大事な家族の一員になっていくペット。
知人やブリーダー、保健所等から譲り受けることもありますが、ペットショップで購入する場合も多いでしょう。
では、「気に入ったペットが欲しいけれど手持ち資金が足りない」という場合に、ローンは組めるのでしょうか。
目次
ペットローンとは?
ペットショップにいるペットは、高額商品です。特に昨今は相場が高くなっています。
現金やクレジットカードで購入するわけですが、なかなか手が出ないのも事実。その際は、ペットローンという手段があります。マイカーや家電など、他の高額商品と性質が変わるものではありません。
ペットローンは、信販会社と提携したペットショップ自体が提供するものでもあり、金融機関でもペットのための専用ローンを取り扱っています。
ペットショップの子犬の平均価格
人気の犬種 | 平均価格 |
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トイ・プードル | 20万円 |
チワワ | 20万円 |
柴犬 | 15万円 |
ペットショップの子猫の平均価格
人気の猫種 | 平均価格 |
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マンチカン | 15万円 |
スコティッシュフォールド | 15万円 |
アメリカンショートヘア | 13万円 |
犬も猫も、価格の幅は様々です。品種によっては、珍しい色、人気の色のほうが高くなります。しつけやすい生後すぐ間もない状態がもっとも高く、だんだん安くなっていくのが普通です。
ペットローンを利用するには?
ペットをぜひわが家に迎えたいものの、資金が足りない場合はローンも検討したくなることでしょう。
ペットローンには、ペットショップで扱っている信販会社のものと、銀行等の商品があります。
ペットショップのローンの場合は、ペットを購入する店舗の窓口で、直接ローンを申し込めます。銀行の場合は、ペットショップと無関係に、ご自身で申込みをすることになります。
ペットショップ取扱いのローンを組む
大手のペットショップにおいて、ペットローンを取り扱っています。「オリコ」等の信販会社と提携したローンです。金利は少々高めで、13%~16%くらいになることがあります。
ペットショップによっては、キャンペーン等で分割手数料(金利)を無料にしてくれる場合があります。現金一括払いと支払総額が変わらなければ、大変お得な選択肢です。
家電の場合と似ていますが、店頭でローンを申し込んでその場ですぐ審査が終わる家電の場合と異なり、審査に一週間程度かかる場合も多いです。
急ぎの場合は、分割払いやリボ払いの使えるクレジットカードで決済してしまったほうがいいかもしれません。分割手数料無料などの特典がなければ、金利はクレジットカードの分割払い等と同等です。
銀行のペットローンを組む
取り扱っている銀行は多くはないものの、銀行にもペットローン商品があります。
スルガ銀行、イオン銀行など新しいタイプの銀行を中心に、この名称の商品があります。最大金利は10%前後です。
ペットローンという名称でなくとも、目的ローン商品において、ペット購入のための借入れを認めている銀行もあります。ペット購入に使える目的ローンがない場合でも、多くの銀行では「フリーローン」という、目的自由のローン商品を用意しています。
金利については様々ですが、銀行カードローン(14%台)よりは安くなっているのが通常です。
イオン銀行など、ペットローン(最大金利8.8%)として審査に通らない場合でも、最大金利13.5%のフリープランとして審査をしてもらえる、二段階の審査が受けられます。どうしても借り入れたい人には有益です。融資は、借主の口座に対しておこなわれます。
消費者金融系カードローンの利用
貸してくれるなら金利が高くてもいいというのでしたら、消費者金融のカードローンは審査スピードも迅速で便利です。申し込んだ当日に借り入れて、そのままペットショップに代金として持っていくことができます。
ただ、他のローンにないカードローンの最大のメリットは「限度額の範囲で繰り返し借りることができる」点です。ですから、ペットのような目的がはっきりしている資金のためにまとめて借り入れる場合、高い金利はデメリットになるかもしれません。
金利はおおむね18.0%です。これは、クレジットカードの分割払い・リボ払いより高くなっています。消費者金融にも目的ローンはありますが、金利はカードローンと比べ、大きく低減されるものではありません。
ペットショップの分割払いとではどちらがお得?
