ブラックリストに載ると就職や転職が不利になるの？

「携帯料金を滞納したことがあるけど就職に影響はないのか」
「キャッシングの返済を延滞してしまったが、今後の転職に不利にならないか」

と不安に思う方も少なからずいらっしゃいます。

このような個人のプライバシーに関する情報については、実際に相手企業に伝わってしまうものなのでしょうか。

今回はカードローンやクレジットカードなどの滞納の記録が就職や転職などに及ぼす影響について、さらに詳しく確認してみましょう。

この記事を読んで、どのような影響があるのか知ることで、モヤモヤを解消させることができますよ！

信用情報がブラックだと就職や転職などが不利になる？

これまでにカードローンやクレジットカードなどの返済を滞納した記録があると、就職や転職などに悪影響を及ぼすという意見があります。

確かに借り入れの延滞などを知られてしまった場合には、相手先企業からは信頼できない人間だと判断されて不利になってしまうかもしれません。

ただし、安心して下さい。

現在は一般的な企業への就職や転職などの際に、個人的な借金などについて調査されることはありません。

借金の延滞や債務整理等をして、信用情報に事故情報（異動情報）が載っている状態だとしても、特にそれが原因で就職や転職が不利になることは一切ないです。

信用情報を確認できる企業は限られている

税金や保険料と違って、カードローンやクレジットの滞納はCICなどの個人信用情報機関に記録されます。

しかし、このCICなどが保有する個人の信用情報は、誰もが自由に見たりできるものではありません。

また、信用情報の利用用途も特定の使い方のみに制限されます。

• 加盟資格を充たし、加盟審査を経て入会したCICの加盟会員
• FINEによって交流する指定信用情報機関の会員
• CRINによって交流する信用情報機関の会員

また、上記の加盟店が支払能力・返済能力を調査以外の目的で、CICの情報を利用した場合は利用停止や加盟契約を解除される罰則を受けるため、無断で調べる側にも大きなリスクが伴います。

加盟会員が上記の利用目的に違反して、DMの発送や社員採用試験の参考にするなどのためにCICの情報を利用したことが判明した場合、利用停止や加盟契約解除等の罰則を適用します。

出典：信用情報の利用｜CICとは｜指定信用情報機関のCIC

借金などに関する情報は金融機関が利用している信用情報機関に上記のように記録されています。

そして、この情報については金融機関や本人以外の第三者には確認することができないのです。

一般企業への就職や転職であれば延滞などの記録を気にする必要はない

カードローンの利用履歴などについては、一般的な企業への就職や転職であれば影響することはありませんので、安心して就職活動や転職活動に取り組んでください。

また銀行や信販会社や消費者金融などへの就職や転職を希望する場合には注意が必要なのですが、実際にはカードローンを利用する人が金融機関への就職や転職を希望するケースは少ないですから、実質的にはほとんど気にする必要はないと言えるでしょう。

就職・転職応募先が金融機関の場合は注意が必要？

このように一般的な企業を希望する場合には、延滞などの記録が就職や転職などに影響することはありません。

ただし、次のような金融機関への就職や転職を希望する場合には注意が必要という噂があります。

しかしながら、銀行や信販会社や消費者金融などでも信用情報機関に登録された情報は、前述したとおり支払能力・返済能力を調査以外の目的では閲覧することができません。

就職後・転職後に自社サービスに申込むと信用情報を調査される

金融機関やカード会社に就職・転職した後、自社カードに申込む場合、会社側によって信用情報の照会が行われます。

これは、金融機関が自社のカードを発行するにあたり、申込者の信用状況や返済能力を確認する必要があるためです。

申込者が自社従業員であっても、その人のクレジットヒストリー（信用履歴）を調査し、信用スコアなどを調査するのが一般的です。

このため、今までに延滞履歴や債務整理の履歴があると会社に知られてしまうリスクがあるのを覚えておきましょう。

ただし、就職前にすでにカードを所有している場合、そのカードの信用情報はカード会社によって確認されることはありません。

一定期間を過ぎると、延滞などの記録は抹消される仕組となっている

信用情報機関に記録された情報は一定期間が経過すると抹消されますので、その後であればデータがありませんので延滞の事実が就職や転職に影響することはなくなります。

信用情報機関の情報が抹消されるまでの期間に関する詳細については、下表を参考にしてみてください。

実際の就職・転職活動はどのように行えばいいの？

これまでにカードローンなどで延滞をしたという履歴がある人の場合には、一般企業への就職や転職を考えることをおすすめします。

金融機関以外の一般企業であれば信用情報機関に記録された情報が採用に影響することはありませんし、よほどの大企業でなければ裏で身辺調査などが行われることもないでしょう。

