派遣社員は自分のライフスタイルや環境に合わせて就業できるというメリットがある一方、契約期間が決まっているため、契約更新されるかどうか常に不安が付きまとうというデメリットがあります。
実際、派遣の契約で最も多い契約期間は「3ヶ月」と短いものです。
長期に渡って安定した収入を得たい方は不満に感じられますよね。
また、自分から更新を断ったら次を紹介してもらえないのでは?と更新を拒否した場合の派遣会社の反応も気になります。
今回はこの派遣の3ヶ月更新について、詳しくみていきましょう。
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契約期間の単位の意味
派遣社員として採用が決まると、一定の雇用期間で雇用契約を結ぶことになりますが、この際の契約期間はどのような意味があるのでしょうか?
詳しく解説していきます。
派遣期間は原則1ヶ月(31日)以上と法律で定められている
そもそも派遣期間は原則1ヶ月(31日)以上と決められています。
これは労働者派遣法で、契約期間が30日以内の日雇派遣(短期の派遣)を禁止しているからです。
派遣元事業主は、以下の場合を除き、日雇労働者(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者)について労働者派遣を行ってはならない。
参照:日雇派遣の原則禁止について(PDF)
派遣会社との労働契約期間が13日以上の場合:違法にならない
ということになります。
派遣会社はこのルールに沿って派遣社員と雇用契約を結ぶことになります。
さらなる詳細は厚生労働省の「知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」を参考にしてください。
最も多いのは、1か月勤務で契約を結ぶケース
雇用期間は派遣先の企業によって異なりますが、最も多いケースは、最初に1か月勤務で契約を結びます。
その後3カ月ごとに更新を繰り返すというものです。
最初の1カ月はお試し期間といった感じでしょうか。
正社員採用の場合に2、3ヶ月の試用期間があるように、派遣社員の場合もこの最初の1か月間は派遣先から試されている期間と考えていいかもしれませんね。
もちろん派遣社員から見れば、そのひと月はその仕事を続けられるかどうか見極める期間になります。
長期契約の場合は始めから3ヶ月契約が結ばれる
なお、採用時の条件で長期契約となる場合、3ヶ月契約になる場合が多いです。
企業側が「派遣社員に1年以上長期で働いてもらおう」と考えていても始めから1年契約は結ばず、この3ヶ月更新が繰り返されることが通常です。
理由については
就業中に貢献度や勤務態度、派遣先の状況などに応じて契約期間が見直され、派遣先と派遣社員の合意があれば、6カ月更新、1年更新へと契約期間が長く変更される場合もあります。
3ヶ月更新が多い理由については次の段落でもっと詳しく解説していきますね。
3ヶ月更新が多い理由
契約期間「3ヶ月」というのに法的な規定や制限はありません。
「長期」で採用の場合、3ヶ月ごとに契約の更新手続きをしなければならないというは面倒ですよね。
まとめて「半年契約」「1年契約」として欲しいと考える方も多いでしょう。
では、なぜ「3ヶ月更新」が多いのでしょうか。
人員調整しやすくするため
これは派遣先と派遣会社の「都合」による・・・と言っていいかもしれませんね。
言葉は悪いですが「いつでも派遣期間を終了させることができるように」設定されているのです。
派遣先が派遣社員を採用する理由は「人件費を削減したい、仕事の繁忙に合わせて必要人員を調整したい」というものが大半を占めます。
正当な理由がない限り解雇しにくい「正社員」の代わりに、「派遣社員」で人員調整を行うといった感じでしょうか。
ですが、派遣社員ならいつでも契約を打ち切れる・・・というわけではありません。
企業は「1年を超える契約」「3回以上の契約更新」をするとクビにしにくくなる
厚生労働省から出された「有期労働契約に関する告示」では、派遣社員のように雇用期間を定めた、いわゆる「有期契約労働者」に対して安定的な雇用関係を確保するよう事業主に呼びかけています。
詳しくは厚生労働省 有期労働契約に関する告示で説明しています。
この告示では、1年を超える雇用契約、または雇用契約を3回以上更新している派遣社員の契約打ち切りは、ほぼ解雇と同様に扱われることになっています。
つまり、長く働く派遣社員を雇止めするには社会通念上相当な理由が必要となり、雇止めの予告も30日以上前にしなければならないとなっているのです。
派遣先にとっては、
- 面倒な雇止め手続きを避けたい
- その時の仕事量・業務量に応じて適正に契約更新を判断したい
という考えがあります。
そういう意味で、雇用主側の理屈で3ヶ月更新が一番都合よいということになります。
3ヶ月更新が多く選ばれる理由がわかりますね。
3ヶ月契約の5つのメリット
3ヶ月契約には以下の5つのようなメリットがあります。
- 自分に合った仕事かどうか見極めるのに適している
- 転職活動や子育て中など、つなぎとして自由度高く働ける
- 未経験歓迎の職種で働ける
- 人間関係を気にせずに働ける
- 社会保険に加入できる
では、上記したメリットを具体的に解説いたします。
1.自分に合った仕事かどうか見極めるのに適している
