介護老人保健施設というサービス事業所、「老健」というと分かりやすい人が多いでしょうか。介護業界に就業していると一度は聞く施設の名前だと思います。
病院と自宅を繋げる中間的な役割をしているこの施設での介護職の役割、仕事内容などを説明しましょう。
老人保健施設ならでは、医療やリハビリに関われる仕事
老人保健施設には、病院から退院してきた利用者や自宅で調子が悪くなってADLレベルが落ちた利用者が沢山。自宅に帰る準備をする前の施設なので、医療処置やリハビリが必要な利用者が主です。
在宅復帰を目指す施設のため、入所期間は短くて3か月、長くて1年です。この間自宅の環境に合わせ介護を行っていきます。周囲には看護師や理学療法士がいる職場の為、生活介護の他にもリハビリや医療処置の補助などにも関われます。生活動作に関わるリハビリも介護職に任されることもあるので、普通の生活支援をする施設では学ぶことがあまりない内容の仕事が出来たりします。
もちろん介護職員の基本の生活支援・身体介護も行いますが、介護度が重度な利用者から、軽度の利用者もいるので、様々な利用者と関わることが出来ます。
就業時間は24時間、交代勤務
入所施設のため、日勤・夜勤に仕事は分かれます。正社員ですと、日勤・夜勤が両方出来ることが条件になることが多いです。夜勤では一人で何人もの利用者の対応をしなければいけないので、心理的負担(急変の時の不安)や肉体的負担(実質休憩時間がしっかりとれない)が日勤より多く感じます。
しかし、老人保健施設の夜勤は看護師が必ず配置と決まっています。その分の介護職の心理的な負担が軽減され、何かあったときも看護師の適切なアドバイスを受けられるという面から他の施設よりは介護職の安心感がありますね。
あまり大勢の利用者の対応に慣れていないんだけど…という方には
老人保健施設というと、利用者が大勢いるイメージではないでしょうか。100床を超える規模の施設が多く、対応が大変そう、と思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、最近は老人保健施設のユニット化、サテライト型小規模老人保健施設が出始め、1つの施設の中でも規模を小さくして利用者と多く関わる時間が持てるように、と工夫されている施設が増えてきています。大勢の対応には慣れていないけれど、医療も学んでみたいという人は、老人保健施設でもユニット化している施設や、サテライト型の施設を探すといいですね。
施設=「終の棲家」というイメージの強い高齢者施設で、「自宅に復帰する」を目指す施設は、現在多くはありません。病状が悪化して老人保健施設に入所した利用者さんが、元気になり自宅に帰る。その時の利用者の「喜び」「嬉しさ」を目の当たりにできるこの施設は、介護職冥利につきますね。