子供はもらって嬉しいお年玉ですが、大人にとっては苦労の種です。
出すのはいいとしても、どこまで出すか、いくらまでにするのかなど悩むものです。
兄弟がいるなら、年齢によってある程度差も付けなければならないでしょうし、少ないと、子供にケチな人だと判断されてしまう可能性もありますし、多すぎるのも問題です。
そんな、悩み深いお年玉の問題あれこれについてご案内します。
目次
お年玉の金額を決めるいくつかの方法
お年玉の相場については、ネットで調べればおおむね妥当な数字がわかります。情報元によって、大きな差が生じることもありません。
ただ、気をつけたいのは、相場というものは「実際にいくら払ったかのアンケート」によって作られているということです。
「いくらあげたいがその額が妥当かどうか」の判断は、調べられるとは限りません。
お年玉の相場
では肝心のお年玉の相場はどのくらいでしょう。相場に従うかどうかは別にして、その相場を知らないと例外もわかりません。
ちなみに地域差もあって、西日本、特に四国がお年玉に使う総額は高めです。ただし、最も低いのは沖縄県で、他の地域とはっきり額が異なります。
項目 | 金額の相場 |
---|---|
未就学児(~6才) | 500円~1,000円 |
小学生 | 2,000円~5,000円 |
中学生 | 5,000円 |
高校生 | 10,000円 |
大学生 | 10,000円 |
未就学児
幼稚園のおちびちゃんたちには、地域問わず高くても1,000円くらいが相場のようです。
500円のお年玉も多いようで幼稚園に上がる前の子供に対しては、お金よりもおもちゃのほうが喜ばれます。
小学生
小学生になりますと、さすがに500円玉だけというわけにはいきません。お札が必要です。
ちなみに低学年と高学年では扱いが違います。低学年(1年~4年生)の場合は2,000円程度、高学年(5年生~6年生)で3,000円が主流です。
中学生
3,000円の上は4,000円でしょうが、「4」は縁起が悪いので避けたいところでしょう。とはいえ、結婚式のご祝儀のように奇数偶数までは気にしません。
そういう配慮もあり、中学生のお年玉は5,000円程度が多いようです。
高校生
5,000円の上は10,000円になるのが普通で、この中間の額のお年玉は通常ありません。
高校生は5,000円程度が多いようですが、5,000円で少ないと思えば10,000円出すことになります。
大学生
必然的に、高校と大学で差をつけるなら、大学生には10,000円出すことになります。ただ、高校を卒業したらお年玉はなしにしても、別段問題はないでしょう。
このあたりは、大学入学祝を出したかどうか、自分の子供に対してもらったかどうかといった点を踏まえて考えるといいでしょう。
あらかじめ金額を決めるルールを作っておく
困ったときは、「年齢×500円」という目安があります。この後インフレが来ればまた崩れてしまうでしょうが、しばらく物価も安定していますし、わからないときは頼るといいでしょう。
この計算式なら、小学校入学を控えた幼児は6歳なので3,000円、中学校入学を控えた小学生は12歳なので6,000円となります。ただ、9歳なので4,500円というのはさすがに変です。これは5,000円が妥当でしょう。
子供が同じ年齢なら、貰った金額と同額を返す
同じ年の子供がいるのに、相場ばかり気にして、お互いに対して出す額が大きくバランスを欠いてしまうのはいただけません。
同じ額になるように、昨年実績から考えて調整したいところです。とはいえ、三人兄弟のうちと一人っ子のうちとで、お年玉のバランスが悪いということもあるはずです。
そのような場合、一人っ子のうちに対して多めに出してもやむを得ないかもしれません。
親族同士で集まる場合には、事前に親族と話しあっておく
遠慮のない間柄なら、事前に額の調整もしておけるでしょう。
多めに渡したい大人もいるでしょうが、その気持ちが相手の家庭に負担を与えてしまいます。相互の額について、あまりにもバランスを欠くようだとやはりよくありません。
お年玉は何歳まで上げるべきなのか?
これも気になるところでお年玉はいつまであげるべきでしょうか。これは「いつまでもあげたい」と思えばあげてもよさそうです。
子供のいないおばさんが、18歳になった甥っ子、姪っ子にお年玉をあげて悪いわけではありません。ですがこのおばさんに、もっと年下の子供がいるとすれば、もらう側が負担に感じてしまうかもしれません。
ごく一般的に考えるのならば、高校卒業または成人までといったところでしょう。
お年玉の上げすぎは注意!金額を下げにくくなる。
今の子供は残酷なもので、お年玉の額によって大人の価値を計ったりします。大人のほうも、つい奮発したくなることもあるでしょう。
ですが、子供のほうは額を覚えています。次の年になって苦しくなったからといって、下げるわけにはいきませんので子供相手に変に見栄を張らないようにしましょう。
お年玉の渡し方のマナー
ものごとのマナーには、いろいろな流派があったりするものですが、お年玉のマナーについては、常識は統一されています。
下記にご紹介するもの以外には、よほどローカルなものを除いてはないはずです。
お札は新札
お札は必ず新札を使います。早めに用意しておきましょう。どうしても新札がない場合、大根おろしを塗ってアイロンに掛けると比較的綺麗になります。
五千円札、一万円札には偽造防止のホログラムがあります。ホログラムは熱に弱いので気をつけましょう。お札は、表面を裏側にして三つ折りしてポチ袋の開け口を、お札の上側にします。
硬貨の入れ方は?
