がん治療には「外科的治療」と「薬物的治療」とがあり、医師や看護師、そして薬剤師…といった医療従事者が、それぞれの専門性を活かしつつ連携を取って最適な医療サービスを行っています。
そして近年では高度化するがん医療の進展に添うように、がんへの薬物療法にも精通したエキスパートとなる薬剤師の需要が高まっている様子。
ここでは、「がん専門薬剤師」という働き方について、仕事内容や職場、収入、また目指し方や、キャリアアップの際に活用したいツールなどを、わかりやすく紹介しています。
がん専門薬剤師について…
がん専門薬剤師とは、がん薬物療法への高度な専門知識や臨床経験を持った薬剤師のことで、日本医療薬学会(JSPHCS)による専門薬剤師認定制度カモ。
以下では、そんながん専門薬剤師について、仕事内容や職場、収入など、基本的な情報についてをまとめました。
がん専門薬剤師の仕事内容
がん専門薬剤師は、がん治療における薬剤の専門家としてチーム医療に貢献することで、医師の負担を分担させ、より適切で安全な薬物療法を促す役割を担っています。
業務内容は多岐に渡りますが、代表的なものには以下の3つが挙げられるカモ。
- 抗がん剤の調剤業務
- 副作用の改善
- 患者さんへの服薬指導
患者さんに適した抗がん剤を選んだり、治療による抗がん剤の副作用への対策など考えサポートしていきます。また、患者さん本人が安心して適切な治療を受けることができるよう、服薬指導やを行うことも重要な業務カモ。
患者さんの中には、医師へ直接質問できなかった疑問や不安を抱えている方もいらっしゃいます。そう言った「聞きづらかったこと」、「言い忘れていたこと」などを、薬剤師がカウンセリングするシーンも多々あるでしょう。
日々のコミュニケーションから患者さんの細かな情報をキャッチすることで、処方せんに記されたこと以外の注意点なども考慮し、より最適な薬物療法へとつなげていくことも重要です。
がん専門薬剤師の主な職場
その名の通りがん治療に特化したスタイルの薬剤師なので、職場はがん治療を専門的に扱っている医療機関がメインとなるカモ。またそれ以外では、新薬開発に携わる製薬メーカーなどの選択肢もあります。
がん専門薬剤師の年収について…
認定薬剤師よりもハードルの高い専門薬剤師の収入に対して、「かなりの高収入が期待できるカモ!?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、専門薬剤師の認定資格が必ずしも収入に好影響を与えるとは言い切れない現状がある様子です。
とくに、がん専門薬剤師を含む医療機関で活躍している専門薬剤師の場合、他の一般的な薬剤師と比較して年収に大きな差はありません。収入アップ重視で資格取得を目指すのであれば、もしかすると不毛な努力になってしまうリスクも…
ただし、医療機関ではなく製薬メーカーへの転職であれば、薬剤師全体の平均を大きく上回る収入アップが期待できる場合もあるでしょう。
キャリアアップの武器にはなるカモ!
専門薬剤師の認定資格は収入アップに直結しない…とお話しましたが、その反面、医療機関では一般の薬剤師への指導や監督を受け持つ管理職へのステップアップにつながる可能性は十分に考えられるカモ。
またがん専門薬剤師は、薬剤師として唯一医療法上広告が可能な専門性に関する資格でもあるため、職場にとっても大きなメリットをもたらす存在です。
「資格取得=年収アップ!」とまではいきませんが、取得することが薬剤師としての活躍の場や条件を押し上げてくれる要因につながるケースは十分にありえるでしょう。
がん専門薬剤師を目指す方法とは…
がん専門薬剤師を目指すためには、第一に「がん薬物療法認定薬剤師」になっておくことが必須です。専門薬剤師は認定薬剤師のワンランク上…といったイメージなので、その分取得までには数多くのハードルがある様子。
がん専門薬剤師への申請を行うためには、以下で紹介する全ての条件を満たすことが必要です。
- 薬剤師免許を持ち、薬剤師として優れた人格と見識を備えている。
- 薬剤師として5年以上の実務経験を持っている。
- 日本医療薬学会の会員で、かつ規定の認定薬剤師である。
- 日本医療薬学会が定めるがん専門薬剤師研修施設で、定められた研修カリキュラムに従って、がん薬物療法に関する5年以上の研修歴がある。
- 日本医療薬学会が定めるがん領域の講習会を50単位以上履修している。
- がん患者への薬学的介入症例サマリ50症例(3臓器・領域以上のがん種)を提出。
申請審査をパスした薬剤師のみ、がん専門薬剤師の認定試験を受験することが可能になるカモ。
また認定薬剤師同様に、がん専門薬剤師にも5年ごとの更新が必要です。更新条件を満たした上で、更新審査を受けましょう。
求められるスキルや資格
以下では、がん専門薬剤師として活躍する上で求められる資質やスキルについてをお話しします。
努力を継続させる志(こころざし)の高さ
がん専門薬剤師でいるためには、常に学び続け、かつ、がん治療の最前線で活躍を続けることが求められます。
目指すためのハードルはもちろん、活躍を続けるためにも努力は必須カモ。したがって、がん治療への関心の高さや、薬剤師としての志の高さが重要になってくるカモしれません。
高いコミュニケーション能力
がん専門薬剤師は、チーム医療の一員として、様々な立場の方と連携を取りながら活躍しています。
また日頃から患者さんとコミュニケーションをとることで、患者さんを安心させたり、治療に反映できる多様な情報をキャッチしたりする必要もあるでしょう。
したがって、高いコミュニケーション能力が求められるカモ。
がん専門薬剤師には、どのような人が向いてる?
