“看護師は3年で一人前になれる”なんて、看護の業界ではよく言われていますね。
「だったら看護師は何年目で結婚するのがベストなの?」
「看護師は結婚率が低いって言うけど、何か障害になることでもあるの?」
と看護師の結婚にまつわる疑問や不安はたくさんありますよね。
今回はここにスポットを当てていきます。
あなたはどう思われますか?
看護師の結婚年齢
厚生労働省が公表している以下の「有配偶率(結婚している人の率)・未婚率」のグラフを見てください。
出典:厚生労働省「病院の立地別にみた看護職員を確保できた割合」
一般女性、看護師女性のどちらも34歳までに多くの人が結婚しているのがわかります。
20~24歳→30~34歳までの未婚率の推移を見てみると、
・看護師女性は95.6%→48.6%
へ大幅ダウンしているのが分かります。
35歳までに半数以上の方が初婚を迎えているということですね。
ただ、やはり看護師女性のほうが一般女性よりも未婚率が高いです。
また、35~39歳の未婚率を見ると、一般女性は18.4%と大幅に減っているにも関わらず、看護師女性は35.4%と微減にとどまっています。
このことからも仕事をバリバリ頑張る看護師ほど婚期が遅れるというのは事実と言えそうです。
看護師が結婚できない4つの理由
では看護師が結婚できないのには具体的にどんな理由があるのでしょうか。
ここでは、その4つの理由について紹介していきます。
1.女性の多い職場環境
看護師が結婚できない主たる理由として、上がってくるのが女性の多い職場環境のためということがよく上げられます。
女性が多いということは、裏を返せば出会いがない状態ということです。
医者や病院に出入りする医療関係者との出会いは考えられますが、そういった人の人数は看護師に対して比率が低いのが現状です。
また、病院関係者は初めから恋愛対象に入っていないという看護師は非常に多いです。
それでも、どうにか研修や親睦会などで出会いを見つけて、いい恋愛そして結婚ができるといいですね。
2.経済的に自立している
2021年に公表された「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は505万9000円(賞与等含む。平均年齢38.8歳)となっています。
※年齢別・企業規模別の看護師の給与データについては「看護師のお給料の裏事情」で詳しく紹介しています。
夜勤や残業手当などで、月収が多少変動することはありますが、出来高制の給料形態ではないため、給料は安定しています。
これだけの収入があるとすると、交際している男性よりも年収が高い看護師女性も中にはいるはず。
生活にゆとりがあるので、経済面を理由として結婚を急ぐ必要性はありません。
3.不規則な勤務時間
看護師は土日休みでなく、日勤・夜勤が混在していて勤務シフトは不規則になりがち。
業務内容もハードで残業ありの長時間労働だったりするため、休日は家でゆっくりしたいと思ってしまう看護師もいます。
せっかく恋人ができても彼氏と休みが合わなかったり、デートの約束をしても「体がクタクタで気が進まない…」なんてことも。
そのため、気づけば結婚できていないという方が結構いるようです。
4.相手に求める条件が厳しい
看護師の給料は基本給や夜勤手当を入れて高額の部類に入るため、男性の方が給料が低いなんてことはよくある話です。
自然と男性には「自分より高収入の人がいい」と思ってしまいます。
また、患者さんの生死に日々向き合う厳しい職場環境をこなしてきたというプライドや自負があります。
このようなことから、仕事に対して意識が低い男性に見向きもせず、おのずと高スペックの男性を求めるようになり、結婚が遠のいている方がよくいらっしゃいます。
結婚までの道を焦るのは禁物
ただし、結婚までの道のりが遠く感じても焦るのは禁物です。
“失敗しない結婚をしたい”という方は、以下の「看護師の恋愛事情や結婚への道、相手との出会い方」を解説した記事を参考にしてくださいね。
看護師の出会いや恋愛事情ってどう?出会い方や結婚、男性看護師の恋愛の特徴まで【口コミ体験談あり】看護師は結婚できても離婚率が高い
看護師の離婚率に関する統計データは見つからなかったため、当サイトが独自にアンケート調査を行ってみました。
- 目的: 看護師の離婚率に関する調査
- 対象地域: 日本全国
- 方法: WEBアンケート(2021年6月)
- 対象者: 20歳から70歳の看護師経験者
- 有効回答数: 57名