3ヶ月契約は、仕事や職場環境に関する大半のことを把握できるため、自分に合った仕事かどうかがわかります。
一通りの仕事を経験した上で、継続するか契約更新するか否かを判断するのに最適な期間と言えますね。
2.転職活動や子育て中など、つなぎとして自由度高く働ける
転職活動中や妊娠中、子育て中など100%の時間と労力を仕事に注ぎ込めない時に、3ヶ月の派遣契約はつなぎの役割としてうってつけです。
就職や出産等あらかじめ後ろの予定が決まっている場合、
- 3ヶ月毎の計画を立てやすい
- 単発の仕事よりまとまって稼げる
- 6ヶ月、1年の長期契約より気軽に活動できる
というメリットがあるので、気持ちの面で切り替えもしやすく、働きやすいです。
ちなみに派遣社員として働くより、多少時給は落ちてもいいからアルバイトで気楽に働きたいという方は「つなぎバイトはありか!なしか?短期間で柔軟に稼ぐためのおすすめバイトこれ!」という記事を参考にしてみて下さい。
3.未経験歓迎の職種でスキルアップできる
「挑戦したい仕事があるけれど未経験から就職できなさそう…」
「業界未経験だけど自分でも働けるのかな…?」
今までの業務経験と全く別の仕事を希望している方は、このように悩んでいる方いるはず。
派遣会社は未経験でもスキルアップしながら働くことができる求人をたくさん取り扱っています。
まずは短期間でもいいので、「実際に新しい仕事をしてみたい」という方にとって、3ヶ月契約はおすすめです。
4.人間関係を気にせずに働ける
長期で働くのが前提となると、もし人間関係で何かトラブルがあった時にメンタルがやられてしまいますよね。
3ヶ月契約の場合、
「会社の人の噂や悪口に同意しなくてもいい」
「飲み会に誘われてもを気兼ねなく断れる」
というような会社の人との無駄な付き合いやしがらみを気にせず働けるので案外気楽です。
会社の人間関係に限界を感じれば契約を更新せずに他の会社を紹介してもらいましょう。
5.社会保険に加入できる
比較的短期間の3ヶ月の派遣契約でも、社会保険に加入することが可能です。
社会保険とは以下のように
- 厚生年金保険
- 健康保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 介護保険
の5つあるのですが、3ヶ月契約でも下表の赤字の3つは無条件に加入条件を満たします。
特徴 | 加入条件 | |
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厚生年金保険 | 会社などに雇用されている人が加入する公的年金のこと。国民年金に上乗せされて老後に受け取れます。 |
・週の所定労働時間が30時間以上、1ヶ月の所定労働日数が15日以上の場合 ・契約期間が2ヶ月以上の場合 |
健康保険 | 病院にかかった際に医療保険として使われます。 | 同上 |
雇用保険 | 失業した時に「失業手当」や「育児休業給付金」など必要な資金を受けとれるようになります。 | 1年以上働けば雇用保険の受給対象者になります |
労災保険 | 通勤中や仕事中の事故、災害に対して給付される保険 | 労働者全員が対象。 |
介護保険 | 介護に関する費用を支給してくれる保険です。 | 40歳以上の人は全員 |
雇用保険は1年以上働いた人、介護保険は40歳以上であれば対象者となります。
「健康保険証がどうしても必要」
「国民年金ではなく厚生年金に加入したい」
という方は、3ヶ月の派遣契約でも最初から社会保険に加入できるので安心です。
3ヶ月契約の3つのデメリット
一方で、3ヶ月契約には以下のような3つのデメリットがあります。
- 派遣先の業績や景気が影響して契約更新されない可能性がある
- 再三にわたる契約更新手続きが面倒
- 収入面が不安定なため貯蓄・資産形成には不向き
詳しく見ていきましょう。
1.派遣先の業績や景気が影響して契約更新されない可能性がある
3ヶ月契約は派遣先の経営方針によって、更新されない傾向があるというのを覚えておきましょう。
その理由としては、
- 業績が上がらない
- 企業方針の変更
- 事業縮小による人件費削減
といったものが挙げられます。
上場企業や継続的な成長を目指している会社は、四半期(3ヶ月)ベースの業績を細かく分析しています。
そのため、業績が悪くなったり経営方針が変わると、コスト削減の対象は早い段階で派遣社員に向かいます。
3ヶ月単位で経営状況を見ながら派遣社員の契約更新を見送るか否かの判断をしている企業も多いのです。
2.再三にわたる契約更新手続きが面倒
3ヶ月契約した時に面倒なのが契約更新の手続きです。
契約更新のたびに書類への記入・提出をその都度しなくてはならないためです。
契約更新後、2ヶ月したらまた次の契約更新手続きの連絡が派遣会社の担当者から入ります。
契約更新は口頭でもできるケースもあるので、電話でできるか担当者に相談してみましょう。
3.収入面が不安定なため貯蓄・資産形成には不向き
3ヶ月で契約を打ち切られる可能性があるため、収入が不安定になりがちです。
そのため長期的な貯蓄計画を立てるのは難しいです。
3ヶ月の派遣契約をしながら貯金も増やしたいという方は、収入が落ちたときのことを考えてダブルワークで補完するなど対策をなる必要があります。
3ヶ月契約の更新を断って辞めるのはあり?
