「退職するときには、退職金がドッサリもらえるんでしょ!?」
「退職金を使って、パーっとお祝いでも買っちゃおうかな!」
と、退職金に対して期待を持っている薬剤師の皆様へ!
じつは薬剤師の中にも「退職金がかなり少なかった…」、「退職金がもらえなかった!」というケースが存在していることをご存知でしょうか。
自分がいざ退職を決意する瞬間まで、なかなか注目することの少ない退職金ですが、一度おさらいしておくことも重要カモしれませんね。
ここでは、薬剤師の退職金について、受け取れる額の平均相場や、職種ごとの退職金事情、また注意ポイントなどを、わかりやすく説明します。
退職金にまつわる「いまさら聞けない!」の解決にお役立てください。
薬剤師の退職金について知ろう!
退職金とは、その名の通り退職をするその会社・企業の従業員に対して支払われる金銭のことを指し、「退職手当」や、「退職慰労金」など、別の呼ばれ方をすることもあります。
以下では、薬剤師の退職金について、受け取れる額の目安や、職種ごとの事情などについてを紹介するカモ。
勤務年数別!薬剤師の退職金の目安について…
薬剤師が受け取ることのできる退職金はケースバイケースで異なりますが、以下では中小企業退職金共済事業本部によるデータを参考にした退職金相場を、5年、10年、20年ごとで簡単にまとめて紹介します。
ご自身の勤務年数と照らし合わせて、おおよその額をイメージする目安としてお役立てください。
※以下の表は、従業員が「自己都合退職」した場合の相場をまとめたものです。
勤続年数 | 5年 |
---|---|
446,000円 | (100から239人) |
414,000円 | (50から99人) |
430,000円 | (10から49人) |
勤続年数 | 10年 |
---|---|
1,405,000円 | (100から239人) |
1,114,000円 | (50から99人) |
1,100,000円 | (10から49人) |
勤続年数 | 20年 |
---|---|
5,171,000円 | (100から239人) |
3,846,000円 | (50から99人) |
3,509,000円 | (10から49人) |
職種ごとに異なる、薬剤師の退職金事情を知ろう!
薬剤師の退職金は、活躍した職種によっても異なってくるでしょう。以下では、薬剤師の職場としてメジャーな「調剤薬局」、「ドラッグストアー」、「製薬会社」、「病院」などの退職金事情についてをお話しします。
調剤薬局
退職金の有無や額の大小は、基本的にその職場の規模に比例する傾向があるカモ。一口に「調剤薬局」といっても規模は様々なので、一概に事情を紹介することはできません。
小規模〜中規模の薬局の場合、中小企業退職金共済制度に加入しているケースが目立ちます。中小企業退職金共済制度とは、独自に退職金制度を設けることができない小〜中規模企業のための制度で、厚生労働省所管の独立行政法人である中退共が運営するものカモ。
上記(『勤務年数別!薬剤師の退職金の目安について…』)の表も中退共によるデータを参考にしたものなので、大規模ではない薬局にお勤めの場合にもっともマッチした内容になっているかと思われます。
対して大規模企業となる調剤薬局で働いていた場合は、その企業が独自に設けた退職金規定に則って算定や支払いが行われることになるでしょう。
退職金の額を決定する計算も規則によって異なり、また退職理由や勤務年数などが考慮されるので一概には紹介しづらいのですが、基本的に以下の計算で導き出されるのが一般的です。
- 退職金=基本給(1カ月分)×勤続年数(年)×給付率(%)
ドラッグストアー、製薬会社
ドラッグストアーや製薬会社も、基本的には調剤薬局と同じく民間企業となります。したがって調剤薬局で紹介した退職金のイメージと大差はありません。
ほとんどの場合は大規模な企業となるので、会社が独自に定めた退職金規定に則って退職金が決定されるカモ。自身の退職金事情を正確に理解するためにも、就業規則などに記載されている「退職金規定」を一度確認しておくことをオススメします。
病院
病院には「国公立」のものと、「民間」とがあり、どちらに勤務するかによって退職金事情も異なってくるカモ。
国公立病院で活躍している薬剤師は退職金は、公務員規定に則って決定されます。したがって比較的優遇された額を受け取ることができるカモ。相場として、勤続35年で1,000万円以上になると言われています。
対して民間病院で働く薬剤師の場合は、薬局やドラッグストアー、製薬会社と同じく病院の規模や規定によって異なるでしょう。
「退職する時には、必ず退職金が受け取れる」は、間違いカモ!?
