楽しみにしていたせっかくの旅行なのに、天候のせいでキャンセルなんてこと、誰にでも起こる可能性があります。
「天候さえ良ければ行けるのに、キャンセル料は発生するのか」
「そもそもキャンセル料ってどうして払わなければいけないの?」
と疑問に思う方も多いのではなでしょうか。
そこで今回は、宿泊施設へのキャンセル料についてお話します。
目次
ホテルのキャンセル料はなぜ発生するかを解説
そもそもキャンセル料というのはなぜ発生するのでしょうか。
ホテルのキャンセル料を設けるのには、
- 安易なキャンセルを防ぐ
- キャンセルによっておきた損失を補填する
- 売上を確保する
といった目的があります。
ホテルから見ると、日々の売り上げは基本宿泊料です。
どんな理由であっても、キャンセル後に他のお客様が宿泊しなれば空室となり、売り上げがない状態になります。
「部屋を確保するかわりに、宿泊しなかった場合の保証をしてください」
というのが、キャンセル料になります。
キャンセル料の仕組みについて
旅館やホテルに予約をするということは、当然ながら部屋は確保されています。
その後いくら他のお客様が宿泊したいといっても、部屋が空いていなければお断りしなくてはいけません。
しかし、突然キャンセルされてしまった場合、開けておいた部屋は空室のままです。
都合よく当日に予約が入ることもあるかも知れませんが、期待は薄いでしょう。
わざわざ他のお客様を断ってまで確保した部屋は、空室のまま売り上げもありません。
また、宿泊代に食事代が含まれているのであれば、もちろん食材もすべて無駄になってしまうのです。
宿泊施設から見れば、キャンセルされると0どころかマイナスになってしまう可能性もあるので、宿泊日に近ければ近いほどキャンセル料が発生するしくみになっています。
キャンセル料金はいつから発生するの?
まさか、予約して翌日からとかではないですよね?
キャンセル料が発生する時期は、ホテルや旅館によって違い、料金も変わります。
一般的には一週間前ほど前から、キャンセル料が発生してしまうケースが多いようです。
では、キャンセル料はどのように発生していくのでしょうか。
以下の表のように、キャンセル料は宿泊日が近くなればなるほど、高額になります。
宿泊日までの日数 | キャンセル料 |
---|---|
7日~4日 | 宿泊料金の20% |
3日~2日 | 宿泊料金の50% |
1日前 | 宿泊料金の80% |
当日 | 宿泊料金の100% |
連絡なしのキャンセル | 宿泊料金の100% |
段階を追って宿泊料は増し、当日のキャンセルや連絡もなく無断で宿泊しなかった場合、宿泊料金がそのまま発生するケースは多いです。
もしもの場合を考えて、キャンセル料について予約時に確認しておきましょう。
連泊予約だった場合はこうなる1日分のみ請求
国土交通省の観光庁では、宿泊施設の基盤的ルールとしてモデル宿泊約款を定めています。
各宿泊施設はそのモデル宿泊約款を軸として、その土地に合った風習などを盛り込みながら、宿泊約款を作成しています。
モデル宿泊約款では、連泊に対してのキャンセル料については1泊分(初日)のみのキャンセル料を取るように記載されています。
そのため、連泊予約であっても、ホテル側に支払うのは初日のキャンセル料のみとなり、残りの宿泊数分のキャンセル料を支払う必要がないケースがほとんどになります。
キャンセル料の支払い方法について
その宿泊施設まで行くことができず、どうやってキャンセル料を払えばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
特に、旅行であれば自宅が遠方にある場合が多く、直接払いに行くということは難しいです。
キャンセル料の支払い方として、
- クレジットカード払い
- 口座振込
2つがありますので詳しくご紹介します。
クレジット決済
じゃらんや楽天ビジネスホテル、一休など外部の宿泊予約サイト経由で予約している場合は、旅行代金の決済方法としてクレジットカードを選択している方も多いです。
そうした場合は、キャンセル料が差し引かれた金額が払い戻しとなります。
もし当日キャンセルで、宿泊代金の100%がキャンセル料だとすると、払い戻しはありません。
銀行振込・コンビニ決済
予約の段階で「現地での支払い」を選択している場合は、ホテル側もクレジットカード払いのように、宿泊代金とキャンセル料を相殺でして払い戻すことができません。
そのため、ホテル側はあらためて入金してもらう必要があります。
キャンセルの電話を掛けた場合はホテルから住所の確認があり、後日請求書とともに郵送、もしくはメールで送られてきます。
振込先と金額が記入されているので、指定の方法で期日にまでに支払いましょう。
すでにコンビニ決済などで支払いを済ませてしまっている場合は、自分の口座へ差額を入金してもらうことになります。
ホテルや旅館によって、返金方法などが異なるので必ず宿泊先へ確認をしてください。
ホテルのキャンセル料を払わないで無視し続けるとどうなる?
ではホテルからキャンセル料金を請求されたのにもかかわらず、未払のまま無視し続けてしまった場合はどうなるのでしょうか?
