少子高齢化が加速する現代では高齢者が入院・入所する保健医療福祉施設の人材不足が深刻化しています。そこで、高齢者向けの専門家として質の高い看護を提供できる人材に老人看護専門看護師が登場しました。
老人看護専門看護師資格の概要
高齢者本人はもちろん、家族に対してもケアすることで「家族」という1つのまとまりを包括的にケアすることが求められます。身体的・精神的な介入を行うことで家族の負担を減らし、高齢者本人の気持ちも楽にするための技術と知識を有するプロフェッショナルです。
老人看護専門看護師の役割と仕事
老人看護における問題のひとつとして「患者の老化による身体機能の低下や慢性疾患、さらには認知症」といった様々な症状か挙げられます。人によってはこれらが複合的に現れることも珍しくなく、個人個人に合わせた看護を提供する必要があります。 そこで老人看護専門看護師は優れた知識と技術をもって患者のQOLを高める看護を提供することが役割となります。 また上記した通り、家族へのケアも必要不可欠で、同時に同僚や部下へのアドバイス・教育・指導も期待される資格です。
老人看護専門看護師になるには
老人看護専門看護師の資格を得るには以下の条件を満たす必要があります。
- 日本の看護師免許を有している
- 日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の科目単位の取得
- 常勤、非常勤を問わず実務経験が5年以上
- 実務経験5年以上のうち、3年以上は老人看護分野の実務経験があること
これらの条件を満たし老人看護専門看護師認定審査を受け、書類審査・筆記試験を合格すると資格を有します。 審査の難易度は低く、合格率は90%前後と高いものに。とはいえ資格を有する人がとても少ないのでこれから増えていくものだと考えられます。できるだけ早めに資格取得に向けて動き出したいところです。
老人看護専門看護師が活躍できる場所
入院施設のある病院、リハビリテーション施設のある病院や福祉施設、さらには訪問看護ステーション、老人介護施設…などなど実に多彩な活躍の場が挙げられます。特に地方でのニーズが高い傾向が強いです。 資格保有者が少ないこともあって、大学など研究や教育の分野で活躍する人が多いのも特徴でしょう。
老人看護専門看護師資格のまとめ
高齢社会としていかに介護や看護の質を高めるか、人材を確保するかが現在の日本の課題と言えるでしょう。そんな中、老人看護の専門家として活躍できる資格を融資ていれば、現場で活躍できるのはもちろん、責任のあるポストにつける、キャリアアップが目指せるのは当然のことです。 医療機関だけにとらわれず、介護施設や福祉施設でも活躍できることを考えると、様々な現場で働けるのも大きなメリットですね。