正社員であれ派遣社員であれ、働いていると「仕事を辞めたい!」と思うことがありますよね。たとえ派遣の契約途中であっても、様々な理由で退職を考えることはよくあることです。
ただ、派遣社員の場合、直接雇用の社員やパート・アルバイトとは「退職までの流れ」に違いがあります。
今回は、派遣社員が仕事を辞める場合の「正しい辞め方」についてみていきたいと思います。退職には面倒な手続きと精神的なダメージが伴うものです。
派遣社員の「正しい辞め方」を知ることで、少しでも笑顔で気持ちよく退職日を迎えられたらと願います。
今すぐ辞める? 契約期間満了まで我慢できない?
人間関係や職場環境、仕事の内容が自分に合うかどうかなど、実際にその職場で働いてみないと分からない部分ってたくさんありますよね。
就業前に自分が想像していたものと現実とのギャップに困惑して、「辞めたい」「今すぐ辞めたい」と思ってしまうことは誰にでもありえます。ですが、結論を出す前にちょっと立ち止まってみてください。
もし「続けられない」と思ったら、まず契約期間の満了日を確認してみましょう。
契約期間の残りを確認することで「あと1ヶ月我慢すれば・・・」「あと3ヶ月だけ頑張ろう!」というように、自然と気持ちが前向きになるかもしれません。
同じ退職でも、「契約を更新しない」辞め方が一番スマートで、穏便に仕事を辞めることができます。それは派遣会社、派遣先、派遣社員本人のどの立場で考えても想像できますよね。
「辞めたい」と思ったら、まずはちょっと立ち止まって契約期間満了まで我慢できないか考えてみましょう。
それでも「今すぐ辞めたい」と思ったら・・・
派遣社員が契約途中で退職を申し出ることはかなり勇気が要ることです。それでも「今すぐ辞めたい」「この仕事は続けられない」と自分で結論付けた場合、どこに相談したらいいのでしょうか?
派遣会社の担当者
「辞めたい」気持ちを最初に伝えるのは、もちろん「派遣会社の担当者」です。電話やメールで相談しても構いませんが、できるだけ直接会って相談することをオススメします。
電話やメールだと形式的になってしまい、正直な気持ちや感情が伝わりにくいものですよね。
自分の考え方や退職理由を間違って解釈され、お互いに嫌な思いをすることになるかもしれません。直接会って、退職の理由とお詫びの気持ちを伝えることが大切です。
退職の理由によっては、問題解決のために派遣先に働きかけてくれることも考えられます。問題が解決すれば、働き続ける気持ちに変化することもありますよね。
また、派遣先への報告のタイミングについても、この時に派遣会社の担当者に相談しましょう。
派遣会社より先に派遣先へ退職の相談をすることは絶対にやってはいけません!退職の相談は、「派遣会社担当者→派遣先担当者」厳守です!
派遣会社の担当窓口
派遣会社の担当者に相談しても、話が進まないとき、揉めてしまったときなどは、派遣会社の相談窓口に直接相談します。
あまり考えたくありませんが、担当者の都合(個人的な営業成績を落としたくない、派遣先企業との関係性を悪くしたくないなど)で、退職の話を引き延ばしにされたり、具体的な退職手順まで話を進めてもらえなかったりすることもあります(ないとはいえません)。
派遣先の担当者
前半で述べたように、派遣会社に伝える前に、派遣先の担当者に退職の意を伝えることは、絶対に避けなければなりません。思い出してください。派遣社員が雇用契約を結んでいるのは「派遣会社」でしたよね?
派遣会社を通さずに、派遣先に退職の相談をするのはルール違反です。先に派遣会社に相談し、その指示に従って派遣先に退職することを伝えましょう。
退職の相談はなるべく早く!
「辞めたい」と考え始めると、1日でも早くその職場を離れたいと思うものです。しかし、そこは社会人として責任ある行動をとらなければなりません。
契約途中での退職であればなおさらです。派遣会社にも派遣先にも多大な迷惑をかけることになってしまいます。
退職の相談はなるべく早く行いましょう。相談から実際の退職日までの日数に余裕がないと、後任者の選出や仕事の引継ぎが十分にできません。希望する退職日の1か月前までには、派遣会社の担当者に退職の相談を持ち掛けるようにしたいですね。
退職の理由は必要?
「仕事を辞めたい」と相談すると、辞める理由を聞かれることがほとんどです。正直に話すと、理由によってはトラブルに発展したり、自身の信用を傷つけることになったりする場合も考えられます。
ですから、辞める理由は事前に慎重に考えておく必要があります。
具体的には「体調不良」や「家庭の事情」が最も無難で、引き止められにくい理由ではないでしょうか。穏便に退職したいのなら、これらの理由を伝えて、リスクを最小限に抑えましょう。
逆に、思い切って正直に「辞めたい理由」を話してみるのも一つの手段です。派遣会社には本当の理由を伝え、派遣先にその理由を伝えるかどうかは派遣会社の指示に従う・・・といった方法です。
この場合、自分が嘘をついているという負い目がなくなり、不満や苦情を伝えてスッキリできるかもしれません。
ですが、「問題が解決すれば働き続けられるのでは?」と思われて引き止められる可能性も出てきます。
「絶対に辞めたい」「今すぐにでも辞めたい」と退職の意思が固いのであれば、この方法は避けて、無難な理由を伝えた方がいいでしょう。
まとめ
派遣の契約途中で仕事を辞める方法、お分かりいただけたでしょうか?
派遣社員にとって、契約の満了を迎えて退職することが最善の辞め方ではありますが、自分に合わない派遣先でストレスを感じながらでも働き続けることが絶対に正しいとは誰も言い切れないカモ。
契約期間中に辞めることで周囲に与える影響(迷惑)をしっかり把握したうえで、派遣会社と派遣先企業の負担が少しでも減るような「配慮ある辞め方」が大切です。この配慮ある辞め方こそ、派遣社員の「正しい辞め方」と言えます。
周りへの迷惑が最小限になるにはどうしたらいいかを考えると、「派遣会社に早めに相談 → 派遣先から派遣先に報告 → 退職日まで責任をもって業務遂行」という流れが見えてきますよね。
社会人としての責任を忘れなければ、穏便に笑顔で退職日を迎えることができるはずです。次の仕事にも悪い影響が出ることはないでしょう。