本当にお金に困っているのにもかかわらず、お金の借入を貸金業者から断られてしまうケースがあります。
「消費者金融を借りられなかった…なんで?」
「どうしても借りたいけど何か方法はないの?」
と切迫した状況の方もいるはずです。
では、なぜ借入を断られてしまうようなことがあるのでしょうか。
ここでは、お金を借りるられないケースと、その理由について解説します。
お金を工面する方法がわかるようになるので、解決方法を探している方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもお金を借りられない理由とは
お金を借りることが可能かどうかは、借入希望者に返済能力があるかどうかが最も基準として判断されます。
では、どのような基準で返済能力を計るのでしょうか。
収入に見合わない金額を借りようとしている
貸金業者が貸し付けを行う際には、法律によって定められている「総量規制」の範囲内で行う必要があります。
そのため、審査の際には「申込者の収入に見合った借入額かどうか」を見られます。
返済能力を超えた借入による多重債務から、利用者を守るのが目的です。
この決まりにより、借入れ希望者の年収3分の1以上を超える貸付けが、原則的に禁止されています。
「年収500万円の人が200万円を借りたい場合」と、
「年収300万円の方が30万円を借りたい場合」
とでは後者の方が審査に通りやすいです。
また、そもそも返済能力に見合わない金額を借すこと自体が、業者としてもリスクと判断され、お金を借りられない可能性があるのです。
個人信用情報に傷がある
信用情報に傷がある方は、お金を貸す側としてもリスクがある人物と判断され、お金を借りられない可能性があります。
信用情報は、各金融機関が信用情報機関に登録し、共有している情報で、次のような「事故情報」が発生すると信用情報に記録が残ってしまいます。
- 返済を2~3ヵ月にも及んで延滞する
- 金融機関から何らかの理由によって強制解約された場合
- 債務整理(自己破産、個人再生、任意整理)をした場合
- 返済不能に陥り保証会社が代位弁済を実行した場合
そのため、過去にクレジットカードやローン(割賦支払い)などの利用でトラブルを起こした方は、お金を借りられない可能性があります。
過去に延滞したことある
個人信用情報に傷がつくものとして、クレジットカードやローンなどの支払いの延滞が挙げられます。
このような支払いの延滞を過去に行ったことがある人は、貸付業者側からしても、返済能力と信用に疑問がある人物と判断される可能性が高いです。
そのため、お金を貸してもらえない可能性があります。
他社借入件数・金額額が多い
これも総量規制に関わる事柄ですが、総量規制による規制範囲の金額は、他社からの借入も含めた合計金額で判断されます。
つまり、既に他社借入件数が多く、また総量規制ギリギリの金額額を既に借りている場合は、この総量規制に引っかかりお金を借りられないことがあるのです。
民間金融機関からお金が借りれない人の最終手段
「公的融資制度」や「給付金制度」でお金を借りる
貸付業者からの借り入れが困難な時には、公的融資制度や給付金制度の利用を検討するのもおすすめです。
制度には様々な種類があるので、自分のケース合った支援制度を利用するようにしましょう。
緊急小口資金
緊急小口資金とは、緊急かつ一時的に生計を維持するのが困難になった場合に、少額で貸し付けを行ってもらうことができる制度です。
例としては、新型コロナウイルス感染症による影響によって生計維持することが一時的に困難になったケースに、緊急小口資金の特例貸付が行われました。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、低所得世帯・障碍者世帯・高齢者世帯などで生活に困窮している方々を、経済的に支えるための貸付制度です。
それぞれの貸し付け条件を満たせば、生活を支援してもらうための融資を受けることが可能になります。
▼貸付対象となる世帯
貸付対象世帯 | 概要 |
---|---|
低所得世帯 | 資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。 |
障害者世帯 | 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。 |
高齢者世帯 | 65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)。 |
生活福祉資金貸付制度の資金種類、貸付条件
社会福祉協議会からの貸付される資金には、「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金」の4種類があります。
これら4つの資金について簡単に説明します。
1. 総合支援資金
