昨今の医療現場では、高い専門性をもつ医療スタッフが、連携をとりながら患者さんの治療を進める「チーム医療」が主流。
チーム医療では、医師はもちろん看護師や薬剤師も、それぞれの専門性を活かすことで、よりクオリティの高い医療サービスの提供に結びつける事が求められています。
精神科領域にもこの需要は存在していて、そこでは「精神科薬物療法認定薬剤師」と呼ばれる薬剤師が活躍しているカモ。
ここでは、精神科薬物療法認定薬剤師という働き方について、仕事内容や職場、年収相場、また目指す方法や求められるスキル、やりがいなどをわかりやすくまとめています。
より自分らしいキャリアアップを叶えるための参考にご覧ください。
精神科薬物療法認定薬剤師について…
精神科薬物療法認定薬剤師とは、ネーミングの通り精神科領域の薬物療法に特化した専門知識を持つ薬剤師の事で、平成20年4月1日に日本病院薬剤師会によって施行された認定資格です。
以下では、そんな精神科薬物療法認定薬剤師について、仕事内容や職場、年収相場などの基本的な情報を分かりやすく説明します。
精神科薬物療法認定薬剤師の仕事内容
精神科薬物療法認定薬剤師は、精神疾患を患う患者さんの症状を十分に把握し、薬剤の専門家として彼らの療治や社会的な復帰を支える役割を担っています。
具体的な仕事内容には、以下のような業務が挙げられるでしょう。
- 調剤業務(病棟調剤業務も含む)
- 服薬指導(患者さんへのカウンセリングなども含む)
- 製薬業務
- 注射・点滴調剤業務
調剤業務や服薬指導など、具体的な仕事内容はその他の職場で活躍する薬剤師とあまり変わりはないカモ。
とはいえ精神科薬物療法認定薬剤師の持つ専門性の高い知識は、チームで行う医療サービスのクオリティをアップさせるために不可欠な要素となっており、医療スタッフの一員として深く治療に携わる事のできる特徴は、他の一般的な薬剤師とは大きく異なるポイントだと言えるでしょう。
また、薬剤計画を医師へ提案したり、患者さんのご家族に対して薬剤情報の提供などを行うのも、精神科薬物療法認定薬剤師の重要な仕事です。
精神科薬物療法認定薬剤師が活躍する主な職場
精神科薬物療法認定薬剤師が活躍しているのは、精神疾患を取り扱う病院やクリニックなどの医療機関がメインでしょう。少数ですが調剤薬局やホスピタル、サナトリュームなども存在する様子です。
少子高齢化の進む昨今では、患者さんも高齢者であるケースが増加しています。したがって精神疾患に関わるお薬以外にも、身体疾患の治療を目的とした薬剤に関わるシーンも多いカモ。
「精神科薬物療法認定薬剤師になれば、精神疾患だけに特化した転職先に出会えるカモ!?」
…というイメージは、入職後のミスマッチや後悔につながる可能性があります。
求人票などから綿密な情報収集を行い、その職場ではどんな働き方が可能なのかを明確に掴んでおく事が、精神科薬物療法認定薬剤師への転職成功を左右させる重要なポイントとなるのではないでしょうか。
精神科薬物療法認定薬剤師の年収について
「認定薬剤師になれば、年収はアップするのカモ!」と期待している皆様へ。残念な事に、認定薬剤師の認定資格が直接年収へ影響するケースは少なく、手当があったとしても月に数千円ほどである場合がほとんどです。
精神科薬物療法認定薬剤師の就職先としてあげられる病院での薬剤師の年収相場は、約400万円〜650万円ほど。
厚生労働省が行った調査によると、薬剤師全体の平均年収は531万円とのことなので、ケースによってはこの平均を下回る収入となる可能性も存在しています。
したがって、収入よりもやりがいを重視するタイプに向いた転職先だと言えるのではないでしょうか。もしも「年収をアップさせたい!」とお考えなのであれば、別の選択肢を視野に入れたほうが賢明カモしれません。
精神科薬物療法認定薬剤師を目指す方法とは…
精神科薬物療法認定薬剤師の申請には、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 薬剤師免許を持ち、かつ薬剤師として優れた見識を備えている
- 薬剤師としての実務経験が5年以上あり、かつ日本病院薬剤師会の会員であること。ただし、他に指定されているいずれかの団体会員であればOK
- 他に指定されているいずれかの団体会員である
- 日病薬病院薬学認定薬剤師であること。ただし、日本医療薬学会認定薬剤師であればOK
- 申請を行う時に、精神科を標榜する病院か診療所、あるいは精神科の処方せんを扱う保険薬局で勤務し、精神科薬物療法に5年以上直接従事している(所属長の証明が必要です)
- 日本病院薬剤師会が認定する精神科領域の講習会、及び別に定める学会及び団体が主催する精神科領域の講習会などを所定の単位(40時間、20単位)以上履修していること。
- 精神疾患患者に対する指導実績が50症例以上(複数の精神疾患)を満たしている
- 病院長か施設長等の推薦がある
- 日本病院薬剤師会による精神科薬物療法認定薬剤師認定試験に合格している
上記の条件を満たした上で認定試験をパスし、合格後に認定申請を行うことで認定資格を取得することが可能カモ。
合格基準は公開されていませんが、受験した人のうち上位3位までの得点から導き出される平均点の75%を上回ることが求められる…と、言われています。
また、精神科薬物療法認定薬剤師の認定資格を取得した後には、ステップアップとして「精神科専門薬剤師」というさらにハードルの高い資格を目指す道も。
精神科薬物療法認定薬剤師を目指すための情報収集は、転職エージェントにおまかせ!
