遅延損害金さえ払ったら大丈夫というわけではありません
もしも、支払日に銀行口座の残高が足りなくて支払いができない場合はどうなるんですか?
そうなると、遅延損害金が発生することもあるんだよ。
今やクレジットカードを生活の必需品であると考える人も多いと思います。
クレジットカードは当然後払いのシステムですので、当然支払日にきちんと銀行口座にお金を用意しておかなくてはいけません。
- 支払日をうっかり忘れていた
- 支払日にお金が足りなった
- 何回も支払を延滞してしまった
しかし中にはこういった人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして支払いを延滞すると遅延損害金というものが発生してしまいます。
遅延損害金とは何か、支払いを延滞するとどうなるのか。また、それらの対処法や注意点などを詳しく述べていきます。
返済に関する正しい知識を身につけて、カードの悩みを減らしましょう。
遅延損害金ってなに?
クレジットカードの支払いが遅れると、本来の支払日から遅れて支払いをすることになります。
そうなると遅延損害金が発生し、本来支払うはずだった金額より多く支払わなくてはいけなくなります。
遅延損害金=延滞料金
遅延損害金は利用金額から実際の支払日までの利息計算が行われ、算出されます。
どんな場合に発生するの?
利用金額が銀行口座から引き落としなされなかった場合、カード会社はカード利用者に連絡を入れます。
その際に「〇〇日に支払いをお願いします」という感じで支払期限を指定してくるよ。
概ね、最初の段階では遅延損害金は発生せず、利用代金のみを支払うことになります。
クレジットカード会社によって違いがあり、引き落としができなかったその日から遅延損害金を計算するクレジットカード会社も存在しています。
支払い方法は、以下の2通りの方法があります。
- 銀行口座からの再引き落とし
- カード会社が指定する銀行口座へ利用代金を振り込む
どちらの方法にするのかきちんと確認をしていきましょう。
支払い方法が再引き落としのみであれば連絡の必要はありません。
また、銀行振り込みの場合も、振り込み人の名前にカード会社が指定した番号などを入力することで、連絡をする必要がない場合もあります。
どうやって計算する?
クレジットカード会社があらかじめ遅延損害金の金利を指定しているので、それに従って遅延損害金の金利計算をすることになります。
これは、支払いが遅れた利用代金の利息と考えてもいいでしょう。
遅延損害金の計算は原則として、引き落としができなかった利用代金と、本来の支払日の翌日から支払いが完了した日までの日数によって計算されます。
遅延損害金の金利は、消費者契約法という法律の中で14.6%と決められています。
これは年利ですから、実際の遅延損害金の計算では日割りとして計算します。
遅延損害金の計算式
遅延損害金の計算式は以下になります。
遅延損害金=利用代金×遅延損害金年利÷365(日)×遅延日数
具体的な計算をしてみます。
10万円の買い物をして、遅延日数が10日の場合の遅延損害金は以下の通りです。
10万円 × 0.146 ÷ 365(日) × 10(日)= 400円
キャッシング利用の場合は、違った計算方法になります。
遅延損害金の金利は利息制限法で定められた金利に設定されます。
利息制限法では3段階の上限金利が定められており、上の例では10万円なので上限金利は18%です。
キャッシングの際の計算式
キャッシングの際の計算式は以下になります。
遅延損害金=キャッシング残高×遅延損害金実質年利÷365(日)×遅延日数
10万円のキャッシングで、遅延日数が10日の場合の遅延損害金は以下になります。
利息制限法で、遅延損害金は「利息の上限金利の1.46倍まで」と設定されているため、上限金利18%の1.46倍の26.26%で計算していきます。
10万円 × 0.2628 ÷ 365(日) × 10(日)= 720円
ショッピングとキャッシングでは遅延損害金の計算が違うということを理解しておきましょう。
返済をしないことのデメリット
多くの人がクレジットカードの返済を忘れてはいけないと理解しているかと思います。
しかし実際に返済をしないとどういったデメリットがあるのでしょうか。
先ほどまで述べてきた遅延損害金も含めてお話してきます。
返済をしないことでどんな事が起きる?