「総合支援資金」では、以下の性質の資金を借りることが可能になります。
生活支援費 | 生活再建までの間に必要な生活資金 |
---|---|
住居入居費 | 敷金・礼金など住宅の賃貸契約を締結するために必要になる費用 |
一時生活再建費 | ・生活を再建するために一時的に必要で、かつ日常生活費で賄うのが困難な費用 ・就職・転職を前提としている場合の技能習得に要する経費 ・滞納中の公共料金等の立替え費用 ・債務整理をするのにかかる必要経費 等 |
資金の貸付条件は以下の表のとおりです。
貸付限度額 | 据置期間 | 償還期限 | 貸付利子 | 連帯保証人 | |
---|---|---|---|---|---|
生活支援金 | 2人以上:月20万円以内 単身:月15万円以内※1 |
最終貸付日から6ヶ月以内 | 据置期間経過後10年以内 | 保証人ありの場合:無利子 保証人なしの場合:年1.5% |
原則必要。保証人なしでも貸付は可能 |
住居入居費 | 70万円以内 | 貸付日から6ヶ月以内※2 |
|||
一時生活再建費 | 60万円以内 |
※1 貸付期間は原則3ヶ月(最長12ヶ月)、延長は3回まで
※2 生活支援費と合わせて貸付ている場合、生活支援費の最終貸付日から6ヶ月以内
2. 福祉資金
福祉資金については以下に該当する資金の借り入れが可能になります。
福祉費 | ・生業を営むために必要な経費 ・技能習得に必要な経費及びその期間中の生計を維持するために必要な経費 ・住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受けに必要な経費 ・福祉用具等の購入に必要な経費 ・障害者用の自動車の購入に必要な経費 ・中国残留邦人等に係る国民年金保険料の追納に必要な経費 ・負傷又は疾病の療養に必要な経費及びその療養期間中の生計を維持するために必要な経費 ・介護サービス、障害者サービス等を受けるのに必要な経費及びその期間中の生計を維持するために必要な経費 ・災害を受けたことにより臨時に必要となる経費 ・冠婚葬祭に必要な経費 ・住居の移転等、給排水設備等の設置に必要な経費 ・就職、技能習得等の支度に必要な経費 ・その他日常生活上一時的に必要な経費 |
---|---|
緊急小口資金※ | ・緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸付けする少額の費用 |
※総合支援資金および緊急小口資金については、既に就職が内定している場合等を除き、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となります。
「福祉費」「緊急小口資金」の貸付条件は下表のとおりです。
貸付限度額 | 据置期間 | 償還期限 | 貸付利子 | 連帯保証人 | |
---|---|---|---|---|---|
福祉費 | 580万円以内 ※資金の用途に応じて上限目安額を設定 |
貸付日(分割による交付の場合には最終貸付日)から6ヶ月以内 | 据置期間経過後20年以内 | 保証人ありの場合:無利子 保証人なしの場合:年1.5% |
原則必要。保証人なしでも貸付は可能 |
緊急小口資金 | 10万円以内 | 貸付日から2ヶ月以内 | 据置期間経過後12ヶ月以内 | 無利子 | 不要 |
3. 教育支援資金
教育支援資金では、以下の表のような借り入れができます。
教育支援費 | ・低所得世帯に属する者が高等学校、大学あるいは高等専門学校に就学するのに必要な経費 |
---|---|
就学支度金 | ・低所得世帯に属する者が高等学校、大学あるいは高等専門学校への入学に際し必要な経費 |
教育支援資金の貸付条件は下表のとおりです。
貸付限度額 | 据置期間 | 償還期限 | 貸付利子 | 連帯保証人 | |
---|---|---|---|---|---|
教育支援費 | (高校)月3.5万円以内 (高専)月6万円以内 (短大)月6万円以内 (大学)月6.5万円以内 ※特に必要と認められる場合は、上記各限度額の1.5倍まで貸付可能 |
卒業後6ヶ月以内 | 据置期間経過後20年以内 | 無利子 | 原則不要※世帯内で連帯借受人が必要 |
就学支度金 | 50万円以内 |
4. 不動産担保型生活資金
不動産担保型生活資金では、以下の表のような借り入れができます。
不動産担保型生活資金 | ・低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸付けする資金 |
---|---|
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 | ・要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸付けする資金 |
