アルバイトを探す時、だれしもが“時給”を考慮するでしょう。もちろん、お金以外にも様々な希望条件がそれぞれに存在しているはずですが、そんな条件を満たしつつ、かつ時給が良い募集要項であれば、その働き先はより魅力的に見えるはずです。
アルバイターなら押さえておきたい、“最低賃金”について
いざ働き出した時、時給に不満がうまれる事も起こりえます。「他のコが働いているバイト先よりも、ずいぶん時給が低い気がするんだけど…」と気になりだすと、アルバイトを続けるモチベーションも保てません。 そんな時、ぜひ気にかけてほしい制度があります。 そもそもアルバイトの時給とは、基本的に使用人(会社や企業)が独自に決定しているものなのですが、その際、時給を決める上で「◯◯円以上でなければいけない」と定めた法が存在するのです。これを“最低賃金法”と呼び、日本国内でアルバイトをするすべての方々に適応されています。 「どれくらいの金額から、“時給が良い”というのだろう?」 …アルバイト先を選ぶ際に、時給の目安として考慮する時。 「今働いているバイト先の時給に不満があるんだけど!」 …自分が違法な労働条件で働いているのではないか!?を見極める時。 ぜひ、最低賃金を知り賢いアルバイトライフに活かしてください。
最低賃金って何?
最低賃金とは、国によって定められた賃金の最低額を指します。上記でも触れたとおり、使用者が時給を決定する際は、必ず最低賃金より多くしなくてはいけません。 じつは「最低賃金」と一口に言っても、「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類に分かれます。
「地域別最低賃金」
多くの人が「最低賃金」と呼んでいるのは、「地域別最低賃金」を指す事がほとんどです。地域別最低賃金とは、その名のとおり“地域ごとに異なる最低賃金”で、お住まいの都道府県ごとに違った金額が定められています。 地域別最低賃金が適応される対象は、日本国内で働くすべての労働者で、産業や職種は無関係です。 都道府県ごとに地域別最低賃金が違う理由は、賃金の実態がエリアごとに異なっているから。公益代表、労働者代表、使用者代表から成る最低賃金審議会が、様々な統計をもとに綿密な審査を行い、決定されます。
「特定(産業別)最低賃金」
「最低賃金」には、地域別最低賃金のほかに「特定(産業別)最低賃金」というものが存在します。これは“特定の産業に対して定められた最低賃金”を指し、地域別最低賃金よりも高い金額水準で最低賃金を定める事が求められる産業にのみ設定されます。
自分の地域別最低賃金を知ろう!
アルバイトを探している、あるいは、今現在アルバイトとして努めているのであれば、ぜひご自身の地域別最低賃金を把握しておきましょう。 地域別最低賃金は、日本全国で年度ごとに設定されています。今年度の最新情報は、厚生労働省のホームページなどでチェックできます。 平成27年度の時点で、最高額は東京都の“907円”、最低額は鳥取県、高知県、宮崎県、沖縄県の“693円”でした。 また、すべてのアルバイターが時給で働いているとは限りませんね。なかには、日給で働いているケースもあるはずです。その場合は、《支払われた日給》を《一日の労働時間》で割って計算します。 《日給の場合…》 日給÷1日の所定労働時間=◯◯円 ↑この“◯◯円”が、お住まいのエリアの最低賃金を上回っていなくてはいけません。 月給制であったり、出来高制などで時給換算の方法が不明な場合は、労働局労働基準部賃金課室か労働基準監督署へ問い合わせて、相談してみましょう。
最低賃金から除外される賃金がある
最低賃金は、“労働者に毎月支払われる基本的な賃金”です。これに当てはまらない手当などは、最低賃金から除外される事も覚えておきましょう。例えば、残業代、ボーナス、通勤手当などは含まれません。
最低賃金に当てはまらない賃金
- 結婚手当など、臨時に支払われる賃金
- 賞与やボーナス
- 残業代、時間外割増賃金など
- 休日割増賃金
- 深夜割増賃金
- 皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
したがってアルバイト先を探す際は、目先の時給にとらわれるのではなく、これらの手当が最低賃金のなかに加えられていないかをチェックしたほうが賢いでしょう。いくら時給がよくとも、通勤手当がなければ損をしてしまう事も考えられます。 より好条件のアルバイトを探したいとお考えなのであれば、ぜひこれらにも注目してください。 また、使用者(会社や企業)は、労働者(アルバイト)に最低賃金を知らせる事が義務付けられています。
まとめ
アルバイターなら、把握しておきたお最低賃金の基礎知識についてお話ししました。 [box_h]
最低賃金には種類が二つある
地域ごとに定められた最低賃金は、毎年設定されている
最低賃金に含まれない手当が存在する!
[/box_h] この3つのポイントを押さえて、損のないアルバイトライフを送りましょう!資料:平成27年度都道府県別最低賃金一覧表
都道府県名 | 最低賃金(平成27年) |
---|---|
北海道 |
764円 |
青森 |
695円 |
岩手 |
695円 |
宮城 |
726円 |
秋田 |
695円 |
山形 |
696円 |
福島 |
705円 |
茨城 |
747円 |
栃木 |
751円 |
群馬 |
737円 |
埼玉 |
820円 |
千葉 |
817円 |
東京 |
907円 |
神奈川 |
905円 |
新潟 |
731円 |
富山 |
746円 |
石川 |
735円 |
福井 |
732円 |
山梨 |
737円 |
長野 |
746円 |
岐阜 |
754円 |
静岡 |
783円 |
愛知 |
820円 |
三重 |
771円 |
滋賀 |
764円 |
京都 |
807円 |
大阪 |
858円 |
兵庫 |
794円 |
奈良 |
740円 |
和歌山 |
731円 |
鳥取 |
693円 |
島根 |
696円 |
岡山 |
735円 |
広島 |
769円 |
山口 |
731円 |
徳島 |
695円 |
香川 |
719円 |
愛媛 |
696円 |
高知 |
693円 |
福岡 |
743円 |
佐賀 |
694円 |
長崎 |
694円 |
熊本 |
694円 |
大分 |
694円 |
宮崎 |
693円 |
鹿児島 |
694円 |
沖縄 |
693円 |