若者の自動車離れがささやかれる昨今ですが、それでもなお、運転免許の取得は一生に一度の大事なイベントです。都会では車がなくても生きてはいけますが、それでも免許があれば行動の幅は広がります。
免許の取得のためには、自動車教習所、自動車の学校に通う必要があり、これはできるだけ時間のある若いうちに免許は取得したいものですが、肝心の費用がない場合もあるでしょう。そんなときに、役に立ってくれるのが運転免許ローンです。
これから免許取得を検討しているかたの参考にもなるように今回はこの運転免許ローンについて詳しく紹介していきたいと思います。
目次
運転免許ローンとは
費用が不足しているけれども教習所に通いたい場合、役に立つのが運転免許ローン、別名で教習所ローンとも呼ばれています。これは銀行など金融機関や、信販会社が発行していて信販会社と同じ機能を持つ、マルイ系のエポスカードのローンも有名です。
ちなみに運転免許ローンではなく、自動車を購入するためのマイカーローン商品で、教習所通学目的に使えるものもありますので、こちらを利用するという手もあります。
教習所の授業料支払いにしか使えない
運転免許ローンは、教習所の授業の支払にしか使えません。このことは、使いみち自由のカードローンに慣れているとあるいはデメリットと感じるかもしれません。ですが、住宅を買う際の住宅ローンやマイカーを買う際のマイカーローン等でもまったく同じことが言えます。
目的が限られるのは、裏返すと金利が安いというメリットを意味しますので運転免許取得の場合、教習所に通うために一度に借入れができるなら、それでいいでしょう。
未成年でも利用可能
教習所に通う時期は、高校卒業後や大学入学後という場合が多くそうしますと、多くの生徒が未成年者ということになります。
通常のカードローンは未成年の利用は不可能ですが、保護者の同意があることを前提に運転免許ローンは未成年者でも利用が可能になっています。
但し年齢は18歳以上でなければなりませんのでその点だけ注意です。未成年が主たる対象者である以上、年齢によって利用できないようではローンの意味がありません。
支払い方法を選べて開始時期も自由にカスタマイズ
信販会社やエポスカードの提供する運転免許ローンでは、「スキップ払い」という、学生さんのための支払方法があり、これは6ヶ月以内の期間であれば、分割払いの開始時期が選べます。
返済開始までの最大6ヶ月間、利息が掛からないわけですから、実質金利も低くなるわけです。学生のときに教習所に通い、卒業して社会人になってから返済すればいいのでお金に余裕のない学生さんにはありがたいです。
手続きも簡単
家電量販店で分割払いを利用する際、店頭で申込みができるので、手続きは簡単です。これは信販会社のローンを組んでいるからであり、同じことが運転免許取得の場合にも言えます。教習所と提携しているローンは、窓口で手続きできるので非常に簡単です。
もっとも、すべてのローンの手続きが簡単だというわけではなく銀行のローンの場合、教習所とは関係なく貸出すわけですから、そこそこの手間は掛かります。おおむね、金利の低いローンを借入れるほうが手間が掛かりますし、審査も厳しくなります。
運転免許ローンの種類
運転免許ローンを発行する金融機関には、大きく分けまして、銀行、それから信販会社があります。
大学生の場合だと大学生協でも独自のローン(信販会社と提携)を提供していますので、選択肢は多くなります。
銀行の運転免許ローン
借入れを検討するなら、メインバンクにしている銀行をまず検討してみましょう。日ごろから使っている、公共料金やクレジットカードの引落し、アルバイト給与の振込みなどがあることで、金利の優遇が受けられることがあります。
運転免許取得のためのローンが見つからない場合、自動車ローン(マイカーローン・オートローン)もチェックしてみると良いでしょう。銀行の運転免許ローンの金利は、ごく大雑把に言って7%程度です。
信販会社の運転免許ローン
信販会社、それから信販会社と機能の近い、マルイ系のエポスカードで運転免許ローンは扱っています。信販会社の場合は、自動車教習所と提携しています。教習所の窓口で手続きできるのが、つまり提携している信販会社のローンです。
信販会社の場合、社会に出る前の若者を特にターゲットにしており、ローンの返済を最大6ヶ月猶予してくれる「スキップ払い」を扱っています。
信販会社 | 金利 | 最大支払回数 |
---|---|---|
オリコ | 13.5% | 54回 |
アプラス | 13.2% | 35回 |
「エポスカード」については、後述します。
大学生協の運転免許ローン
大学生協でも運転免許ローンを扱っています。利用できるのは大学生のみですが金利は9.0%で、前述の教習所窓口で申し込める信販会社のローンよりは低くなっています。
ですが、銀行も含めた目的ローンとしてはごく一般的な金利で生協のイメージほど低金利でもありません。
分割回数は最大36回となっています。これも、信販会社であるセディナとの提携商品です。
教習所によってはクレジットカード払いもできる
クレジットカードでの支払ができれば、ローンを組まなくても自分自身で「リボ払い」「分割払い」などの支払方法を選べます。
教習所によってはクレジットカードの支払ができます。ただしリボや分割の利息は15%程度が多いので、ポイントが付くことを考慮しても、多くの運転免許ローンよりは高めになりますが消費者金融よりは安いです。
学生さんの持っている若者向けクレジットカードですと、限度額が少ないので支払いに足りないかもしれませんが保護者の家族カードを持っていれば支払えるでしょう。
そもそも教習所で運転免許を取るにはいくらかかる?
