日々の業務をこなし、オンオフの切り替えも出来てプライベートも充実。新人時代には「あの子、大丈夫かしら?」なんて言われていたって、今や安定感と貫禄がある。
そんな看護師五年目ですが、仕事を辞めたいと思いながら働いている方も決して少なくないようです。今回は看護師五年目の辞めたくなる理由や転職について、まとめていきたいと思います。
看護師五年目の辞めたくなる理由
看護師としてかなりの安定感が出てくる五年目ですが、この経験年数だからこその悩みがあるようです。詳しく挙げていきます。
業務と責任の増加
五年目ともなれば中堅看護師と呼ばれるわけで、任される仕事の量が増え、その責任も重くなっていきます。リーダー業務、プリセプターを含む後輩の指導、委員会や部署内の係、事例検討会での発表などなど、もう若手とは言ってもらえない業務内容になっていきます。
しかも経験年数上「出来ない」とは言いづらく、時には「やってもらわないと困る」「出来て当たり前」と思われたりもして、どんどん辛くなってしまう危険性があります。また、このまま働き続けて責任が重くなっていくと「辞めにくくなるかもしれないから、今のうちに…!」と考える方もいるようです。
人間関係の悩み
五年目付近の看護師は若手とベテランの間に挟まれ、板挟みになりがちです。中堅ならではの悩みですね。
また、若手看護師時代には気にならなかったことが見えてくる、気になってはいたけど我慢できたことが許せなくなってくるのも五年目前後です。例えば、上司の看護方針(とにかくベッドの回転率を上げたい、患者さんやその家族への対応がずさんなど)に同意できない、勤務する病院・施設の経営上の問題が見えてくる、病院・施設内で統一されているケア方法や教育方法に納得できない、サービス残業が当たり前、などです。経験を積んできたからこそ、憤ることも増えてくるようです。
給与・賞与など待遇面の不満
看護師の基本給は上がりにくく、夜勤・残業手当があるから高給取りのイメージがあるだけだと言われています。業務の難易度が上がり、責任が重くなっていくにも関わらず、給与はさほど上がらない。これが不満で転職・退職を考える方が出てきます。
五年目看護師というと、年齢は二十代後半、いわばアラサーに突入する方が多いでしょう。将来のため、貯蓄をしたいと考えている方も少なくないはずです。
スキルアップしたい
五年目までの経験から、自分が深く学びたいこと、目指したい資格などがわかってきます。スキルアップのための転職・進学を理由に辞めるケースです。刺激を求めて新たな場所で働くことを考える方もいます。
結婚・妊娠・出産・育児
適齢期と言われる時期に入っています。家や保育所から通いやすい職場・もしくは託児所併設のところに転職したい、夜勤なし・土日休みの職場を選びたい、パートナーの収入が安定しているのでパートに転向したい、家庭に専念したいなどの理由で、転職や退職を希望する方が多いです。
五年目での退職、もし引き留められたら?
人手不足の看護業界ですから、ギリギリのスタッフ数で回している病院・施設は少なくないと思われます。よって看護師が退職を申し出た場合、引き留められることが多いです。特に五年目ともなると、職場において欠かせない人材に成長していることが考えられ、これまで育ててきた職場としては手放したくないと思うのは当然でしょう。
そんなとき、どうしたらスムーズに退職できるのでしょうか?人生の節目である結婚・出産・育児や、看護師としてのスキルアップを目指したいといったポジティブな理由での退職は、(比較的ですが)強く引き留められないようです(結婚・出産・育児の場合は、なんとか調整がとれないか、ギリギリまで働けないかと詰め寄られる可能性もあります)。もし、本当の退職理由が人間関係の悩みや、職場や待遇への不満であったとしても、自分のためのポジティブな退職であることを前面に押し出した方が、少しでもスムーズに辞められるといわれています。
中堅看護師に突入している五年目は、職場や看護、自分の人生について深く考えられる節目の時期です。仕事もプライベートも、より充実したものにできると素敵ですね!
[box_h]著者:看護師ユミ看護師として数年勤務後、結婚を機に引退。転職経験も数回あります。現在は海外を拠点に生活しています。[/box_h]