例えばA会社のカードを利用していたけど、お金が返済できなくて借金が未払いのまま解約したとします。
するとA会社のカードをこれから作ることはできなくなりますよね。
そうだね。
それでA会社は諦めて、他社のカードを作ったとしたらキャッシングを利用することはできるんですか??
この場合だとクレジットヒストリーに借金を返済できなかったことが記録されているはずだから、まずカード審査の段階で拒否される可能性が高いよ!
クレジットヒストリー??
クレジットカードを作る際にはクレジットヒストリーがきわめて重要になります。
クレヒスは私たちの信用情報を各金融機関やカード会社が評価する際に大事な役割を果たすものなのでしっかりその仕組みを学んでおきましょう。
クレヒスの仕組みを知らないとそれほど基準が厳しくないとされるカードの審査でも落とされる可能性があります。
逆に言えばクレヒスの仕組みを知り、良好な状態にしておくことでカードの審査を通過出来る可能性は格段に上がります。
また、クレヒスを意識することで、同じクレジットカードでもステータス性が高く、付帯保険が充実しているプラチナカードやゴールドカードなどを持つこともゆくゆくは可能になるかもしれません。
- カードの審査
- 銀行のローンの金利面での待遇
- ステータス性が高いカードが持てるかどうか
など、クレヒスは私たちの生活の様々な場面に関わってきます。
この記事の目次
クレジットヒストリーって?
クレヒスはクレジットカードやローンを利用することで記録される履歴のことです。
通常、カードによる決済や、銀行などのローンなどを利用していると、出金や入金の履歴がクレジットヒストリーとして記録されます。クレヒスはCICやJICCといった信用情報機関によって登録され、銀行やカード会社などの金融機関に共有されます。
定期的にクレジットカードを利用して、延滞など無しに支払いをしていれば良いクレヒスとなり、良好な信用情報として積み上げることが出来るのです。反対に、クレジットカードの利用が多いわりに延滞が多かったりすると悪いクレヒスとなり好ましくない信用情報となります。
ところでクレヒスの良し悪しはローンの条件やクレジットカードの利用額と大きく関わってくるのをご存じですか。
良いクレヒスを積み上げることで、金利や支払い期間などの条件の良い住宅ローンやマイカーローンを利用できたり、プラチナカードやゴールドカードなど国際的な信頼度が高く利用額も大きいカードを持つことが出来ます。
クレジットヒストリーってどうやって作られるの?
では実際クレジットヒストリーはどのようにして作られるのでしょうか。各信用情報機関では以下のような契約や返済状況に基づいて各人のクレヒスを記録しています。
クレジットヒストリーとして記載される契約と項目
- クレジットカードの契約
- 割賦契約による商品の購入
- リース契約
- 保証契約
- キャッシング
- ローン
- 移管債権
- 利用状況
- 返済履歴
クレジットカードの契約
カードを作った履歴もクレヒスとして記録されます。つまり、クレジットカードを作った時からクレヒスは作られているということです。
「カードによる決済や返済を行わなければクレヒスは作られない。」と誤解されることは多いですが、実際にはカードを持っている、もしくは持った経験がある場合はクレヒスが存在するということです。
割賦契約による商品の購入
商品の代金を分割払いで支払う契約を行った場合もクレヒスとして記録されます。
住宅ローンなどは20年以上の支払い期間が設定されているのが一般的ですが割賦契約の契約期間の上限は通常5年以内に定められています。
店頭での高額な商品の購入の際には割賦契約を勧められる場合が多いですが、自分の支払い能力に自信が無く延滞の可能性がある場合には辞めておいたほうが無難でしょう。延滞してしまった場合はクレヒスが悪くなります。
他の商品の割賦契約と比べて低額なため意外な落とし穴となっているんだけど、携帯電話を契約した場合、月々の請求額に電話機本体の月割り額が含まれることが多いんだ。
つまりこれは「携帯電話を割賦契約で購入している」ということを意味するから、自動的にクレヒスを蓄積していることになるよ。
滞りなく支払いをしていれば良いクレヒスとなるけど、度々支払いが遅れている場合は悪いクレヒスになるので気を付けよう!