教習所に通うとなりますと、学校ですから入学金・授業料等、いろいろ発生するわけで技能検定に設けられている段階を通過できないと、補習の費用も発生します。
一般的な、通学によって免許を取得する場合の費用は以下の通りです。
項目 | 平均相場※ |
---|---|
MT免許 | 30万円 |
AT限定 | 25万円 |
普通二輪免許 | 20万円 |
中型免許 | MTから追加で14万円 |
大型免許 | MTから追加で14万円 |
※最短で取得した場合の料金、地域、時期によって変わる場合もある
試験に落ちれば追加の教習料金が発生する
実技教習がすんなり進む人はいいのでしょうが、どうしても運転の上手い下手がそれぞれあって、なかなか修了検定、卒業検定に受からない人も中にはいます。
無論、検定に受からなければ卒業もできませんし、免許も取れませんので修了検定、卒業検定に合格しない場合、再検定費用と、再試験まで1~2時間の追加講習の費用が発生します。
試験に進む前の実技の各段階をなかなかクリアできないという場合もあり、この場合も追加講習費用が必要で追加講習は、一コマ4,000円程度掛かります。
入校者が多くなる時期は料金が何割か上がることがある
教習所の繁忙期は、2~3月、それから8~9月です。この時期に入学しますと、最大10万円程度授業料が高くなります。混雑しているので、急いでいるのに教習枠が取りづらいということもあります。
通学生しかいない教習所では、季節格差があったとしてもその差は小さいものですが、合宿のある教習所ではこの差が顕著です。従って、安く免許を取るには閑散期の、それも通学でなく合宿がもっともいいということになります。
合宿教習所なら約10万円程度安い
自宅や大学のそばで教習を受けるのは便利ですが、しばらく通わなければなりません。この点、合宿に行きますと、短い期間で免許が取得が可能であり20万程度のプランも珍しくありません。地方の教習所の閑散期を狙っていきますと、比較的スピーディかつ安価で卒業できます。
特に宿泊施設について相部屋でもよければ、比較的安上がりで済みます。合宿の場合、教習時間がオーバーしてしまっても、補習費用の発生しないプランも用意されていますので運動神経に自信がないなど、運転が上手くないと予想される人にはおすすめです。
項目 | 平均相場※ |
---|---|
MT免許 | 15~28万円 |
AT限定 | 15~25万円 |
※最短で取得した場合の料金、地域、時期によって変わる場合もある
運転免許は一発試験で取得することもできる
安く運転免許を取得する方法としてもうひとつ、一発試験というものがあります。これは運転免許試験センターで受験するもので、これが本来の運転免許試験であり多くの人は、教習所に通うことでこの試験を免除してもらっているのです。
今でも学科試験は残っていますが、実技については試験があり東京都の場合、費用は3,100円です。
ただ、いきなり実技試験を受けて受かる人というのは、次のような人に限られるでしょう。
- 過去に免許を持っていた人(失効した人)
- 私有地内で存分にトレーニングができる人
- 教習所付近に多数ある、届出教習所(指定外教習所)に通っている人
運転経験者が集まるのにもかかわらず、一発試験で合格する人は、全体の2割程度しかいないようで大変難易度が高い方法です。
運転が上手ければ問題ないのですが、少々不確実性の高いのでおすすめとは言えません。
おすすめの運転免許ローン
運転免許ローンで教習所に通うにあたり、おすすめの商品をいくつかピックアップしました。
金融機関によって制度設計はまちまちで、ごく標準的な商品というものはないので、よく比較することが重要になりますので参考にしてみてください。
住信SBI銀行の「Mr.自動車ローン」
申込条件 | ・申込時18歳以上、完済時70歳未満 ・安定継続した収入がある ・保証会社(JCB)の補償が受けられる |
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金利 | 最大3.725%(変動金利・キャンペーン中) |