ここまででお話ししたポイントから、がん専門薬剤師は、以下のようなタイプの薬剤師に向いた選択肢だと言えそうです。
- 「チーム医療の一員となって、薬剤師としての専門性を活かした働き方がしたいカモ!」
- 「より責任の大きな仕事に携わって、やりがいを感じながら活躍したいカモ!」
- 「がん治療に携わった経験や、コミュニケーション能力を発揮できる資格に興味があるカモ!」
がん治療に関わっていない薬剤師は目指せない!?
がん専門薬剤師の資格を取得すことは、決して簡単なことではありません。
ハードルが高いからこそ他の薬剤師との差別化にもつながっているのですが、「キャリアアップに優位っぽいだから、頑張ってみよう!」と安易に目指せる難易度でもないでしょう。
多くの場合、がん病棟で活躍する薬剤師が取得を目指す…というステップが一般的で、全く畑違いな職場で活躍する薬剤師が突然取得を目指すことはあまりありません。
「未経験だけど、興味がある!」という場合は、まずはがん病棟で経験を積みながら、がん薬物療法認定薬剤師の資格取得を目指すことが第一歩となるでしょう。
そのためには、資格取得をサポートしてくれる職場に恵まれることが重要です。現在お勤めの職場で難しい場合は、転職を検討してみるべきカモしれません。
転職エージェントのコンサルタントに「がん専門薬剤師・がん薬物療法認定薬剤師を目指したい」という旨を伝え、希望条件に近い求人案件をプロの目線からピックアップしてみてもらってはいかがでしょうか。
やりがい
使用するべき抗がん剤や副作用への対策は、患者さん一人一人で異なるカモ。がん専門薬剤師は、患者さんの状態や副作用と、自身の知識や経験とを照らし合わせ、ケースごとに最適な提案を行う必要があるでしょう。
その分難しく、また責任も重くなりますが、同時に大きな達成感を得られる仕事でもあります。
また、がん治療で使用されるお薬には、患者さんにとって苦痛を伴う副作用のあるものが数多く存在します。したがって、副作用の改善に努めるがん専門薬剤師は、患者さんから感謝されることも多いカモ。
さらに、チーム医療の一員として様々な立場の方から頼りにされる…というポイントも、がん専門薬剤師ならではの充実度ややりがいにつながっているのではないでしょうか。
まとめ
ここでお話しした内容をまとめると、以下のポイントが重要です。
- がん専門薬剤師とは、がん薬物療法への高度な専門知識や臨床経験を持った薬剤師のこと。
- チーム医療の一員として、抗がん剤の調剤業務や副作用の改善、患者さんへの服薬指導などを行う。
- 主な職場はがん治療を専門的に扱っている医療機関。新薬開発に携わる製薬メーカーで活躍することも。
- 認定資格が直接収入に好影響を与えるとは限らない。とくに病院の場合は、他の薬剤師と変わらないカモ。
- ただし、資格取得がキャリアアップにつながり、ポジションや収入がアップする可能性も考えられる。
- がん専門薬剤師を目指すためには、第一に「がん薬物療法認定薬剤師」になっておくことが必須
- 未経験から目指す場合は、がん薬物療法認定薬剤師の取得をサポートしてくれる職場への転職が第一歩となるカモ。
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