女性の働きやすさに対する社会の意識は高まってきていますが、長く働き続けられるかどうか依然として不安に思っている女性が大勢いるのが現実で、将来のことを考えて早くに転職を決断する人もいます。そんな女性達の転職理由は様々で、生活の中で何を優先したいかによって決断の方向性も大きく変わります。
働く女性の多くは、結婚や出産、育児などの大きなライフイベントの後もずっと働き続けたいと思っており、ワークライフバランスを重視して現状よりもゆるめの仕事に転職したいと思う「ペースダウン思考」と、第一線でずっと活躍するためにスキルを身につけておきたい「キャリアアップ思考」の大きく分けて2つの考え方が見られます。
ペースダウンしたい女性の転職理由
ライフスタイルの変化に伴って仕事のペースを落としたい女性の場合、ノルマが厳しいために残業が多かったり、男性が中心の職場だったりと、女性にとって働きにくい環境に身を置いているケースが多く、仕事とプライベートを両立して長く働いている先輩女性がいないことなどにも不安を感じ、転職を考えるようになるようです。しかし、「ゆるく働く」ということに重点を置きすぎてしまうことにはリスクあります。
「ゆるさ」で仕事を選んでさらに不満が増えることも
ペースダウンを第一に考えて転職をすると、苦手な分野の仕事内容に苦戦してしまい、新たなストレスを増やす可能性があります。
例えば、接客業や営業などのような人と接する仕事をしていた人が、時間管理のしやすい事務仕事が中心のデスクワークに転職したものの、いざ働き始めてみると前の職種の方が自分には合っていたことを痛感するなど、ゆるさ優先で転職したことを後悔することにもなりかねません。
今の仕事の何が問題なのかを考えて本当の転職理由を突き止める
企業側は人材が欲しいから採用するわけで、入社してすぐに産休や育休になってしまうのは困るのが本音です。働きやすさを重視していること自体は悪くありませんが、「働くペースを落としたい」という転職理由はモチベーションが低く見えてしまい、印象を悪くする可能性があります。
そのため、転職をしたい女性の本音がペースダウンなのであればなぜそうしたいのか、今の仕事で何が障害になっているのか、できることは何かということから順番に転職理由を組み立てていくようにしましょう。
キャリアアップしていきたい女性の転職理由
長く働きたいからこそ早いうちからキャリアアップしておきたい女性の転職は、比較的順調に進むケースが多いようです。第一線でずっと働くことを目標としているということで企業側の期待も高く、異業種への転職もしやすい傾向があります。
ただし、未経験の業種への転職をしようと思うなら、キャリアの棚卸しをしっかりと行って、それまで積み重ねてきたことの何が次の仕事に役立つかを具体的に説明できるようにしておいた方がいいでしょう。
前職と共通点がない職種への転職だったとしても、前職の成功体験や失敗を次に生かした話などは立派なアピールポイントになるよ。どんなことを話せばいいか迷ったら、転職エージェントに相談すれば、的を得た回答法をアドバイスしてもらえるカモ。
◆人間関係が理由で転職をする場合
女性の転職理由で多いのが「人間関係の問題」です。ただ、それを転職理由として面接で話してしまうと、たとえ自分には非がなかったことだとしても、コミュニケーション力不足やストレス耐性の低さを疑われてしまい、採用には不利になることがあります。転職には少なからずネガティブな理由が関係しているとはいえ、印象を悪くしてしまう理由は避けた方が安全です。
自分の状況に合った働き方を見つけていい意味でマイペースに
日本の社会全体において男女平等への意識が高まってきてはいるものの、結婚や出産などの大きなライフイベントと並行しながら働くにあたっては、やはり女性の方にかかる負担が多くて何かと大変になりがちなのも事実です。
近年では、働き方が多様化してきたこともあって、女性が活躍し続けられる職場も増えてきてはいるので、転職を機にペースダウンをするのかキャリアップしていくのかをよく考え、自分なりのキャリアプランを立てて行動していくようにしましょう。