現役看護師、看護師経験のある方に、「あなたは看護師の離婚率が高いとお考えですか?」という質問に回答してもらう形式です。
結果は以下のようになりました。
離婚率が高いと考えている看護師は全体の67%に上っています。
看護師の離婚率が高い理由
先のアンケートで「看護師の離婚率が高いと思う」と回答した方に、そう思った理由を聞いたところ、下記のような回答がありました。
- 周囲に離婚経験者がまあまあいるから
- ハードで不規則な勤務時間のため、夫婦生活にスレ違いが生じやすい
- シングルマザーになっても自分の思い通りに働ける
- 経済力があるから離婚を決断するのに躊躇しなさそう
前述した「看護師が結婚できない4つの理由」と似ているのですが、看護師の安定した収入面と過酷な労働環境が離婚の原因になりやすいと考えられます。
この結果からも、円満な結婚生活を過ごすためには、看護師の仕事に理解をしてくれるパートナーが必要になることが分かります。
アメリカでは看護師の3人に一人が離婚している
2008~13年にアメリカで行われた国勢調査の中で、「医療従事者における離婚調査」の結果として、看護師の離婚率が33%というデータが算出されました。
出典:米国における医師・医療専門家の離婚:アメリカ国勢調査データの分析
看護師のうち、およそ3人に一人が離婚経験があるということになります。
アメリカと日本ではライフスタイルや仕事に対する考え方等、異なる点はあるかと思いますが、看護師の仕事の性質は変わらないことを考えると、大きな差は無いとみていいでしょう。
看護師の結婚時期は何年目が理想?
ここでは、看護師になって何年目何年目で結婚するのが理想なのか、調査した結果を紹介していきます。
気になる方は、ぜひチェックしてみましょう。
看護師の理想的な結婚時期を調査してみた
看護師経験のある方に実際の結婚時期についてアンケートを取りました。
既婚者・未婚者、分け隔てなく回答していただきました。
- 目的: 看護師の理想的な結婚時期に関する調査
- 対象地域: 日本全国
- 方法: WEBアンケート(2021年6月)
- 対象者: 20歳から70歳の看護師経験者
- 有効回答数: 113名
結果は以下のような数値になりました。
冒頭でもお話した通り、看護師は3年の経験をもって一人前になれると言われています。
仕事も一定レベル以上でできるようになり、経験と自信がつく頃。
周囲からも結婚を暗に認められる時期と言えそうです。
もちろんこれは看護師経験者による理想論です。
現実は記事始めの「看護師の結婚年齢」で述べたとおり、看護師の結婚時期は一般女性よりも遅いです。
看護師の3年目が結婚時期の理想
なぜそのように考えられるかと言うと、職場の新人教育でも1~3年目まで新人用のプログラムを組んでいるところが多いためです。
3年間働けば、以下のような一連の業務を一定のレベル以上でこなせるようになっています。
- 入退院時の対応
- クレーム処理
- リーダー業務
- 指示受け
- 点滴や採血の技術
- 医療機器の理解度
- 内服薬の管理
- 医師とのコミュニケーション
2年目の看護師と言うと、基本的な業務は一人でこなせ、1年目に比べると任される仕事もレベルアップしますが、難しい局面では先輩からのサポートを必要とします。
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【看護師二年目】最難関の一年目を乗り越えた後に辞めたくなる理由と転職の是非
まだまだ成長途中で、2年目看護師さん本人も先輩看護師さんも「なんでも一人でやる(やらせる)には少し心配」と言う気持ちがある頃ではないでしょうか。
やはり、看護師の結婚のタイミングは全体的な業務ができるようになる3年目以降がベストだと考えられます。
2年目の結婚退職、早すぎますか?
看護師としては伸び盛りの2年目。
この時点での退職は
「早すぎる!」
「せっかく1年間頑張って、今からなのにもったいない!」
と周囲の人たちには思われるでしょう。
2年目看護師さん本人も、「先輩たちにここまで育ててもらったのに申し訳ない」と考えているかもしれません。
しかし、結婚はタイミングが重要です。
婚約者が良いと言うのなら待ってもらうのもアリですが、仕事を優先してせっかくの御縁を逃してしまう危険性だってあるのです。
難しい判断ですが、自分にとって優先すべきことは何なのかをよくよく考えましょう。
2年目での退職→看護師に復帰できる?
