薬剤師になるためには、大学の薬学部において6年間(過去では4年間)勉強し、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。
毎日必死で勉強されて、とてもつらかったと思います。実際私自身も薬剤師ですが、とてもしんどかった記憶があります。
しかし、薬剤師の勉強は薬剤師国家試験に合格し、晴れて薬剤師となれば、それで終わりというわけではありません。
全世界的に日々新しい医薬品は開発されておりますし、疾患の研究も進んでおり、疾患のメカニズムなどもずいぶん解明されています。
したがって、常に勉強しておかないといつの間にか、取り残されてしまいます。
ここでは…
「薬剤師になった後どのように勉強すればよいのか」
「どこで最新の知識を得たらよいのかなど」
薬剤師の勉強方法に関して紹介していきます。
医薬品の知識の習得方法
大学在学中は、商品名ではなく一般名で知識を得ておりますので、一般名と商品名と適応疾患に紐付けを行う必要があります。さらにその商品の用法用量を記憶しなければなりません。
これらを記憶するという訓練は、外部研修や勉強会などで身につけることはできないため、ご自身で行うしか方法はありません。方法としては2つあります。
1つは、添付文書や日本医薬品集といった資料を読み込んで記憶する方法、もう1つは実務を通して記憶する方法です。
実務とは調剤業務のことで、処方箋に基づいて調剤や服薬指導を行うことで自然と知識になるというものです。
しかし、資料を読み込んで記憶しても、実践しなければのちのち忘れてしまいます。せっかく勉強しても時間のムダだったとなりかねません。
疾患に関する知識の習得方法
大学在学中に勉強されたはずですが、多くの薬剤師さんは医薬品の知識は十分にもっているものの、疾患に関する知識はそれほどお持ちでない、もしくは情報が更新されていないことが多いようです。
そのため、疾患に関する知識を増やしたり、更新する必要があります。最も良いと考えるのは、各種団体が実施する勉強会に参加していただくことです。
薬剤師の方に馴染み深いものとして、各地区にある薬剤師会が主催している勉強会です。
薬剤師会の勉強会は、研修認定薬剤師制度認定対象の集合研修と規定されているため、勉強会を主催する薬剤師会の会員でなくても、誰でも参加することができます。
さらにうれしいことに参加費用などの費用を支払う必要がないということです。
インターネットで【薬剤師会 勉強会】と検索すると様々な勉強会の情報を簡単に見るけることができますので、まずはネットで探してみることをオススメします。
都道府県別や地区別で勉強会の日程が掲示されていてとてもみやすい。参加に関して予約の必要もなく、とても気軽に参加することができるカモ。
最新の医薬品や疾患に関する知識の習得方法
これは学会に参加することです。ご存知の通り、学会とは医療機関や研究機関、製薬企業などが、自分たちの研究の成果や臨床試験の成績などを発表し、情報を共有することで、患者さんの治療に役に立てることが目的です。
発表内容に関して、医療機関が行うことが多いものとして症例研究と呼ばれるものがあります。難しい症例や希少疾患などの治療成績、既存の治療方法とは異なる方法を用いたことやその成績などが発表されます。
製薬企業が行う発表内容は、臨床試験の成績です。臨床試験とは、医薬品として認可される前の化合物を人に投与し、有効性や安全性のデータを集積することで、規制当局(日本なら厚労省、アメリカならFDA、など)に申請することを目的として行われています。
最新の研究結果に基づいて、その化合物が開発されていますので、最新の医薬品の知識を習得することができます。
私は、学会の情報を調べるときに、インターネットで【学会】と検索することが多いのですが、まず自分でどんな学会があるのかネットで探ってみるのも良いと思います。
大きな学会だけでなく、小さな団体が主催する集会も網羅されているためだカモ
まとめ
薬剤師が勉強することができるツールは、このように非常に多くあります。しかし、大事なことは自分自身で取り組むということではないでしょうか。
誰かに強制されて勉強した場合、もちろんある程度は記憶に残り、いくらか身につくとは思いますが、時間が経過すると忘れてしまいます。
自分から意欲的に取り組んだことは、長く記憶されますし、一生涯忘れることがない財産となるはずです。