ペットショップの中には、信販会社と提携せず、自社で分割払いを設定している業者も一部あります。ただし、この「自社割賦」については、手数料(金利)に関しての法的制限がありません。
とはいえ、経済産業省から「出資法の上限を超えないこと」という要請が出されています。現在の出資法の上限金利は20%となっていますので、ペットショップの自社割賦の上限金利もこの数字となります。
自社割賦と信販会社提携、両方を扱っている会社はありませんので、比較の際には業者をまたいでおこなわないといけません。自社割賦の場合、20%まで行かず15~18%程度の設定も多いものと思われますが、いずれにしても信販会社よりも高めになることは確実です。
ペットローンを利用するメリットは?
さらに詳しく、ローンの種類ごとのメリットについて見てみます。ローンを使ったほうが間違いなく得になるという場合があります。分割手数料無料でペットローンを利用できるのであれば、ぜひ申し込むのがいいでしょう。
分割手数料無料でない場合は、ローンとしての性質をきちんと考える必要があります。金利が12~14%程度で済むなら、クレジットカードの分割払い・リボ払いやカードローンより金利が低くなりますので、これは大きなメリットです。
ただ、月々の支払をきちんとする自信のない人にとっては、個人信用情報機関に登録される「クレジットヒストリー」(クレジットカードや分割払い利用の履歴)を傷つけてしまうので、やめた方が無難です。分割払いで滞納しますと、この記録は5年間消えません。
ペットショップ取扱いのローンの場合
ペットショップ店頭で信販会社のローンを申し込む場合、手間がありません。販売窓口とローン申込窓口が同一のためです。金融機関に申し込む手間もなく、審査に通ったローンを代金に充当してもらえますので、お金を動かす手間も要りません。
銀行のペットローンの場合
ペット購入のように、大きな額の支払をするため一度に借り入れる必要がある場合は、銀行のローンは最適です。カードローンのような自由さはありませんが、その分、金利が低くなっています。
また、銀行ローンも様変わりし、申込みから融資までWebで完結する商品が増えました。イオン銀行、スルガ銀行のペットローンもWebで完結します。
消費者金融カードローンの場合
消費者金融のカードローンは、審査が比較的緩やかです。審査スピードも圧倒的に速く、基本は当日中に貸し出してくれます。
他の借金が多くなく、過去に延滞事故を起こしたこともない人で、安定した収入があるならば比較的借り入れできる可能性が高いです。
カードローンは、利用限度額を与えられる商品です。ペット代金だけでなく、利用限度額の範囲内で繰り返し借り入れできます。
ペットにかかわる追加費用が必要になった場合など、繰り返しの借入れができる点は便利でしょう。また、原則50万円以下の借入れ希望の場合、申込みの段階で収入証明書が不要です。ただし他社借入れのある人の場合は、限度額合計が100万円を超えますと、収入証明書が必要になります。
ペットローンを利用するデメリットは?
ペットローンは、ペットショップで申し込める信販会社のものでも、銀行のものでも時間が掛かります。ペットショップで気に入ったワンちゃん、猫ちゃんを連れて帰りたいと思っても、すぐには対応できません。また、審査を待っているうちに他の購入者が連れて帰ってしまうこともあります。
もっとも、これも考え方次第です。衝動買いできなければ、熟慮できる分、結果的にいい場合もあるでしょう。
ペットショップ取扱いのローンの場合
そもそも、小さなペットショップはローンに対応していません。選択肢としてのペットローンがない場合もあります。また、信販会社と提携したペットローンは、消費者金融と比べれば別ですが、金利も決して低くはありません。
購入したいペットショップでローンを利用できない場合は、銀行のローンや消費者金融の利用を検討しましょう。
銀行のペットローンの場合
銀行ローンは、一般的に信販会社のものより審査が厳しいとされています。ペットローンの場合もそうです。
保証会社が入りますので、保証会社の審査も併せて行われます。イオン銀行ペットローンの場合は、消費者金融のオリックス・クレジットが保証会社です。銀行ローンの場合、その銀行に口座を作る必要がある点が煩わしいと感じる人もいるでしょう。
審査については時間を要し、最大で一週間掛かる場合もあります。
消費者金融カードローンの場合
金利の比較で言いますと、消費者金融の金利は貸金業法の上限ですので、ここから借りるのがもっとも高利です。ただ、繰り返し借り入れできるという消費者金融のメリットを忘れて、金利の比較だけするのは妥当ではありません。
繰り返し借り入れる想定ではなく、一度に借りて済ませたいのであれば、消費者金融を使うにしても「目的ローン」がありますのでそちらをご利用ください。審査は同じく迅速です。金利はカードローンに比べて、1.0~1.5%程度は下がります。
ペットローンの代表例