リース契約
車や機械などの長期間の貸し出しを「リース」と言います。
これは一般家庭ではあまり認知されていない契約ですが、企業などでは最新の機器を一定の支払い額で利用出来る上にメンテナンスなども充実しているので重宝されている契約方式です。
これは一時的な利用のレンタルとは区別されます。レンタルの場合は短期間の貸し出しを前提としていて、支払い額も少額であるため利用料金は一括で支払われることが一般的です。
一方でリースの場合は数年間の契約期間を定めているので、月々の分割払いで支払いが行われます。
保証契約
主に銀行等の金融機関のローンやクレジットカードを契約した場合、万が一顧客が返済できなくなった場合、顧客に代わって保証会社が返済するシステムになっています。
保証契約の無いクレジットカードもあるけど、多くの場合はクレジットカードに入会したのと同時に保証会社との契約も成立しているよ!
延滞が続いている場合は返済を保証会社が代行することになるのです。この旨もしっかり信用情報に記載され、悪いクレヒスとして積み上げられることになります。
キャッシング
ATMから容易に借入が出来る「キャッシング」を利用した場合もクレヒスとして記録されます。
通常の窓口での借入と異なり、気軽に借金が出来るため、キャッシングを多用している人は「お金の管理能力が無い人」「たびたびお金に困っている人」と見なされることが多く、また、実際そうであるケースも非常に多いんだ。
クレジットカードにはキャッシングによる貸し出しの上限額である「キャッシング枠」が定められています。過去の自分のクレヒスを鑑みて審査が不安な方はキャッシング枠を0円に設定して申し込むことで審査が通りやすくなります。
ローン
銀行などの金融機関による住宅ローン、マイカーローンなどもクレヒスとして記録されます。
特に銀行による住宅ローンは審査の基準が高く、年収や勤続年数、勤務先の社会的なステータスなども総合的に評価されます。
移管債権
支払いが遅れた場合には債権が通常債権から延滞債権に変わります。
そしてカード利用者の手もとに督促状が届けられたりします。この段階を経ても回収できない場合は、債券が回収専門の部署や回収代行業社に移行します。
このように移行した債権を移管債権と言います。円滑な支払いが行われている場合は移管債権は原則的に行われないので、この情報がクレヒスとして登録されていると審査に悪影響を及ぼす場合もあります。
ただしカード会社や銀行の統合による移管債権もありうるので一概にマイナスになるとも言い切れません。
利用状況
もちろんクレジットカードに入会するだけではなく、カードを利用した際にも信用情報は記録されクレヒスとなります。
ここで注意したいのは、カードを利用して支払いが滞るといったケースの他にも「全くカードの利用歴がない」というのもクレヒスのネガティブな要素になり得る点だね。
「カードを利用しない=借金をする必要が無い」
と考えると一見良いことに思えますが、実はカードを発行する立場としては「定期的に利用してしっかり返済してくれる顧客」の方がありがたいし、身の丈に応じたカードの使い方を知っていると解釈できるので、良好なクレヒスであるとみなされます。
返済履歴
一般的に言われる「ブラックリスト」というのは俗称です。
信用情報として記載されるのは入出金があった旨と、それが期限に間に合うものであったかどうかという情報です。
ただし、返済の延滞が続いたり、債務整理が行われた場合は信用情報に「異動」と記されます。これがいわゆるブラックリストの正体です。
債務整理は借入金を返済する能力が無い場合に任意整理や自己破産を行った場合の事故履歴です。この場合はやむを得ないことも多いのですが、少額の延滞による「異動」でカード審査を落とされるケースも珍しくありません。
携帯電話の支払いなどは軽んじられがちですが期日に口座から引き落とされないことが何度も続くと立派に「延滞」と見なされてしまうので注意しましょう。
クレヒスを磨くってどういうこと?
