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エンジニアのキャリアに対する意識は?世代ごとに様々な違いがあるようです!

キャリアと世代

2014年においてはグロースハックや各種開発手法の普及、モバイルファーストへの転換など、技術に関する環境の大きな変化がありました。

さらにフルスタックエンジニアやグロースハッカーなどの用語がメディアで話題となったように、エンジニア個人としての働き方には幅広い技術のみに頼らないスキルが求められています。

各世代のエンジニアのキャリア意識にも、このようなトレンドの変化が影響を及ぼしているようです。

今回は転職エージェント「@type」に登録するエンジニアに対してtypeが行ったアンケート調査の結果をご紹介します。

※アンケートは2014年11月に調査。対象はエンジニア276名。内訳はソフト関連69.2%、ハード関連6.2%、その他24.7%

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エンジニアのキャリア意識には年齢別にどのような違いがあるのか、詳しく確認してみましょう。

転職行動には年齢に関わらず共通した一定のパターンがあります!

まずは「転職行動」に関するアンケート結果をご紹介します。

転職行動はキャリアを考える上で欠かせない重要なポイントです。

現在の勤務先に対して満足しているかどうか、それぞれの詳しい理由を34歳以下と35歳以上のそれぞれについて確認してみました。

34歳以下のエンジニアの転職行動について

現在の勤務先に満足している点は?

満足している点 TOP5 全体を占める割合(%)
同僚の人間関係が良好 17.1
適正な労働時間 12.2
上司との人間関係が良好 12.2
充実した開発環境 9.8
報酬が多い 7.3

現在の勤務先に満足していない点は?

満足していない点 TOP5 全体を占める割合(%)
報酬が少ない 22.9
評価が不公平だと感じる 9.7
勤務先の将来性が期待できない 9.4
昇進や昇格に不満を感じる 9.0
残業や休日出勤が多い 8.3

35歳以上のエンジニアの転職行動について

現在の勤務先に満足している点は?

満足している点 TOP5 全体を占める割合(%)
適正な労働時間 17.7%
同僚の人間関係が良好 15.6
評価が公平だと感じる 13.5
個人に裁量権が与えられている 12.5
報酬が多い 9.4

現在の勤務先に満足していない点は?

満足していない点 TOP5 全体を占める割合(%)
報酬が少ない 20.9
評価が不公平だと感じる 11.0
勤務先の将来性が期待できない 9.9
昇進や昇格に不満を感じる 8.8
勤務先の業績が良くない 8.5

現在の勤務先に満足している点は、いずれの世代においても「同僚の人間関係が良好」「適正な労働時間」の回答が多く、一方の現在の勤務先に満足していない点は、「報酬が少ない」「評価が不公平だと感じる」の回答が多くなっています。

勤務先に対する満足感や不満感については、年齢にかかわらず普遍的な原因や理由があるようです。

上記アンケートの結果はマネージャーとしてチームをまとめていく上で、避けて通ることができない大きな課題だといえるでしょう。

その他には34歳以下の世代では開発体制など現場重視で勤務先を評価しているのに対して、35歳以上の世代では企業の業績や制度を重視して勤務先を評価しているという違いがあります。

企業のwebサイトやインターネットの口コミや評判を重視する人が多くなっています!

次に実際に転職活動に取り組んでいるエンジニアの行動について、詳しく確認してみましょう。

「企業に関する情報を収集する際に何を重視しますか?」という質問に対する回答は、34歳以下と35歳以上のそれぞれで以下のとおりとなっています。

34歳以下のエンジニアが情報を収集する際に重視するのは?

TOP10 全体を占める割合(%)
企業webサイト 20.8
求人サイトの求人情報(報酬・業務内容など) 19.3
人材紹介会社のエージェントの意見 11.5
インターネット上の口コミや評判 10.9
企業に関する各種ニュース記事 7.3
友人・知人・同業者の口コミや評判 3.6
開発環境や使用言語が分かる記事・ブログ 2.6
社長のインタビュー記事・ブログ 1.6
社長や社員のGitHubアカウント 1.0

35歳以上のエンジニアが情報を収集する際に重視するのは?

TOP10 全体を占める割合(%)
企業webサイト 21.0
求人サイトの求人情報(報酬・業務内容など) 20.0
人材紹介会社のエージェントの意見 18.9
企業に関する各種ニュース記事 9.3
インターネット上の口コミや評判 9.3
友人・知人・同業者の口コミや評判 8.9
社員のインタビュー記事・ブログ 5.4
開発環境や使用言語が分かる記事・ブログ 2.0
社長や社員のGitHubアカウント 0.7

いずれの世代においても「企業webサイト」が1位となっています。情報を直接企業webサイトで収集する人が多いようです。また「インターネット上の口コミや評判」を重視する人が34歳以下では11.5%、35歳以上では9.3%と多く、特に若い世代ほど口コミに敏感な傾向があります。一方で「社長や社員のGitHubアカウント」を重視する人はいずれの世代においても少なく、日本においてはGitHubアカウントの浸透はまだまだこれからのようです。

技術スペシャリストからマネージャーへのキャリアアップを目指すことが一般的です!

次は「5年後のキャリアアップの目標は?」という質問への回答を確認してみましょう。回答者を29歳以下、30歳以上39歳以下、40歳以上の3つに分けて結果を確認すると、それぞれ以下のとおりとなります。

29歳以下のエンジニアの5年後のキャリアアップの目標は?

TOP10 全体を占める割合(%)
特定技術のスペシャリスト 36.4
わからない 18.2
ビジネスがわかるフルスタックエンジニア 11.8
CIO・CTO 9.1
プロジェクトマネージャー 9.1
CEO 3.0
独立・フリーのエンジニア 3.0
エンジニア以外の職種への転職 2.4
プロダクトマネージャー 0.0
企業・スタートアップ 0.0%

30歳以上39歳以下のエンジニアの5年後のキャリアアップの目標は?