ペット購入に使えるローンについてご案内します。現在存在するペットローンについては、いずれもWebで完結して融資が受けられる点が特長です。即日融資を受けられるものもあります。
ダイレクトワン
分類 | 消費者金融目的ローン |
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貸付利率 | 4.9%~17.0% |
限度額 | 手術・入院について50万円、購入について20万円 |
遅延損害金 | 20.0% |
返済方法 | 定額リボルビング方式 |
担保・保証人 | 不要 |
ダイレクトワンは、スルガ銀行グループの消費者金融です。スルガ銀行の名前を全面的に押し出していますが、あくまでも「ダイレクトワン」社という消費者金融の商品で、銀行ローンではありませんのでご注意ください。
ダイレクトワンは、「ペットオーナーズ」というペットローンを提供しています。
手術・入院費用については限度額50万円、ペット購入費用について限度額20万円となっています。購入費用については、限度額より販売価格の高いワンちゃん、猫ちゃんはたくさんいますのでご注意ください。
金利が上限17.0%となっており、カードローン(18.0%)と大差ありません。ですが、消費者金融の目的ローンとしては相場です。
ダイレクトワンの実店舗は東京から名古屋まで東海道に沿って15店舗あります。甲府にも一店あります。実店舗で申し込みますと、即日融資を受けることも可能です。また実店舗のない地域でも、Webの申込みで利用ができます。
返済は、スルガ銀行ATM以外でも、コンビニATMで可能です。大手消費者金融の「プロミス」のATMも利用できます。
イオン銀行 ペットローン
分類 | 銀行目的ローン |
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貸付利率 | 3.8%~8.8% |
限度額 | 700万円 |
遅延損害金 | 14.6% |
返済方法 | 毎月元利均等返済 |
担保・保証人 | 不要 |
イオン銀行は、全国のイオンに実店舗があり、ネットでの利用も便利な新業態の銀行です。銀行としての低金利を活かしたカードローンにも定評があります。
イオン銀行のペットローンは、「イオンアシストプラン」という、ネット専用目的ローン商品のくくりに入ります。イオンアシストプラン自体は、最大金利13.5%の、いわゆるフリーローンです。
目的ローンであるペットローンの審査がまずあり、それに通らなかった場合でも、フリーローンであるイオンアシストプラン自体の審査を受けられます。二段階の審査で、できる限り貸付けを受けられるようにしているわけです。もちろん、金利は変わります。
ペットローンの審査落ちで、イオンアシストプランのフリーローンで借り入れる場合、カードローン(最大金利13.8%)と、ほとんど金利が変わらないのは難点かもしれません。イオンアシストプランは、Webからの申込み限定の商品です。Webで完結して、融資が受けられます。融資の実行までの日数は、3日から、一週間ほどです。
スルガ銀行 リザーブドプランプラス
分類 | 銀行目的ローン |
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貸付利率 | 7.0%~11.0% |
限度額 | 800万円(カードローン合算) |
遅延損害金 | 19.5% |
返済方法 | 元利込定額返済 |
担保・保証人 | 不要 |
スルガ銀行はもともと静岡の地方銀行で、現在も東海道を中心に実店舗を多数構えていますが、近年ではネット銀行の代表として知られています。ペットローンもWeb申込専用の商品です。
リザーブドプランプラスは、スルガ銀行の目的ローン・フリーローン商品です。複数のローンを一本化する、おまとめローンとしての案内もされています。このローンの枠組みの中に、ペットローンも位置付けられます。
この商品は、カードローンとセットで申し込まなければなりません。カードローンが不急不要という場合は、限度額を最低の10万円にしておくといいでしょう。
カードが発行されますので、目的ローンについても、提携ATMを利用した随時返済が可能になっています。商品案内には明記されていませんが、商品の性質上ペットローンとしての審査に通らず、フリーローンとして審査に通るという場合もあるはずです。その場合の最大金利は14.9%となります。
銀行が保険料を負担する、ガン保障特約付き・消費者信用団体生命保険付きのプランも選択できる点は大きなメリットです。万一の時には、ローン残高が0円になります。
まとめ
ペット購入は非常に大きな買い物です。
ペットショップで出逢ったワンちゃん、猫ちゃんを衝動的に欲しくなってしまうこともあるでしょう。それでも借入れをする場合、冷静に、計画的に考えておこなうようにしましょう。
お使いのメインバンクにペットローンがなくても、フリーローン等で金利の低いものがあることもありますので、じっくり研究してから利用しましょう。