看護師のキャリアアップに役立つ専門看護師・認定看護師の資格。専門看護師は11領域、認定看護師は21分野の中から選ばなくてはなりません。
そこでここでは人気の資格について紹介していきます。
人気の資格
専門看護師
まずは専門看護師から。こちらはがん看護、精神看護を始めとした11の分野に分けられています。最近になって在宅看護が登場。今は11種類ですが、今後はケースに応じた特定の分野が決まってくると予想されるので、新しいものも登場するでしょう。
人気度を測るポイントのひとつに資格保持者数が挙げられます。単純に資格保持者が多い資格ほど人気と考えられます。以下、各資格ごとの保持者数(2016年6月現在)のまとめです。
- がん看護:435名
- 精神看護:145名
- 地域看護:26名
- 老人看護:55名
- 小児看護:96名
- 母性看護:44名
- 慢性疾患看護:84名
- 急性・重症患者看護:114名
- 感染症看護:22名
- 家族支援:21名
- 在宅看護:6名
保持者が多い順で見ると、がん看護、精神看護、急性・重症患者看護…の順に多く、逆に在宅看護が極端に少ないことが分かります。
在宅看護はまだ登場して間もない資格なので保持者が少ないのは当然。ですが、少子高齢化の流れを見るともっと需要が高まることが予想されるので、将来性は高いと判断できます。
認定看護師
次は認定看護師をチェックします。専門看護師の項と同様、資格保持者で人気度を測ってみましょう。
- 救急看護:730名
- 緩和ケア:1295名
- 小児救急看護:159名
- 新生児集中ケア:287名
- がん放射線療法看護:103名
- がん化学療法看護:1005名
- 乳がん看護:188名
- がん性疼痛看護:638名
- 慢性呼吸器疾患看護:57名
- 摂食・嚥下障害看護:373名
- 感染管理:1611名
- 透析看護:151名
- 手術看護:235名
- 糖尿病看護:438名
- 集中ケア:750名
- 不妊症看護:121名
- 慢性心不全看護:60名
- 訪問看護:333名
- 皮膚・排泄ケア:1778名
- 脳卒中リハビリテーション看護:290名
- 認知症看護:262名
上位が感染管理、皮膚・排泄ケア、緩和ケアとなっています。やはり病院内での感染管理に敏感な社会なので(当然ですが)、これに対応できるエキスパートとして「感染管理」を選ぶ人が多いのではないかと予想されます。
また注目すべきは「がん関連」の資格保持者が軒並み多いこと。現代人にとって驚異となる「がん」の前で自分の無力さを痛感する医師や看護師が多く、これがそのまま所持者数に反映されているものだと予想されます。
全般的に特定の疾患に関するケアが対象なのですが、高齢化社会に合わせた緩和ケアや認知症看護、訪問看護への需要の高さから、これらを選択する人も多く、将来性を感じさせられます。
終わりに
今回は専門・認定看護師の人気の資格を紹介しました。保持者数で評価しているので、とても単純なものですが、納得できる内容だったのではないでしょうか。
結局のところ「なぜ専門看護師・認定看護師の資格が必要だと感じるのか」に基づいて選ぶべきで「人気の資格だから」という理由で選ぶのは違うと思います。将来性、という意味では参考にしても良いかな、くらいでしょう。
これだけ細分化されているのは、ニーズが多様化していること、各分野のエキスパートが必要とされていることが理由です。自分がどの分野で活躍したいのかを考えた上で検討してみましょう。