飲食店でアルバイトをする以上、定期的に実施される検便には参加する必要があります。
しかし、実は飲食店でも検便を行っていないお店もあるのです。
「検便って法律で義務付けられているんじゃないの?」
と思う人も多くいるでしょう。
検便をしていない飲食店があるというのは事実です。
それでは、そのようなお店は法律で義務付けられていることを守っていないということなのでしょうか。
それとも検便は実は法律で義務付けられているものではないということなのでしょうか。
今回の記事では、飲食店での検便は義務付けられているのかどうか、検便のある飲食店とない飲食店はどのように見分ければよいのかなどを紹介していきます。
飲食店での検便提出は義務なのか
飲食店で検便を行うのは義務なのでしょうか。
多くの飲食店では検便を行っているため検便は法律で義務化されていると思われがちですが、実は違います。
厚労省によると、「保健所から検便を受けるべき旨の指示があったときには、食品取扱者に検便を受けさせること」と書いてあります。
つまり、飲食店での検便提出は法律で義務付けられているわけではないということです。
検便するかどうかは、各自治体の保健所が厚生労働省から委託を受けて判断しています。
検便が法律で義務付けられたものではないとはいえ、飲食店側としては保健所から指示されたら検便をしない訳にはいきません。
そのため、検便自体が義務付けられているわけではありませんが、アルバイト先の飲食店から検便の提出をするように言われた場合には、ちゃんと提出する必要があります。
古着屋、エスニック雑貨屋、テレアポ、書店、コンビニ、居酒屋。私の経験した職場ですが、検便は一回もやった事ないです。
ていうかスーパーが検便していると初めて知りました・・・今正社で古着屋ですが基本的な健康診断以外はありません。
出典:※Yahoo知恵袋
飲食店で検便があるところとないところ、どう見分ける?
多くの飲食店では、アルバイトでも検便を提出させています。
一方で飲食店の中には検便の提出をさせないお店もあります。
このように、飲食店で検便があるところとないところでは何が違うのでしょうか。
その見分け方を紹介します。
検便があるところとないところの違い
上で述べたように、保健所から検便をするように指示があった場合には、飲食店は検便の提出をさせる必要があります。
逆に、保健所から指示がなければ検便を提出する必要はありません。
つまり、検便があるところとないところの違いは、保健所から指示を受けているかどうかの違いだということです。
見分け方
それでは、検便がある飲食店とない飲食店はどのように見分ければよいのでしょうか。
実は、残念ながら確実に見分ける方法はありません。
しかし、
- 生食を扱っていない
- 加工処理が不要
- 調理を必要としない
といったようなお店は検便の提出をさせていないという傾向があります。
それらを知れば、なんの情報もないよりは見分けやすくなるのではないでしょうか。
大手飲食店は検便を義務付けているところが多い
まず、大手の飲食チェーン店はほとんど検便の提出をさせています。
大手のチェーン店ですと、もしひとつの店舗でも食中毒などが起きれば全体に悪い影響を与えるからです。
個人経営の小さいお店は検便しないところが多い
逆に、個人経営の小さい店ですと、大手の飲食チェーン店と比べて、検便をしていない可能性があります。
検便を保健所に頼むのは無料ではないですし、なにか問題が起こっても悪い影響を及ぼすリスクが小さいというのが、そういったお店が検便の提出をさせていない理由です。
- 検便費用が一人あたり500円~1,000円程度かかる
- オーナーが「うちは取り扱う食品的に何も起こらなそう」と考えている
- 管理が面倒くさい。そのための人手が足りない
もちろん、小さな個人経営の店でも検便をしっかりと行っている場所はあります。
しかし、もし検便の提出をする必要のある飲食店は嫌だというのであれば大手のチェーン店よりも個人経営のお店でアルバイトをしたほうが、検便をしなくて済む可能性が高いということです。
バイト先の検便がどうしても嫌という場合は…
バイト先から提出を求められたとして、それが「どうしても嫌!」という人も中にはいるでしょう。