不動産担保型生活資金の貸付条件は下表のとおりです。
貸付限度額 | 据置期間 | 償還期限 | 貸付利子 | 連帯保証人 | |
---|---|---|---|---|---|
不動産担保型生活資金 | ・土地の評価額の70%程度 ・月30万円以内 ・貸付期間 借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 |
契約終了後3ヶ月以内 | 据置期間終了時 | 年3%、または長期プライムレートのいずれか低い利率 | 必要 ※推定相続人の中から選任 |
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 | ・土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%) ・生活扶助額の1.5倍以内 ・貸付期間 借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 |
不要 |
母子父子寡婦福祉資金貸付金
母子父子寡婦福祉資金貸付金とは、母子家庭もしくは父子家庭のひとり親を対象とした国の貸付制度です。
この制度の利用条件は、「ひとり親であること」のみですので、母子家庭や父子家庭のひとり親であれば、誰でも申し込むことが可能になっています。
また、貸付資金の種類や諸条件は次の表のように用途別で12種類に分けられているのが特徴です。
資金の種類 | 貸付対象者 | 資金使途・目的 | 貸付条件 |
---|---|---|---|
事業開始資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・母子・父子福祉団体 ・寡婦 |
事業開始に必要な設備・什器・機械等の購入資金 | 限度額:3,140,000円(団体 4,710,000円) 据置期間:1年 償還期間:7年以内 利率:無利子(保証人無の場合は年1.0%) |
事業継続資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・母子・父子福祉団体 ・寡婦 |
現在営む事業を継続するのに必要な商品・材料等の購入資金 | 限度額:1,570,000円(団体 1,570,000円) 据置期間:6ヶ月 償還期間:7年以内 利率:無利子(保証人無しの場合年1.0%) |
修学資金 | ・母子家庭の母が扶養する児童 ・父子家庭の父が扶養する児童 ・父母のない児童 ・寡婦が扶養する子 |
高等学校、高等専門学校、大学等に就学させるための授業料・書籍代・交通費等に必要な資金 | 限度額: 高校、専修学校(高等課程):月額52,500円 高等専門学校:月額[1~3年]52,500円、4~5年]115,000円 専修学校(専門課程):月額126,500円 短期大学:月額131,000円 大学:月額146,000円 大学院(修士課程):月額132,000円 大学院(博士課程):月額183,000円 専修学校(一般課程):月額51,000円 ※私立の自宅外通学の場合の限度額を例示 貸付期間:就学期間中 |
技能習得資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・寡婦 |
自ら事業を開始、又は会社に就職するために必要な知識技能を習得するのに必要な資金 | 限度額:【一般】月額 68,000円、【特別】一括 816,000円(12月相当)、運転免許 460,000円 貸付期間:知識技能を習得する期間中5年をこえない範囲内 据置期間:知識技能習得後1年 償還期間:20年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
修業資金 | ・母子家庭の母が扶養する児童 ・父子家庭の父が扶養する児童 ・父母のない児童 ・寡婦が扶養する子 |
事業を開始又は就職するのに必要な知識技能を習得する目的の必要な資金 | 限度額:月額68,000円、特別460,000円 貸付期間:知識技能を習得する期間中5年をこえない範囲内 据置期間:知識技能習得後1年 償還期間:20年以内 利率:※修学資金と同様 |
就職支度資金 | ・母子家庭の母又は児童 ・父子家庭の父又は児童 ・父母のない児童 ・寡婦 |
就職のために直接必要な服・履物・通勤用自転車等の購入資金 | 限度額:一般 100,000円、特別 330,000円(通勤のための自動車購入の場合) 据置期間:1年 償還期間:6年以内 利率:(※親に係る貸付けの場合)無利子(保証人無しの場合は年1.0%) ※児童に係る貸付けの場合修学資金と同じ |
医療介護資金 | ・母子家庭の母又は児童(介護の場合は児童を除く) ・父子家庭の父又は児童(介護の場合は児童を除く) ・寡婦 |