条件の良いローンを組めたり、付帯保険の充実した上限額の高いカードを持てたりと、良好なクレヒスによって受けられる恩恵は大きいです。
クレジットヒストリー(履歴)と呼ばれるように、信用の積み重ねでクレヒスは作り挙げられていきます。
良いクレヒスと見なされるためには一定の期間や条件が必要です。
そして良いクレヒスを作ることを
- 「クレヒスを磨く」
- 「クレヒスを育てる」
と言います。
カードの支払いをきちんと行うことが重要!
クレヒスを磨く基本的な方法はいたってシンプルで、「カードの支払いを滞りなく行うこと」です。
もちろん前述したようにローンやリース、割賦契約による商品購入でもクレヒスとして記録されます。
クレジットカードの利点は、コンビニやガソリンスタンド、スーパーでの日常的な買い物などの少額の決済を行えるところにあるよ!!
特に住宅ローンや高額商品の割賦契約による購入などでは月々の支払い額もかさんでしまうから、現金での買い物に慣れていて、日常の買い物にカードを使うことに抵抗を感じる人は水道光熱費や携帯電話の料金などをカード決済にしたらいいんじゃないかな。
そして毎月請求されるカード料金を滞りなく支払うことで良いクレヒスが積み上げられていきます。
審査に通りやすいカードを作ろう!
クレヒスを磨くのにはクレジットカードを使うことが基本となりますが、カードを持つことが出来なければクレヒスを磨くことも出来ません。
しかし、クレジットカードの中には審査が厳しく、限られた人しか持てないカードもあればフリーターでも作りやすいカードもあります。
現状、クレヒスが良好な状態でないのであれば、まず審査の通りやすさを基準に持つべきカードを選ぶのもクレヒスを磨く一つの手段であると言えるでしょう。
アコムACマスターカード
アコムは消費者金融系で唯一のクレジットカード発行会社です。通常クレジットカードを作るのが難しいとされているパート・アルバイトでも問題無く審査を通過します。
消費者金融系というイメージさえ気にしなければクレヒスを磨くための最初の一枚としては最適なカードです。
ポイント還元も付帯保険も無いので長い間メインカードとして使い続けるにはやや心もとないので、このカードで確実にクレヒスを積み上げてスペックの高いカードにシフトすることをお勧めします。
Yahoo!Japan JCBカード
Yahoo!Japanや楽天など、メディアで大々的な宣伝を行っているものは審査の通過率>が高いです。
どちらも汎用性の高い楽天ポイントやTポイントが貯まることもあり、クレヒスの無い20代にも人気の高いカードですが、比較すると特にYahoo! JAPANカードの方が審査通過率がどうやら高いようです。
ネットでのショッピングなどにも利便性の高いカードなので一枚持っておくと便利です。
イオンカード
大手ショッピング施設であるイオンが発行しているイオンカード。このカードも審査通過率が高いと言われています。
このようなショッピング施設が独自に発行しているカードは流通系カードとも言われ、銀行が発行元であるカードよりも審査が通過しやすいとされています。
安定した収入を証明出来ないから、一般的に主婦のクレジットカードの審査通過率は低いとされていたんだ。しかし、イオンカードのターゲットとなる顧客層は普段からイオンを利用する主婦の方たちなんだ!
そうなると当然、イオンカードの審査基準では主婦でも通過率が高く、パートやアルバイトなど正規社員以外の雇用形態で働いている方にも作りやすいカードだよ!!
月に数回高ポイント還元セールなども開催しているそうなのでイオンでの買いものもお得になる便利な一枚ですね。
ファミマTカード
ファミマで発行するファミマTカード、ローソンのPONTAカードなどコンビニカードは審査通過率が高いことで知られています。
PONTAポイントはガソリンなどとも提携しているポイントシステムであるため自動車を使う地方に行くほど強い傾向にありますが、Tポイントは都心部を含めてより全国的に普及していると言えます。
コンビニカードの目的はカード入会数を増やして、コンビニの顧客として確保することです。つまり、審査基準を下げてより多くの人に入会してもらう必要があるため審査が通過しやすいです。
携帯電話を割賦払いで買う
携帯電話の端末の価格を月割り金額で利用料と一緒に毎月支払う契約が一般化してきました。
この場合は携帯電話の端末を割賦払いで買ったことになるのでクレヒスを作ることが出来ます。
正常に支払いや引き落としが行われれば信用情報として掲載される可能性があるので、全くクレジットカードをもったことの無い人などでも気軽にクレヒスを磨くことが出来ます。
クレヒスを磨く方法まとめ
- カードの支払いを滞りなく行う
- 最初は審査に通りやすいカードを作ろう
- 携帯電話の料金もクレヒスに!