起こりうるケースについて詳しく説明します。
キャンセル料を払うまで「メール・電話・郵便」で何度も請求される
ホテルはキャンセル料の未払いが続いている場合、メールや電話、郵便を通じてキャンセル料の督促します。
定期的に督促が来てキャンセル料を支払うように促されることを覚えておきましょう。
ブラックリストに載って宿泊できなくなる、又は次回宿泊時に請求される
ホテル側のブラックリストに「キャンセル料未払者」として載ってしまいます。
キャンセルしたホテルやチェーンだけでなく、組合やホテル共同協会などが連携してそのエリアの他のホテルにもあなたの情報が共有される可能性があります。
当たり前のことですが、もし今後同じホテルや系列で宿泊しようとした場合は、改めてキャンセル料金を請求されることもあるので注意が必要です
内容証明郵便が送付されてくる
キャンセル料の督促状が届いているのに未払の状態を続けていると、ある日突然「内容証明郵便」が届くこともあります。
キャンセル料に加えて遅延損害金も支払うような内容になっていることがあります。
もし内容証明郵便が届いたら、すぐに支払いするなど書面に記載されているとおりに対処すべきです。
訴状が届いて裁判を起こされる
内容証明郵便をも無視し続けると、ホテルから民事訴訟を起こされることもあります。
裁判を起こされたら確実に敗訴となるため、速やかにキャンセル料を支払ってください。
これってキャンセルできるの?感染症や自然災害のケース
「風邪をひいて旅行に行けなくなった!」
「台風の影響で飛行機が飛ばず、旅行に行けなくなった」
など、予期せぬことで旅行をキャンセルせざるを得ないという方も多いです。
本当は行きたいのに、行けないどころかキャンセル料も発生するとなると、やはり悔しいですよね。
ホテルや旅館によっては、事情によってはキャンセル料を取らないケースもあります。
次は、キャンセル料が発生するケースと、キャンセル料が免除されるケースについてお話します。
インフルエンザでもキャンセル扱いになる
インフルエンザにかかると、学生であれば出席停止、社会人であれば出勤停止となる会社も多いほど、強い感染力があることでよく知られています。
「出勤停止となるくらいなので、インフルエンザが原因であればキャンセル料をとられないのでは?」と思われがちです。
しかし、インフルエンザであってもキャンセル料が発生してしまうケースが多いのです。
インフルエンザも含めて風邪やケガなどは自己責任であり、厳しい言い方をすると本人の健康管理の問題であり自己責任とされます。
自分の意志でインフルエンザになったわけではないですが、キャンセル料は通常通り発生することが多いです。
悪天候で宿泊できないときにキャンセルできるのか
- ホテル、旅館側が事情を考慮してくれてキャンセル料が発生しないこともある
- 交通機関がストップされていない限りはキャンセル料が発生する確率が高い
- 各宿泊施設やプランによって、規定が違う 電話で要確認。
台風や災害などによって、キャンセルをしなくてはいけない場合、本人の意思が及ばない範囲であるため、宿泊施設側で考慮しキャンセル料が発生しないケースもあります。
ただし、以下の2つのような理由があると、キャンセル料が発生してしまうことがあるので注意しましょう。
- 交通機関(飛行機や新幹線など)が影響を受けず通常運転である
- 宿泊約款や宿泊プランに災害時でもキャンセル料が発生する旨が記載されている
交通機関が動いている以上、「災害によって行くことができない」わけではなく、「自分の意志で行かない」と判断されるケースが多いです。
ホテルや旅館など予約を取るということは、契約をしたことと同じです。
一般的には契約が破られた場合、違約金が発生することがあります。
キャンセル料はその違約金と同じだと思いましょう。
契約内容に、災害時でもキャンセル料が発生すると記載されている以上、支払わなくてはいけません。
しかし、モデル宿泊約款があっても宿泊施設によってキャンセル料の発生は異なります。必ず電話で確認するようにしましょう。
キャンセル料の支払いを拒否すると民事訴訟になることがある
予約して、料金を支払うときに自然災害以外の場合はキャンセル料を支払うという契約を交わしている場合が多い
宿泊代金をあらかじめ支払われている場合は、キャンセル料が差し引かれて返金されるので、あらためて支払う必要はありません。
しかし、予約時に後払いを選択している場合は、キャンセル料を振り込む必要があります。
中にはキャンセル料の振り込みをしないという方もいます。
先にお話したように、宿泊施設への予約は“契約”です。
契約事項に、一定期間内のキャンセルであればキャンセル料が発生する旨が記載されている以上、それに従わなくてはいけません。
中には、ホテル側からの再三の請求にも関わらず、キャンセル料が支払われなかった場合、民事訴訟になることもあります。
事情がある場合は、必ずホテル側へ連絡し対応してもらうようにしましょう。
男性:宿泊施設によっては、事情を考慮してキャンセル料を免除してくれることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ホテルや旅館の宿泊に対するキャンセル料についてお話しました。
【宿泊施設のキャンセル料のポイント】
- キャンセル料は宿泊施設と間の違約金と同じ
- 宿泊費が後払いの場合は、後日キャンセル料のみ銀行振込
- 災害の場合はキャンセル料が発生しないことが多い
- キャンセルをするときには、事情を説明する
せっかく楽しみしていた旅行に行けず、キャンセル料も支払わなくてはいけないと二重苦を味わう人も多いです。
せめてキャンセル料がかからないよう、この記事を参考にしてくださいね。