果たされています。
その反面、すでに過剰な借り入れをしてしまっている人にとってはとても酷な規制であり、追い込む結果となっていることも事実のようです。
こうした目的で総量規制は行われているよ!
この話はクレジットカードにどう関係するんですか?
それはこれから述べていくよ。
その説明をするためにも、まずは総量規制について理解をしよう!!
総量規制の対象は?
総量規制は『貸金業者が個人に貸しつけを行った場合』にのみ対象となります。
貸金業者とは、貸金業法に則って登録をし、貸金業を行う業者をいいます。
以下、総量規制の対象になるものと対象外になるものです。
対象 | アコムなどの消費者金融会社 | クレジットカード会社 | 信販会社 | |
---|---|---|---|---|
対象外 | 銀行 | 協同組織金融機関(JAや漁業組合など) | 保険会社 | 証券金融会社 |
しかし、貸金業者からの全ての借入が対象になるわけではありません。
対象として間違われやすいものは、『担保がある貸付の場合』です。
貸金業者からの借入であっても、担保がある場合は対象外になります。
【各種住宅ローン】
不動産購入・改良のための借入として扱われるので、家の購入やリフォームなどの費用を借入は、例え貸金業者から借りている場合でも対象外となります。
家を建てるときのつなぎ融資も同じく対象外となります。
【自動車ローン・不動産担保貸付】
それぞれ、自動車・不動産が担保となるので総量規制の対象外となります。
この他には
- 『金融取引業者から500万以上の貸付』
- 『売却予定不動産の売却できた場合の代金で返済できる貸付』
などは対象外となります。
主に、消費者金融やクレジットカードのキャッシング、信販会社のキャッシングが対象となります。
そして基本的に収入の3分の1を超える貸し付けはできないとされていますが例外もあります。
【個人にとって有利となる借り換え】
複数社から借入をしている場合、返済の管理が難しく1社にまとめたいと思った場合、総量規制がネックになります。
例えば年収が300万円の場合、100万円までが限度となりますが、3社合計で80万円まで借りていた場合、1社にまとめるためには一時的に限度を超えてしまいます。
【緊急の医療費・療養費の貸付】
家族や本人の医療費・療養費で、高額療養費制度を適用された自己負担額を超えた金額の貸付になります。
たとえば、収入が600万円ですでに200万円の借入をしていた場合、緊急に手術をして50万円の費用がかかり借入をしたいとしても、総量規制によって本来であれば借入ができませんが、例外として高額療養費を超える分の貸付ができます。
その場合は250万円の総貸付額となり、今後200万円以下まで返済しなければ借入ができません。
この他に
- 緊急を要し必要だと認められた場合の貸付
- 配偶者が働いている場合、合わせた年収の3分の1以下の貸付
が例外として認められています。
総量規制の対象外として銀行からのローンは対象外だとお話させていただきましたが、それを利用して総量規制の抜け穴を見つける人もいるようです。
おまとめローン
『個人にとって有利となる貸付』に対して、例外として認めるとされていますが、それでは結局は貸金業者からの借りた金額はなくなりません。
そこで、総量規制の抜け穴として、銀行の『おまとめローン』を利用する人が増えています。
銀行へ行き、ローンの件で総量規制も合わせて相談すると、すすめられるのがこの「おまとめローン」ですが、銀行からのローンは総量規制の対象外なので、貸金業者からの借入が可能になるので非常に有用です。
しかし、この100万円を銀行がおまとめローンとして肩代わりしてくれることで、貸金業者からの借入は0円になります。
また、総量規制を受けた場合、銀行のカードローンを利用する人もいます。
ただ銀行は審査が厳しいので、すべての人が抜け穴を利用できるとは限りません。
総量規制とクレジットカードの関係
それじゃあいよいよ総量規制とクレジットカードの関係について詳しく解説していくよ!
総量規制の対象としてクレジットカード会社からの貸付(キャッシング)も入ります。
クレジットカードも同様、収入の3分の1の範囲が適用されますが、クレジットカードの場合は、
- 『ショッピング枠』
- 『キャッシング枠』
があり、両方ともが総量規制の対象になるわけではありません。
総量規制の対象となるのは『キャッシング枠』のみであり、『ショッピング枠』は別の『割賦販売法』が対象となります。
多くの人はショッピング枠を利用するので、一瞬ヒヤッとした人も多いかも知れませんね。
総量規制が施行されたときには、収入証明書の提出を改めて求められた人も多いのではないでしょうか。
1社から50万円以上・数社合わせて100万円以上の借入がある場合は収入証書を提出しなくてはいけないのは、クレジットカードでも同じです。
また、専業主婦である場合は夫(妻)の収入を証明する書類の提出を求められているかと思います。
では『ショッピング枠』と『キャッシング枠』との総量規制の関係とはどういったものなのでしょうか。
ショッピング枠と総量規制
先にお話ししましたが、ショッピング枠は総量規制の対象ではありません。
ショッピング枠には貸金業法が適応されず、『割賦販売法』が適用されます。
割賦販売法で支払見込額を計算し、ショッピング枠の利用限度額が設定されます。
しかし、ショッピング枠が総量規制の対象外だということを利用して、問題になっていることがあります。
現金化!?