後に看護師に復帰することを考えると、可能であれば一人前とされる3年目まで続けた方が良いのかもしれません。
採用されやすいかどうかと言うよりは、自分で「3年間やりました!一通りのことは経験してます!」と自信が持てるのではないかなと思います。
もちろん、2年目での結婚退職を選んだとしても、慢性的に人手不足な看護業界ですから再就職はしやすいと考えられます。
若いうちに再就職を狙えば、若さを武器にすることもできるでしょう。
ただ、1年目~3年目に修得するはずだった技術や業務知識を、再就職後に改めてインプットする必要があるということは念頭に置いておきましょう。
結婚退職を職場に引き留められた、どうしよう?
「せっかく教育したのに…」
「育ち盛りの若手看護師を手放すのは惜しい!」
と思ってしまう職場側の気持ちもわかりますよね。
でも、結婚退職は自分のライフスタイルの問題です。
自分が決めたことは、遠慮なく貫き通すことが後の人生の良い結果につながります。
強く引き留められたら一旦引き下がる
もし強く引き留められてもその場で断固たる態度を示さず、「もう一度考えさせて下さい」と、一旦引き下がるのが得策です。
日をあらためて「いろいろ考えましたが、私の意思は変わりません。」と伝えてみましょう。
【法律論】退職の意思を伝えた後2週間で退職できる
労働基準法では退職の意思を雇用主(病院側)に伝え、その後2週間経てば、誰でも退職することができます。
職場側に退職の意志を伝えた時に強く引き留められても、前述の通り「少し考える時間を下さい」と時間を稼ぎつつ、そのうち2週間経てば退職できます。
労働者には退職する権利があるので、本来であれば病院側も強引に引き止めることはできません。
就業規則に「退職する際は1ヶ月前に申告が必要」と記載されていたら…
では、就業規則で退職する際は1ヶ月前に申告が必要です」と定められている場合はどうすればよいのでしょうか。
就業規則はあくまでも会社が定めたルールで法的な拘束力はありません。
「退職者が出たら採用準備や引継ぎ業務を十分に確保するために1ヶ月は欲しい…」
という会社の意向が反映されているだけです。
そのような記載があったとしても、法的には就業規則より労働基準法が優先されるので、退職意思を伝えてから2週間後に退職しても違法ではありません。
まとめますと、
→退職する旨を伝えてから2週間後に辞めてOK。
・社会人としてのマナーを優先したい方
→就業規則どおり、退職する旨を伝えてから1ヶ月後に辞める。
というように、できる限り会社の方針は遵守しつつ、それでもすぐに辞めたい人は2週間後に辞めても大丈夫、ということになります。
看護師の結婚退職の注意点
看護の職場に限ったことではありませんが、事情があって結婚に対して否定的な考えを持っている人や、若者をいびりたいタイプの人はどこにでも存在します。
(近年においては)比較的若い年齢での結婚、まだ看護師の経験も浅い…となると、職場の上司や先輩たちに目を付けられてしまう可能性があります。
・上司や同僚が嫌味を言ってくる
というような職場であれば、このまま続けていても妊娠・出産時に再度揉める可能性が高いです。
この機会にすっきりお別れした方が後のためになるでしょう。
結婚退職する際でもあくまでも自然体で業務に当たる
結婚退職するとなっても、コソコソする必要は全くありません。
普段通りにしていれば良いのですが、不必要に結婚をひけらかしたり、他者に対して配慮を欠くような言動は慎みましょう。
幸せいっぱいのときは周りが見えにくくなるものですから、特に気を付けましょうね。
祝ってもらえたら、素直に感謝の気持ちを伝えましょう。
仕事も家庭。
どちらもとても大切なことで、選ばなくてはいけない局面は辛いです。
まだまだ人生はこれからですから、自分が幸せになれる道を迷わず進んでくださいね!
まとめ
以上、看護師の結婚率や最適な結婚の時期について解説しました。
最後にもう一度、今回の記事の内容をおさらいすると
- 看護師のハードな労働環境が婚期の遅れや離婚の原因にもなり得る
- 看護師は3年目以降に結婚するのが理想
- 周りの人も納得するような結婚を目指す
の3つが挙げられます。
「仕事も大体できるようになって自信がついたので、そろそろ結婚したい」
そんな方は、ぜひこの記事を参考にベストな結婚の時期を見極めてくださいね。