クレヒスには2種類ある?
クレヒスは大きく分けて
- 信用情報機関のクレヒス
- 社内クレヒス
2種類存在します。
どちらもクレジットを利用した履歴という点では共通していますが、意味合いがそれぞれ異なります。
一般的には社内クレヒスと新情報機関のクレヒスの「どちらかが良くてどちらかが悪い」といったことはあり得ません。
しかし、情報共有の範囲や情報の保管の期間などに違いがあり、どちらを重視するかは状況次第で異なります。
信用情報機関のクレヒス
クレジットやローンなどを提供する金融機関やカード会社は、
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
の3つの信用情報機関により記録されているクレヒスを共有しています。
これは金融機関やカード会社が信用情報機関の会員となることで顧客のクレヒスを迅速に調査し、審査を行うことが出来るシステムです。
また、3つの情報機関の間でもCRINと呼ばれるネットワークを作り、債務整理などの事故情報を共有しています。これにより借り逃げや債務焦げ付きなどのリスクを減らしています。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)
正式名称は「CREDIT INFORMATION CENTER CORP.」で頭文字をとった略称CICで呼ばれています。
1984年に(社)日本割賦協会(日本クレジット協会)と(株)日本信用情報センター、(社)全国信販協会の信用情報機関を一本化して設立されました。
カード会社や信用保証会社、自動車や機械などのローン・リース会社、携帯電話事業社、小売店の他、消費者金融や銀行、労働金庫なども合わせると944社がCICに加盟しています。
さらに原則的に月一回の更新が義務付けられているために、CICで得られる信用情報は特に精度が高いと言われています。
信用情報を自分で確認することが出来るのでカードの申込の際にクレヒスが不安な場合は情報開示を利用するといいね!
開示方法は全国の7か所の主要都市の窓口に赴く他、郵送、インターネットを使ったオンライン開示と3つの方法があります。
JICC(日本信用情報機構)
「Japan Credit Information Reference Center Corp.」の頭文字をとって略称JICCと呼ばれています。
主に消費者金融系を中心として設立された信用情報機関です。現在の加盟会員の内訳もアコムやプロミス、レイク、アイフルなどの大手消費者金融会社が主体です。
(株)アイネット、(株)日本情報センターを(株)テラネットが吸収合併し、その後に(株)CCBを合併して現在のJICCになりました。
消費者金融・信販会社・クレジット会社・その他の金融機関などが加盟している日本国内最大級の信用情報機関です。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
全国銀行協会(全銀協)が運営している信用情報機関です。
会員は全銀協に加盟している銀行が主になります。保有する信用情報は銀行向けのものに特化していて、アメリカンエキスプレスなどに加盟している銀行系クレジットカードの情報や住宅ローン、法人融資などを中心に8000万件あります。
銀行子会社などの銀行系クレジットカード会社は規定によりKSCに加盟していますが、三井住友カード・JCB・セゾンUC・三菱UFJニコスが現在では脱退して情報を抹消しています。
社内クレヒス
各クレジット会社の中で保管されるクレヒスのことを社内クレヒスと言います。
個人信用情報機関のクレヒスは金融庁のガイドラインによって定められています。そのため記載される情報は契約情報や入出金の状況などにとどまっており、情報の保管期間も決まっています。
それに対し、社内クレヒスは他社と共有するために定められているものでは無く、あくまで自社の事業で必要となる情報として保管されている情報です。そのため、より詳細な利用金額や利用店舗などの情報も記録出来ます。
この社内クレヒスは過去にクレジットカードを作ったことがある会社で新たに別のクレジットカードを作る場合に重視される可能性が高いです。
