転職先を決めるにあたって、病院見学の機会を作ってもらうことがあります。やはり公開されている情報や人から聞いた話だけでなく、自分で感じ取って情報を集めてくるということはとても大切だと思います。今回は病院見学について、見逃せないポイントや見学時の注意点についてまとめていきます。
見逃せないポイント4選
病院見学時、特に気合を入れて観察したいところを3つに絞りました。
ナースステーションの様子
看護師の詰め所であるナースステーションには、その職場がどんなところであるかを示す情報が転がっています。雰囲気、衛生状態(感染対策の程度も見えてきます。
特に薬剤の保管場所や水を使う場所は要チェック。)、機能性、使用されている医療機器や器具、看護師同士や医師や他の医療従事者と話している内容などがわかりますね。
一説によると、男性看護師がいる職場の方が、スタッフ間の人間トラブルが少なくなるそうです。実際はどうでしょう…?
看護師が働きぶり
看護師が生き生きと働いているか、看護師の話し方、患者さんへの関わり方を見ましょう。
見学者にちゃんと挨拶をしてくれる看護師が多いと、好感度が高いですね。(※病院見学時は、看護部の偉い人に連れられて回る可能性が高いです。偉い人と一緒にいる見学者に挨拶をするのでなく、”見学者”個人に対して挨拶をしてくれるかというのが重要です。)
その病院の良し悪しは、おそらく患者さんが一番知っています。患者さんが看護師に向ける表情、話す内容や関係性にも注目したいところです。
施設全体としての衛生面
清潔であることは病院の基本です。基本ができていない病院には疑問符がつきますし、スタッフのやる気も感じられません。清掃は行き届いているか、衛生面への配慮は十分かをチェックしましょう。
付属施設
保育所のような付属施設があればチェックしておきましょう。長くその病院・施設で働く予定なら、今は必要なくても将来利用する部門があるかもしれません。
古い病院ってどうなの?
建物や設備が古い病院ってありますよね?新しいものや清潔感が歓迎されがちな医療業界では、古い病院はどうも敬遠されがちです。
でも中身は清掃の行き届いた、地域に愛されるような理想の病院かもしれません。最新の医学や看護を求めているわけでなく、雇用条件や待遇でピンとくるものがあったら、ひとまず候補には入れておきましょう。
また古い病院は、近々移転する予定があるかもしれません。そのような予定や計画があるかどうかも、一応確認しておきましょう。新しくなった病院で働けるなんて素敵!と思いがちですが、病院の移転は一大事です。
良いこともありますが、移転に関する業務が増えて忙しくなるでしょうし、病院全体のシステムや場合によっては診療科まで一変します。移転前とは別物の職場になる可能性もありますのでご留意ください。
見学時は自己アピールのチャンス
病院見学を終え、その病院に応募することを決めたとします。もし、見学時のあなたのことを覚えてくれた人が面接官だったら…?
見学時の様子は、プラス要因にもマイナス要因にもなります。面接は病院見学から始まっているようなものですから、明るく挨拶をし、メモをとったり積極的に質問したりして、自分のやる気をアピールしましょう。
面接官以外のスタッフにも、顏を覚えられる可能性があります。いずれ一緒に働くことになるかもしれませんから、気は抜かないようにしましょうね。
病院見学を踏まえて志望動機を見直そう
理想の職場の条件を考えて、ある程度は絞り込んでから、病院見学に至った方が多いと思います。ということは、ぼんやりとでも頭の中に志望動機があるはずです。早い方は、もう面接用の台本を考え始めているかもしれませんが、その台本はネットの例文を使ったり、志望先の看護部の理念を丸写しにしたりしていませんか?
病院見学の後、ぜひ志望動機を見直してみましょう。実際に見てきたこと、感じたことを加えたり絡めたりすると、志望動機はより具体的で説得力がある、素敵なものになりますよ。
病院見学は、就職先の情報収集であると同時に、面接の前哨戦でもあります。身なりや接遇に気を付けつつ、実際に自分がそこで働くイメージをしながら挑みましょう。
[box_h]著者:看護師ユミ看護師として数年勤務後、結婚を機に引退。転職経験も数回あります。現在は海外を拠点に生活しています。[/box_h]