最近、いろいろなお店が電子マネーなどに対応しているんですね。
世界的に広がりを見せているキャッシュレス化。
日本も例にもれずキャッシュレス化に向けてさまざまな取り組みをしています。
しかし、思ったようにキャッシュレス化が進まず、現金で支払うという方は多いです。
そこで今回は、日本のキャッシュレス化の決済サービスの変化や、今後の課題についてメリット・デメリットをふまえてご紹介します。
これを読めば、キャッシュレス化の現状と日本のこれからの目標がわかりますよ。ぜひ読み進めてくださいね。
目次
キャッシュレス化とは
キャッシュレス化とは、現金を使わず決済をすることを言います。
わざわざ小銭をお財布から探す手間もなく、簡単に決済ができてしまうので利用している方も多いです。
キャッシュレス化での決済方法としては以下の表を参考にしてください
支払方式 | 前払式 | 即支払式 | 後払式 |
---|---|---|---|
方法 | 電子マネープリペイドカード |
・デビットカード ・モバイルウォレットなど |
クレジットカード |
特徴 | チャージ分だけ決済 | 即時決済※ | 限度額まで決済 |
※預金残高分まで
カードを利用しての決済が多い中、近年ではスマートフォンなどの普及から、スマホでの決済が急速に進んでいます。
- ApplePay
- おさいふケータイ
上記の2つのシステムは、スマホでの決済方法としてよく利用されていますが、元をたどるとクレジットカードや電子マネーでの決済になります。
日本はキャッシュレス化がわずか2割程度しか進んでいない
そのあたりを詳しく説明するよ。
経済産業省によれば、キャッシュレスでの決済率は、20%程度だといわれています。キャッシュレス化が進んでいる韓国は、約55%の決済率があるのでその差は歴然です。
日本では、キャッシュレス化を目指してはいるものの、やはり思うように進んではいないのが現状だといえます。
電子マネーや、お得なサービスが付帯されたクレジットカードが普及する中、どうしてキャッシュレス化が進まないのか、それは以下の2つの理由が考えられます。
- 現金主義の方が多い
- キャッシュレスの支払い方法に対応している店舗が少ない
日本は世界的に見ても現金主義の国といわれ、クレジットカードや電子マネーなどといった、目に見えない方法での支払いを苦手とする方が多いです。
そのため、クレジットカードを持っていても、支払いは現金が多いということがあります。
また、買い手がいくらキャッシュレスに対応していても、お店側が対応しておらず電子マネーでの支払いや、クレジットカードでの支払いができないという点も要因としてあります。
お店側としても、電子マネーなどに対応した機器を導入するにはコストがかかり、また維持費もかかります。
そのため、簡単には手を出せないという場合も多いようです。
女性:買い手とお店、双方に要因があってキャッシュレス化が思うように進んでいないんですね!
政府の今後の方針
政府は、もともと2027年に向けて定めていた目標を2年前倒しし、2025年の大阪・関西万博をめどに、キャッシュレス決済率を40%へ向上するよう目指すと提言しました。
また、将来的にはキャッシュレス決済比率を80%まで引き上げたいという最終目標も設定されています。80%というのは、世界最高水準でもあり現状では大変難しい比率です。
それらの目標を達成するために、政府は店舗側へ以下の3つのような方策を出しています。
- キャッシュレス決済対応導入の環境整備(店舗側への義務化も検討)
- キャッシュレス決済によって生じる支払い手数料などの軽減
- キャッシュレス決済の意義やメリットに関する、店舗側への理解促進
やはり店舗側のネックである、専用機器の導入や支払い手数料といったコストが軽減されるのは、今までキャッシュレスに難色を示していた店舗も、導入を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
また、買い手に対する方策としては
- キャッシュレスによる決済の利便性や安全性を示す
- キャッシュレスでの支払い利用の動機付け(現金よりもお得感を出すなど)
といった、現金主義が多い日本では安全面への取り組みが第一になっています。
日本政府としては、
- 増える訪日観光客に対応するため
- 各地で広がる人手不足の軽減
- 現金資産の見える化
- 消費の利便性の向上
などを目的としているため、キャッシュレス化に向けてますます進展していくと予想できます。
海外の状況はどうなのか?
