「都会で自分の力を試したい!」
「地方でのびのびと働きたい!」
保育士を目指して勉強していたころ、きっと「働く地域」についても、将来のイメージを膨らませていたことでしょう。
保育士は「国家資格」ですから、一度取得すると47都道府県どこでも保育士として働くことができます。結婚や出産を機に保育士を辞め、家族と新しい土地にい引っ越したとしても、そこでいつでも保育士として保育現場に復帰することができます。
保育園もまた、全国各地にあります。しかし、同じ「保育園」なのに、都会の保育園と地方の保育園では、園を取り巻く環境や抱えている課題が大きく異なるのです。保育園の性格が大きく異なれば、都会と地方では求める人材もまた大きく異なります。
都会の保育園と地方の保育園では、どのような違いがあるのでしょうか。また、どのような保育士と相性がいいのでしょうか。今回は、都会と地方の保育園の特徴を見比べながら、求められる保育士像をご紹介します。
都会の保育園と地方の保育園の違いとは?
保育環境を取り巻く社会問題として、「待機児童」という言葉をニュースなどで耳にします。子どもの数に対して、預けられる保育園の数が少ないことで起こるこの問題は、都会の保育園で多く見られる傾向があります。
都会の場合
都会では、常に定員ギリギリで受け入れ続ける園がほとんどです。一時預かりなどを行っている園では、一時的に定員を超える子どもたちを預かるケースも少なくありません。欠員が出ると、すぐに待機していた子どもが入園するため、環境が目まぐるしく変わることもあります。
地方の場合
逆に地方では、少子高齢化の問題と直面している地域も見られるため、待機児童は起こりにくい傾向があります。定員ギリギリとなることは少なく、ゆとりをもった環境となることが多く、子どもたちや保護者との関係性をじっくりと構築できます。
園と地域が結び付きやすいのは、地方の保育園の特徴です。園の行事などでは地域の方が参加したり、協力してくれたりすることもあります。人間関係が密接になりやすい一方で、あらゆる情報や噂話が筒抜けになることもあります。
逆に都会では園と地域が結び付きにくい傾向があります。地域とのつながりがサバサバとしているため、園の外を気遣う労力が減らすことができます。
多くの保育士が気になる給料の面ですが、基本的に都会の方が全国平均より高く、地方は全国平均より低い傾向があります。都会の方が、生活するためにかかる物価が高いこともあり、給料も多めに設定されているようです。
都会では大企業などが、その企業の内部に従業員用の保育所を設置していることもあります。そこでは、「大企業の職員」という待遇で働くことができます。産休や育休はもちろん、有給など充実した福利厚生を受けられることもできるでしょう。
「転職」という視点ではどんな違いがあるの?
都会では保育園の数そのものが多いこともあり、慢性的に保育士が不足しています。転職を考えた場合、自分が希望する条件で探すと、いくつかの候補から選べるケースも珍しくありません。逆にいうと、それだけ多くの選択肢から探さなければなりません。
何も考えずに保育園を選び始めると、情報量に圧倒されてしまい、どの園に応募したらいいか迷ってしまうことがあります。つまり都会の保育園への転職では、多くの保育園のなかから自分が希望する条件に合った保育園を「探し出して選ぶ力」が重要になります。
地方で転職をするメリット・デメリット
一方で保育園の数が少ない地方では、慌ただしい都会の保育園とは異なり、時間的なゆとりを持ちやすいメリットがあります。そのため、プライベートに時間をつかったり、ワークライフバランスがとれた働き方をしやすくなります。
しかし都会と比べると、求人数が思っている以上に少なく感じます。そのぶん、いま住んでいる場所の近くで探しているのであれば、募集に関する情報も得られやすいものです。転職を考えている場所が遠方の場合、募集に関するタイムリーな情報が入りにくいことが少なくありません。
情報を入手するためには、ハローワークなどを活用する方法があります。また地方の保育園では、知り合いに紹介してもらう方法も効果的です。つまり、地方の保育園への転職では、数少ない求人情報に対して「常にアンテナを張る力」が重要になります。
都会の保育園に向いている保育士とは
都会の保育園は保育に関する新しい情報が入りやすいこともあり、最新の保育を学びながらキャリアを築きたい保育士に向いています。法令の改正などにも敏感であり、常に意識を高く持って保育技術の向上に努めることができます。
園の動き
園の動きとしては、新しい保育を取り入れ、同時に目まぐるしさに対応するため、園全体がシステマティックな動きをするところが多くあります。そのため都会の保育園では、分業化された職務を的確に進める力が求められます。
給与面
またお金を多く稼ぎたいと考えている保育士にも向いています。残業や休日出勤の量、通勤時間や距離、受けられる福利厚生など、希望する条件に合う園を選べるメリットもあります。
少し消極的な考え方ですが、園外での人付き合いを重視したくない保育士も、地域との結びつきが少ない都会の保育園が向いています。あらぬ噂話を立てられて、モチベーションが下がるのが嫌であれば、人付き合いの薄い都会を選択するのもいいでしょう。
地方の保育園に向いている保育士とは
地方の保育園は子どもの定員的にも、働く時間的にもゆとりを持ちやすいこともあり、豊かな人間関係のなかでキャリアを築きたい保育士に向いています。地域とのつながりも多く、心にゆとりを持ちながら、子どもたちや保護者と向き合う時間を重視することができます。
園の動き
園の動きとしては、少ない人数で日々の保育や行事などを回していくところが多くあります。そのため、地方の保育園では、自分に与えられた仕事だけを進めるのではなく、それ以外の仕事にも積極的に携わる力が求められます。
時間の確保
自分の時間を大切にしたい保育士にも向いています。家庭や子育てとの両立のための時間を確保しやすく、深い人間関係のなかで協力し合うことも難しくないでしょう。
少し消極的な考え方ですが、ピリピリとした職場の空気やシステマティックな保育が苦手な保育士は、地方の保育園が向いています。上司や同僚も、業務に忙殺されていることが少ないため、冗談を言い合えるような柔らかい職場の空気で働ける園もあります。
自分の目指す保育士のビジョンを意識して、地域を決めよう
ひとくくりに保育園といっても、都会と地方ではその特徴が大きく異なります。それぞれの特徴を見比べていくと、メリットだと感じることもあれば、デメリットだと感じることもあるはずです。
都会がいいのか、地方がいいのか、もし転職先を迷っている人がいたら「自分が目指す保育士像」を見つめ直してみましょう。よりイメージに近い方があなたに合っている可能性が高いといえます。
「自分が目指す保育士像」をうまくイメージできず、どちらがいいのか悩んでいるなら、一人で抱え込まずに、保育士転職エージェントに登録して悩みを打ち明けてみましょう。相談を通して、あなたに合っている地域がハッキリと見えてくるはずです。
また多くの転職を手掛けてきた保育士転職エージェントは、あなたが希望する条件に合った保育園を紹介してくれます。あなたに合っている地域への転職を決めて、保育士としてさらに大きく成長してみませんか?