派遣で3ヶ月更新が多い理由が分かったところで、今度は派遣社員が契約を更新しないと考えた時の対応についてみていきたいと思います。
更新を断ったら、次の紹介に影響が出るのではないかと気になりますよね。
3ヶ月契約の更新を断っても全く問題ありません
労働者派遣法では派遣契約の自動更新を禁止しています。
なので、派遣会社は、契約期間ごとに更新するかしないかについて、「派遣先企業」と「派遣社員」双方に意思確認する必要があります。
その際に
「以前からやりたい仕事に挑戦したいので、今回の契約いっぱいで退職とさせてください」
「家庭での時間を優先しなければならなくなったため退職させてください」
と派遣会社の担当者に伝えましょう。
忘れがちですが、「派遣先」と「派遣社員」の間には雇用関係はありません!
契約内容に関しての取り決めは、必ず「派遣会社」が間に入って行われます。
派遣社員の方から契約終了を打診する場合も、打診先はもちろん派遣会社です。
契約満了の30日前には辞めることを伝えよう
派遣会社の規定により異なりますが、多くの派遣会社で契約満了の30日以上前に申し出ることとされています。
後任の確保や引継ぎなどに時間がかかる場合を考慮して、この「30日以上前」の期限を守りましょう。
ただし「30日以上前に申し出ること」は絶対ではない
民法では2週間前に告知すれば問題なく退職できるようになっています。
申し出るのが遅いと関係者からは嫌な顔をされたり、次の派遣先を紹介してもらいにくくなるかもしれませんが、労働者には退職する義務もあります。
どうしても契約更新したくない場合は、最低でも2週間前までに契約更新しない旨を伝えましょう。
本来、契約満了のタイミングで仕事を辞めるのであればスムーズに話が進むはず。
派遣会社に「次は更新しません」と伝えればそれで終わります。
辞めるのを引き止められたら…
ですが現実は少し異なり、契約を更新しない理由を詳しく聞かれたり、引き止められたりするケースもあります。
うまく断るには、更新しない具体的な理由をハッキリ伝えるしかありません。
突然聞かれて慌てないよう、更新しない理由は事前に準備しておくことをオススメします。
更新しない理由が
「業務内容や賃金などの条件が満足できない」
「職場環境に不満」
などであれば、派遣会社が派遣先と交渉して改善してくれることもあります。
どうしても更新したくない…本当の理由は伝え難い場合は、前述のとおり「新たな職種にチャレンジしたい」「家庭の事情で続けられない」などポジティブな理由を用意して相手に納得してもらいましょう。
派遣社員には契約更新するかしないかを自分自身で決めることができるという権利があります。
まとめると、派遣会社になるべく「規定通り30日以上前」に「正当な理由をもって」伝えることです。
この二つを守って退職日までスムーズに勤め上げることができたら、次の紹介に悪い影響が出ることはないでしょう。
「派遣社員本人」「派遣先」「派遣会社」3者すべてが気持ちよく契約満了の日を迎えられるのがベストですよね。
まとめ
派遣社員の「3ヶ月更新」についてお分かり頂けたでしょうか?
就業中、更新されるか不安が続くというデメリットはあるものの、「自分から辞められるタイミングが3ヶ月ごとに来る」と思えば、少し気楽にお仕事を続けられるのではないでしょうか。
冒頭で述べたように自分のライフスタイルに合わせて就業できるのが派遣社員の魅力です。
契約更新をするかしないかも自分で決めることができます。
ですが「派遣先」との契約が繰り返される保証がない、不安定な雇用形態であることも現実です。
その両方を意識して、常に一歩先の行動を見据える必要があります。
そういった今後のキャリアプランや悩み事などを派遣会社と共有することができるのが、理想の派遣ライフといえそうです。
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