住民税の請求書が来たのに、お金がなくて困っている人もいるかもしれません。
ですが、無視したり、忘れてしまったりしてはいけません。きちんと納めないと大変なことになります。収められなくても市役所等の窓口には行かなければなりません。
住民税の性質と、納付についてご案内します。
目次
住民税とは
住民税は、もちろん税金の一種で、個人および法人に課されます。地方自治体の財源をなす重要な税金ですので、延滞などしないようにしましょう。
1月1日現在の居住地である、地方自治体に住民が納付するものです。都道府県に納付する分も、市区町村に一括して納付してください。
以下は、個人に納付義務のある住民税についてです。
住民税の種類について
住民税は、「所得割」と「均等割」とで成り立っています。所得割は前年度の所得に応じて額の決まるもので、均等割は市区町村ごとに定額です。
所得割にも標準税率が、均等割りにも標準額が定められていますので、自治体により税額に極端な金額の差が生じるわけではありません。「自分の住んでいる地域の住民税が高い」とこぼしている人がいましたら、それはほぼ誤解でしょう。
とはいえ、自治体の財政状況その他により、多少額が変わるのも事実です。
たとえば、財政破綻して財政再建団体に転落した北海道夕張市では、均等割が標準より500円高く、所得割の税率も標準より0.5%高くなっています。
いっぽうで、河村たかし市長が住民税減税をアピールしている名古屋市では、均等割を標準より200円低く、所得割も標準より0.3%低い設定です。
住民税の支払い方法・期間
給与所得者であるうちは、あまり住民税を意識しません。月々の給与から天引きされるからです。
社会人になって2年目に、住民税が天引きされ、手取りが少なくなることで意識することはあるでしょう。ただ、その後は特に気にしない人も多いはずです。
給与をもらっている際、「手取り=収入」と理解しているとだいたい困ったことになります。
会社を辞めると当然ですが、天引きされることもないので自分で納めなければなりません。
会社を辞めてすぐの住民税納付については、会社を辞める時期により多少の違いがあります。6月から12月までに退職する場合、翌年5月までの住民税の一括納付を選択することができて、この場合はしばらく住民税とは縁のない暮らしができます。
もっとも、所得に応じて住民税は必ず請求されますので、退職にあたって真に「得な時期」というものはありません。
資産運用を行っている人は注意
資産運用をおこなっている人は、サラリーマンであっても多いはずです。仮想通貨の価格に一喜一憂している人も多いと思われます。
投資で利益を得たり、配当を得たりすることがあれば、これに対しても住民税が課されますのでご注意ください。
特定口座を使っている人は別にして、資産運用で利益を得た人の場合は、住民税をさらに徴収されます。
「利子割」「配当割」「株式等譲渡所得割」の三種類がありますが、課税のされ方はいずれも同一で、売却益の5%が徴収されます。
確定申告において、利益を申告することで税額が決定されて、徴収がなされます。
住民税を支払わないとどうなる?
生きていくには、多くの費用の支払いが必要です。光熱費や通信費、家賃、クレジットカード代金やローン返済などです。
さらに、会社に所属せずに生きていくとなりますと、さらに多くの支払いを自分でおこなわなければなりません。国民健康保険や国民年金、そして住民税も自分で支払う必要があります。
その中でも税金は、支払うべきお金の最上級に位置するものです。他の費用も支払わないと生活に支障が生じますが、税金に関しては最重要で対応しなければなりません。
まず、延滞税が加算されます。期限を守らないことで、通常より多くの支払いをしなくてはなりません。
税金については、裁判による決定を踏まえずに差し押さえができることが国税徴収法で定められています。住民税は国税ではありませんが、国税徴収法が準用されますので、結局扱いは国税と一緒です。
住民税を滞納し、督促にも応じない場合、2か月しないうちに財産の差し押さえに遭う可能性があります。
どうしても支払えない場合、市区町村の窓口で相談しないと大変なことになります。もっとも、相談といっても分割払いにしてもらえたりする程度で、免除してもらえることはありません。
なにしろ、自己破産をしたとして、ローン等は免除されても、免除されないのが住民税の納付義務です。
住民税には支払い義務がないケースもある
学生時代にアルバイトをしていたが、別に住民税は課せられていなかったという人は多いはずです。
収入があっても、住民税は必ず課されるわけではありません。
住民税は前年の所得に応じて課されます。成人で、(正確な額は自治体によりますが)前年所得が35万円以下の場合は住民税非課税です。
給与収入にあてはめますと、被扶養者のいない人の場合は100万円の収入以下であれば住民税は課税されません。
住民税の支払いをカードローンで借入れできる?
理由もなく住民税を支払わずに済ますことはできません。生活のインフラを支える他の支払も重要ですが、それ以上に住民税は重要で、なんとしてでも支払わないといけません。
住民税を滞納しているということは、収入が少ないのだと思われます。その場合、翌年になれば住民税は少ない収入に合わせて減るのですから、なんとか一年間は乗り切りたいものです。
お金を借りやすい手段というとカードローンが挙げられます。住民税は、ここから借りてきてでも支払うべきでしょう。
住民税を滞納している場合、審査に影響はある?
ローンの返済やクレジットカードの代金を延滞させてしまうと、「ブラック」と呼ばれてそれ以上の新規借入れができなくなるということは、比較的知られているかもしれません。
「ブラック」が明確に定義されているわけではないものの、そのような状態は存在します。
そうしますと、住民税滞納者もブラックになるのでしょうか?