社内クレヒス | 信用情報機関のクレヒス | |
---|---|---|
情報が保管される期間 | 半永久的に保管される | 5~10年 |
記載される情報の内容 | 詳細な利用金額や利用店舗などの情報 | 契約情報や入出金の状況など限定的 |
過去に持っていたカードで良い使い方をしている場合は社内クレヒスも良好な状態で保管されているので審査に有利になります。
反対に、延滞や踏み倒しの履歴があれば最悪の場合「社内ブラック」となり、その会社でクレジットカードを作ることは事実上不可能になります。
社内クレヒスが信用情報機関のクレヒスと比べて厄介なのが、保管される期間に決まりが無いことです。
CICやJICCなどで保管されるクレヒスは自己破産などの金融事故でブラック状態になったとしても5~10年経てば履歴は消えます。
つまり、その会社で傷ついた信用情報を回復させることは出来ません。この場合は諦めて別のカード会社でクレジットカードを作るしかありません。
できれば避けたい!!悪いクレヒスになってしまう原因
前述したようにクレヒスとは、その人が過去にどのようにクレジットをはじめとした金融商品を利用してきたかを表す履歴です。
金融機関でカードを作ったりローンを組んだりする時の審査を行う際にも非常に重要視される情報です。
何度も繰り返しますが、クレヒスの良し悪しは「返済が滞りなく行われているか否か」でほぼ決定します。
忘れてはいけないのがクレジットカードやローンの利用は、利用者に「信用」があることが前提になっているといういうことです。
クレジット決済を長い間しっかり行えていて、クレヒスが良好であるということは、金融商品を提供する会社側が「この人は信用できる」と判断する材料になります。
考えられる原因
- 延滞履歴がある
- 代位弁済歴がある
- 債務整理歴がある
- 1年以内に複数の融資申し込みを行っている
- 過剰な借入件数がある
- 利用履歴も延滞履歴もない
延滞履歴がある
クレヒスを良くするためには延滞は絶対NGです。
一度や二度、口座引き落としが出来ない程度ならばカード会社の側で情状酌量してくれますが、常習化している場合はクレヒスが悪くなっている可能性があります。
また、見落としがちですが携帯電話の端末を分割払いで購入している場合、利用料金を延滞するとローンの延滞と同じとみなされ、クレヒスが悪くなる可能性があるので注意が必要ですよ。
代位弁済歴がある
本人の返済能力が無いとみなされるので信用情報に代位弁済歴が記録されている場合も悪いクレヒスになります。
債務整理歴がある
任意整理や自己破産などの債務整理も、返済能力が無い場合に履行される制度です。
これらは自己記録として信用情報機関に数年間記録されるのでこの期間内においてはクレジットカードを作ることはほぼ不可能です。
1年以内に複数の融資申し込みを行っている
短期間に複数の会社に融資の申込を行っている場合は「お金に困っている」と判断されます。
カード会社としては回収できない「貸し倒れ」を防ぐために、このような顧客は拒むのが一般的です。
過剰な借入件数がある
借入件数が多すぎる場合も悪いクレヒスとなります。
やはり「お金に困っている」という印象を与える上に「借りるだけ借りて手元に現金を集めて自己破産」というケースも少なくないためカード会社は警戒します。
利用履歴も延滞履歴もない
クレヒスにおいて延滞は間違いなくネガティブな要素ですが、「利用したこともないし延滞したこともない」というのも実はカード会社としては審査の段階で警戒する要因になります。
何故ならカードを利用して延滞なく支払いを済ませていくことで初めて返済能力があるとみなされるのであって、全く利用したことが無い人が利用額や返済に対してどのような感覚を持ち合わせているのか未知数だからです。
また、過去に金融事故があった場合はクレジットカードを利用したくても出来ない期間が数年続きます。そのために利用履歴が無いことが自己破産などと同じとみなされることもあります。
良いクレヒスを作っておくことのメリットは?
