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エネルギー代謝の60~70%関わっている「ナイアシン」の実力
二日酔い対策、抗酸化作用からダイエットまで、さまざまな働きで身体サポート
ナイアシン、と聞いて二日酔い対策を思い出した方、正解です!が、ナイアシンの働きはそれだけではありません。多くの代謝酵素の補酵素として全身で活躍しています。糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える働きで、ダイエットでも重要な栄養素なのです。
ナイアシンとは
ナイアシンは水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB群に属します。動物性食品中ではニコチンアミド、植物性食品中ではニコチン酸として存在し、体内で必須アミノ酸のトリプトファンからも合成することができ、それらすべてをナイアシンと呼びます。
ナイアシンは体内に最も多く存在するビタミンで、活性型であるNAD(ヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)に変換されて補酵素として機能します。ナイアシンを補酵素として必要とする酵素は400種類以上にも達しています。全ての酵素の2割がナイアシンを使って働いています。
糖質や脂質を燃焼させてエネルギーを作り出す時や、アルコールを分解する時に必要な栄養素で、二日酔い対策には欠かせません。また、皮膚や粘膜の健康維持をサポートしたり、脳神経を正常に機能させる効果もあります。
欠乏症はあまりありませんが、不足すると食欲不振、消化不良、発疹が起こる場合があります。たんぱく質やビタミンをとらないアルコール依存症患者では、まれに「ペラグラ」という病気を引き起こしM皮膚炎や手足のしびれなどの症状が出ます。
ナイアシンの効果
エネルギー代謝サポート
ナイアシンは食品から摂取した糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーを産生する時に、ほかの物質と結びついてNDAやNADPという物質になって、「補酵素」として働きます。関わります。エネルギーを生み出す働きの実に60~70%にナイアシンが関わっているそうです。
脂質の代謝促進
1日に1500mgのナイアシンを摂取することで、中性脂肪やコレステロール値が低下します。ダイエットやメタボ対策でも重要ですね。ナイアシンとビタミンEとの合剤は、高脂血症や動脈硬化の医薬品としても活用されています。
アルコールを分解
お酒を飲んでアルコールを分解する時にもナイアシンが必要です。二日酔いの原因にもなるアセトアルデヒドの毒性を分解する酵素の「アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)」の補酵素として働きます。
ナイアシンが不足すると、肝臓でのアルコールの代謝に時間がかかって肝臓への負担が増してしまいます。二日酔い対策にはナイアシンも一緒に補給してくださいね。
抗酸化作用
活性酸素は体内の不飽和脂肪酸を酸化させて過酸化脂質を生み出し、それによって細胞が酸化して老化の進行やガンの誘発などの原因となります。
活性酸素除去酵素のグルタチオンは過酸化脂質を水とアルコールに分解しますが、ナイアシンはNADPHの形で、過酸化脂質を分解したあとにできる酸化型グルタチオンを、グルタチオンに戻す働きがあります。 それによって抗酸化作用をサポートします。
皮膚や粘膜の健康維持
ナイアシンはNADPとして粘膜の細胞の再生に関係し、粘膜を強化します。消耗が激しい口や胃腸の健康を守り、口内炎や口角炎等を抑えます。
神経の正常化
ナイアシンは神経伝達物質や、うつに関係するセロトニン合成に関わっているため、神経系統を正常に機能させることで、うつや統合失調症にもプラスに働きかけることが期待されています。
ナイアシンの上手な摂取方法
ナイアシンの推奨量は18~49歳男性では13~18mgNE、女性では10~13mgNEです。
ナイアシンに変換するトリプトファンはたんぱく質に含まれているので、たんぱく質を十分にとることでもナイアシン不足を防ぐことができます。
ナイアシンは多くの食品に含まれていますが、特にレバー、魚、肉などに多く含まれています。これらはたんぱく質も豊富なので、トリプトファンも同時に摂取できるのが高ポイントですね。
ナイアシンは熱に強いので、調理や保存でも失われにくいビタミンです。ただし水溶性なので水分には溶けやすいため、煮る場合には煮汁ごと食べられるような調理方法が向いています。
通常の食事では、過剰摂取にはなりにくく。また水溶性ビタミンなので余ると尿として排泄されるので過剰症はほぼありません。薬やサプリメントで大量摂取すると、消化不良や下痢など消化器系障害や、肝臓障害、顔面紅潮や皮膚がかゆくなる、といった症状が出ることがあるので注意が必要です。
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