母性看護専門看護師は周産期の母子、そして家族へのケアが中心です。近年の日本は晩年化に伴う高齢出産や、人工妊娠などの生殖医療技術の進歩によって取り巻く環境が大きく変わってきました。このような場面で知識と技術を有するスペシャリストとして活躍することが期待されています。
母性看護専門看護師資格の概要
妊娠や出産に関する高度な専門知識はもちろん、妊産婦、家族の身体的・精神的ケアを行います。また緊急事態への対処や、万が一のときの医療チームへの調整役も引き受けます。
母性看護専門看護師の役割と仕事
妊娠や出産、さらには育児を行う母親、そしてその家族が抱える問題や身体的・精神的な不安を取り除くことが役割です。 根本的な解決を目指すためには、メンタルケアだけでは不十分で、他の医療チームや関連機関との連携が必要不可欠。このあたりをスムーズに行うのが役割であり、主な仕事になります。 また刻一刻と変化し続ける現代社会で母子看護技術向上のための研究や実践もまた課せられたミッション。
母性看護専門看護師になるには
母性看護専門看護師の資格を得るには以下の条件を満たす必要があります。
- 日本の看護師免許を有している
- 日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の科目単位の取得
- 常勤、非常勤を問わず実務経験が5年以上
- 実務経験5年以上のうち、3年以上は母性看護分野の実務経験があること
これらの条件を満たし日本看護協会の専門看護師認定審査を受け、書類審査・筆記試験を合格すると資格を有します。 審査の難易度は低く、合格率は80~90%前後と高いです。合格率自体を高いですが、そこに至るまでのプロセスが長い道のりとなるため、資格保有者は非常に少ないです。キャリアアップを目指すなら狙い目の資格と言えるでしょう。
母性看護専門看護師が活躍できる場所
周産期母子医療センターを備えた病院が主な活躍の場となります。地域の産婦人科からのニーズも強く、母性看護専門看護師の持つ優れた専門性を期待している声はとても多いです。 また出産や育児に対する不安を相談する窓口や相談室を設けている病院からのニーズも高まっています。
母性看護専門看護師資格のまとめ
近年の日本は社会構造が大きく変化し、少子高齢化、晩婚化、各家族か、高度生殖医療技術の進歩などもあり、一昔前と大きく様子が変わってきました。 環境の変化が起こると、どうしても発生する問題も多様化するものです。そしてこれを解決するにはそれぞれに対応できる専門的な医療・看護の存在が必要不可欠。つまりこれまで以上に専門的な技術と知識が必要とされています。 間違いなく今後もニーズがありますし、まだまだ研究分野で今後どのように展開していくのかも注目すべきでしょう。それだけにやりがいも強く、必要性や重要性の高まりを考えると優先して検討したい資格と言えるでしょう。