限度額 | 最大1,000万円 |
支払回数 | 最大120回 |
特徴 | ネット完結 |
自動車ローンは満18歳以上で保証人を付ければ申込めるものが多いわけですが、最初に紹介するこのローンは18歳以上対象の商品ですのでご注意ください。
具体的に言えば運転免許ローンではなく、運転免許取得用途のために借入れできる自動車ローンです。住信SBI銀行は、実店舗を持たないネット銀行です。SBI証券との連携が強く、外貨預金・FXを始めとする投資に強いですので、もともと学生さんよりは社会人向けなのです。
最大金利は7%台で、自動車ローンとしては少々高めですがキャンペーン中の金利は4%未満でぐっと低くなっています。
さらに金利の優遇もあります。
- 住宅ローンがある場合 1.0%
- カードローン契約またはSBI証券口座保有登録がある場合 0.5%
重複適用はなく、1.0%が優遇の上限です。
スルガ銀行の運転免許取得ローン
申込条件 | ・18歳以上65歳未満、 ・完済時70歳以下で、安定した収入のあること(専業主婦も可) |
---|---|
金利 | 最大11.0% |
限度額 | 800万円 |
支払回数 | 最大120回 |
特徴 | ネット完結・セットでカードローンが発行される |
スルガ銀行は静岡県の地方銀行ですが、むしろネット銀行としての顔のほうがよく知られています。もちろん、全国どこにお住まいでも利用できます。スルガ銀行の場合、「リザーブドプランPLUS」という、カードローンとセットの目的ローンを多く発行しています。
運転免許取得ローンもその一部で金利は最大11%、信販会社よりは低いという程度です。特長として、他社ローン借入中の人が、借入れを一本化するおまとめローンとしても利用できることが挙げられます。既存の借金があるが運転免許を取りたいという場合は有益でしょう。
ただし、現在銀行のローンは急速に貸出し自粛が進んでいますので、今後は商品内容に大きな変化が生じそうです。
エポスカードの運転免許クレジット
申込条件 | ・18歳以上(卒業予定の高3可) |
---|---|
金利 | 最大13.2% |
限度額 | - |
支払回数 | 最大36回 |
特徴 | スキップ払いで6ヶ月間返済猶予 |
エポスカードは信販会社ではないのですが、もともとマルイの「赤いクレジット」からスタートしている会社ですので、信販会社に近いです。特に運転免許関係においては、自動車教習所と提携を進めていて、完全に「オリコ」「アプラス」「ジャックス」などのライバルとなっています。
エポスカードの運転免許クレジットは、マルイにあるエポスカードカウンターで申込み(郵送も可)でき、提携教習所の窓口でも申込めエポスカードを持っている必要はありません。
首都圏中心ですが、提携教習所でクレジット払い(ローン)が組めますが支払を猶予できるスキップ払いがあるのが最大の特長で実質金利は小さくなります。
運転免許取得にはカードローンの利用もおすすめ
急いで入学資金が必要な際は、使いみち自由のカードローンも検討の余地があります。まず申込みから融資実行までがスピーディで消費者金融は平均18.0%、銀行カードローンなら最大15%程度の金利で他のローンと比べますと圧倒的に高い金利です。ですから、運転免許費用のすべてをカードローンで借り入れようとすると、あとの返済が長引きます。
とはいえ、限度額の範囲で繰り返し借入れができるのは、他のローンにはないメリットです。ですから、補習が多く発生して予想外に費用がかかる場合など、臨時の支払を乗り切るためにはカードローンは大変に便利です。なおカードローンは、18歳以上でないと申込めないものがほとんどです。
まとめ
運転免許は、種類や時季、通学が合宿化など、取得の方法によって費用も大きく変わってきます。取得する際は、合計費用も考えて短い期間で済ませましょう。
費用をまかなうためのローンについても同様でさまざまな商品があり、金利も様々です。無計画にローンを借りますと、社会に出た最初に躓いてしまいかねませんので要注意です。