クレジットカードの支払日に利用代金が引き落とせない場合は、一般的に数日後にはクレジットカードの利用が停止されることになります。
つまり、クレジットカードの利用ができなくなるのです。
クレジットカード会社からは、再引き落とし日の指定やカード会社指定の口座への利用代金の振り込みのいずれかを促す連絡が入るよ。
この段階では遅延損害金の請求はあまりないそうです。
しかしこれにも応じないでいると、郵送でクレジットカード会社から督促状が届きます。
督促状が来ても支払いができずに延滞するとどうなる?カードの使いすぎで支払えなくなった場合の対処法
この際も再引き落としや口座振り込みのいずれかを選ぶのですが、この段階では遅延損害金が計算されていて、利用代金とともに支払わなくてはなりません。
そしてそれでも支払いをしない場合はクレジットカードの強制解約ということになるでしょう。
クレジットカード会社の実際の対応例
- 引き落としがされないと3~5日程度で電話での督促(カードは利用できる)※1
- 郵便で督促状が届く(すでにカードの利用が停止されている)
- カード会社の営業マンが自宅訪問(カードは強制解約になる可能性が高い)※2
- 法的処置(裁判所への訴訟など)
※1 クレジットカード会社によっては、勤務先に電話がかかってくる場合があるので注意が必要です。
※2 全く電話に出ないなどの場合に行われます。自宅の確認の意味合いが強いようです。
「ブラックリスト」にも載ってしまうの?
- 支払日にお金を準備することができなかった
- うっかり忘れていた
といった場合は後日、カード会社から電話連絡があった時にきちんと対応をすれば問題ありません。
仮にその間カードが利用停止になることもあるかもしれませんが、ブラックリストに載る(信用情報に傷が付く)ということはありません。
もちろん、うっかりミスでも延滞には違いがありません。
延滞が度重なればカード会社の対応も変わってくるでしょう。
延滞が長期に渡ってくるとどうなるのでしょうか。
この長期というのがポイントで、クレジットカード会社によって規定はまちまちです。
しかし概ね返済日から2ヵ月経過すると問題になります。
延滞が続けば間違いなくブラックリスト入りとなります。
そうなればカード会社は強制解約や裁判所へ調停の申請をすることになります。
こういった状況になったらカード会社から委託を受けた法律事務所からの連絡も入ると思う。
そのときはすでにブラックリストに載っていると考えて間違いないよ。
延滞を避けるにはどうしたら良い?
延滞が続けばカード会社に迷惑がかかりますし、利用者にもカードの利用停止などの不利益が生じます。
カードの利用代金の延滞の多くはうっかりミスなのですが、これが何度も続いたらカード会社からの信用は損なわれるでしょう。
また、延滞は次のクレジットカードの更新にも影響が出るかもしれません。
ここでは、利用代金の延滞を未然に防ぐにはどうしたらいいのかを解説していきます。
支払いを口座引き落としにする
まず基本的なこととして、返済日と返済金額は頭に入れておきましょう。
返済日に返済金額が支払われなければ、うっかりミスだろうが延滞として処理されてしまいます。
そして、利用金額の延滞を防ぐために有効なのは銀行口座を指定して口座引き落としにする方法がよいでしょう。
ほとんどのクレジットカード会社は口座引き落としですが、一部では口座引き落としかコンビニ払いができるところもあります。
自分で支払いをするよりも、銀行口座の自動引き落としを選択するほうが間違いはないです。
クレジットカード会社によっては支払日の未明に引き落とし手続きをするところがあります。
ですから、銀行残高の確認は前日の早い内に済ませて、足りなければ前日中に入金しておいたほうがいいでしょう。
クレジットカードを利用して高い買い物をしたときは、銀行の残高を気にしておかなければいけませんね。
給与振込口座を指定する
次に考えたいのが給与振り込み口座の指定です。
現在のほとんどの会社は給与の支給は銀行振り込みで行っているはずです。
ですので、カードの銀行引き落とし口座は、毎月決まった日にお金が振り込まれる給与の振込口座がお勧めです。
働いている以上確実にお金が入ってきますので、残高不足による滞納ということがなくなります。
これによってうっかりミスなどを減らすことができます。
延滞が重なれば信用情報に傷が付くこともあります。
軽度なミスだとは思わずに、しっかりとした対策をとるようにしましょう。
クレジットカードの引き落とし口座はいつでも変更が可能です。
延滞をしないためにも給与振込口座を指定することをおすすめします。
リマインダーのメールやアプリを活用する
返済能力はあるのに支払日を忘れてしまってお金の準備ができていない・・・
このようなうっかりミスで延滞する人は少なくないようです。
こういった人におすすめなのがリマインダー機能です。
リマインダー機能=パソコンのメールソフトなどに含まれている機能で、あらかじめ日付を登録しておくと、前日や5日前などにアラートで教えてくれる機能。
最近では誰でも持っているスマホにリマインダー機能を搭載したアプリが登場しています。
従来のメールソフトのアプリと同様の機能ですが、普段から利用しているスマホにメッセージが表示されるので支払日を忘れる可能性が低くなります。
支払日を通知するメッセージが出たらできるだけすぐその場で対応するようにしよう。
可能であれば都合の良い支払日に設定する
などカード会社によって異なります。
特に複数枚カードを持っている人はそれぞれカードの支払日が違う可能性があるので支払いにも気をつけなければいけません。
一枚のカードだけの利用でしたら問題はないのですが、用途によって複数枚のカードを使いこなしている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、カード会社の中には支払日の変更に応じてくれるところもあります。
カードの支払日としておすすめなのは給料日の後です。
給料日の後に設定することができれば残高不足による延滞がほぼなくなるでしょう。
もちろんカード会社によって対応はまちまちですし、支払い日を完全に自由に決められない場合もあります。
万一返済が遅れてしまいそうな場合にはどうしたら良い?