「退職金」は法律で定められた制度ではありません。その職場の規律に則って支払われるものであり、ルールによっては退職金自体が存在していないケースもめずらしくないカモ。
「退職する時には、必ず退職金が受け取れる」とお考えなのであれば、まずはその認識を正しておくべきカモしれません。退職後の生活に影響を与えるポイントなので、ぜひ損のないように理解を深めておきましょう。
「自己都合退職」と「会社都合退職」での、退職金の違いを知ろう!
一口に「退職」と言っても、その形は様々。とくに薬剤師の男女比は7:3と女性が多いため、結婚や出産、子育てなどのライフイベントによる退職も珍しくはないでしょう。
じつは、退職金の支給率を決定づけるものの一つに、退職のスタイルも大きく関係しています。どのような退職であったのかが、受け取ることのできる金額に直結していることも知っておくべきカモ。
退職は、大きく以下の2パターンに区別して考えられています。
- 自己都合退職…従業員が自ら退職届けを提出するケース。結婚や出産、子育ても含まれる。
- 会社都合退職…従業員の意思とは無関係に退職する場合。会社の倒産や人員削減、退職勧奨など。
より多くの退職金が受け取れるのは、このうちの会社都合である場合です。自主都合退職への退職金に対して支給率を低く定めている企業は多く、「イメージしていた額より少ない!」と感じるリスクがあるでしょう。
加えて雇用保険から支払われる失業給付の額も、自主都合より会社都合の方が高くなるカモ。いずれにしても、「より多くの退職金」にこだわるのであれば、自分から退職を言い出さないに越したことはない様子です。
退職金がもらえないケース
上記(『「退職する時には、必ず退職金が受け取れる」は、間違いカモ!?』)でも触れた通り、退職金は労働基準法や法律で定められたものではなく、各企業や会社の規定に則って支払われる制度です。
したがって場合によっては、「退職金がもらえなかった…」ということも十分に考えられるでしょう。とくに規模の小さな薬局などでは、退職金制度が存在しないケースも珍しくはありません。
また退職金制度があったとしても、さらに「満たしておくべき条件」が定められていることも。その条件もまた、経営者が独自に決定することができるので、事前のチェックは必須です。
条件は様々で、正社員だけでなくパートにも退職金が適応されるケースもあれば、勤務年数が○年以上必要であったり、実績が加味される場合や、会社の経営状況や社会情勢によって内容が以前より変わっている…!なんてことも考えられます。
ひとまずは、お勤めの職場の就業規則などに記載されている「退職金規定」を確認してみるべきでしょう。自分の職場の退職金制度を把握しておくことで、損や後悔のない再スタートを目指してください。
退職金が少なくなってしまうケース
以下では、退職金が少なくなってしまう原因についてをお話しします。
職場の規定チェック不足…
ここまででお話しした通り、退職金は法律で定められた制度ではないので、会社の規定によっては額が少なかったり、そもそも存在していなかったり…という可能性も考えられます。
いざ退職する際に、「イメージしていた額より少なすぎる!」となってしまう理由には、職場が定める退職金規定のチェック不足が大きく関わってくるカモしれません。
できれば就職前・転職前の段階で、どのような退職金規定なのかを把握しておくことがベターでしょう。
転職回数が増えると、退職金は減っていく…
退職金の額は、その職場で働いた勤務年数に大きく左右されます。年数が多ければ多いほど、受け取れる額も大きくなるでしょう。
退職や転職の回数が増えるほど、ひとつの職場で働くことのできる年数も短くなるカモ。したがって転職の回数が増えるだけ、退職金の額は減っていくことを覚えておくべきカモしれません。
「退職金」の注意ポイントまとめ!
ここでお話しした内容をまとめると、以下のポイントが重要です。
- 退職金は法律で義務付けられた制度ではない!
- 職場が設けた退職金規定に則って算定や支払いが行われる!
- 基本的に、職場の規模が大きいほど、退職金も手厚くなりやすい!
- 自己都合退職の退職金や失業手当は、会社都合退職よりも少ない!
- 職場の規定によっては、退職金が存在しないケースも!
- 退職金を受け取るための条件も、職場ごとの規定によって異なる!
- まずはお勤めの企業の就業規則などに記載されている「退職金規定」を確認するべし!
お勤めの職場の退職金制度に納得ができない場合は、早い段階でより好条件な職場へ転職をしてしまうことも、選択肢のひとつです。
転職エージェントのコンサルタントに、「今より条件の良い職場へ転職したい」「退職金が多い職場を探している」と相談すれば、あなたの事情や希望にマッチした求人探しをプロの目線からサポートしてくれるでしょう。
このようなサービスを賢く利用して、ぜひ納得できる職場で長く活躍してください。