硬貨の入れ方にもルールがあります。硬貨の場合、ポチ袋の表側に、硬貨の表面を合わせます。
ちなみに表とは、数字のないほうです。アラビア数字で「500」と書いてあるほうが裏になりますので気をつけましょう。
500円玉を綺麗にしたい場合ですが、この硬貨は酸に付けただけで汚れは落ちません。歯磨き粉で磨くと落ちるようです。
ポチ袋の書き方
表側に、「○○ちゃんへ」などと、相手の子供の名前を書きます。イラストが一面に書かれた袋の場合は、書かなくても結構です。
裏側には、自分の名前を書きます。子供が読めるよう、ひらがなも混ぜて記載しましょう。
親の前で渡そう
子供にこっそり渡したくなるかもしれませんが、その貰った子供が黙っていたら上げた事実がわからなくなります。
子供が黙っているのは、悪気がある場合だけではありません。まだ小さくてものをもらっても理解できなかったり、他のことに気を取られていて忘れてしまったりということが普通にあります。
子供の親には、お年玉を渡したことを必ず認識させなければいけませんので親のいる前で渡すようにしましょう。
お年玉のダメな渡し方
相手は子供ではありますが、お年玉も大事なお付き合いの一部です。
親しき中にも礼儀ありで大人として恥をかかないようにしましょう。
ここからは、お年玉のダメな渡し方について紹介していきたいと思います。
親に「お年玉」を渡すのは失礼
お年玉は、子供の親が見ている前で子供に直接渡しましょう。
もちろん、お年玉がまだ理解できない小さい子に対して、替わって親に渡すという場合はあるでしょうが、あくまでも本来は子供に渡すものです。
子供の親に渡すものはあくまでお年賀なので覚えておきましょう。
上司の子供にお年玉を渡すのはNG
上司のような目上の立場の人に対して、ものを差し上げるのはよくありません。
相手は子供なので関係ない気もしますし、その子と近しい間柄である場合は、なにかしてあげたいと思うこともあるでしょう。
ですが客観的には、お年玉という名目で上司に媚を売っていることになりますのでやめたほうが賢明でしょう。
入学・卒業祝いと一緒にお年玉を渡すのは印象が悪い
お正月になると、もうそろそろ卒業・入学の季節が近づいています。お年玉と、入学祝、卒業祝とを一緒に渡したくもなるでしょう。
ですが、祝い込みのお年玉はよくありません。それぞれ、いくらもらったのかわからなくなってしまいますからお返しに困ります。
次の3月、4月まで会わないので渡しておきたくなるかもしれません。その場合でも、祝儀袋は二種類用意するべきでしょう。
喪中の場合、お年玉ではなく違う名目で渡そう
喪中の場合、新年のあいさつ回りを控えますので、必然的にお年玉を渡す機会がないかもしれません。
その場合は悩まなくていいでしょうが、親戚同士であれば会うこともあるでしょう。
その場合はどうすべきでしょうか?やはりお年玉はめでたいものですから、喪中の際には避けたいものです。
それに子供も可哀そうになるので渡す場合は、お小遣いとして渡すのがいいでしょう。家族の負担にならないことも考えるべきでしょう。
年末・年始は何かと出費が多い
お年玉もそうですが、クリスマス、忘年会、おせち料理、帰省などなどやることがたくさんあって年末年始はもの入りです。
賞与があっても、住宅ローンの返済を厚めにしていたりなどの理由で、必ずしも自由に使えないかもしれません。
そんな生活費がピンチに陥りやすい年末年始の支出をまかなうため、カードローンがあると安心です。カードローンは限度額という、借金できる枠を与えられるものですから、いざというときには貯金替わりに引き出しが可能です。
また、年末年始であっても、元日を除いて営業していることが多く、急な必要があれば申込むことができます。
まとめ
お年玉の相場やマナーについて見てきました。大事なことは、自分の思いだけで行動しないことです。
お年玉をもらう子の、親の心理的負担もきちんと考えましょう。ですから、世間相場だけ重視すればいいというのではなく、バランスも考えて額も決めるべきでしょう。