食の欧米化、日常的な運動不足、高齢者の増加など様々な要素が絡みあって、現代は糖尿病患者・糖尿病予備軍の数が急増しています。 非常に身近な病気でありながら合併症リスクが高く、場合によっては透析など治療に多額の費用と根気が必要になるケースに発展しかねません。 そこでいかにして糖尿病患者に適切なアプローチをかけられるか、予防できるかを考えた上で設立されたのが糖尿病看護認定看護師資格になります。
糖尿病看護認定看護師資格の概要
糖尿病患者とその家族のQOL向上、高い水準の看護を実践できる人材として資格化されました。同時に他の看護職に対して指導・相談できる能力を持ち合わせている存在であることも期待されています。
糖尿病看護認定看護師の役割と仕事
糖尿病看護認定看護師の主な役割や仕事は以下のようになっています。
- 糖尿病患者への医学的治療の介助
- 患者さんとその家族へのQOL向上のためのケア
- 治療方法選択のための情報提供や相談
- 他の看護師への指導・相談
糖尿病看護認定看護師になるには
大前提として日本の看護師免許を所有している必要があります。その上で以下の条件を満たして初めて認定審査資格が与えられます。
- 看護系大学院修士課程の修了
- 日本看護協会が認定している認定看護師教育機関(課程)を修了(6か月615時間以上)
- 看護師免許取得後、実務経験が通年5年以上
- 実務経験5年以上のうち、3年間は認定看護分野で実務経験
- なお勤務年数は常勤、非常勤は関係せず、通算時間を満たしていれば問題無し
上記した全ての条件を満たしていれば糖尿病看護認定看護師資格の認定審査が受けられるようになります。 なお、5年ごとに更新(看護実践と自己研鑽の実績について書類審査)が必要となります。
糖尿病看護認定看護師が活躍できる場所
糖尿病に特化した看護能力と知識を有しているため、外来が主な職場に選ばれることが多いようです。 大規模な総合病院の外来では糖尿病看護認定看護師のニーズが高く、病院側で資格取得支援を行っているところが多い傾向に。そのため結果的に大規模な総合病院で勤務することが多いのは間違いなさそうです。 また最近では「糖尿病内科」といった糖尿病に特化した診療科目を設置している病院が増えているため、このような病院に勤務する機会もあるでしょう。
糖尿病看護認定看護師資格のまとめ
糖尿病患者は内科で常に上位に入る疾患です。予備軍の存在も考えると、今後はますます需要が伸びてくる資格だと言えるでしょう。 現状では資格取得補助のある病院や教育機関の数が少なく、誰でも簡単に資格取得できるとは言いがたい部分があります。しかし医療全体でみると糖尿病患者へのスペシャリストは絶対不可欠な物であり、間違いなく有利に働いてくれる資格になります。