良いクレヒスを作っておくことで生じるメリットは数多くあります。
カードやローンの審査に通りやすい
良いクレヒスは金融機関への信用の証とも言えます。そのため、金融機関はクレヒスが良い申込者は返済をしっかりと行ってくれる意志や経済力があると捉えます。
特に住宅ローンなど、動く金額の大きいローンなどに関してはクレヒスが悪いとまず通らないと考えてよいでしょう。
将来的にマイホームや車をローンで購入することを視野に入れている方は是非良いクレヒスを育ててください。
金利面で優遇される場合もある
これは審査の通りやすさと内容的には少し重複しますが、ローンにも種類があり、条件の良いローンはそれだけ審査基準が厳しいとも言えます。
ローンは期間が長い程利率も高くなるのが一般的ですが、良いクレヒスを育てていれば期間が長くても利率の低い、好条件なプランのローンのプランを優先的に適応してくれる可能性も高くなります。
プラチナカ―ドやブラックカードなどの上位カードへの招待も
クレジットカードの中でもプラチナカードやブラックカードなどは限られた人しか所有出来ない上位カードです。
もちろんクレヒスが良ければ必ずしも持つことが出来るわけではありませんが、このようなカードを持つにはクレヒスが良好なことは前提条件になります。
こうしたステータスカードは海外旅行保険などの付帯が群を抜いて充実している他、空港ラウンジの利用や各種優待サービスを受けることが出来るなど様々なメリットがあるよ。
年会費も数万円かかるのが一般的だけど、それを補ってあまりあるだけの恩恵を受けることが出来るので、ステータス性だけではなく実用性にも優れているんだ
「番外編」悪いクレヒスになってしまった場合のデメリットは??
良いクレヒスのメリットがあるように、悪いクレヒスになってしまった場合のデメリットも存在します。
最大のデメリットはカードやローンなどの審査に通りにくくなることです。
クレジットカードやローンは顧客への「信用」を前提として成立しています。
そのためクレヒスという信用情報に傷がつくと言うことは「社会的な信用を無くしている」ということにもなるわけです。
自分のクレヒスを確認する方法は?
CICやJICCなどの信用機関では本人への情報開示を行っています。情報開示というのは、信用機関に加盟しているクレジット会社などとの契約内相や支払い状況等の個人信用情報を自分で確認出来る制度です。
CICとJICCでは、
- インターネット
- 郵送
- 窓口
による開示の3つの方法での情報開示の請求が可能です。
KSCは郵送による開示請求のみを行っています。
これはCICやJICCは、もともと個人に対する貸出をメインにしていている消費者金融や信販会社など向けの信用情報機関であるのに対し、KSCは法人への融資の役割が大きい銀行向けの信用情報機関であることが関係しているものと思われます。
各法人、企業の情報が漏えいする危険性もあるのでKSCの情報開示はあまりオープンに行われても問題があるということだね。
信用情報機関に開示請求することが可能
CICやJICCなどの信用情報機関では本人への情報開示を行っています。もしも皆さんがカードやローンの審査を受けようとしていて、自分のクレヒスに不安があるのであれば開示請求してみると良いでしょう。
開示される情報 | |
---|---|
CIC | 申込情報、クレジット情報、利用記録 |
JICC | 会員会社から提供を受ける個人に関する信用情報(申込情報、クレジット情報など)、その他の情報 |
CICで開示される情報について
CICで信用情報として登録されているのは大きく以下の3種類に分かれます。
- 申込情報
- クレジット情報
- 利用記録
申込情報
クレジットカードやローンを新規申込をした際に、支払い能力をクレジットカード会社、金融機関が調査するために紹介したという情報です。つまり、カードやローンの申込を行ったことを表す情報で、6か月間保有されます。
クレジット情報
クレジットカードやローンを利用しての実際の出入金を記録しているものです。入金の履歴は以下の様に記録されていて最長で5年間保有されます。
$.請求通り、もしくは請求額以上の入金
P.請求額の一部入金
R.お客様以外からの入金
A.お客様の事情で約束の日に入金が無かった
B.お客様の事情とは無関係な理由で入金が無い
C.入金されていない、原因不明
‐.請求も入金もない
空欄.クレジット会社などから情報の更新が無い
利用記録
クレジットやローンの契約中に支払い能力の調査するためにクレジットカード会社、金融機関が照会した事実をあらわす記録です。6ヶ月間保有されます。
JICCで開示される情報について
JICCで開示される情報もCICとほとんど同じものです。ただし、加盟している金融機関やカード会社が異なるために、情報機関の役割としてはCICで持っている情報とJICCで持っている情報を共有してより正確性の高いものにするという狙いがあります。
会員会社から提供を受ける個人に関する信用情報
ここにはCICで言うところの申込情報、クレジット情報が含まれます。保有期間はそれぞれCICと同じです。
その他の情報
電話帳に記載された情報や本人確認書類の紛失・盗難などの情報、その他の備考などです。
異動とは?