みなさんは『ショッピング枠の現金化』という言葉を聞いたことはないでしょうか。
クレジットカード業界からは問題視されているこのショッピング枠の現金化は、その言葉のとおりショッピング枠をある業者によって現金化することをいいます。
ショッピング枠で業者が指定した高額商品を購入し、その商品と業者から現金を受け取ることを、『クレジットカードの現金化』と言います。
現金化の仕組みとしては、仮にショッピング枠が80万円だとして・・・
まず80万円で現金化業者から商品を購入し、手数料を引いた金額として70万円が後から振り込まれるといったようなものだね。
現金化業者としては10万円の利益があり、購入者としては80万円を使って70万円の現金を受け取る形になるわけですね。
購入した商品も、ほとんど価値のないモノが主流だったけど、問題視する声が多いため、現在では70万円と同等の価値のあるもの(Amazonなどのギフト券)との交換が多いようだよ。
現金化が損か得かと言えば、大損です。
たとえば、80%を現金化して受け取れるという業者であれば、80万円キャッシング枠を現金化した場合、64万円しか現金では受け取れません。
カード会社からは80万円の請求が届きますので、分割払いやリボ払いにした場合はそれに伴う利息分も払わなくてはいけません。
もともと16万円の損をしているうえに、カード会社への支払として利息分も支払わなくてはいけないので、大損としかいえませんよね。
そして一番困るのが、『自己破産』ができなくなってしまうことです。
返済ができず、最期の頼みの綱である自己破産をしたくても、キャッシング枠を現金化するという行為(履歴)は、『廉価処分』といわれる免責不許可事由になる場合があります。
そうなると、自己破産をしても免責という、借金を免除してもらうことができなくなります。
カード会社の規約にもあるように、現金化は認められていません。そして現金化業者に対しても取締が始まっています。
確かにクレジットカードのショッピング枠の現金化は、総量規制の対象外なので“今”お金に困っている人にはとても魅力的に見えるかも知れません。
キャッシング枠と総量規制
キャッシング枠をもつクレジットカードを利用しているだけでは、総量規制の対象にはならず、キャッシングをして初めて対象になります。
キャッシングをするときに信用情報を確認する場合と、ATMなどでのキャッシングをした場合は確認しないこともあるので、その場合は借入ができるようです。
ただ、保証のないアバウトな方法なので当てにしない方がいいかも知れませんね。
おすすめカード
実はキャッシング枠が、総量規制の対象にならない場合もあります。
例えば銀行系カードのクレジットカードの中には、銀行のカードローン機能をつけることができるものが存在しています。
【三菱東京UFJカード】
三菱東京UFJ銀行が発行するクレジットカードに、カードローンの付帯をつけることによって、銀行からの借入となり総量規制には対象外となります。
【横浜バンクカード】
横浜銀行が発行する横浜バンクカードは、
- クレジットカード機能
- デビットカード機能
- ローンカード機能
がついた、めずらしいカードになります。
そして借入の方法として2種類あり、急な出費に対応した通常の借入と、『たてかえ型』というのもがあります。
たとえば、公共料金やショッピング枠を利用した分の入金を忘れてしまったとき、引落し口座の不足分を自動的に立て替える方法になります。
【イオンカード】
イオンカードのキャッシング枠は、総量規制の対象外というのをご存じの方は少ないのではないでしょうか。
主婦の間では当たり前のように利用されているイオンカードは、収入のない専業主婦でも持つことができるカードとして有名です。
すでに持っている人はイオンカードの裏を見ていただけるとわかると思うのですが、イオンカードは『イオン銀行』が発行したクレジットカードになります。
当然、銀行は総量規制の対象外となりますので、イオンカードでのキャッシングも対象外となるのです。
【みずほ銀行 マイレージクラブカード】
マイレージクラブカードで気を付けなければいけないのが、もともとのキャッシングは、クレジット会社からであり、みずほ銀行からではないというところです。
そして、カードローン機能をつけるには、裏ワザが必要なのです。
マイレージクラブカードを申し込むときに、キャッシング枠を“0”で申し込む必要があります。
これでクレジットカード会社からのキャッシング機能はつかないまま、カードは発行されます。
そしてあらためて、カードローン枠をカードにつける必要があるのです。
カードローン機能をつけるには、窓口へ行って申し込むのが一番早い方法だけど、近くにみずほ銀行がなければなかなか難しいよ!
