クレジットカードの審査の受けるにあたって実は影響が大きいのが既婚か未婚かという点だよ。
カードの申込書には「配偶者の有無」という項目がある。
そしてこれはカード申込者が結婚しているのか独身なのかを調べるためのものなんだ。
それはどんな意味があるんですか?
結婚しているかどうかは、金銭面でも生活に大きく影響を及ぼす。
だからカード会社は細かくチェックしているんだ。
配偶者がいる人の場合は家賃やローン、さらに家族の分の食費など、独身の人よりも支出による負担が大きくなる傾向にあります。
そして独身の人の場合であれば、食費や家賃なども既婚者と比べて少ないのが一般的です。
そういったことを考慮した上で、カード会社は既婚者・未婚者をどのような形で審査し、区別していくのでしょうか。
意外に知られていない既婚・未婚のカード審査に与える影響について徹底解説していきます。
この記事を読めばカード審査の属性について知識を深め、審査に受かりやすい行動ができるようになるでしょう。
この記事の目次
既婚・未婚はカード審査に影響はある?
クレジットカードを申し込む際には、申込書に自分の情報を正確に記入する必要があります。
- 年齢
- 性別
- 年収
- 勤務先の規模
- 正社員なのかアルバイトなのか
- 家族構成
などのこれらの情報は「属性」と呼ばれ、審査に必要な個人に関する総合的な情報として、審査時に扱われます。
つまり、属性は申込者の社会的な信用度を計るための情報となるのです。
そしてこの属性の中には「配偶者の有無」「同居家族の人数」なども含まれています。
スコアリングについて
クレジットカードの審査には「(クレジット)スコアリング」というシステムが使われます。
スコアリングとはいわゆる評点による点数付け※1 のことです。
そしてこのスコアリングが存在することによって客観的かつ効率的な審査を行うことが可能になります。
一般的にはこのスコアリングはコンピュータにより自動的に行われ、スコアリングの点数が低い申込者をふるいにかける役目があります。
ちなみにクレジットにおける属性はぞれぞれ加点基準が定められていて、合計の点数が高ければ高いほど審査に通る可能性は高くなります。
また、借入状況や返済履歴などの信用情報もスコアリングの対象です。
入会審査では年齢や年収、勤務先などの属性と信用情報(クレジットヒストリー=クレヒス)を解析してスコアリング化します。
ここで大事なのは必ずしもスコアリングの合計で審査の可否が決まるわけではないということです。
例えば属性のスコアリングに問題が無くても、過去に金融事故を起こしているとスコアリング以前の段階で審査を落とされる場合が多いです。
<例>
年収:200万→20点、1000万→75点(年収が高いほど点数が高い)
借入状況:無し→115点、銀行一社から→70点、消費者金融3社から→20点
(無しの場合は最も高く、消費者金融からの借入よりも銀行からの借入の方がスコアリングは高い。
また、借入先が少ないほどスコアリングが高い)
既婚・未婚ではどちらが有利になるか
では、既婚・未婚ではどちらが有利なのでしょうか。
その答えに迫る前に、まずは未婚であることのメリットを3つの自由という観点から見ていきます。
お金の自由
未婚の場合は自分で稼いだお金を自分のために使えます。
家族を養う義務もなくお小遣いを制限されるわけでもありません。
自分の趣味や食べたいもの、行きたい旅先などへの資金を自分の給料の範囲内で好きなだけ捻出することができるのは嬉しいよね。
人との関わりの自由
既婚者になると人付き合いが多くなります。
相手が他の家族や親せきや友人を始め、近所付き合いや子供の親との付き合いなどが増えます。
独身であればこのようなしがらみはなく、自分の時間を好きなように過ごすことが出来ます。
時間の自由
結婚により、自分の時間がある程度失われます。
家事や家族サービス、育児などにかかる時間はかなり多くなり、自分のための時間はかなり少なくなると思って良いでしょう。
未婚の場合はこのような拘束を受けることなく、仕事終わりや休日の時間を自分の好きな様に使うことが出来ます。
自由なお金と時間!身軽な独身ライフは素敵です
でも既婚者が有利な面もあるんだよ!
未婚のメリットを説明しましたが、実は審査などの面においては既婚の方が有利です。
既婚者はお金や時間に制約がありながらも、家族をしっかり養っていくことが出来る人物として社会的信用があります。
ですのでカード会社は既婚者を信用に足る人物であると評価することが多いようです。
既婚の方が有利な点
一見独身の方がお金を使える自由度が高いため審査には有利に思えます。
しかし、実はクレジットカードの審査においては既婚者の方が有利です。
その理由として最も大きいのは独身であると引っ越しや転職がたやすいこと挙げられます。
顧客が転職や引っ越しを頻繁にされると利用代金の回収が困難になるため、クレジットカード会社としては警戒する要素になります。
勤続年数や会社での役職などにも影響する?