医療又は介護を受けるのに必要な資金 | 限度額:【医療】340,000円、特別480,000円、【介護】500,000円 据置期間:医療又は介護終了後 6ケ月 償還期間:5年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
生活資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・寡婦 |
知識技能を習得、医療や介護を受けている間、母子・父子家庭になって間もない人や失業している人の生活を安定・継続させるのが目的の資金 | 限度額:【一般】月額105,000円、【技能】月額141,000円 貸付期間:知識技能を習得する期間中5年以内、医療又は介護を受けている期間中1年以内、離職した日の翌日から1年以内 据置期間:知識技能習得後、医療若しくは介護終了後又は生活安定期間の貸付若しくは失業中の貸付期間満了後6ヶ月 償還期間:(技能習得)20年以内、(医療又は介護)5年以内、(生活安定貸付)8年以内、(失業) 5年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
住宅資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・寡婦 |
住宅の建設、購入、補修、保全、改築、増築のために必要になる資金 | 限度額:1,500,000円、特別2,000,000円 据置期間:6ヶ月 償還期間:6年以内、特別7年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
転宅資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・寡婦 |
住宅を移転するための住宅賃借に際し必要な資金 | 限度額:260,000円 据置期間:6ヶ月 償還期間:3年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
就学支度資金 | ・母子家庭の母が扶養する児童 ・父子家庭の父が扶養する児童 ・父母のない児童 ・寡婦が扶養する子 |
就学・修業するのに必要な服等の購入資金 | 限度額:(※高校以上は自宅外通学の場合の限度額を例示) 小学校 64,300円 中学校 81,000円 国公立高校等 160,000円 修業施設 282,000円 私立高校等 420,000円 国公立大学・短大・大学院等 420,000円 私立大学・短大等 590,000円 据置期間:当該学校(小学校の場合は中学校)卒業後 6ケ月 償還期間:就学 20年以内、修業 5年以内 利率:※修学資金と同様 |
結婚資金 | ・母子家庭の母 ・父子家庭の父 ・寡婦 |
母子・父子家庭で扶養する児童や寡婦が扶養する20歳以上の子の婚姻に際し必要となる費用 | 限度額:300,000円 据置期間:6ヶ月 償還期間:5年以内 利率:無利子(保証人無しの場合は年1.0%) |
このように、利用目的や家庭状況に適した資金の貸付を申し込むことが可能になっています。
この制度の審査を通過するための注意点として、償還の意思が非常に重要視されるという点です。
審査の際には、返済する強い意思をしっかりと伝えるようにしましょう。
求職者支援資金融資
「求職者支援資金融資」の制度は、厚生労働省が求職者支援制度で職業訓練受講給付金を受給する予定の方を対象にした貸付制度のことです。
求職活動中は収入が入らない一方で、出費は通常どおりかかってしまうため、どうしてもお金のやりくりに苦労します。
職業訓練受講給付金を受給したのにもかかわらず、その給付金だけでは訓練受講中の生活費が不足してしまう場合に、この制度の融資を受けることができます。
融資の貸付額と対象者及び対象条件は以下のとおりです。
月額10万円(上限) × 受講予定訓練月数(最大12)
・上記以外の場合(単身者など)
月額 5万円(上限) × 受講予定訓練月数(最大12)
2. ハローワークで、求職者支援資金融資要件確認書の交付(※2)を受けた方
・貸付金を返済する意思があると認められる
・暴力団員ではない
その他の条件については以下の通りになります。
本人の口座へ貸付金額を一括振込
▼担保人や保証人
不要
▼貸付金利
年利3.0% (信用保証料0.5%を含む)
▼返済方法
・貸付日の属する月の翌月末以降、毎月末日を約定返済日とします。
・訓練終了月(就職などにより訓練を途中で辞めた場合は、その日が属する月)の3ヶ月後の末日までは元金据え置き期間として、利息のみの返済となります。
・訓練終了月の4ヶ月後の末日以降、貸付日から5年以内(貸付額が50万円以上の場合は10年以内)に元利均等払いにより返済します(ただし、最終弁済時の年齢は65歳)。
・貸付金の返済は、本人の労働金庫の口座から自動引き落としとなります。