いずれのカードにしても、銀行系カードになりますので審査は厳しめだと思った方がいいだろうね。
まず、カードローン機能をつけることが可能であるのかその方法を詳しく確認して、それから申請することをおすすめするよ。
総量規制と審査の関係
総量規制とクレジットカードの審査は大きく関係します。
クレジットカードを申請するとき、必ず信用情報を確認されることはご存じだと思います。
総量規制が施行されてから、個人への貸付金額や状況・残高などを確認できるようになり、クレジットカードも総量規制の対象となるため、上限ギリギリまでキャッシングしている場合や返済状況によって、審査が通らないこともあります。
【審査が通らない理由】
日本のほとんどのクレジットカードではキャッシング枠があり、その枠の金額と現在借入している金額を合わせて、総量規制の上限を超えてしまった場合、貸し倒れや踏み倒しなどトラブルを懸念して審査をとおさないことが多いです。
また、利子などの手数料で収益を得ているクレジットカード会社としても、上限まで借入している場合は法律上お金を貸すことはできず、利益が上がらないため、審査に落とすことがあります。
クレジットカードは本来、ショッピングで利用するのを目的としたショッピングカードです。
ショッピング枠は総量規制の対象はならないけど、申請された時点である程度の借入があった場合、カード会社としては返済してもらえるのが不安になるよね。
だからそういった場合は『貸倒れ』のリスクを考えて審査で落とすカード会社が多いんだ。
【審査を通す方法】
総量規制の上限ギリギリでも審査を通す方法をいくつかご紹介します。
キャッシング枠を0円にする
利用目的としてショッピングを考えている場合は、キャッシング枠を0で申請することによって、審査が通ることがよくあります。
それは、キャッシング目的ではなく、ショッピングに利用したいのだと意志が読み取れますし、総量規制の限度額だからといって、返済能力がないと判定できないからです。
カードローン機能がついたクレジットカードを選ぶ
クレジットカードの中には、キャッシング枠の他にカードローン機能がついたクレジットカードを発行している銀行があります。
先にお話ししたように、銀行が発行するカードローンは銀行からお金を借りるので、総量規制の対象外になるんだ!
通常クレジットカードのキャッシングになると、貸金業者からの借入となり、総量規制の対象となるから、上限まで借入をしている人は審査が通りにくくなっているよ。
しかし、銀行のカードローンは対象外だから、審査の基準として総量規制は含まれないんだ。
キャッシング枠ではなくカードローン機能がついた銀行系のクレジットカードを選ぶことで、たとえ総量規制に引っ掛かるとしても、クレジットカード機能でショッピングができ、いざというときなどはカードローン機能で現金を借入することができます。
そして審査では総量規制をこえることはなく、“信用に値する”と判断されやすくなります。
しかし、やはり銀行系は他のカード会社と違い、信用に対しての審査は厳しいので、かならずしも発行できる・利用できるとは限りません。
まとめ
総量規制は、消費者のために過剰な借金をしないようにと定められた規制です。
しかし、総量規制によって生活苦が増した人や、自己破産への道を辿ることになった人も少なくありません。
貸金業者の中には、改正貸金業法によって『倒産』に追い込まれたとされる『武富士』という業者がありました。
当時、武富士は『グレーゾーンの金利』と『過剰な貸し付け』によって利益を得ていました。
しかし、上限金利と法定金利の間であるグレーゾーンの金利を最高裁で『過払い金』として認められる結果となり、違法性のある金利の返金をしなければならなくなりました。
金額にして2兆円と想像もつかないような金額であり、当時の武富士の利益である2316億円の10倍にもなります。
そして追い打ちをかけるように改正貸金業法が施行され、金利が下がり総量規制によって個人からの借入が制限され、貸したくても貸せない状況になったので収益も減りました。
また元々抱えていた負債もあり、その資金繰りのむずかしさから倒産したと言われています。
総量規制は、貸す側・借りる側の両方に暗い影をおとしていますが、まだまだ改良の余地があるとされる規制なので、注意深く様子を見る必要がありそうです。
- 借入の上限を定めたのが総量規制!
- 対象となるものならないものがある!
- 消費者を守るために作られた!
- キャッシングが総量規制の対象に!
- 審査にも影響する!