既婚者の場合は家族を養っていく必要があります。そのため、気軽に職を変えることは出来ません。
転職をすれば
・給与などの待遇面での改悪
・仕事を覚えるまでの精神的肉体的負担
などのデメリットが考えられるよね。
そうなれば転職以前の生活環境を維持するのは難しい。
だから既婚者は気軽に職を変えられないんだ。
養う家族がいれば多少の不満があっても転職はせずに現状の待遇を維持しようとします。
そうなれば必然的に勤続年数も長くなり、会社の重要な部署を任される可能性も高くなるのです。
更に言えばそれに応じて年収も高くなりますので審査においてプラスに作用します。
既婚者は「居住年数」のスコアリングも高くなる傾向がある
スコアリングの対象になる属性の1つに居住年数というのがあります。
支払いの延滞が生じた時に督促状が送っても届かなかったり、借り逃げをされてしまえばカード会社は困ってしまうでしょう。
ですのでそうしたリスクを軽減するために居住年数は審査においてチェックされます。
クレジットカード会社はあくまで「信用」を担保にしてお金を立て替えているんだ。
だからこうした危険性を想定するのは当然と言えるだろうね。
気軽に引っ越しができる状態、つまり居住年数が短ければ属性のスコアリングは低くなります。
その点、既婚者は中々引っ越しをすることは出来なくなるため、居住年数の属性のスコアリングは高くなるのです。
職場や子供が通う学校の問題もあるからなかなか既婚者の方は引っ越しをしにくい傾向にあるよ。
家族構成がスコアリングに影響することも
既婚か独身かだけではなく、家族構成も審査に深く関係する属性です。
一般的に両親が同居して子供が2~3人居るような家族構成は安定した収入があるとみなされて審査は通りやすくなります。
一方で母子家庭や父子家庭などは生活面で厳しいことが多く、審査が通りにくくなる場合があります。
また、カードを持つことが出来る年齢に達している家族が同居している場合は審査の通過率が高くなります。
これは、本人による支払いが困難な場合でも他に収入のある家族が代わりに支払ってくれるからです。
また、家族と同居していれば「家族カード」の発行がなされる可能性があります。
そうなればカード会社にしても利益が増えるので望ましいですよね。
ですのでカード所有資格のある家族の多い申込者が優遇される可能性も高いです。
ローンはカード審査に影響する?
複数の借入先があれば月々の支払いの負担は借入先の数に比例して増えます。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 消費者金融のカードローン
ですのでこれらの借入を行っている場合はカード審査が通りにくくなる可能性もあります。
高額ローンや返済能力に見合っていない借入を行っていれば返済で生活が圧迫されている可能性があるとカード会社が判断します。
そうなれば審査についても慎重にならざるをえないようです。
「未婚で親と同居」の場合は有利になることも
カードの審査では申込者の支払い能力が可否を大きく分けます。
これはクレジットカード会社が申込者が借入を行った金額をしっかり返済することが出来ることを前提としてお金を貸しているからです。
明らかに支払いが困難な状態に陥りそうな人はもちろん、転職を繰り返したり、アルバイトだったりで安定した収入とは言えない人も審査で落とされることがあります。
ただし、支払いが滞った場合でも同居する家族から回収することが可能な場合は審査で有利になることもあります。
親と同居していて、その親が定職に就き、支払い能力がある場合には未婚であっても審査に通りやすい例が数多くあります。
主婦や未成年の学生の場合にも、同居家族の支払い能力「世帯年収」が大きく審査に関わってくるのです。
世帯年収とは
世帯年収は一世帯当たりの年収のことです。
税金や社会保険などを引く前の家族全員の収入の額面総額のことを言います。
例えば家族の中で働いて収入を得ている人間が一人の場合はその一人分だけの額面総額が世帯年収、夫婦共働きの場合には夫婦二人分の額面上の年収が世帯年収となります。
さらに、両親が同居していて定職についている場合は両親の収入も世帯年収に加算されます。
つまり、収入を得ている家族が多いほど世帯年収は多くなります。
世帯年収が多いほど審査は通りやすい
世帯年収が多いということは、カードの契約者本人が返済できないとしても、家族に返済額を埋め合わせてもらって返済することが出来ます。
そのため世帯年収が多いほど審査に通りやすいと言えるでしょう。
その場合はやはりあくまで本人の年収が属性として重要視されます。
独身はお金を使えるけれど……
独身の場合は、家賃などの支出も少なく、自由にお金を使えます。
加えて配偶者や子供がいないので自由に転職をしたり引っ越しをしたり出来ます。
お金を自由に使え、支払い能力に関しても問題は無いようにも思えますが、既婚者と比べて不利になることがあります。
転職は長い目で見るとマイナス?