この制度を利用する場合の具体的な手続きの手順は次のとおりです。
- 居住エリアのハローワークで確認申請を行う
- 貸付条件を満たしていると判断されたら、求職者支援資金融資要件確認書が交付される
- 職業訓練受講給付金の支給決定を受ける
- 求職者支援資金融資要件確認書、支給決定を受けたことが分かる書類(例えば、給付金支給記録の写し)など必要書類をハローワークが指定する労働金庫に持参して貸付の手続きをする
- 労働金庫の審査に通過後、融資を受ける
この制度を利用するのには、複数の条件や手続き・審査が必要になりますが、公的な制度のため民間の金融機関よりは、はるかに金利が低く融資もされやすいです。
困った時の強い味方になりますので、「求職者支援資金融資」を利用してみるのを前向きに考えてみてください。
「生活再生資金の貸付事業(生活再生ローン)」で借りる
生活再生資金の貸付事業とは、貸付金によって生活を建て直させ、日常生活を送れるようにサポートするための貸付事業です。
対象者としては、他でお金の借り入れができず生活が苦しいという人や、失業などで給料が減少し、税金なども支払うことができず生活に困窮している人が対象となっています。
また、多重債務状態であっても、生活再生ローンによって生活再建の見通しができる場合も融資を受けることが可能です。
注意点として、この生活再生ローンを利用するには連帯保証人が必要となっています。
また、制度を利用可能な対象地域が、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に住所がある方のみとなっていますので、これら以外の地域の方は利用することができません。
「定期預金担保貸付」で借りる
まず、定期預金担保貸付について紹介します。
これは文字通り、現在金融機関へ預けている定期預金を利用する融資の手段です。
定期預金を担保にすることで、金融機関から借りることができます。
ちなみに当座繰越、口座繰越、自動貸付という名称で提供している場合もあるのでチェックしてみましょう。
ただし、条件がついており、貸付限度額は定期預金の90パーセント、あるいは定期預金額が大きい場合は上限として200万円から300万円の設定がされています。
定期預金の満期日までであればいつでも返済できるので、比較的返済がしやすい手段といえるでしょう。
一方で返済が滞ると最終的に定期預金を清算されてしまう点に注意も必要です。
「生命保険の契約者貸付制度」を利用する
生命保険を利用したお金を借りる方法もあります。
それは契約者貸付制度と呼ばれるもので、生命保険による解約返戻金のうちから一定金額を借りられる方法です。
対象となる保険は、終身保険や養老保険といった解約返戻金があるもので、掛け捨てタイプの保険では利用できない点に注意しましょう。
利用できる金額は解約返戻金の70%から90%で保険会社や保険商品によって異なります。
また、予定利率といわれる運用利回りが高い契約ほど金利も高く設定されているので事前に確認することも重要です。
ちなみに未返済で満期を迎える、あるいは給付を受け取ったり保障を受けたりする人(被保険者)が死亡した場合は、満期保険金や死亡保険金から利用分が差し引かれます。
「従業員貸付制度」や「給料の非常時払い」を使う
会社員の場合は、従業員貸付制度や給料の非常時払いといった方法も利用できます。
従業員貸付制度は文字通り会社からお金を借りる方法で企業によっても異なりますが、最大で100万円程度借りることができます。
また金利も非常に低く設定されていることが多く利用しやすい制度です。
ただし、生活費などの支払いで利用することはできませんし、場合によっては連帯保証人が必要になります。
一方、給料の非常時払いは全ての企業で利用できる制度です。
先ほどの貸付制度は一部の企業だけですが、こちらは全企業が義務になっているため、会社に勤めていれば誰でも利用可能です。
出産、結婚、病気、災害など緊急時に給料の一部が前借できるものになっています。
ちなみにパートやアルバイトでも利用可能です。
家族や友人・知人からお金を借りる
最後の手段となってしまいますが、家族や友人、知人からお金を借りる方法もあります。
ただ、借り入れをしてしまうことで人間関係が崩れてしまったり、余計なトラブルを抱え込んでしまったりといったことも多く見られます。
他の方法を利用して、いずれもうまくいかなかった場合の手段として利用するようにしましょう。
それに他の借金の返済も滞っている場合は利用すべきでありませんし、個人間の借金取り立ては貸金業法による規制外なので、取り立て行為が過激になる危険性もあります。
慎重かつ最小限の利用でとどめることをおすすめします。
本当にお金がない時に即日で現金を手に入れる方法
お金はいつでも欲しいものですが、本当にお金がないという状況を経験したことはありますか?
