薬剤師の退職・転職理由として大変多いのが『対人関係でのストレス』。その中には、職場でのいじめも含まれています。とくに薬剤師は男女比で見た時に女性の多い職業なので、陰湿なトラブルに見舞われるケースも珍しくはありません。同僚・上司はもちろん、時には他職種の方から不当な扱いを受けることも…！
ここでは、そんな薬剤師をとりまくいじめ問題について、いじめのパターンや対処法、さらにはいじめの多い職場・少ない職場を見分けるハウツーなどを紹介します。ストレスなく薬剤師としての活躍を続けるための参考にご覧ください。
薬剤師の男女比は3:7で女性多し！
現在進行形で薬剤師として活躍している方は体感的にご存知でしょうが、薬剤師は非常に女性の多い職業です。厚生労働省によるデータでは、なんと約70%が女性であるとのこと…。もちろん男性薬剤師の存在も珍しくはありませんし、その数は年々増加しているとも言われているのですが、それでもまだ従業員のほとんどが女性である職場は大変よく見られます。
女性の多い職種は対人トラブルが起こりやすいカモ！
女性の多い職場でイメージされる雰囲気といえば、ネチネチとした陰湿な人間関係。『女の敵は女』という言葉が示す通り、女性が集うシーンではギスギスした対人トラブルが頻発します。これは薬剤師に限ったことではありませんので、女として生きてきた成人女性であればその雰囲気を経験からご存知なのではないでしょうか。
アメリカ心理学協会の調査結果によると、女性は男性よりも同性同士で協力することが不得意である事が分かっています。もちろん全ての職場に当てはまるわけではありませんが、女性が多くなればなるほど、その職場でのいじめリスクも高くなる傾向にあるでしょう。逆に男性従業員のいる職場への転職で、いじめや女性同士のしがらみから解放されたというケースもある様子です。
薬剤師が知っておきたい！職場いじめの3パターン
「いじめなんて、小学生や中高生がすることなんじゃない…？」とお考えの方へ！
たしかに、いい大人がいじめをするなんて考え難いカモしれません。ところが…。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が行ったアンケート調査によると、約80%もの産業カウンセラーが「これまで『職場いじめ』の事例を経験した事がある」と答えたのだそうです。これは薬剤師に限ったデータではありませんが、女性が多く対人トラブルの起こりやすい環境がある上に、調剤室などの狭い空間で互いのヘイトを溜めながら活躍する薬剤師ともなれば、これ以上の割合で職場いじめが発生する可能性も考えられるでしょう。
「職場いじめなんて、私には無関係カモ」と甘く見ていると、痛い目にあってしまうリスクも十分にあり得るのです。自分自身の身と心を守るためにも、ぜひ起こりがちないじめのパターンを知っておいてください。
右も左もわからないことだらけの新人は、作業の手際が悪かったり、ミスが頻発したり…と、ベテラン薬剤師をイラッとさせることも起こり得ます。根気よく教育や指導を施してくれる雰囲気があれば幸運ですが、そうでなければ、次第に上司や先輩からいじめの標的にされてしまうケースもあるでしょう。
また、ここでの新参者には、新卒薬剤師はもちろん、転職で入社した中途薬剤師の方も含まれます。薬剤師としての業務経験があったとしても、その職場で新参者である限りは狙われやすいリスクを孕んでいることを覚えておくべきカモしれません。
薬剤師のいじめは、薬剤師同士だけで起こるものではありません。もちろん全てのケースに当てはまるわけでは無いのですが、病院薬剤師や治験に関わるお仕事などでは、医師や看護師によるいじめを受けたり、力関係が下になってしまったり…といった、他職種によるいじめが存在している様子です。
薬剤師としての資質はもちろん、対人関係なのでコミュニケーション能力や、要領の良し悪し、仕事へ取り組む態度など、薬剤師本人の能力やスキルが原因でいじめが起こる可能性も考えられます。この場合は自分に原因があるので、たとえ転職で職場を変えたとしても問題が改善されることはありません。「どんな環境に移っても、いつも嫌われてしまう…」とお悩みであれば、職場の原因を探すのではなく、一度自分自身の問題点を振り返ってみてはいかがでしょうか。
不当な扱いはあるのか？対処法は？
薬剤師が不当な扱いを受けた時、どの様な行動に出るべきなのでしょうか。以下では、女性の多い薬剤師の職場で起こりがちな『不当な扱い』についてと、その対処法についてをお話しします。
人間関係のストレスは「いじめ」だけではない
