薬剤師の転職活動に「職場見学」は必要？見学でみるべきところは？

薬剤師の転職についてを調べていると、しばしば「職場見学」というキーワードに出会うことがあります。文字通り応募したい求人元の職場へ見学に行くことなのですが、「それって必要なの！？」と感じてしまう方も少なくはないはず。

とくにお仕事をしながらの転職活動ともなれば、「忙しくてそんな暇ないよ！」とお考えの薬剤師も多いカモしれませんね。

ここでは、そんな薬剤師の転職活動における職場見学について、その必要性や、見学でぜひチェックしておきたいポイントなどをわかりやすく説明します。

転職後の「こんなハズじゃなかった！」を食い止めるヒントとしてご覧ください。

薬剤師の転職に「職場見学」は必要なの？

求人票を確認し応募の後、多くの場合採用面接は本社や、職場とは別の会場などで行われます。したがって薬剤師が実際に現場へ足を踏み入れることができるのは、採用が決定した後になる事がほとんどでしょう。

なかには、その時になって始めて
「え！？思っていたイメージと違う！」と感じるケースも珍しくはありません。

もちろん就職するまで実際に働くことはありませんので、採用前のイメージと実際の職場との相違は、どんな転職活動を行っていたとしても大なり小なり生じるものです。

そのギャップに折り合いをつけ、快く再スタートを切ることができるのであれば何の問題もありません。

しかし、あまりにもイメージとかけ離れていた場合や、想像していたよりも劣悪な環境・雰囲気であった場合、転職先での業務がストレスになり、再度退職や転職を繰り返してしまう原因になるカモしれません。

このようなミスマッチを食い止める有効な手段として、転職シーンでは事前の職場見学が非常に重要なステップだと注目されているのです。

職場見学のチャンスはこうやって作る！

「事前の職場見学が大事、と言われても、どんな手段で見学に行けばいいのか分からないカモ…」という方へ！職場見学を行う手段としては、以下の2つが代表的です。

実際に店舗や薬局へ足を運んでみる

薬局やドラッグストアーの求人であれば、実際に客として店舗へ足を運ぶことが可能でしょう。もちろん「お客として・患者として」行く以上、調剤室までを確認することはできませんが、従業員の働きぶりや雰囲気などを観察する程度であれば可能です。

転職エージェントなどを活用せず、自力で転職活動を行う場合は、このように実際に足を運ぶことで事前チェックを行うことが多い様子。

転職エージェント経由で職場見学のアポイントを取る

転職エージェントでは、事前の職場見学で転職後のミスマッチを予防するサポートが行われているケースが多く見られます。

エージェント経由で応募を行う際には、担当のコンルタントへ「職場見学は可能なのか」を聞いてみましょう。ほとんどの場合は、そのままコンサルタントが見学をセッティングしてくれるはずです。

もしもこの時点で、求人元である企業や病院・薬局に、事前の職場見学をためらう様子がみられた場合は、「見られたくない問題があるのカモ」と注意すべきだと言えるでしょう。

そういう意味では、職場見学を申し出る段階で求人元の質をチェックする事もできるのです。

職場見学のチャンスが！チェックしておくべきポイントは？

職場見学ができるチャンスに恵まれたら、ぜひ以下のポイントをチェックしておきましょう。

従業員・スタッフの人数

実際に現場に出て働いている従業員やスタッフの人数を意識して数えてみてください。その店舗・薬局で捌いている処方箋枚数や取扱科目と見比べて、適度な人数が配置されているでしょうか？

人数が少なすぎる場合、薬剤師一人当たりの負担は大きくなっていることが推測されます。

取り扱われている機材

業務の大変さを推し量るポイントとして、従業員の人数以外にも機材を確認する手段があります。

その店舗・薬局で行われている業務から見て、明らかに十分ではない機材を使用している場合は、やはり薬剤師一人あたりの負担やストレスは過剰になりがちであることが伺えるでしょう。

このように従業員の余裕のない職場では、殺伐として対人トラブルが起こりやすい環境であることも考えられます。実際に現場の様子を確認することで、業務でのストレスと、対人関係や雰囲気によるストレスのリスクをチェックすることができるカモしれません。

従業員が働いている環境

薬剤師は調剤室で長い時間を過ごすことが多く、そのため調剤室の環境の良し悪しが、業務のストレスにつながる可能性が考えられます。

また狭い室内で同じメンバーと一緒に働くので、居合わせる上司や先輩・同僚との相性も非常に重要なチェックポイントとなるでしょう。

実際に働いている調剤室や職場を確認して、就職後のストレスに繋がり兼ねないポイントを探ってみましょう。

• 職場（調剤室）などが狭く、閉塞感がある
• 部屋に窓がなく、雰囲気が暗い・悪い
• 自分と相性の悪そうな上司・先輩がいた

などなど…

従業員同士のコミュニケーション・雰囲気

働いている従業員やスタッフ同士が、どのような会話を行っているのかにも耳を傾けてみましょう。そこには、求人票からはなかなか得ることのできない「職場のリアルな雰囲気」という最重要情報が潜んでいるはず。

また、実際に自分がその輪の中で働いている姿をイメージしてみて、どのような印象を受けるのか…という直感もぜひ大切にしてください。

「設備も綺麗だし、従業員の数も十分だと思うけど、なんとなく居心地の悪さを感じたカモ…」という程度の不快感でも、その『なんとなく』がミスマッチにつながっている可能性は無視できません。

質問を用意しておくことで「コミュ力」の高さをアピールできるカモ！？

職場見学は、雇用される立場である薬剤師の目線から、その職場が好ましいものであるのかをチェックすることを目的に行うもの。

しかし、実際には雇用する職場側も、薬剤師の人となりを観察していることが考えられます。

したがって、職場見学の段階から自己アピールの機会は始まっているカモしれない、ということ！見学時のイメージを良くしておく事が、その後の面接や条件交渉でなんらかのメリットを生む可能性もありえるのです。

もちろん従業員やスタッフの業務を邪魔することは絶対にNGですが、分からない事などを積極的に質問することで、コミュ力の高さをアピールできるカモしれません。

疑問や気になるポイントをまとめた質問をいくつか用意して、抜かりない職場見学に備えてみてはいかがでしょうか。

転職成功を目指すなら、応募時に「職場見学」を申し出て損はない！

ここでお話ししたことをまとめると、以下のポイントが重要です。

薬剤師不足が問題となっている昨今では、引く手数多と言われるほどに薬剤師を求める求人が数多く発生しています。

転職先に困らない状況であることに間違いはないのですが、中には劣悪な環境やブラック薬局なども珍しくありません。

これから転職を始めるのであれば、ぜひ事前の職場見学で転職後のミスマッチを食い止めておきたいところです。

薬剤師求人への応募の際には、ぜひ「職場見学はできますか？」と一言聞くことで、転職を一歩成功へと近づけてみてはいかがでしょうか。