今がそうだという方も、経験のない方も、もしもの時のために、すぐにでも現金を手に入れる方法をいくつか紹介します。
個人間取引やリサイクルショップで不用品を売る
どんな家庭でも生活していれば、いくつかはお金になる不用品があるものです。
昔使っていたスマホ、あまり使っていない家具家電、驚くような大金になる可能性は低いですが、窮状の助けになってくれるはずです。
リサイクルショップなどに持ち込むのが一番早くて簡単ですが、より高く買い取ってもらいたいなら、店の利益を取られない個人間取引がおすすめです。
個人間取引では印象がかなり重要ですので、きれいに磨く、上手く写真を撮るなどで意外な需要が出ることもあります。
質屋へ質に入れる
売却してしまうのとは違って、質屋ならば質草を担保にお金を借りることができます。
今どうしてもお金が必要で、お金になるものを持っているけれど売りたくない、そんな場合に利用しましょう。
いずれお金を返すことができれば質草は戻ってきます。
また、いざ手放してみて、やっぱり買い戻さなくてもいいかなという気分になった時には、そのままお金を返さなければ良いだけです。
日雇い・日払いのバイトをする
日雇いで、一日働いたらすぐにお金が貰えるバイトはたくさんあります。
特に今はバイトアプリなどで簡単に探すことができますので、都合の合う仕事に応募してみましょう。
日雇いは肉体労働ばかりというイメージがあるかもしれませんが、工場内軽作業から、指定された場所で写真を撮る仕事、特設売店の売り子など、多彩な募集があります。
また、多少大変なバイトでも、一日だけと思えば頑張れることもあるでしょう。
お金を借りれなくても絶対にしてはいけない6つのこと
いくらお金を借りる方法に困っていたとしても、絶対に避けるべき手段というのがいくつか存在します。
ここでは、お金を工面する方法として絶対にしてはいけないものを解説します。
1. カードローン・クレジットカード申込み時に虚偽の情報を入力する
審査を通過するために、カードローンやクレジットカードの申込み時に虚偽の情報を入力したとしても、明らかに虚偽であるとクレジットカード会社側に判断されれば、各種証明書の提出を求められることになります。
その時点で虚偽申告であることが発覚してしまうので、審査を通過することは絶対にありません。
また、不正申し込みのブラックリストに登録されることで、今後の審査も拒否されるリスクがあります。
2. 闇金やソフト闇金から借りる
大前提のことですが、闇金などの違法業者を利用することは絶対にやめましょう。
闇金は、杜撰な審査で法外な金利の貸し付けを行い、違法な取り立てをしている可能性が非常に高いので、利用そのものがリスクしかありません。
また、一見物腰柔らかな態度で利率も明記し、闇金と思われないように偽装しているものの、実態は違法な金利で貸し付けを行っている「ソフト闇金」にも注意が必要です。
3. SNSや個人間融資の掲示板の利用
個人間融資は、見知らぬ個人からお金の貸し借りをするという時点で非常にリスクのある手段ですので、絶対にやめましょう。
また、それだけでなく、闇金業者が個人を装って貸し付けを行おうとしているケースも実際に存在します。
こういった大きなトラブルに巻き込まれる危険性が非常に高いので、SNSや掲示板を通じた個人間の融資は絶対に行ってはいけません。
4. クレジットカードの現金化
クレジットカードの現金化も、違法ではありませんがリスクが付きまとう行為です。
法律に抵触する行為ではないとはいえ、カード会社の利用規約違反に該当すると判断された場合には、クレジットカードを強制解約させられる可能性があります。
また、悪質な業者を利用してしまった場合には、カード情報や個人情報などが不正利用されるきっかけとなる恐れもあるので、クレジットカード現金化は避けた方が懸命です。
5. 給与ファクタリングの利用
給与ファクタリングの利用も非常にリスクのある行為です。
給与ファクタリング業者は、実質的に利息制限法を超過するような手数料で貸し付けを行っているので、違法性が非常に高いという実態があります。
実際に、給与ファクタリング業者が貸金業法違反で摘発されている事例も既にありますので、給与ファクタリングの利用も絶対にしないようにしましょう。