精神科薬物療法認定薬剤師の申請条件の中には、勤務年数やキャリアを定めてるものも存在しています。
「興味はあるけれど、何から始めるべきなのか分からない…」
「キャリアアップのために進むべき転職先が、私の通勤可能エリアにあるのかな…?」
という段階での不安や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。そんな時には、ぜひ転職エージェントのコンサルタントに「精神科薬物療法認定薬剤師を目指したい」と伝えてみましょう。
転職エージェントといえば、転職先を紹介してくれる会社…というイメージを持っている方も多いでしょうが、実は今後のキャリアアップを見越した相談も受け付けてくれる便利なサービスです。
もちろん、「すでに資格取得は済んでいる。認定資格を活かした転職先を探したい!」という方でもOK!
転職エージェントでサポートを行っているコンサルタントは、これまで数多くの薬剤師の転職に携わってきた“薬剤師によるキャリアアップの専門家”です。
職探しやキャリアアップでの不明点や疑問点については、ぜひプロの目線から適切なアドバイスを煽ってみてはいかがでしょうか。
求められるスキルや資格について
精神科薬物療法認定薬剤師を目指すために満たすべきキャリアや資質は、上記に紹介した通りです。認定薬剤師として学び続けるためには、高い志(こころざし)を持った人材である事が必須カモ。
くわえて、精神科薬物療法認定薬剤師は、コミュニケーション能力の高さもポイントになってきます。
患者さんへの指導やサポートの他に、チーム医療の一員として様々な立場の方々と連携を取るシーンが多々あるでしょう。精神科薬物療法認定薬剤師の存在は、その専門性をより適切で高度な医療サービスの提供につなげる事が目的でもあります。
そのためにも、日頃から同じ現場で活躍する医師や看護師と、円滑な関係を築いておくだけの対人能力は必須だと言っても過言ではないカモ。
精神科薬物療法認定薬剤師には、どのような人が向いてる?
ここまでの説明から、精神科薬物療法認定薬剤師は以下のようなタイプの方に向いていると言えそうです。
- 「チーム医療の一員として、より深く患者さんの治療の携わりたいカモ!」
- 「常に学び続け、成長を続ける向上心に満ちた薬剤師でありたいカモ!」
- 「薬剤師としての知識や、コミュニケーション能力を発揮できる職場に出会いたいカモ!」
精神科薬物療法認定薬剤師の業務には、他の一般的な薬剤師の仕事では得ることのできない充実感ややりがいが存在しています。しかし、そのやりがいには、薬物療法の専門家として周囲に頼りにされる…、という責任が伴うでしょう。
「チーム医療の一員として、達成感を得られる仕事をしたい!」という夢や憧れはもちろん重要ですが、それと同じだけの責任感や、努力を継続させる姿勢、高い志が求められる選択肢だと言えそうです。
やりがい
精神科薬物療法認定薬剤師として活躍する上で最も大きなメリットは、自身の持つ知識や専門性を発揮できる充実度ややりがいにあります。
精神科での診察では、カウンセリングと薬物療法がメイン。服薬対象になる治療薬は症状や特性によって細かく枝分かれされていて、たとえ同じ薬であっても患者さんごとに効果の現れは異なります。
したがって、その患者さんにマッチした治療薬の選択や服薬する量を決定するためには、カウンセリングによって収集できたデータをもとに細かく確認を行うことが重要カモ。
カウンセリングの内容と自分の持つ知識・スキルを照らし合わせながら、より効果的な薬物療法を導き出す工程には、他の職業では得ることのできないやりがいがあるでしょう。
まとめとして…
いかがでしょうか?ここでお話しした内容をまとめると、以下のポイントが重要です。
- 精神科薬物療法認定薬剤師とは、精神科領域の薬物療法に特化した専門知識を持つ薬剤師のこと
- 業務は、調剤業務(病棟調剤業務含む)、服薬指導(患者さんへのカウンセリング含む)、製薬業務、注射・点滴調剤業務の他に、薬剤計画を医師へ提案したり、患者さんのご家族に対して薬剤情報を提供したり…といった内容
- 活躍の場は、精神疾患を取り扱う病院やクリニックなどの医療機関がメイン
- 認定薬剤師の認定資格が直接年収へ影響するケースは少なく、手当が当たっとしても月に数千円ほどである場合がほとんど(やりがい重視の方に向いた選択肢です。)
- 認定資格取得後は、ステップアップとして「精神科専門薬剤師」というさらにハードルの高い資格を目指す道も
- 精神科薬物療法認定薬剤師を目指すための情報収集は、転職エージェントにおまかせ!
- コミュニケーション能力の高さが重要になるカモ
- 自身の持つ知識や専門性を発揮できる充実度や、やりがいが大きなメリット!
上記で紹介した転職エージェントでは、薬剤師のためのキャリアアップ相談だけでなく、あなたにマッチした求人の紹介や、気になる求人への応募の代行、面接日程の調節、履歴書作成や面接に関するアドバイス。
さらに給与などに関する条件交渉の代行、前職の退職サポートなどなど…!薬剤師の転職活動を成功へと導く多様なサポートが完全無料で行われています。
このようなサービスをかしこく利用して、より優位なキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。