CICに登録される「異動」という信用情報があります。
これは支払いの3ヶ月以上の延滞や、返済不能に陥った場合、強制的にカードの解約をさせられた場合に登録されます。
これが事実上のブラックリストの状態で、異動情報が登録されてしまうと住宅ローンや新規クレジットの作成、借入なや奨学金の保証人になることなどが困難になります。
本人以外も請求はできる?
指定信用情報機関において、本人であれば信用情報の情報開示を請求できることは分かりました。しかし、場合によっては本人以外が信用情報を知りたいケースもあります。
例えば、家族に請求書や督促書が沢山来ている場合や、自宅の電話に素性の分からない会社から電話がかかってきたりする場合です。
基本的にはカード会社や信用情報機関であっても、本人以外への情報開示は行うことはできないよ!
ただし、本人からの委任状がある場合限り、代理人として家族が情報開示請求をすることが出来ます。CICとJICCでは以下の書類を揃えることで代理人による開示請求をすることが出来ます。
代理人が情報開示請求する際に必要なもの
- 本人、代理人の身分証明書
- 開示申込書
- 委任状
- 手数料
- 開示対象者の印鑑証明書
開示申込書と委任状は各ホームページからダウンロードすることが出来ます。委任状には本人の直筆と実印が必要なので本人に知られずに開示請求を行うことは出来ません。
まとめ
クレヒスはクレジットカードやローンなどの客観的な取引事実を記録している履歴のことを言います。そのため社会的信用の一部と考えることが出来ます。
現代の日本においては全くクレジット決済やローンを利用せずに生活を続けることはほとんど不可能と言えます。そのため、信用を証明するクレヒスは非常に重要です。
クレヒスが良ければ余裕を持った返済期間で尚且つ金利の低いローンを組むことの出来る可能性が大きくなります。また、付帯保険の充実しているクレジットカードを持つことも出来ます。反対にクレヒスが悪ければローンやカードの審査に落ちる可能性は高くなり、選択肢はどんどん制限されてしまいます。
クレヒスの情報は信用情報機関とその加盟会員となっているクレジットカード会社を始めとする金融機関が共有しているので、悪いクレヒスを隠して審査を受けることは不可能です。
クレヒスを良好にする方法は基本的にただ一つ、「カードを使ってしっかり返済すること」です。これを守っていればクレヒスが悪くなることはありません。反対に返済を度々滞られたり、または全くカードを使ったことが無いと言った場合はクレヒスとしてはあまり望ましくない状況になっています。延滞の無いように過度な借入をしない他、引き落としが行われない事態を想定し口座残高のチェックも怠らないようにしましょう。
- 個人の信用を表すクレヒス!
- 利用状況によって良いクレヒスと悪いクレヒスに変化する!
- 開示請求を行えば自分のクレヒスを確認することもできる!
- クレヒスは様々な場面で影響してくる!
- 堅実にクレヒスを築いていこう!