6. 闇バイト・裏バイトなどの違法行為
闇バイト・裏バイトは、業者の違法性を問うどころの問題ではなく、そもそもが犯罪行為に加担することによって報酬を得る手段です。
簡単な内容なので捕まらないだろうと思い、軽い気持ちで違法行為を行うことによって、逮捕された時に取り返しのつかないことになってしまいます。
どれだけの理由でお金が欲しくても、闇バイト・裏バイトなどの犯罪行為には絶対に手を出さないようにしましょう。
借金があって本当にお金がない人・借りられない人は債務整理を考える
債務整理とは
債務整理には、「任意整理」「個人再生(民事再生)」「自己破産」「過払い金請求」の4種類があります。
以下はこれら4種類の債務整理の特徴やメリット・デメリットをまとめた表です。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
任意整理 | 弁護士が債権者(お金を貸している側)と交渉して借金減額や、利息の軽減のために交渉する手続きのこと | 月々の返済負担が軽くなる | ・ブラックリストに登録される ・強制力がない(債権者が任意整理に応じてくれない場合、任意整理自体が難しくなる)。 |
個人再生 | 裁判所に再生計画を認可してもらい、借金を大幅減額してもらう裁判手続きのこと。 | ・借金を最大10分の1に減額できる ・住宅など財産を処分する必要がない ・ギャンブルや浪費によって起因する借金でも手続き可能。 |
・借金は全額免除されない ・ブラックリストに登録される |
自己破産 | 債務者(お金を借りている側)が借金返済の見込みがなくなったことを、裁判所に認めてもらい、借金の支払義務を免除してもらう手続きのこと。 | 借金の返済義務が無くなる | ・ブラックリストに登録される ・財産の処分が必要になる ・引越しや旅行時に裁判所の許可が必要になる ・自分宛ての郵便物は破産管財人へ転送される |
過払い金請求 | 過去に必要以上に払いすぎた利息を返還してもらうこと。 | 払いすぎた利息分のお金が返ってくる | 過払い金請求をした金融機関からは今後借入できなくなる |
債務整理をする際の注意点
お金がないなら借りれば良いと簡単に考えてしまうと、そのまま返せなくなってしまうかもしれません。
債務整理をすれば借金を減らすことはできますが、デメリット、注意点もあります。
弁護士や司法書士への依頼費用がかかる
債務整理をするなら必ず弁護士か司法書士へお願いしましょう。
それ以外の相手では解決は難しい上、トラブルに巻き込まれることもあります。
弁護士にお願いする場合、任意整理(裁判などをせず、交渉で債務を整理する方法)なら、借りている一社ごとに3万~10万ほどかかってしまいます。
たくさんの会社に借りている場合は、それだけどんどん高くなってしまうのです。
債務整理後、最低5年間はローンを組めない
債務整理をしてしまうと、信用情報機関に記録が残ってしまいます。
そして最低5年は融資を受けることはもちろん、ローンを組むこともできなくなります。
更に、もしまだ返済中のローンの債務整理をした場合、そのローンで購入した家や自家用車は手放さなければならなくなります。
それは嫌だという場合は、該当のローンについては債務整理をしないようにしましょう。
まとめ
以上のように、お金がないとき、すぐにお金を手に入れる方法はいくつかあることがわかりましたね。
この記事を参考にして、自分に合った方法を選びましょう。
危機的状況にあるときこそ、頭を働かせるチャンスです。
ただ、いくらお金が手に入ると言っても、闇金などの危険な方法はいけません。
債務整理もそんなに簡単なものではないので、ぜひ冷静に、注意してお金を工面してください。
それでもどうしようもなくなったら、家族や公的機関に頼りましょう。
参照:
・生活福祉資金貸付条件等一覧 – 厚生労働省
・生活福祉資金|全国社会福祉協議会
・母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | 内閣府男女共同参画局
・求職者支援資金融資のご案内 – 厚生労働省(PDF)