豪華客船にはお客様の快適な船旅をサポートするために働く大勢の乗務員がいます。客船の豪華さや船旅の快適さはメディアでもよく取り上げられる話題ですが、そこで働いている人達のことに関しては意外と謎の部分も多いのではないでしょうか。豪華客船に乗って世界中を旅するためにはかなりの資金と時間が必要なので、多くの人にとっては夢のまた夢みたいな話かもしれませんが、乗務員になれば豪華客船で働いてお金をもらいながら世界を旅することができてしまいます。
そこで疑問なのが仕事の見つけ方です。客船の乗務員になるためには特別な資格が必要なのでしょうか。また、学歴やその他何らかの経験が必要なのでしょうか。そんな疑問にお答えするため、客船で働きたい人必見の情報をご紹介していきます。
客船で働く船員の仕事とは
客船とはいわば動くホテルのようなものなので、フロント係がいたり客室係がいたりと、ホテルで働く人と同じ役割を持つ船員が大勢います。レストランであればシェフがいてその他の料理担当スタッフがいて、サーバーがいるでしょう。また、豪華客船といえば忘れてはならないのがエンターテイメント部門かもしれません。船内は長期旅行に対応できるだけの多種多様なサービスが用意されているので、船員の役割をそれぞれ数えあげたらその他にもキリがないほどたくさんあります。
広々とした船内は、乗客はもちろん船員にとっての生活の場にもなるわけだから、見えるところだけでなく見えないところで裏方の人のために働く裏方もいるってことだよね。陸上の街と決定的に違うのは、船を操縦するための人員がいるっていうことカモ。
資格は一切必要なし!
一般の仕事と比べると特殊な環境下の仕事になるため、客船の船員になるためには何か特別な資格が必要なのではないかと思われることが多いですが、船内の職種を選ばないのであれば資格がなくても船員になることは十分可能です。もちろん船の操舵に関わる機関士をはじめ、資格が必要な専門職もありますが、接客や清掃などのスタッフに資格を求められることはまずありません。ただし、船員としての仕事に役立ちそうな資格があるならプラスのアピール材料にはなります。
学歴も不問
船員に求められている学歴は専門学校卒以上というケースが多く、大卒である必要は特にありません。学歴がプラスになるとすれば、専門外の学科を専攻した大学よりも、旅行やホテル、船に関係する専門学校のほうであることは確かです。一番プラスになるのは客船業務を学べる専門学校なのですが、日本国内にある学校の数が少ないので、観光系の専門学校でホテルサービス業を学ぶというのが現実的かもしれません。
客船での業務経験は不問
どんな転職でも経験はあったほうが有利ですが、客船の船員という仕事そのものの経験はある人を探すほうが大変なので、未経験が問題になるということはまず考えられません。ただ、ホテルやレストランなどのリゾート系サービス業界での経験がある人は即戦力になるので有利です。リゾート系とは直接関係なくても、シェフや美容師、医師などの専門職経験者なども重宝されるでしょう。
語学力はどの程度あれば良い?
資格や学歴、経験は不問だったとしても必要になるのが英語力です。乗客も船員も多国籍なので、コミュニケーション手段として英語を使うのは船員にとって基本中の基本です。求められる英語力のレベルは全体的に高めですが、中でも英語力が高い人は接客に近い仕事を任されることになるでしょう。
ここでいうところの英語力とはもちろん実用的な英語力なので、受験英語がいくらできても会話力がなければ英語力はないも同然とみなされます。裏方の仕事ならそれほど英語力がなくても大丈夫なのではと思われがちですが、日常会話レベルの英語がおぼつかないようでは、採用されることすら厳しいというのが現状です。
収入はポジションによって異なる
きらびやかな客船での仕事は憧れですが、給与などの現実面も気になるところ。船員の給与は大卒初任給でおよそ20万円程度になるようですが、どんな職種に就くかによってもかなり違いが生じます。サーブ係や清掃係などは、特別なスキルや経験がなくてもできる仕事ということもあり、全般に給与は安めの水準になっているようです。
国内船と海外船の違い
日本の企業と海外の企業で大きく違うのが新卒の概念です。海外企業は新卒一括採用というシステムはなく、新卒も既卒もスキルや経験が重視されるので、履歴書でいかに実務能力をアピールするかがポイントです。海外の客船会社は日本のように公募することも少ない上、日本の市場で求人を見つけることはまずないので、自分で世界の客船会社のホームページなどを調べて履歴書を郵送するしかありません。
その点で国内の企業は海外企業と考え方が異なる部分も多く、専門学校生を対象にインターンを実施したり、説明会を実施していたりと日本人求職者が入り口を見つけやすい環境が用意されています。ちなみに、海外の客船会社に所属する場合、日本の所得税や社会保険料が発生しないので、控除なしの金額が給与として手元に入ることになります。
長期勤務後の長期休みという勤務体系
独特なのが船員の勤務体系です。船員の場合、船が動き出したら旅の終わりまで休みというものはなく毎日が仕事です。勤務時間は8時間でも職場に拘束され続ける生活なので、3ヶ月から6ヶ月、長いと10ヶ月ほど勤務が続くことがあります。勤務が終わると今度は1ヶ月から2ヶ月間の長期休暇に入ります。では、勤務期間中は仕事のみで一切の娯楽がないかというとそうではなく、船員専用のバーがあったり、映画やカラオケなどの娯楽を楽しめたりするので、乗船中は100%仕事モードでなければならないというわけではありません。
長い航行中はどんな生活?停泊中は船を降りられるのか?
客船で働きながら世界を回る醍醐味は、やはり寄港中にその土地へ降りられるということです。船が動いていても止まっていても仕事は毎日同じようにあるので、旅行者と同じように旅を楽しむことはできませんが、勤務時間外にどう過ごすかは個人の自由なので、行った先の土地で食事をしたり買い物をしたりすることぐらいはできます。ちなみに、船内にいる限り食事は全て提供されますし、光熱費などももちろんかからないので、まとまったお金を使うのは各地で下船した時ぐらいかもしれません。
客船の求人探しはインターネットで
客船スタッフの求人は、インターネットで「クルーズ求人」や「客船スタッフ」と検索するとすぐにいくつものサイトが見つかります。また、カジノイベント会社やカジノディーラスクールのサイトにも客船の求人が掲載されていることがあるので要チェックです。目当ての客船が決まっているなら、客船会社の採用ホームページから直接応募するという方法もおすすめです。
世界に触れると人生観が変わる
豪華客船に乗って旅をする機会は、一生のうちにあるかないかの貴重な経験ですが、それを乗客としてではなく船員として経験できるということもまた貴重な経験です。世界中の様々な人と一緒に生活をしながら働くなら、日本にいるだけでは知ることのなかった価値観や文化に自然と触れることになるので、それが刺激となって自分の価値観や人生観が大きく変化するかもしれません。もし少しでも客船の仕事に関心があるならば、人生を変えるかもしれない大きなチャンスを掴むためにもぜひ行動しましょう。