面接の時に「うちは検便がありますけどいいですか?」といちいち言われることもないでしょうし。
「本当に嫌で嫌でたまらない」という方は
- お客様を食中毒から守るため
- お店が潰れるのを避けるため
- 自分が加害者になるのを避けるため
というような、ちょっとした正義感を持って頑張ってみて下さい。
実際にご自身が原因で食中毒が発生した時のことを想像すると、そのような事態を起こしてはいけないのはわかるはず。
次の段落で解説している検便の目的も読んでみると衛生管理の重要さもわかりますよ。
検便の目的は食中毒の原因となる細菌やウイルスを検査するため
検便は、食中毒の原因となる細菌やウイルスに感染しているかどうかを見分けるのが目的です。
また、感染しているのに無症状の「健康保菌者」を検査で発見するのも検便の役割。
検便によって以下のような細菌性の食中毒を避けるためなのです。
- 腸炎ビブリオ
- サルモネラ属菌
- O-157(腸管出血性大腸菌)・その他の病原性大腸菌
- カンピロバクター属菌
- 黄色ブドウ球菌
- ウェルシュ菌
- セレウス菌
- ボツリヌス菌
- ノロウイルス(SRSV)
あらかじめ検査することで自分が感染しているのに、知らないうちに周囲の人にうつしてしまうことを回避できます。
食品を扱っている飲食店は、集団食中毒でお客様やお店の経営に甚大な被害を発生させないために、検便によって衛生管理をしているのです。
便は何日前のものから大丈夫なのか
もし検便を提出することになった場合、便は何日前のものから大丈夫なのでしょうか。
検便用の便は、なるべく提出する時間に近いほうが良いです。
しかし、排便のタイミングというのは人によって違いますし、少し時間の経ってしまった便を提出するしかないという場合もあるでしょう。
基本的に、検便用の便は長くても1週間以内のものを提出するようにしましょう。
それ以上経ったものだと検査に支障が出てしまうかもしれません。
また、夏場は気温が高いので、もっと提出日に近い便を提出した方が良いでしょう。
検便に関するよくある5つの質問
その他、検便に関するよくある質問5つについて解説しています。
もしバイト先で検便を求められた際の参考にして下さいね。
1.どうしても便が出ないときはどうすればよいですか?
便秘等で提出日にタイミングよく排便できない場合は、何日か前の便を採取して下さい。
検便用に採取した便は、2~3日は保存可能なので、事前に排便できる時に採取しておきましょう。
2.検便前に食べてはいけないものはありますか?
何を食べても大丈夫です。
食べてはいけないものは一切ありません。
肉類や魚・刺身など生もを食べても、検査対象となる細菌やウイルスの付着がなければ、悪い検査結果がでることはないためです。
3.検便を提出するのを忘れた場合どうすればいい?
まずはバイト先に確認してみてください。
その後に指示どおりに対処すれば問題ないはずです。
4.検便が出ないときはどうすればよいですか?
どうしても出ない場合、浣腸や下剤といったを使うのも可ですが、あまりおすすめできないです。
理由は、無理やり便を出す形になるのので、便をもよおす際に切れてしまう恐れがあるからです。
それが原因で、便に血液が付着することもあって、最悪の場合は、再検査を受ける事になる(大腸検査)なんてことにもなってしまいます。
5.生理中に検便をしても大丈夫でしょうか?
大丈夫です。
原則的に便さえ採取できれば検査は可能です。
まとめ
飲食店での検便の提出は義務付けられているわけではないということがわかりました。
多くの飲食店では検便の提出をさせているので、飲食店でアルバイトをする以上、求められたら検便はちゃんと行う必要があります。
それでも、どうしても検便をしたくないというのであれば飲食店で働くのを諦めるか検便のない飲食店を見分けるしかありません。
検便のない飲食店の見分け方ですが、絶対的な方法はありませんでした。
しかし、記事に書いてあるとおり、カフェのような調理の必要のない飲食店など検便を行っていない店舗の傾向というものはあります。
それを意識してアルバイト先の飲食店を探せば、検便をする必要のない飲食店が見つかるかもしれません。