ですが、これは関係ありません。俗にいうブラックの意味は、個人信用情報機関に登録される、個人のクレジットカードやローン利用の履歴に、自己記録が付いていることです。
住民税を滞納しても、個人信用情報機関に登録されることはありません。
個人信用情報機関への登録は、必ず利用者の承諾を得てからおこなわれるものです。役所が勝手に登録することはできません。
既に滞納している場合は、カードローンの利用は考え直した方がいい
住民税は借りてでも支払うべきものです。
とはいえ、すでに滞納したうえ、自治体に相談に行っているような状態であれば、安易な借入れに走るのは考えものでしょう。
住民税の支払いをするためにカードローンに手を出しても、それで作った借金を返せない状態になっては意味がありません。
住民性の窓口で相談する際は、いくらぐらいなら借金が可能かという相談も併せてしてみたほうがいいでしょう。
住民税の支払いが難しい時におすすめのカードローン
住民税の請求が来て、これを支払わないといけない場合には、どこから借り入れたらいいでしょう。
時間があれば銀行のフリーローンなどが金利の点で優れていますが、急いでいる場合は消費者金融のカードローンは審査が速く頼りになります。
なお、どちらで借り入れるにしましても、次の要件は必須です。
プロミス
プロミスは、SMBCグループ傘下の大手消費者金融カードローンです。
また、三井住友銀行やジャパンネット銀行をはじめとした、全国約200の金融機関の口座保有者であれば、土日祝や平日午後であっても審査が済めば、即日で振込融資が受けられます。
従来のローン用カードを使ったキャッシング以外に、セブン銀行ATMで、スマートフォンを利用したキャッシングができるサービスも始まりました。
分類 | 消費者金融カードローン |
貸付利率 | 4.5%~17.8% |
限度額 | 500万円 |
遅延損害金 | 20.0% |
返済方式 | 残高スライド元利定額返済方式 |
担保・保証人 | 不要 |
※申込み時間や審査により希望に添えない場合あり
アイフル
アイフルは独立系の消費者金融ですが、東証一部上場企業です。クレジットカードの「ライフカード」も傘下にあります。
アイフルも審査は最短30分と早く、即日融資が可能です。平日2時以降や土日祝の場合は、自動契約機であれば、即日融資が受けられる可能性があります。
初めての利用の場合、30日間の無利息サービスを実施しています。
分類 | 消費者金融カードローン |
貸付利率 | 18.0% |
限度額 | 500万円 |
遅延損害金 | 20.0% |
返済方式 | 残高スライド元利定額リボルビング返済方式 |
担保・保証人 | 不要 |
SMBCモビット
SMBCモビットは、プロミスと同じくSMBCグループ傘下の大手消費者金融カードローンです。
圧倒的な審査スピードを誇っています。
SMBCモビットは、ユニークな施策を、消費者金融業界に先駆けて次々と実行してきました。スマートフォンでのキャッシングも、その先駆けはSMBCモビットです。
通常、消費者金融においては職場に在籍確認がおこなわれます。電話は個人名でおこなわれますので心配し過ぎることはありませんが、アルバイトの方など、電話自体気になる方もいるでしょう。
Web完結は、「三井住友銀行」「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」「ゆうちょ銀行」の口座をお持ちなら利用できます。
分類 | 消費者金融カードローン |
貸付利率 | 3.0%~18.0% |
限度額 | 800万円 |
遅延損害金 | 20.0% |
返済方式 | 残高スライド元利定額返済方式 |
担保・保証人 | 不要 |
カードローンに頼らない場合
住民税の支払えない困った状況において、金利の高いカードローンでの借入れは、しなくて済めばそれに越したことはありません。
他にどのような方法があるでしょうか。
カードローンのメリットは限度額の範囲内で繰り返し借り入れできることですが、住民税の支払目的であればこのメリットは大きいものではありません。一度に借入れできればいいわけですから、カードローン以外の金利の低いローンで、審査が速いものも検討の余地があります。
この両方を満たすのは、例えば「三井住友銀行」のフリーローンです。金利は6%程度となっています。
住民税の減免
自治体によっては、失業保険受給中や、収入が大きく減った場合などに住民税の減免が受けられる場合があります。
ルールは自治体ごとに異なりますので、お住いの自治体で直接お確かめください。すべての自治体に制度があるわけではなく、あっても生活保護受給者に限るという場合もあります。
基準を満たす場合、すでに払い込んだ住民税が戻ってくる可能性があります。
分納
住民税の分納は、制度に基づくものではありません。
支払いたくても支払えないという場合に、住民税を分割納付させてもらうものです。制度によるものではないので、必ず自治体の窓口で相談が必要です。
相談の結果、月々の支払える額を設定してもらい、分割で納めることを認めてもらえる場合があります。
念のためですが、分納を認めてもらった場合も延滞税は発生しますので、分納により得をすることはあり得ません。延滞税は、延滞1か月を過ぎますと、年9.1%(平成28年の場合)となります。
まとめ
住民税は会社勤めの人であっても意識しておくべきものですが、その機会がなく、会社を離れてから困惑してしまうこともあるでしょう。
住んでいる自治体からは行政サービスを受けているのです。その原資を支払うのは大事な義務で、それも忘れないようにしましょう。
生活していく限りは、住民税は必ずついてきます。計画して支払っていきましょう。
延滞しないよう、口座振替にしておくこともひとつの手段です。