クレジットカード会社は、意図的であろうがなかろうが延滞は延滞とみなします。
うっかりミスなどであれば返済能力には問題がないケースがほとんどなので問題なく再引き落としができるでしょう。
では、本当にお金が用意できない時はどうしたらいいのでしょうか。
そういった場合の対策も引き落とし日までに考えておいた方がよいです。
ここでは、返済が遅れてしまいそうな場合はどう対処したらいいのかを解説していきます。
まずはカード会社に連絡を
支払日に利用代金が用意できそうもない…。
そういった場合はどうしたらいいでしょうか。
まず絶対にクレジットカード会社に連絡しなくてはいけません。
クレジットカード会社のサポートデスクに連絡した時の流れ
- 番号をプッシュボタンで選択することによってカテゴリーが分けられる
- 「支払いについて」という番号を選択する
- オペレーターに「支払日にお金が用意できない」と伝える
- いつまでに支払いができるかの確認があるので、いつまでに返済できるか答える
クレジットカード会社は以下の2つを確認したいので質問には嘘をつかず明確に答えるようにしましょう。
一番いけないのは連絡をしないことです。
支払日に引き落としができなかった場合は、クレジットカード会社から電話での連絡があります。
電話に出なければ支払う意思がないと思われても仕方ありません。
ですから、支払いの意思があることを明確に伝えるためにも、利用者のほうから連絡を取るようにしましょう。
支払いに関しては相談をすることで柔軟に対応してくれる可能性があります。
クレジットカード会社としては確実に利用代金を回収したいため、利用者の都合にも柔軟に対応してくれることが多いのです。
遅れたとしてもできるだけ早いうちに支払おう
クレジットカードの利用代金を延滞した場合、遅延損害金さえ支払えば問題ないと考える人もいるかもしれません。
しかし支払日に支払うという約束を破っている時点で問題があります。
ですのでできるだけ早く支払いを済ませるようにしましょう。
当たり前だけど早く支払えばクレジットカード会社からの心証は良くなるし、支払いが遅くなれば心証は悪くなるよ。
長く延滞することになれば、そのクレジットカードだけではなく手持ちのクレジットカードが全て使えなくなる可能性もあるんだ。
どうしても返せなさそうな場合はどうする?
予期せぬ出費などがあり、クレジットカードの支払日までにお金を用意できない場合、どのように対処したらいいでしょうか。
それには様々な方法が考えられます。まずは以下をご覧ください。
- キャッシングをしてその月の支払日に充てる
- あとから分割のサービスを利用する
- リボルビング払いに変更する
- クレジットカード会社に連絡をする
- 親などからお金を借りる
キャッシング
手っ取り早いのは新たにキャッシングする方法です。
キャッシングの支払いは翌日になるので、この方法ならとりあえず支払いをすませることができます。
ただし、借金の返済を借金で行うわけなので、支払うアテがないのであれば避けた方がいいです。
あとから分割
あとから分割は一括払いの利用代金を分割払いに変更する方法です。
これは、このサービスに対応したクレジットカード会社のみ対応しています。
請求が確定した場合にはあとから分割の指定ができない場合があるので、問い合わせが必要だよ。
リボルビング払い
リボルビング払いも同様で、請求確定後にはできない可能性があります。
指定ができるのであれば、あとから分割のほうが支払い回数が決まっているので手数料の負担が少なく、支払いにはお勧めです。
クレジットカード会社に相談
クレジットカード会社に相談して支払日の先延ばしをしてもらう方法もあります。
しかしこの場合ではクレジットカードが利用停止や解約になる可能性が高くなります。
たいていの場合利息なしで借りることができますので、選択肢としては一番望ましいでしょう。
まとめ
利用金額の引き落としができなければ、遅延損害金が発生することになります。
様々な理由で支払いができない場合があると思いますが、カード会社は利用者の都合を関知していません。
延滞をしたのであれば早急の対応が必要です。以下、この記事の重要な4つのポイントになります。
- 引き落としがされないと遅延損害金が発生する
- 延滞を続けると最悪の場合はブラックリスト入り
- 給与振込口座を引き落とし口座に指定しよう
- 支払いが遅れてしまう場合はカード会社へ早めに連絡を
この記事を参考にして遅延損害金を発生させないようにしましょう。