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ショートステイは高齢者のための施設?家族のための施設?

ショートステイ

ショートステイというと、「家族が休憩・旅行の為に高齢者を一時的に預ける」という、家族にとってのメリットが大きいイメージです。自宅で24時間介護をするのは、介護者である家族にとって負担が大きいです。ですが、介護者が少しの休憩をとることによって、高齢者が住み慣れた自宅で一日も長く暮らしていけるという、巡って高齢者の生活に還元できる施設です。

入所するわけでもなく、毎日通うわけでもなく、時々泊まる施設。ホテルの代わりみたいな施設だけど、このショートステイではただ家族の替わりを担うだけ?

家族の替わりを担うだけというと、簡単な仕事に聞こえるかもしれませんが、実はこの仕事とても難しくて大変です。詳しく説明しましょう。

介護の基本方法は家族にあります

入所施設ですと、歩行が難しいと転倒のリスクを回避するために歩行器や車いすの使用を検討すると思います。これはあくまで、廊下も居室も広い、様々な所に手すりもある施設で入所しているから行えることなのです。
自宅はどうでしょうか。皆さんの自宅は車いすが通る程廊下は広いでしょうか。トイレの扉の向きはどうでしょうか。玄関の上りかまちはありますか?ベッドはありますか?柵は備えてありますか?たぶん殆どの自宅では自分で行う前提で作ってありますので、上記のことは考えて作られていません。この自宅の状況で家族が高齢者を介護するわけですから、歩けなくなったら自宅での生活は難しくなる、トイレに行けなくなったら困るという家族が沢山います。

ですので、ショートステイに来たときでも、自宅と同様の介護方法を行わなければいけません。「歩くときは手引き歩行をして下さい」「トイレが頻回ですが必ずトイレでお願いします」「時間がかかっても食事はできる限り自分でさせて下さい」と様々な要望が家族からでます。沢山の家族の要望が詰まった利用者が何人もいるのですから、仕事量は必然的に多くなります。

高齢者は日々行っていたことを数日行わないだけで一気に出来なくなります。毎日元気に歩いていた高齢者が骨折で入院して数日で寝たきりになった、なんて話を聞いたことがあると思います。これと同様、日々自宅で行っていることはしっかりとショートステイでも行わなければ、ショートステイから帰ってきたらADLレベルが一気に下がったなんてクレームにも繋がり兼ねません。
利用者本人への対応はもちろんですが、送り迎え時に家族の対応も行うので、身体介護スキルはもちろんのこと、対応力も試される現場になります。

自宅の生活が基準になるから、施設に来たときでもその生活を基本にしなきゃいけないカモ。でも施設職員の努力で、高齢者が長く自宅での生活を続けられるのだったら、やりがいのある仕事カモ

勤務体制はどんな風になっているの?

実際ショートステイ単体の施設はあまり多くありません。特別養護老人ホームや老人保健施設(こちらは短期入所療養介護です)に併設されている所が多くあります。
併設型ですと特養や老健のように3交代、4交代の所もありますが、小規模で単体のショートステイですと日勤と夜勤だけの2交代の場所もあります。
ショートステイは「泊まる施設」ですので、夜勤は必須ですね。

特養や老健だと、ショートステイ用の部屋があって入所している利用者と一緒に介護する所もあるから、ショートステイ専門の職員をおかない所もあるカモ。どうしてもショートステイ専門がいいという人は、単独型を探すのが一番カモ

介護をマンネリ化したくない人にお勧め

ショートステイは長い期間でも30日までです。短い利用者は1泊の方もいます。ですので、利用者の入れ替わりがとても激しい所になります。中には常連さんのように1か月のうち半分を毎月という利用者もいますが、大半は日々何人かが入れ替わっていきますので、毎日同じ利用者に同じ介護を提供するというマンネリ化はしなくなくなります。ですが、入れ替わりが多い所が苦手な人には難しい職場ですね。

同じ利用者を続けて介護したい人もいれば、沢山の利用者と関わりたい人もいるカモ。入れ替わりのある施設はデイケアやデイサービスのように昼間だけの所ばかりだから、夜勤もあってしっかり働きたい人には、ショートステイはお勧めカモ

家族と一緒に、自宅での高齢者の生活を支えていく仕事です。
ショートステイは知れば知るほど奥の深い仕事です。この仕事を「大変そう」と思うか、「面白そう」と思うかは人それぞれだと思います。自宅で行う介護方法を家族から聞いて、「こんな方法があったのか!」と学ぶこともあります。
家族も私たちと一緒の「高齢者の生活を支える介護者」です。この介護の担い手を「24時間介護」で潰すのではなく、負担を分け合い、高齢者がより長く自宅での生活を続けていけるように利用者のみならず、家族のお手伝いが出来る施設です。