日本ではなかなか思うように進まないキャッシュレス化ですが、海外ではどうなのでしょうか。中国やスウェーデンなど、海外でのキャッシュレス化への状況についてお話します。
北京や上海ではすでにスマホ決済が主流になっている
キャッシュレス決済比率が約55%、アジアの中でも先進国になります。
中国でキャッシュレス化が進んだ要因としては、スマホを利用した決済方法が日本よりもはるかに進んでいるということがあります。
スマホさえあれば、
- 生活用品の支払い
- 飲食店などでの支払い
- タクシーや新幹線、飛行機代などの支払い
- ホテルの宿泊費の支払い
- 病院代金の支払い
など、日常生活を送るために必要な決済ができます。
決済方法としても、クレジットカードよりもその場でQRコードを利用しての決済が多いです。
店舗側がQRコードを利用するためには、専用端末も電源すらいらないので、導入しやすいという点も、キャッシュレス化に拍車をかけた要因でもあります。
北京や上海ではすでにスマホ決済が主流であり、中には現金お断りというお店もちらほらあります。
しかし都市部と地方では差が激しい
そこまでスマホ決済によってキャッシュレス化が進んでいる中国で、キャッシュレス決済比率が55%止まりなのは、やはり地方との差にあるといえます。
都市部ではスマホ決済は当たり前であっても、地方では現金での支払いのみ対応しているといったお店が多いです。
地方でのスマホ決済やクレジットカードでの決済が浸透していないため、キャッシュレス化の差が生まれてしまっています。
スウェーデンではNO CASH!のお店が増えている
現金のいらない国ともいわれるスウェーデン。2017年に日本銀行が発表した現金の使用率によると、1.7%しかありません。
街を歩いている方の多くは現金を持ち歩かず、スマホの決済システムやクレジットカードを利用して商品を購入しています。
また、日本の銀行で出金・入金が可能なATMの設置は当たり前ですが、スウェーデンの銀行の中には、120支店のうち約80支店で現金の出入金といった取り扱いができない店舗もあります。
そしてキャッシュレス化はお店でも進み、「NO CASH」と入口に掲げられている光景が当たり前になってきています。
キャッシュレス化のメリット・デメリット
キャッシュレス化へ一歩としては、キャッシュレスのメリット・デメリットを把握しておきましょう。デメリットを踏まえたうえで、メリットの部分が自分にとって有益なものなのか検討する必要があります。
キャッシュレス化へもメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
キャッシュレス化の主なメリットとしては以下の4つがあります。
- 現金を持ち歩かなくてもいい
- 利用履歴で支出の管理ができる
- 決済に手間取らない
- 現金にはないサービスが付帯される
それぞれについて詳しくご紹介します。
現金を持たなくてもいい
現金が必要なくなるということは、スリや置き引きなどの被害に合ったときも、被害を抑えることができるということです。
また、持ち合わせがないなどといったこともなく、お財布に入っている現金を気にする必要がありません。
利用履歴が確認できるので、支出の管理がしやすい
「いつの間にか使ってしまっている)」
「あれ?昨日いくら使ったっけ?」
といったことはないでしょうか。
現金は、レシートなどでしか利用履歴を確認することができません。そのためレシートを捨ててしまうと、確認することができなくなります。
キャッシュレス化だと、支出の履歴が残るので、自分がどのお店でいくら使ったのか管理しやすくなるので、家計としても助かるのではないでしょうか。
決済が格段にしやすく、早い
決済が早いというのは、キャッシュレス化の目立つメリットではないでしょうか。
現金での決済の場合、
- お財布から現金を探す
- 店員に渡す
- お釣りとレシートを受け取る
といった流れが多いですが、途中で小銭を探したりといった時間が入ることもあります。
しかしキャッシュレスでスマホ決済であれば、専用端末にレシートをかざすだけで終了です。決済方法によって、決済完了までのステップは違いますが、時間の短縮につながります。
ポイント還元サービスがお得
一番注目したいのが、現金にはないサービスです。
- 電子マネーでの決済でポイント付与
- クレジットカードの利用でポイントの二重取りが可能
- その他店舗でのお得な割引サービス
など、利用する電子マネーやキャッシュカードなどのアイテムにもよりますが、現金にはないサービスを受けることができます。
