派遣会社で働く社員の年齢層は20~30代が中心です。高校を卒業してすぐに、派遣社員になる方は少なく、一度会社勤めやアルバイトをして数年経過してから派遣社員に登録する方が多いです。
また30~40代の方の場合は、会社勤めはしたものの様々な理由で職場になじめず退職したり、正規雇用の減少に伴い会社勤め自体経験がなく派遣社員一筋であるなどです。
一方、50代以上の派遣社員の割合は少なく、私が派遣社員として働いていた頃も体力的に過酷な現場以外で見かけることが常でした。
しかし、20~40代の方に比べて選択肢の幅は狭くなるものの活躍できる機会はあります。今回の記事では、なぜ派遣業界全体では50代以上の方の登録・就業に消極的なのか?
またどのようにして、派遣業界の現状を認識しつつチャンスをつかむかについてお話します。
登録・就業に消極的な理由
派遣業界全体が、なぜ50代以上の方の登録・就業に消極的なのか、その現状についてご紹介します。
体力面を不安視している。
派遣社員の仕事はオフィスワーク以外、基本的に立ち仕事です。ピッキングなどの軽作業であれば、中高年の方や女性も多いのですが、引っ越し作業など体力面できつい仕事には中高年の方に仕事を紹介しにくい面があります。
きつい勤務先で急な体調不良や欠勤などが発生した場合、欠員になり派遣会社と派遣先との信頼関係にも影響することを懸念するのが主な理由の1つです。
派遣先の社員の方が年下で、指示しにくい面がある。
工場などの派遣先では、派遣先の現場責任者が20~30代の場合が多いです。現場責任者としては、自分の親の世代の派遣社員への指示はやりにくいと感じます。
また、年配の派遣社員の中には、自分自身の方が目上だと勘違いして、派遣先の社員だけでなく、他の派遣社員に対しても横柄な言動をしてトラブルを起こしているのを何度も見かけました。
ただし、謙虚な姿勢でまじめな態度で勤務する方は逆に周りから信頼や相談を受けることが多いです。
派遣の仕事内容はどのようなものがあるのでしょうか?
今回は大手派遣検索サイト「エン派遣」で、50代の方の求人にはどのようなものがあるかを調べてみました。
- 財務、簿記に関する求人
- パソコンによるデータ入力
- 営業事務
- コールセンター
- 英文翻訳
- CAD
- 保険会社などでの電話受付
- 伝票仕分け
- 雑貨などのピッキング
- 商品の袋詰め作業
などです。
ピッキングや袋詰め作業などはスキルや資格は不要ですが、その分時給は低めです。その他の仕事も中高年になってから資格取得やスキルアップしようとしても、経験年数を伴わないので現実は厳しいでしょう。
また全体的にオフィスワークが主流なので、パソコンスキル、電話応対、業種別の知識が総合的に求められます。
中高年の方が派遣社員として働くには、軽作業かオフィスワークの二者択一カモ。
派遣会社で登録する際に注意すべきこと
最初は単発仕事でもなんでもできるとアピールする
パソコンスキルがない場合でも、物流倉庫などでのピッキング作業などは中高年の方でも募集しています。
単発仕事が多いですが、若年層は遅刻や無断欠勤が多いので毎日まじめにコツコツ仕事をこなせば、次第に派遣先の社員にも認めてもらえるようになります。
謙虚な言葉遣いで応対する
派遣会社のスタッフもほとんどが若い年代の方ばかりです。言葉遣いだけでなく、いくら人生経験があるからといって自慢話のようになると「協調性に欠ける」と思われてしまいます。
資格・スキル・経験は「ただ事実だけを述べる」ことに徹すればさりげないアピールにつながります。
まとめ
50代でも活躍できる職種は何かを知り、仕事を1つ1つこなすことが信頼を得る道カモ。
50代は年齢的に派遣社員として採用されるには、不利であるのは否めません。
しかし、特に物流企業のピッキングなどの軽作業ではいわゆる「バックレ(無断欠勤し、その後音信不通)」の派遣社員がいるのが実情です。
50代の方は社会人としての常識を兼ね備えた方ばかりですので、とにかくまじめに出勤し作業をします。
まじめに出勤し続けると、短期間で派遣先での派遣社員のリーダー的な存在になることもあります。派遣先から派遣会社に勤務評価が伝わり、いい条件の就業先をつかむことも可能です。
些細なことでもホウレンソウ(報告・連絡・相談)する方が多いので、派遣社員の中でコミュニケーションが図りやすくなり、仕事がやりやすくなります。
今回の記事を読んで、現実を直視しながらもチャンスをつかんでいただければと思います。