TOP10 全体を占める割合(%)
プロジェクトマネージャー 18.5
特定技術のスペシャリスト 16.8
ビジネスがわかるフルスタックエンジニア 16.1
わからない 13.8
エンジニア以外の職種への転職 12.6
CIO・CTO 5.0
プロダクトマネージャー 5.0
企業・スタートアップ 5.0
CEO 3.4
独立・フリーのエンジニア 2.5

◎40歳以上のエンジニアの5年後のキャリアアップの目標は?

TOP10 全体を占める割合(%)
特定技術のスペシャリスト 27.5
わからない 15.4
プロジェクトマネージャー 11.4
ビジネスがわかるフルスタックエンジニア 8.9
CEO 8.1
エンジニア以外の職種への転職 8.1
企業・スタートアップ 7.1
CIO・CTO 5.7
プロダクトマネージャー 3.3
独立・フリーのエンジニア 0.8

29歳以下のエンジニアでは「特定の技術スペシャリスト」、30歳以上39歳以下では「プロジェクトマネジャー」、40歳以上のエンジニアでは「特定の技術スペシャリスト」が最も多くなっています。20代で技術に関する専門性を深めて30代でマネージャー職を目指すのが、エンジニアの一般的なキャリアアップのパターンだといえるでしょう。

面白いのは40代になると再び、「特定の技術のスペシャリスト」を目指す人が増えることです。これは専門性を深めようとする、エンジニア特有の習性かもしれません。

キャリアアップには専門外の知識や経験を深めることが必要になります!

最後に「目標とするキャリアを実現するために業務以外で行っていることは?」という質問への回答を確認してみましょう。29歳以下、30歳以上39歳以下、40歳以上のそれぞれの世代における回答は、以下のとおりです。

29歳以下のエンジニアが業務外で行っていることは?

TOP10 全体を占める割合(%)
技術・マネージメントに関する専門書を読む 18.7
専門資格の取得に取り組む 18.7
転職先を探す 12.1
上司や先輩に教わる 10.7
社外の人脈を作るためにコミュニティーに参加する 9.3
技術の勉強会に参加する 6.1
社内の別部門の人たちと交流する 5.4
経営に関する専門書を読む 4.0
OSSの開発や運営に参加する 4.4
各種Techニュースをチェックする 4.0

30歳以上39歳以下のエンジニアが業務外で行っていることは?

TOP10 全体を占める割合(%)
技術・マネージメントに関する専門書を読む 19.2
専門資格の取得に取り組む 14.6
技術の勉強会に参加する 10.8
転職先を探す 10.8
経営に関する専門書を読む 8.7
各種Techニュースをチェックする 8.0
上司や先輩に教わる 7.3
社内の別部門の人たちと交流する 6.3
社外の人脈を作るためにコミュニティーに参加する 4.5
競合他社の動向をチェックする 3.5

40歳以上のエンジニアが業務外で行っていることは?

TOP10 全体を占める割合(%)
技術・マネージメントに関する専門書を読む 17.2
技術の勉強会に参加する 10.9
転職先を探す 10.9
専門資格の取得に取り組む 10.2
経営に関する専門書を読む 10.2
社外の人脈を作るためにコミュニティーに参加する 9.8
各種Techニュースをチェックする 9.8
社内の別部門の人たちと交流する 8.8
競合他社の動向をチェックする 4.2
上司や先輩に教わる 3.2

「技術・マネージメントに関する専門書を読む」が、すべての世代に共通する最も多い回答となっています。物事を体系的に学ぶためには、やはり専門書が有効だということでしょう。「技術の勉強会に参加する」という回答は29歳以下で6.7%、30歳以上39歳以下で10.8%、40歳以上で10.9%となっています。年齢が高いほど勉強会への参加意識が高いことについては、技術の習得に加えて人脈作りが目的となっているようです。

一方で「専門資格の取得に取り組む」という回答は29歳以下で18.7%、30歳以上39歳未満で14.6%、40歳以上で10.2%と、年齢が高いほど取得への意欲は低下しています。これは若い世代ほど業務の専門性が高く、一方で年齢の高い世代は抽象性の高い業務に取り組む機会が多いことが影響しているようです。

異なる世代の意識や考え方を知ってエンジニアとしての活動の幅を広げましょう!

さらに今回のテーマに関連して「今具体的に何を勉強していますか?」と質問したところ、年齢ごとに様々な回答が集まりました。

29歳以下ではフロントエンド開発を意識した「JavaScript開発手法」「UI・色彩心理学」などの回答が多くなっています。30歳以上39歳以下では広範囲のソリューションに関する「仮想化の知識」「クラウドによるシステム構成」などの回答や、さらに「同業他社や同職種との交流」「セミナーへの参加」「マネジメント手法」といった技術以外の幅広知識の吸収を意識した回答が目立ちました。40代以上では組織作りや企業経営を意識した、「新しい開発技法の習得」「市場動向」などの回答が多くなっています。これは40代以上は事業全体をけん引する立場であることが影響していると考えられます。

自分たちの先輩の世代が仕事に対してどのような意識を持っているのかを知ることで、29歳以下の若いエンジニアはこれからの目標を明確にすることができるはずです。一方でベテランのエンジニアは若い世代が何に関心を持っているのかを知ることで、ジェネレーションギャップを感じるかもしれません。特にUIや色彩心理学に関心を持つエンジニアの増加は、近年の世代に特徴的な状況だといえるでしょう。異なる世代の意識や考え方を知っておくことは、今後のエンジニアとしての活動の幅を広げるためにも大いに役立つはずです。