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歯磨き粉の成分にはどんな効果があるの?知っているようで知らない成分のはなし

悩みや目的に合わせた歯磨き粉を選んでデンタルケアの効率アップ!
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普段使っている歯磨き粉は、どのように選んでいますか?ブランドや香味、値段で選ぶほか、気になる新商品を次々と試しているという人もいるかもしれませんね。

虫歯予防やデンタルケアのことを考えるなら、歯磨き粉に入っている成分にも注目してみましょう!歯磨き粉に含まれる代表的な成分と安全性、歯によいとされるフッ素入りの歯磨き粉を使うときのポイントをご紹介します。

歯磨き粉に含まれる代表的な成分の役割

歯磨き粉を購入するときに、すべての成分を確認するという人は少ないかもしれませんね。まずは、一般的な歯磨き粉によく含まれている成分の役割について知っておきましょう。

基本成分

研磨剤(清掃剤)

リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなど

歯についた歯垢や、茶渋などのステインを落とす役割があります。

潤滑剤(保湿剤)

グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなど

歯磨き粉の乾燥を防ぎます。

発泡剤

ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルなど

歯磨き粉の泡立ちをよくし、口の中全体に歯磨き粉を行き渡らせる働きがあります。

粘結剤(結合剤)

カルボキシメチルセルロスナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなど

粉末の成分と液体の成分を結合させて粘性を出し、ペースト状を維持します。

香味剤

サッカリンナトリウム、メントール、ミントなど

歯磨き粉に香りや味をつけ、使いやすくしたり爽快感を高めたりします。

保存剤(保存料、防腐剤)

安息香酸ナトリウム、パラベンなど

歯磨き粉の変質を防ぎ、長持ちするようにします。

薬用成分

虫歯の発生と進行の予防 フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど
歯周炎(歯槽膿漏)の予防 グリチルリチン酸、塩化ナトリウム、酢酸dl-α-トコフェロール、トラネキサム酸など
歯肉炎の予防 イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、アスコルビン酸など
歯石の沈着予防 ゼオライト、ポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムなど
歯垢(プラーク)の分解 デキストラナーゼなど
口臭の防止 ラウロイルサルコシンナトリウム、銅クロロフィンナトリウム、ヒノキチオール、塩化リゾチームなど
知覚過敏の抑制 硝酸カリウム、乳酸アルミニウムなど
タバコのヤニ除去 ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウムなど

 
歯磨き粉は、含まれる成分の違いによって、ほとんどが「医薬部外品」か「化粧品」に分類されます。虫歯予防や口腔環境の改善に効果がある薬用成分が含まれているのは、医薬部外品の歯磨き粉です。歯磨き粉で虫歯予防などを考えている場合は、医薬部外品のものを選びましょう。

歯磨き粉に含まれる成分に危険性はないの?

歯磨き粉は毎日のように口にするものですから、成分の安全性は特に気になるのではないでしょうか。歯磨き粉によく含まれる成分のうち、危険性があるのでは?と思われやすい成分についてもご紹介します。

研磨剤

歯の表面についている汚れを、効率よく落としてくれる役割を持っています。しかし、研磨剤が多すぎると歯の表面を傷つけてしまい、歯に細かいデコボコが生じます。すると、せっかく歯磨きで汚れを落としても、細かいデコボコに新たな汚れが入り込んでしまう結果に。

研磨剤入りの歯磨き粉を使うときは、たっぷり使わないようにします。ブラシに3分の1程度の量でも、十分に汚れを落とす効果がありますよ。毎日使うのが不安な場合は、研磨剤なしの歯磨き粉や、低研磨タイプがオススメです。

ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)

歯磨き粉だけでなく、シャンプーやボディーソープ、洗顔料などにも発泡剤として含まれています。皮脂を取り除く働きを持っているため、敏感肌の人やアレルギー体質の人がラウリル硫酸ナトリウム入りの製品を使用すると、かゆみや炎症を起こすことがあります。

医薬部外品に分類される歯磨き粉は、メーカー側で安全性について十分確認されているもので、成分や分量については厚生労働省からの承認を得ています。過去にアレルギー等を起こしていなければ、正しい用法用量で使用する分にはほぼ影響がありません。不安な場合は、発泡剤なしの歯磨き粉を選びましょう。

フッ素

飲食物などの酸によって溶け出した、歯のカルシウムなどを再び歯に定着させる「歯の再石灰化」を促進させる働きがあります。歯質が強化されるので虫歯の予防に繋がり、特に子供のやわらかい乳歯のケアには欠かせない成分のひとつとも言われています。

フッ素の安全性は、さまざまな実験や研究機関によって確認されています。歯磨き粉だけでなく野菜や魚介類、お茶などの食品にも含まれていますし、体に必要な栄養素でもあります。

ただし、大量のフッ素を摂取すると、嘔吐や腹痛といった中毒症状が出ることがあります。急性フッ素中毒になるとされている摂取量は、体重1kgに対しフッ素2mgです。体重50kgの人の場合、100mgを超える量を摂取すると、中毒の危険性があるというわけですね。歯磨きをしているときに、誤って歯磨き粉を飲み込んでしまったとしても、含まれるフッ素の量は0.1~0.3mg程度です。慢性中毒についても、毎日フッ素入りの歯磨き粉を何本も食べるようなことをしない限り、中毒症状が出ることは考えられません。つまり、意図的にフッ素を大量摂取するのでなければ、フッ素中毒になる恐れはないと言えるのです。
どうしても不安な場合は、歯科医に相談するか、歯磨き粉を使わない歯磨きをおこないましょう。

国内製の歯磨き粉のほとんどは、成分についての安全性がしっかり確認されているものです。しかし、体質によって合う・合わないはどうしてもありますから、不調や不安があれば、かかりつけの医師や歯科医と相談してみてくださいね。

フッ素入り歯磨き粉を使うときのポイント

フッ素が虫歯予防に役立つということは、よく知られています。実際に市販の歯磨き粉の多くには、虫歯予防の成分としてフッ素が配合されており、市販のチューブタイプ歯磨き粉では約9割がフッ素入りです。
歯磨き粉に含まれる、フッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムといった成分がフッ素にあたります。

フッ素による虫歯予防で重要なのは、フッ素をできるだけ長く口の中に残しておくことです。普段使っているフッ素入り歯磨き粉でも、ちょっとした工夫でフッ素を長く残すことができるんですよ。

就寝前の歯磨きで使う

夜寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。そのため、寝る前の歯磨きでフッ素入りの歯磨き粉を使用すれば、虫歯予防に効果的です。

歯磨き後のすすぎは少量の水で1回にする

フッ素入りの歯磨き粉を使ったあとのすすぎは、少ない水でおこないます。フッ素を口の中に残すためには、おちょこ1杯分くらいの水で、5秒程度のブクブクうがいをするだけでOK!歯磨き後は飲食を1~2時間は控えると、さらにフッ素の効果が高まります。

歯磨き粉も成分に注目してみると、さまざまな悩みにあわせた選び方ができます。虫歯の予防、歯周病の予防・緩和、歯ぐきの健康維持、着色やヤニの汚れ除去など、どんなデンタルケアをしたいのかを意識して、効果的な歯磨き粉を選んでみてくださいね。

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