派遣は普通の正社員として働く事と異なり、派遣会社から企業に働きに行く形になります。そのため、普通に働く上で課される事のないペナルティがあるのかどうか不安になる方がいらっしゃるかと思います。
ここでは派遣社員が派遣先の企業で労働をする上でのペナルティについて、労働基準法を踏まえてご紹介していきます。
罰金のペナルティは労働基準法違反
派遣社員とはいえ、会社としっかり「労働契約」している労働者です。労働者は「労働基準法」という法律に守られています。
その労働基準法の第16条に「ペナルティとして罰金という制裁を加えてはならない」と定められています。たとえ罰金を本当にとらない場合でも、罰金と言う規則を設けること自体が違法になります。
そのため、罰金という決まりに承諾していたとして、罰金を支払わなくてはならない状態になったとしても払う必要はなく、強制された場合、その会社は違法を犯していることになります。
また、罰金を支払わないから、という理由で解雇を突きつけられた場合、労働基準法第15条の「社会的に相当であると認められない場合は解雇を無効とする」という基準に抵触します。
罰金を支払わないから給料から天引きされた場合、労働基準法第24条の「労働者に直接賃金を支払わなければならない」という法律に違反していることになります。強い気持ちを持って罰金と言うルールに従わないようにする事が大切です。
就業規則に規定があればペナルティは合法の場合もある
ただし、就業規則に「遅刻や欠勤の場合ペナルティがある」と記載されていればその限りではありません。
しかし、その場合でも労働基準法第91条の「労働者に減給の制裁をする場合、その金額は日給であれば1日分の給料の1/10を、月給であれば2日分の給料の1/10を越えてはいけない」という決まりがあります。
この金額を上回った金額が差し引かれた場合、労働基準法の違法となります。特に日雇い派遣の場合、このようなペナルティに関して就業規定に記載されている事が少なく、自分が知らないのにペナルティを課される事があります。
その場合、派遣会社に就業規定にペナルティについての記載ががあるかどうかを確認するようにしましょう。もしも派遣会社が何かしらの言い訳をつけて就業規則を見せてくれない場合、ペナルティ自体が違法である場合があります。
派遣会社と良く話をした上で、納得の行く解決法を得られるようにしましょう。
「ペナルティを言われた場合、就業規定を確認する事が大事カモ。記載されていなければペナルティは違法カモ」
業務上で会社に損害を与えれば損害賠償を請求される事がある
ペナルティとは少し話が異なってきますが、働いている会社の制服をなくした、必要な書類を紛失した、不注意で人をけがさせてしまった、などの行為をしてしまった場合、業務上で会社に損害を与えたとして会社から損害賠償を請求される場合があります。
しかし、これは「行った行為に悪意があったかどうか」や「会社にとって重大な過失かどうか」によるところが大きく、わざとやった訳でなければほとんどの場合損害賠償を請求される事はありません。
ただし、派遣社員のミスによるものなので、そのミスの大きさによっては派遣会社に損害賠償請求が発生する場合もあります。
その場合、派遣会社が入っている「賠償責任保険」によってカバーされる事がほとんどですので気にする必要はありません。
再度ミスを犯さないように気をつけて仕事をし続けるようにする事が大切です。
不当なペナルティは近くの労働基準監督署に相談しよう
このように罰金によるペナルティや損害賠償はほとんどの場合違法になります。
不当なペナルティを課せられたり損害賠償を請求された場合、近くにある労働監督署へ相談するようにしましょう。その場合、匿名で相談をすることも出来ます。
そのまま会社に勤め続ける場合、通報したのが自分だとばれてしまうのは誰でも怖いですからね。その旨をきちんと労働基準監督署に伝えるようにしましょう。
労働基準監督署に相談する場合、証拠となるような記録や書類などを用意するようにしましょう。
もしも労働基準監督署に通報したことで会社からなにかしらの報復を受けてしまった場合、「公益通報者保護法」という法律に会社が違反していることになります。
その場合、再度労働基準監督署に相談するようにすると良いでしょう。