もちろん子ども同士のいじめではありませんので、その内容も暴力や無視などの様に分かりやすいものばかりではありません。またお互いの立場や置かれる状況も複雑化している大人同士ともなれば、人間関係に生じるストレスや対処法も難しくなってくるでしょう。以下では、女性の多い薬剤師の現場だからこそ起こりうる代表的な『不当な扱い』についてお話しします。
パワハラ
パワハラとは、仕事上の立場を利用した行き過ぎた叱責や、いじめ行為などのこと。上司や経営者から激しく怒鳴りつけられたり、無視されたり、不当な理由での解雇や降格をされたり…などが該当します。たとえば病院薬剤師であれば、医師や看護師など他職種によるいじめも多いのだそう。また個人経営の調剤薬局などでは、ワンマン経営によるパワハラで厳しい業務内容を要求されるリスクもある様子。
相手は自分よりも仕事上の立場が上であるため、被害を受けてもどう対処して良いのか頭を抱えてしまう薬剤師も珍しくありません。
マタハラ
上記でも触れたとおり、薬剤師は女性の多い職業です。出産や育児によってワークライフバランスが乱れる時期も生じやすく、そんな時には家族や職場からの協力・理解が不可欠となるでしょう。ところが、産休や育休で長期の休みを取る事や、子ども関係の行事やトラブルで早退や休みが必要となった際に、理解を示すどころかバッシングやいじめ・不当な扱いなどで、ママ薬剤師を追い詰めてしまう職場も珍しくありません。
対処方法について…
職場いじめやパワハラ、セクハラなどにあった場合、薬剤師本人はどのように対処するべきなのでしょうか。
まずは、職場の誰かに相談してみて！
いじめやパワハラ、マタハラなどに見舞われた際には、一人で抱え込まず職場の誰かに相談することからはじめてみましょう。相談相手は上司がベター。少しハードルを下げて同僚へ話してみてもいいでしょう。周囲の誰かにいじめの存在を知ってもらい、理解を求めることが改善への第一歩になるカモしれません。
もっとも避けるべきなのは、問題を我慢してしまうことや、いじめを受けた本人が個人的に仕返しをしてしまう事です。職場には職場環境配慮義務があり、相談を受けた上司や会社には従業員が働きやすい環境を整える義務が存在しています。ぜひ悩みを抱え込まず、誰かに相談してみてはいかがでしょうか。
頻繁に求人を出している職場には要注意！
これは対処法ではなく予防法ですが、長期にわたって薬剤師の求人案件を収集していると、しばしば「あれ、ここは以前も募集していなかった？」という案件にであう事があります。つまり記憶に残るほど短期間のうちに、薬剤師が退職してしまったという事ですね。
薬剤師が辞めてしまう理由には様々なものがありますが、その代表的なものとして対人トラブルが考えられます。したがって頻繁に求人を出しているという事は、その職場にいじめのリスクが潜んでいるという事！特定の誰かをいじめようとする雰囲気があったり、気難しいお局様がいたり…という可能性が考えられるでしょう。応募前に職場の雰囲気や評判をチェックしておく事をオススメします。
転職する事も対処法のひとつカモ！
職場いじめに苦しめられているのであれば、原因となる職場を離れ、転職してしまうことも有効な選択肢です。個人の工夫や努力で改善できるものではないいじめを回避するための退職や転職は、決して逃げではありません。自分の体や心を守るための正当な手段だと言えるでしょう。
まずは相談！転職も視野に、問題解決を目指してください
いかがでしょうか？ここでお話ししたことをまとめると、以下のポイントが重要です。
- 薬剤師の男女比は3:7で女性が多い
- 女性の多い職場では、いじめのリスクが高くなりがち
- 新参者（新卒薬剤師・中途薬剤師）は、いじめの対象になりやすい
- 医師や看護師と関わる職場では、他職種からのいじめに悩むケースも
- 「どこに行ってもいじめられる」のであれば、原因は自分にあるのカモ
- 薬剤師は、パワハラやマタハラなどによる不当な扱いをうけることも
- いじめ、パワハラ、マタハラに見舞われたら、職場の誰かに相談をしよう
- 頻繁に求人が発生している職場では、いじめが起こっている可能性が考えられる
- いじめから自分を守る正当な手段として、転職も有効な選択肢
いじめへの対処として転職をスタートさせるのであれば、薬剤師の転職シーンに詳しい転職支援サイトの活用がオススメ。転職支援サイトで薬剤師へのサポートを行う専任のコンサルタントは、求人を出す職場の内部情報を握っているケースも多く、求人票には記載されていない職場の雰囲気や、いじめの有無などの情報を入手することが可能になります。ストレスのない再スタートを目指すツールとして、ぜひこのようなサービスをかしこく利用してみてはいかがでしょうか。
↓その職場だけが全てじゃない鬱になる前に行動を↓
https://shifit.co.jp/tenshokukamo/yakuzaishi/base/depression.html