転職と一口で言っても大きく分けて2種類あります。
- 栄転
- 他の職場に移ることを余儀なくされた場合
1つはそれまでの職場での実績や能力を評価され、より待遇の良い職場へ向かい入れられる栄転です。
栄転すると一般的に収入などの属性も向上します。
この場合は属性のスコアリングも高くなり審査にも好ましい影響を与えます。
そしてもう1つは職場の待遇や自分の能力などとの兼ね合いが悪くて自主的に退社、場合によっては解雇されることで他の職場に移ることを余儀なくされた転職です。
転職に関する考え方や価値観は多様化していますが、審査において、このような転職の仕方はあまり好ましいものとは受け取られません。
この場合は収入が向上する可能性はほとんどないか、むしろ以前よりも低収入になったり休日や福利厚生などの待遇面が悪くなったりして生活が安定しないのです。
独身の場合は気軽に転職をすることが出来るので、知らないうちに転職を繰り返し不安定な生活になってしまうことも珍しくありません。
引っ越しが決まっている場合の注意点
引っ越し自体は悪いことではありませんが、独身で度々引っ越しを繰り返している場合には審査に不利になります。
実はこれは転職が影響する「勤続年数」とも深く関わってきます。
勤続年数と居住年数の双方が短い場合は、審査の際にかなり警戒されると思った方が良いでしょう。
引っ越しをすると言うこと自体は特殊なことではありませんが、転職とともに引っ越しも繰り返しているとなれば支払い能力を疑われても仕方ありません。
引っ越しには新住居の敷金礼金に加え、引っ越し業者に支払うお金などで非日常的な支出が多くなります。
転職を繰り返して収入が安定しない状態にも関わらず支出の多い引っ越しを繰り返しているとなると金銭面で不安定な状況と判断されてしまいます。
また、審査の際に利用される信用情報にはプライバシーに関わる個人情報は記載されません。
犯罪歴や思想的な個人情報などは審査の段階では判明することが出来ないのです。
つまり、頻繁に住所を変更している場合はその履歴から、健全な社会生活を送っていない可能性も推理される場合もあります。
クレジットカードの住所変更
意外とクレジットカードの住所変更を忘れたままの方は多いようです。
もし引っ越しをした際には速やかに住所変更を行いましょう。
カード会社から送られてくる郵送物には毎月の利用明細書以外に、更新後に送られる新しいカード等があります。
郵便局に転送届を出しておけば1年間は新しい住所に利用明細書が届くことになっています。
しかし更新後の新しいカードは転送が認められないため、住所変更を行っていない場合は新カードが届かず、カードの利用が出来なくなる恐れもあります。
住所変更はインターネット上やコールセンターに電話することでも容易に行うことが可能です。
手続きにルーズなのは直接属性とは関わりはありませんが、やはり信用度を落とす一因になってしまいます。
カード会社と良好な関係を維持するためにも住所変更の手続きなど速やかに済ませておきましょう。
引っ越し直後の申込には注意が必要
引っ越しは敷金礼金、業者に払う費用、などで出費としてはかなりの金額になります。
そのため、すぐにカードを何枚を申し込めば「引っ越しをしたためにお金が無くなったのかもしれない」と疑われてしまうかもしれません。
もしどうしても申し込みたいなら本当に買い物の際にメインで使う1枚を吟味して申込をしましょう。
まとめ
「既婚者かどうか」を始めとした家族構成は属性の1つとして審査に影響を及ぼす一面もあります。
既婚者の方が引っ越しや転職を行わないので収入が安定しやすい、出世しやすいなどの観点からスコアリングが高くなると言えるでしょう。
最後にもう一度、大切なポイントをおさらいすると、
- クレカの審査では一般的に既婚が有利!
- 勤続年数や居住年数の長さが大事!引越しすぎには要注意
- 主婦や未成年の審査には世帯年収も影響する
- 未婚でも親と同居は有利に!
- ローンの借入れがある場合は不利に……
- 引越し後のクレカ複数枚申込みと住所変更手続きの遅れには要注意
という6つが挙げられます。
この記事を参考に、自分の属性を理解して最適なクレジットカードを選ぶようにしましょう。