そのほとんどがお得になるものばかりなので、同じ金額を払うならキャッシュレスを利用した方がメリットは大きいです。
デメリット
キャッシュレス化のデメリットとしては、以下の4つがあります。
- 支払い方法の選択肢が多く自分に合ったものがわからない
- キャッシュレスに対応していない店舗がある
- スマホを持っていない場合や現金主義の場合が対応しにくい
- 電気がないと決済ができない
それぞれについて詳しくご紹介します。
自分にどれが合っているかわからない
キャッシュレス化に対応した決済方法はたくさんあります。
- プリペイド型(前払い方式)・・・電子マネー・プリペイドカード
- デビット型(即払い方式)・・・デビットカード・モバイルウォレット
- クレジット型(後払い方式)・・・クレジットカード
支払い方式でいえば3種類ですが、それらを使い分けることができるApple Payやおサイフケータイ、電子マネーの種類を考えると無数にあります。
キャッシュレス化は決済方法の種類の幅がひろく、どれが一番自分に合っているのかどうか判断しにくいという面があります
持っている支払いサービスを取り扱っていない店舗がある
「この決済方法で支払いたいのに、お店で決済できないといわれた」
「電子マネーで支払いたいのにチャージに対応していなかった」
などといった場合、他の方法で決済しなければ商品の購入はできません。
キャッシュレス化は、決済方法がお店によって限られてしまうというデメリットがあります。
自分に合った支払い方法を見つけても、対応していない店舗では、現金払いや他の支払い方法を検討しなくてはいけません。
スマホを持っていない人や現金主義が取り残される
このままキャッシュレス化が進むと、スウェーデンなどのようにお店側が現金での支払いを断るといった事態になり、現金主義の方の選択肢がなくなってしまいます。
また、スマホでの決済が主流になると、スマホを持っていない人は対応できません。
そのため決済をするために、スマホを購入するといったことも起きる可能性があります。
スマホを持たない方や現金主義の方にとってキャッシュレス化が進むと、個人が選択する権利がなくなり、やむを得ずキャッシュレス化に対応するしかなくなってしまうのです。
災害時など停電した場合に支払いができない
キャッシュレス化の弱点でもあり、盲点でもあるのが電気を使えなければ決済ができないということです。
キャッシュレスで決済をするためには、電源を必要とする専用端末を使います。
その電気の供給が止まってしまう災害や停電では、決済をすることができなくなってしまいます。
ネット上で決済ができるスマホであっても、充電ができなければいずれ使用ができなくなります。
商品がそこにあるのに、電気の供給がなければ支払いができず手に入れることができないのです。
今後の日本の課題は何なのか
キャッシュレス化を進めるためには、日本にはどんな課題があるのでしょうか。
まず、キャッシュレス化に対応した店舗を増やすことは最優先といえます。
せっかく電子マネーなどを用意しても、利用できなければ利便性の悪いものになります。
また、お店によって利用できる決済方法が違うというのも、決済方法としては利便性が悪いと言わざるを得ません。
そして現金主義の方やスマホなど最新機器を苦手とする方に、安全性や利用方法などをクリアにすることが大切です。
- キャッシュレスに対応した店舗を増やす
- 決済方法を統一する
- 安全性を確立し、利用方法や仕組みを透明化する
この3点が、目標に掲げた2025年までに40%、ゆくゆくは80%ものキャッシュレス化を進めるカギになるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、キャッシュレス化の日本の現状と世界との差、キャッシュレス化のメリット・デメリットなどをお話しました。
- 日本は2025年までにキャッシュレス決済率を40%にしたい
- 中国や韓国では日本の倍以上のキャッシュレス決済率
- 現金が不要、利用履歴を確認しお金の流れを把握することなどができないなどメリットがある
- 電気が供給されない場合や、決済方法がお店によって利用できないなどといったデメリットがある
- 決済方法の統一や利用できる店舗を増やすのが重要
キャッシュレス化はデメリットはあるものの、世界中で決済ができる、お金の流れをつかむことができるなど、メリットも多くある決済方法になります。
この記事を読んだあなたも、キャッシュレス時代に先駆けて導入してみることで生活を今よりももっと快適にすることができると思いますよ。