給料を差し押さえられると確実に借金していることが会社にバレる

会社の従業員が借金返済の延滞やカード料金の未払い、税金や養育費の未払い等すると、債権者は期限までに支払われなかった債権を回収するために、法的手段を取って従業員の給料を差し押さえようとします。

実際に給料の差し押さえが起きると、裁判所から「給料の差押え通知」が会社へ届きます。

通知書には債権者である消費者金融やクレジットカード会社の名称も記載されているため、会社は従業員に借金があることを知ることになります。

税金や保険料の滞納は就職・転職に影響なし

一般的に滞納が考えられるものは下記の4つが挙げられます。

しかし、上記のリストの延滞や、滞納についても就職などには関係ありません。

滞納の記録については、そもそも個人信用情報機関に記録されないからです。

ブラックの時に就職・就活・転職をする際のよくある質問

「いまブラック状態かも…」という方が就職しようとしている際に抱くよくある質問についてまとめました。

ぜひ参考にしてみてください。

Q1. 就職や転職時に借金していることを会社に伝える義務はあるの？

結論、そのような法律的な義務はありません。

会社に提出する書類にも「借金に関する概要欄」

もしそのように聞かれても回答する必要はありません。

入社後のトラブルを避けるため、嘘はつかない方が無難でしょう。

Q2. ブラック状態がバレると解雇されることはある？

ブラック状態がバレるたからといって、それだけが理由で解雇されることはまずありません。

解雇は、

の2つが認められなければ、法律上、権利濫用にあたるため会社側は解雇できないことになっています。

出典：【解雇】解雇の社会的相当性｜雇用関係紛争判例集｜労働政策研究・研修機構（JILPT）

日本では、労働者を不当に解雇することは、労働契約法に違反するため、余程のことがない限り労働者側は解雇無効を主張することができるでしょう。

Q3. 会社から信用情報の提出を求められることはあるの？

一部の職業では借金や借金返済に関連する問題がある場合、会社から信用情報を開示することが求められる場合があるかもしれません。

実際2011年前後に「ALSOK（綜合警備保障）」が、全社員2万人を対象に借金状況を把握するために信用情報の提出を求めていて問題になったこともあります（その後問題が表面化してALSOK側が中止）。

しかし、信用情報は個人に貸付等をする際の与信をする目的でしか利用することができません。

もし会社から信用情報の提出を求められても拒否して大丈夫です。

Q4. 自己破産したら就けない職業ってあるの？

自己破産した場合でも、特段職に就けないということはありません。

しかし、自己破産があると「資格制限」を受けるため、以下のようなお金が絡む一部の職業や業種において、就職や転職できない可能性があります。

出典：自己破産すると就けない職業について – 京都 債務整理 相談所

ただ事務職員など一般的なお仕事には就くことはできます。

なお、「資格制限」は免責許可決定が出て復権すれば免除になります。

そういうわけで大体半年程度待てば「資格制限」が解除されるので、自己破産したからといって大きな心配をする必要はありません。

Q5. ブラック状態が会社にバレると出世できないの？

ブラック状態だというのが会社にバレても出世に直接影響するようなことはありません。

ただし、借金問題を抱えていることでその従業員の信用や信頼性に悪影響を与える可能性があります。

人事評価制度が曖昧な会社も多いため、借金とは関係のない理由でマイナス評価されたり、潜在的にアンフェアな評価をされるリスクがあることを念頭に置きましょう。

まとめ

ローンの滞納などによってブラック状態になると就職・転職活動にどのような影響があるのかについて解説してきました。

最後にポイントを整理してみましょう。

滞納はネガティブなイメージがあるので心配する人もいるかと思いますが、就職には関係ないので気にする必要はありません。

気持ちを前向きにして、自分の希望通りの就職活動をしてくださいね。